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EP01「女魔術師、奴隷を買う」
SCENE-014 >> ものぐさの希望的観測
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焼きリンゴをスライスしたやつを買い置きのパンに挟んで食べ終わってから、わりと不健康寄りの細さをしている私と同じような食事量では、見るからに戦士然とした体つきのラルにはちょっとどころでなく物足りなかったのではないかと思い至って。
魔法鞄から引っ張り出した小袋一杯の干し肉を、とりあえずラルへと押しつけておく。
「お腹が空いたらそれでも囓ってて。明日からはもうちょっと考えるから」
「同じものでいい」
「今日はラルがいるからちゃんと食べてるけど、私一人だと朝も昼も食べないで夜だけの日とか、わりとあるわよ」
それでもいいの? と、頷かれても困るような私の質問に、さすがのラルも二つ返事で頷くようなことはしなかった。
「それは、よくない」
どちらかというと、自分が食いっぱぐれてひもじい思いをすることよりも、私の健康を純粋に心配されているような気がしないでもない。
私に対していっそ失礼なくらい真剣なラルの顔つきには気付かなかったふりをして、「そうでしょう」ともっともらしく頷いておく。
「私もお腹が空かないわけじゃないんだけど、一人だと用意するのも面倒臭くてまあいっか、で済ませちゃうのよね」
そんな私にも、管理責任のある奴隷を飢えさせるのはかわいそうだな、と思えるくらいの良心と責任感はあるので。この先、ラルがいてくれる限りは今までよりまともな食生活が送れるはずだ。
魔法鞄から引っ張り出した小袋一杯の干し肉を、とりあえずラルへと押しつけておく。
「お腹が空いたらそれでも囓ってて。明日からはもうちょっと考えるから」
「同じものでいい」
「今日はラルがいるからちゃんと食べてるけど、私一人だと朝も昼も食べないで夜だけの日とか、わりとあるわよ」
それでもいいの? と、頷かれても困るような私の質問に、さすがのラルも二つ返事で頷くようなことはしなかった。
「それは、よくない」
どちらかというと、自分が食いっぱぐれてひもじい思いをすることよりも、私の健康を純粋に心配されているような気がしないでもない。
私に対していっそ失礼なくらい真剣なラルの顔つきには気付かなかったふりをして、「そうでしょう」ともっともらしく頷いておく。
「私もお腹が空かないわけじゃないんだけど、一人だと用意するのも面倒臭くてまあいっか、で済ませちゃうのよね」
そんな私にも、管理責任のある奴隷を飢えさせるのはかわいそうだな、と思えるくらいの良心と責任感はあるので。この先、ラルがいてくれる限りは今までよりまともな食生活が送れるはずだ。
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