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魔法少女にはなれなかった

チャンスは降ってこないので、捕まえた

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 魔法少女モノの第一話。
 その冒頭。

 無邪気でかわいらしい女の子ならきっと、困っている妖精か何かと出会い、助けてあげる。
 そんな場面で私が見つけたのは傷付き、弱り果てた化け物・・・で。

「助けてあげましょうか」
 私が差し伸べた救いの手は、確かにその化け物を助けはしたけれど。無償の愛には程遠い、我欲と打算にまみれていた。



「その代わり、あなたは私のものになるのよ」
 魔法少女につきもののマスコットキャラクターなんて、可愛らしいものじゃない。
 私が助けて、捕まえたそれ・・は、どこからどう見ても、人を誑かし破滅させる悪魔の類いだった。

 魔法少女になることを諦めてしまった私には、お似合いの。
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