19 / 20
日常
トオルの料理
しおりを挟む
「料理がしたい…ですか?」
ルードが驚きを隠そうともせず俺の言葉を繰り返す。
それに頷きを返し、俺ももう一度告げた。
「そう。子どもたちも付きっ切りじゃなくなったし…今は式典の準備で王様もアイザックも忙しいし…差し入れが出来たらなって思うんだ。」
イメージとしては弁当のような形で差し入れたいところだ。
「ちなみに、何を作る予定ですか。」
「鳥の唐揚げかな。俺も揚げ物食べたいし、男の弁当って言ったら定番の料理なんだ。」
「トールの故郷の料理ですか。」
ジューシーな唐揚げ…こちらに来て以来食べていないため、食べたいという欲がすごい。
残念ながら醤油のようなものは存在していないため塩から揚げになるが、とにかく揚げ物が食べたいし、食べさせてあげたい。こちらの料理も美味しいのだが、肉は基本的に生か焼くかスープの具として煮るかといったところだ。
「王についてはお一人分を執務室にお持ちしても良いですが、隊長に差し入れとなると隊全体に持っていく形になりますよ。大丈夫ですか?」
「みんなにもお世話になってるし、ルードやターナーは俺の付き添いもしてくれてて迷惑かけてるだろ。日頃の感謝ってことで…迷惑じゃなかったらだけど。」
「…ありがとうございます。では私も手伝いましょう。買い出しを頼んできますので、材料を教えてください。」
ルードに材料を伝えると、どうやら城内で調達できるようで厨房に話しを付けに行ってくれた。
所謂おやつの時間には厨房は使用しないとのことで、厨房の皆さんも下拵えを手伝ってくれることになり、こちらとしてはありがたいばかりだ。
なにせ、この世界では鶏肉は丸々1羽の状態から捌かなければならない。
市場ではそもそも生きている状態で売られているし、日本のスーパーとの違いに愕然とした記憶は新しい。
一人暮らしでそこそこ自炊していたといっても、鶏を捌く技術はない。というか必要なかった。
…時間短縮のためにからあげ用にカットされた肉を買っていたくらいだし。
手伝ってもらえるなら楽に終わりそう。
なんて、考えていた俺が馬鹿でした。
厨房に入って見たのは鶏肉の山。
本当に山。
丸鶏が数十羽積まれていた。
「え。何この量…?」
「補助食とはいえ、一人1羽は軽く食べますよ。なのでこの量に。」
おやつに…一人1羽…胃袋の基準が違う。
とてつもない重労働になりそうな予感しかしないが、やるといったからにはやる。
とりあえず、正直調理場を見渡しても何が調理器具で何がそうでないのかの判断も難しいため、調理の手順を厨房の人に伝えて道具の準備をお願いした。
素人が下手にプロの現場を触っていいことはないからね。お願いするに限る。
そして目の前に置かれたプール。いや、本当にプール。
子供用のビニールプールサイズの金盥が厨房の端に出現した。
どうやら常日頃から調味料の合わせや肉の下処理などに使うのはこのプールらしい。
つまり、俺はこのビニールプールに塩から揚げの調味液を作らなければならない。
日本酒に似た米の酒、砂糖、塩、生姜のすりおろし…にんにくは匂いが気になるからやめておくか…今までは大さじ数杯レベルでしか合わせたことのない調味料を大量にプールに入れ、適宜混ぜ合わせて味を見る。
その間にルードたちは肉を捌き、一口大にカットしていく。
ちなみに一口の基準は狼獣人基準なので人間で言うと3口くらいだ、
部位はもう気にしない。
モモだろうがムネだろうがササミだろうが関係ないMIXだ。
とりあえず調味液は日本で作っていたときの味に近い出来になった。
カットされた鶏肉を一気に投入し、混ぜる。…重っ。
かき混ぜる為の道具を借りてもなお重い。
四苦八苦していると見かねた周囲の面々が変わってくれた。
ある程度全体に調味液がなじんだら手を止め、揚げ油の準備だ。
大きな中華なべのような形の鍋にたっぷりと油を入れ、火にかける。
後は片栗粉をまぶしてカラッと揚げるだけ。
数人掛りでどんどん揚げながら山積みになっていくからあげ…
正直、作っているだけで満腹になりそうだ。
「そうだ、ルード。一応味見お願いできる?」
