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第13話
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空気を読むことは貴族にとって重要な能力。
だって偉い人の不興を買ったら大変なことになってしまうから。
空気を読んだ貴族たちは誰もアシューたちのことをパーティーに招待していないみたい。
社交の場から弾かれたのはアシューが無作法なことを大勢の前で披露したのだから当然だと思う。
それにエナの言葉遣いも酷かった。
あれでは平民だと蔑まれるのも当然だし、そのような相手を婚約者に選んだアシューの常識を疑われても当然。
常識が無いなら問題を起こすだろうし、そのアシューがインガーロ男爵の爵位を継ぐなら将来性も無いということ。
親交を深める理由なんて無いじゃない。
でもあのアシューのことだから、現実を受け入れずに都合良く曲解して大問題を起こすかもしれない。
そう考えたことがいけなかったのか、使用人からアシューが来訪したことを告げられた。
「事前に連絡も無いなんてアシューらしいけど、常識が無い人には関わるべきではないわね……」
放置したところで問題が解決するとは思えなかったし、仕方なく対応することにした。
もちろん歓迎はしない。
* * * * * * * * * *
待たせていたアシューは明らかに不機嫌だった。
用件は想像できる。
「先触れも無しに押しかけてくるなんて、さすがに無作法ね」
「それが挨拶か?ルビアだって相当なものだろう?」
礼儀もなければ敬意も常識も無い。
喧嘩を売られたなら買うしかない。
「文句を言いに来たの?」
「ああ、そうだとも。俺たちに嫉妬するのはやめてくれないか?」
「嫉妬?どうして嫉妬なんかしなければならないの?」
「俺に愛される資格があるのはエナだけだからだ」
………意味がわからない。
「嫉妬なんかしていないわ。それよりも用件は済んだの?用が済んだら帰って」
「いや、まだだ。他の貴族に根回しして嫌がらせさせているだろう?そんなみっともない真似するな。レクーナ男爵家の評価が下がるだけだ」
「評価が下がっているのはアシューであってインガーロ男爵家でしょう?私は問題視されるようなことはしていないわ。言いがかりはやめて」
「くっ、さすがルビアだ。相変わらず酷いな」
「まあ、随分なお言葉ね」
とにかくアシューは妄想で私を悪者にして責任転嫁しているのだろう。
どういった結果になろうとも文句は言わない契約だったはずなのに、インガーロ男爵は何をしているの?
アシューが独断で抗議していると言われても許さない。
アシューが勝手なことをしないことも含めての契約なのに。
「嫌がらせはやめろ。それが全てだ」
「嫌がらせなんてしていないのに…。でもわかったわ。アシューが抗議したことは真摯に受け止めるわ」
「ふん、それで改善すればいいんだがな」
改善するのはインガーロ男爵のほう。
契約を守らないインガーロ男爵には抗議しないと。
契約を守らないアシューのことも広めてあげないとね。
これは嫌がらせではなくて契約で認められていることだもの。
それに後から文句を言ってきたアシューのほうが間違い。
ここまで失態を重ねたのだから、いよいよアシューも終わりかもね。
「用件は以上だ」
そう言ってアシューは勝手に帰っていった。
長引かなくて良かったと思う。
でもこれで次にすることは決まった。
お父様に報告してインガーロ男爵に責任を追及しないとね。
アシューのせいでインガーロ男爵も大変なことになりそう。
「そうだ、いいことを閃いたわ」
せっかくアシューが勝手に押しかけてきたのだから利用してあげる。
余計なことをしなければエナと一緒にいられたかもしれないのに。
二人の愛が本物なのか確認させてあげる。
だって偉い人の不興を買ったら大変なことになってしまうから。
空気を読んだ貴族たちは誰もアシューたちのことをパーティーに招待していないみたい。
社交の場から弾かれたのはアシューが無作法なことを大勢の前で披露したのだから当然だと思う。
それにエナの言葉遣いも酷かった。
あれでは平民だと蔑まれるのも当然だし、そのような相手を婚約者に選んだアシューの常識を疑われても当然。
常識が無いなら問題を起こすだろうし、そのアシューがインガーロ男爵の爵位を継ぐなら将来性も無いということ。
親交を深める理由なんて無いじゃない。
でもあのアシューのことだから、現実を受け入れずに都合良く曲解して大問題を起こすかもしれない。
そう考えたことがいけなかったのか、使用人からアシューが来訪したことを告げられた。
「事前に連絡も無いなんてアシューらしいけど、常識が無い人には関わるべきではないわね……」
放置したところで問題が解決するとは思えなかったし、仕方なく対応することにした。
もちろん歓迎はしない。
* * * * * * * * * *
待たせていたアシューは明らかに不機嫌だった。
用件は想像できる。
「先触れも無しに押しかけてくるなんて、さすがに無作法ね」
「それが挨拶か?ルビアだって相当なものだろう?」
礼儀もなければ敬意も常識も無い。
喧嘩を売られたなら買うしかない。
「文句を言いに来たの?」
「ああ、そうだとも。俺たちに嫉妬するのはやめてくれないか?」
「嫉妬?どうして嫉妬なんかしなければならないの?」
「俺に愛される資格があるのはエナだけだからだ」
………意味がわからない。
「嫉妬なんかしていないわ。それよりも用件は済んだの?用が済んだら帰って」
「いや、まだだ。他の貴族に根回しして嫌がらせさせているだろう?そんなみっともない真似するな。レクーナ男爵家の評価が下がるだけだ」
「評価が下がっているのはアシューであってインガーロ男爵家でしょう?私は問題視されるようなことはしていないわ。言いがかりはやめて」
「くっ、さすがルビアだ。相変わらず酷いな」
「まあ、随分なお言葉ね」
とにかくアシューは妄想で私を悪者にして責任転嫁しているのだろう。
どういった結果になろうとも文句は言わない契約だったはずなのに、インガーロ男爵は何をしているの?
アシューが独断で抗議していると言われても許さない。
アシューが勝手なことをしないことも含めての契約なのに。
「嫌がらせはやめろ。それが全てだ」
「嫌がらせなんてしていないのに…。でもわかったわ。アシューが抗議したことは真摯に受け止めるわ」
「ふん、それで改善すればいいんだがな」
改善するのはインガーロ男爵のほう。
契約を守らないインガーロ男爵には抗議しないと。
契約を守らないアシューのことも広めてあげないとね。
これは嫌がらせではなくて契約で認められていることだもの。
それに後から文句を言ってきたアシューのほうが間違い。
ここまで失態を重ねたのだから、いよいよアシューも終わりかもね。
「用件は以上だ」
そう言ってアシューは勝手に帰っていった。
長引かなくて良かったと思う。
でもこれで次にすることは決まった。
お父様に報告してインガーロ男爵に責任を追及しないとね。
アシューのせいでインガーロ男爵も大変なことになりそう。
「そうだ、いいことを閃いたわ」
せっかくアシューが勝手に押しかけてきたのだから利用してあげる。
余計なことをしなければエナと一緒にいられたかもしれないのに。
二人の愛が本物なのか確認させてあげる。
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