「無理です。王の番が作った料理を王より先に口に入れるなど…首が飛びます。」
真剣な顔で断固拒否の姿勢だ。
おそらく首が飛ぶっていうのは物理的な意味でだろう。
なんか…ごめん…。
「じゃあ、とりあえず…いい感じに冷めたのを王様のところに届けてくる。」
1羽分のからあげを皿に盛り、王の執務室に向かう。
嗅ぎなれない匂いに反応してか、多くの獣人がこちらに注目してくる。
たまに腹を鳴らしている若い獣人もいて、気分的には腹を空かせた男子高校生がたくさん乗っているバスに揚げたての香り高いからあげを持って乗ってしまったような感じだ。
分けてあげたいが、今分けてあげると物理的に首が飛ぶ可能性があるので出来ない。
ごめんよ。
執務室に着くと偶然か意図的にか不明だが、ちょうど皆が休憩に入ったようで王だけが残り、お茶を飲んでいた。
「王様、差し入れです。」
唐揚げの皿を王に差し出すと、王は何かを考える仕草を見せ、口を開いた。
「トオル…これは俺たちが用意する食事では不十分だということだろうか。すまなかった。今から少し狩りに行って…」
「違いますから。」
どうしてそういう考えに至ったのか…即否定である。
感謝の気持ちと愛情表現だと説明し、ようやく納得してくれた。
「この鶏は随分と表面が硬いな…ふむ。今までに見たことがない。」
しばらくからあげを眺めたあと、王は指先でそれをつまみ、口に入れた。
「っ!うまい。鶏の肉汁の旨みがしっかり味わえるな。」
「よかった…」
ちなみに、ひと皿平らげるのは一瞬でした。
唐揚げは飲み物…。
空になった皿を持って厨房に戻れば、厨房の皆さんがアイザックたち用の差し入れをカートに乗せて準備してくれていた。
アイザックの分はカゴに入れられているが、他の隊員用のものはトレイにそのまま積まれている。
まぁ、そのほうが食べやすいよね。
ルードがそのカートを引き、なんとか隊の休憩所に運び込めた。
ありがとう、ルード。この重量を軽々運ぶなんて…さすがエリート隊員だ。
「トオル?!」
俺の匂いに気づいて訓練を中断してきたらしいアイザックが顔をのぞかせた。
「お疲れ様。みんなに差し入れだよ。あ、アイザックはこっち。」
アイザックに専用のカゴを手渡す。
「トオル…まさか俺たちが用意する食事に…」
「違うから。」
王と同じ事を言おうとしている気配を察知したので食い気味に否定しておいた。
むしろ日頃の食事にこれ以上気合を入れられたら困る。主に量的な意味で。
一口、アイザックがからあげを頬張る。
「…嬉しいものだな。番が自分のために手料理を持ってきてくれる…いや、雄としては恥ずべきなのかも知れないが…。」
目尻を下げて食べる表情で、喜んでくれているのがよくわかる。
しっぽも落ち着きなく揺れているから尚更だ。
「俺が好きでやってることだし、日頃の感謝なんだから恥だと思う必要はないよ。逆に、普段の自分が感謝されてるんだって思ってもらったほうがいい。」
そう告げれば、大きな手で頭を撫でられた。
「あ、こっちのは隊のみんなに。休憩の時に食べてもらって。」
「わかった。ありがとう。」
みんなの分を預け、今日の差し入れ任務完了。
俺とルードは今から厨房に戻り、厨房のみんなと一緒にからあげ試食会とメニュー考案会だ。
とりあえず、しばらく料理は作らなくていいかな…。
大量の食事を作るのって大変だ…。
――――余談だが、その後既婚者の間で番の料理をオヤツに持ってくるのが流行ったという。
ルードが驚きを隠そうともせず俺の言葉を繰り返す。
それに頷きを返し、俺ももう一度告げた。
「そう。子どもたちも付きっ切りじゃなくなったし…今は式典の準備で王様もアイザックも忙しいし…差し入れが出来たらなって思うんだ。」
イメージとしては弁当のような形で差し入れたいところだ。
「ちなみに、何を作る予定ですか。」
「鳥の唐揚げかな。俺も揚げ物食べたいし、男の弁当って言ったら定番の料理なんだ。」
「トールの故郷の料理ですか。」
ジューシーな唐揚げ…こちらに来て以来食べていないため、食べたいという欲がすごい。
残念ながら醤油のようなものは存在していないため塩から揚げになるが、とにかく揚げ物が食べたいし、食べさせてあげたい。こちらの料理も美味しいのだが、肉は基本的に生か焼くかスープの具として煮るかといったところだ。
「王についてはお一人分を執務室にお持ちしても良いですが、隊長に差し入れとなると隊全体に持っていく形になりますよ。大丈夫ですか?」
「みんなにもお世話になってるし、ルードやターナーは俺の付き添いもしてくれてて迷惑かけてるだろ。日頃の感謝ってことで…迷惑じゃなかったらだけど。」
「…ありがとうございます。では私も手伝いましょう。買い出しを頼んできますので、材料を教えてください。」
ルードに材料を伝えると、どうやら城内で調達できるようで厨房に話しを付けに行ってくれた。
所謂おやつの時間には厨房は使用しないとのことで、厨房の皆さんも下拵えを手伝ってくれることになり、こちらとしてはありがたいばかりだ。
なにせ、この世界では鶏肉は丸々1羽の状態から捌かなければならない。
市場ではそもそも生きている状態で売られているし、日本のスーパーとの違いに愕然とした記憶は新しい。
一人暮らしでそこそこ自炊していたといっても、鶏を捌く技術はない。というか必要なかった。
…時間短縮のためにからあげ用にカットされた肉を買っていたくらいだし。
手伝ってもらえるなら楽に終わりそう。
なんて、考えていた俺が馬鹿でした。
厨房に入って見たのは鶏肉の山。
本当に山。
丸鶏が数十羽積まれていた。
「え。何この量…?」
「補助食とはいえ、一人1羽は軽く食べますよ。なのでこの量に。」
おやつに…一人1羽…胃袋の基準が違う。
とてつもない重労働になりそうな予感しかしないが、やるといったからにはやる。
とりあえず、正直調理場を見渡しても何が調理器具で何がそうでないのかの判断も難しいため、調理の手順を厨房の人に伝えて道具の準備をお願いした。
素人が下手にプロの現場を触っていいことはないからね。お願いするに限る。
そして目の前に置かれたプール。いや、本当にプール。
子供用のビニールプールサイズの金盥が厨房の端に出現した。
どうやら常日頃から調味料の合わせや肉の下処理などに使うのはこのプールらしい。
つまり、俺はこのビニールプールに塩から揚げの調味液を作らなければならない。
日本酒に似た米の酒、砂糖、塩、生姜のすりおろし…にんにくは匂いが気になるからやめておくか…今までは大さじ数杯レベルでしか合わせたことのない調味料を大量にプールに入れ、適宜混ぜ合わせて味を見る。
その間にルードたちは肉を捌き、一口大にカットしていく。
ちなみに一口の基準は狼獣人基準なので人間で言うと3口くらいだ、
部位はもう気にしない。
モモだろうがムネだろうがササミだろうが関係ないMIXだ。
とりあえず調味液は日本で作っていたときの味に近い出来になった。
カットされた鶏肉を一気に投入し、混ぜる。…重っ。
かき混ぜる為の道具を借りてもなお重い。
四苦八苦していると見かねた周囲の面々が変わってくれた。
ある程度全体に調味液がなじんだら手を止め、揚げ油の準備だ。
大きな中華なべのような形の鍋にたっぷりと油を入れ、火にかける。
後は片栗粉をまぶしてカラッと揚げるだけ。
数人掛りでどんどん揚げながら山積みになっていくからあげ…
正直、作っているだけで満腹になりそうだ。
「そうだ、ルード。一応味見お願いできる?」
「無理です。王の番が作った料理を王より先に口に入れるなど…首が飛びます。」
真剣な顔で断固拒否の姿勢だ。
おそらく首が飛ぶっていうのは物理的な意味でだろう。
なんか…ごめん…。
「じゃあ、とりあえず…いい感じに冷めたのを王様のところに届けてくる。」
1羽分のからあげを皿に盛り、王の執務室に向かう。
嗅ぎなれない匂いに反応してか、多くの獣人がこちらに注目してくる。
たまに腹を鳴らしている若い獣人もいて、気分的には腹を空かせた男子高校生がたくさん乗っているバスに揚げたての香り高いからあげを持って乗ってしまったような感じだ。
分けてあげたいが、今分けてあげると物理的に首が飛ぶ可能性があるので出来ない。
ごめんよ。
執務室に着くと偶然か意図的にか不明だが、ちょうど皆が休憩に入ったようで王だけが残り、お茶を飲んでいた。
「王様、差し入れです。」
唐揚げの皿を王に差し出すと、王は何かを考える仕草を見せ、口を開いた。
「トオル…これは俺たちが用意する食事では不十分だということだろうか。すまなかった。今から少し狩りに行って…」
「違いますから。」
どうしてそういう考えに至ったのか…即否定である。
感謝の気持ちと愛情表現だと説明し、ようやく納得してくれた。
「この鶏は随分と表面が硬いな…ふむ。今までに見たことがない。」
しばらくからあげを眺めたあと、王は指先でそれをつまみ、口に入れた。
「っ!うまい。鶏の肉汁の旨みがしっかり味わえるな。」
「よかった…」
ちなみに、ひと皿平らげるのは一瞬でした。
唐揚げは飲み物…。
空になった皿を持って厨房に戻れば、厨房の皆さんがアイザックたち用の差し入れをカートに乗せて準備してくれていた。
アイザックの分はカゴに入れられているが、他の隊員用のものはトレイにそのまま積まれている。
まぁ、そのほうが食べやすいよね。
ルードがそのカートを引き、なんとか隊の休憩所に運び込めた。
ありがとう、ルード。この重量を軽々運ぶなんて…さすがエリート隊員だ。
「トオル?!」
俺の匂いに気づいて訓練を中断してきたらしいアイザックが顔をのぞかせた。
「お疲れ様。みんなに差し入れだよ。あ、アイザックはこっち。」
アイザックに専用のカゴを手渡す。
「トオル…まさか俺たちが用意する食事に…」
「違うから。」
王と同じ事を言おうとしている気配を察知したので食い気味に否定しておいた。
むしろ日頃の食事にこれ以上気合を入れられたら困る。主に量的な意味で。
一口、アイザックがからあげを頬張る。
「…嬉しいものだな。番が自分のために手料理を持ってきてくれる…いや、雄としては恥ずべきなのかも知れないが…。」
目尻を下げて食べる表情で、喜んでくれているのがよくわかる。
しっぽも落ち着きなく揺れているから尚更だ。
「俺が好きでやってることだし、日頃の感謝なんだから恥だと思う必要はないよ。逆に、普段の自分が感謝されてるんだって思ってもらったほうがいい。」
そう告げれば、大きな手で頭を撫でられた。
「あ、こっちのは隊のみんなに。休憩の時に食べてもらって。」
「わかった。ありがとう。」
みんなの分を預け、今日の差し入れ任務完了。
俺とルードは今から厨房に戻り、厨房のみんなと一緒にからあげ試食会とメニュー考案会だ。
とりあえず、しばらく料理は作らなくていいかな…。
大量の食事を作るのって大変だ…。
――――余談だが、その後既婚者の間で番の料理をオヤツに持ってくるのが流行ったという。
23
お気に入りに追加
2,938
あなたにおすすめの小説
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
急に運命の番と言われても。夜会で永遠の愛を誓われ駆け落ちし、数年後ぽい捨てされた母を持つ平民娘は、氷の騎士の甘い求婚を冷たく拒む。
石河 翠
恋愛
ルビーの花屋に、隣国の氷の騎士ディランが現れた。
雪豹の獣人である彼は番の匂いを追いかけていたらしい。ところが花屋に着いたとたんに、手がかりを失ってしまったというのだ。
一時的に鼻が詰まった人間並みの嗅覚になったディランだが、番が見つかるまでは帰らないと言い張る始末。ルビーは彼の世話をする羽目に。
ルビーと喧嘩をしつつ、人間についての理解を深めていくディラン。
その後嗅覚を取り戻したディランは番の正体に歓喜し、公衆の面前で結婚を申し込むが冷たく拒まれる。ルビーが求婚を断ったのには理由があって……。
愛されることが怖い臆病なヒロインと、彼女のためならすべてを捨てる一途でだだ甘なヒーローの恋物語。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(ID25481643)をお借りしています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1巻重版)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。