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魂の還る惑星 第五章 Sothis-水の上の星-
第五章 第九話
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「ところで、その子の名前、聞いた?」
「聞いてない。あの子、名乗らなかったし、向こうも俺達と関わる気ないみたいだからさ。俺には柊兄と小夜ちゃんいるから、それでいいやって。あ、それとあんたも」
楸矢の言葉に椿矢は楽しげな笑い声を上げた。
「どうせ結婚したら嫌でも親戚付き合いしなきゃいけなくなるよ」
椿矢は笑いながらそう言った。
「すごいご馳走! これ全部、小夜ちゃんと清美ちゃんが作ったの!?」
楸矢がテーブルに並んだ料理を見て声を上げた。
部屋には飾り付けもしてある。
「作ったのはほとんど小夜です」
「清美も色々手伝ってくれましたよ。清美が手伝ってくれたからケーキも作れたんだよ」
「二人ともありがとう! 二回もケーキ食べられるなんて嬉しいよ」
「楸矢さん、ケーキ好きだったんですか?」
甘すぎなければいいとは聞いていたが特に好きだとは言ってなかったような気がしたが勘違いだったのだろうか。
「好きっていうか、ケーキってなんか特別な感じがするじゃん。だから、お祝いしてもらってるんだなって実感するっていうか……。今までお祝いとかしてもらったことないし」
小夜は頷くと、
「部屋の飾りは清美が全部やってくれたんです」
と続けた。
「ありがとう、清美ちゃん」
「ご馳走になるだけじゃ申し訳ないので」
プレゼントがダメならと、ささやかな飾りを買ってきたのだ。
恐る恐る柊矢に飾っていいかお伺いを立てると構わないと言ってくれた。
柊矢が飾り付けに感心しているのを見て、霧生兄弟も早くに両親を亡くして祖父に育てられたという話を思い出した。
小夜だけではなく、柊矢や楸矢もこう言う家庭での祝い事とは無縁の環境で育ったのだ。
「まさか鯛を使ったご馳走が出るなんて……鯛なんて高いですよね? あたし、お呼ばれしちゃってホントに良かったんですか?」
「気にする必要はない。祝いに来てくれただけで十分だ」
「そうだよ、清美ちゃん。それに、作るの手伝ってくれたんでしょ。でも、これ、ホントすごいね。塩の塊の中に鯛が入ってるなんて」
楸矢が塩を崩しながら言った。
「炊き込みご飯は清美が作ってくれたんです」
「ホント!? これもすごく美味しいよ」
「小夜に教わったとおりにやっただけですよ」
清美が慌てて手を振った。
簡単な料理で、それも細かく指示してもらったから作れたのだ。
さすがの清美もそれを自分が作ったと言えるほど図太くはない。
「でも、教われば作れるってことはお料理出来るんだ」
「えっと……」
楸矢の期待に満ちた視線に清美は言葉に詰まった。
出来ると答えて万が一何か作ってほしいと言われたときに出来なかったら失望されるだろうが、楸矢の口振りからして料理の上手い子が好みらしいから出来ないとも答えたくない。
「出来ますよ」
小夜が代わりに答えた。
「小夜!」
「色々手伝ってくれたけど、どれもちゃんと作れてるじゃない。やれば出来るよ」
「そっかな。じゃあ、練習しようかな」
清美が照れたように言った。
「清美、おはよう」
小夜は教室に入ると清美に声をかけた。
「おはよ。ね、小夜、楸矢さんの好みってどんなタイプ? 大人の女性だとちょっと厳しいんだけど、守備範囲広いなら高校生もありだよね?」
「そうだね」
楸矢の好みはよく分からないが、中学の頃の彼女は同い年だったそうだし女子高生の彼女もいい、などとも言っていた。
清美とは話もあうようだからチャンスはあるだろう。
「楸矢さんの好みのタイプ、聞いておいてくれない?」
「いいよ」
小夜は頷いた。
楸矢が帰ると小夜はもう夕食を作っているところだった。
「お帰りなさい」
小夜は鍋の火を弱めると冷蔵庫から唐揚げを取り出して手早く火を通すと楸矢の前に置いた。
「あの、楸矢さん」
「何?」
「楸矢さんって、どんな子が好みなんですか?」
「っていうと?」
「例えば、お料理出来る子とか……」
当たり前だが自分の事が好みかを聞いているのではない。清美のことだ。
楸矢はちょっと考えてから、
「昨日ご馳走作ってくれたとき、清美ちゃんって実際どれくらい手伝ってくれたの?」
と訊ね返した。
「色々やってくれましたよ」
「じゃあ、お料理は普通に作れるって思っていいの?」
「はい。普段作ってないので慣れてないだけです」
手際のよくない部分もあったが、それは数をこなしていれば解決する。
それ以外は特に問題はなかった。
慣れてないのに調味料を目分量で量るようないい加減なこともせず、きちんと量っていた。
まぁ、楸矢に食べてもらうのだから失敗できないと必死だったというのはあるだろうが。
「古いって言われそうだけど彼女の手料理って憧れてるんだよね。別に特別上手とかじゃなくてもいいんだけどさ」
その気持ちは小夜にも理解出来た。
楸矢は別に料理は女性がするべきという古い考えで言っているわけではないのだ。
小夜も母親に作ってもらったお弁当に憧れていた。
だから少しでもそういうお弁当に近付けたくて料理の練習をした。
作ってもらうことは無理でもコンプレックスを持たなくてすむようなお弁当は作れるようになった。
両親がいないことは知られていたから「誰に作ってもらったの?」と聞かれることはなかった。
楸矢も生まれてすぐ両親を亡くして育ての親は祖父だけだったのだからクラスメイトが持ってくる綺麗に盛り付けられたお弁当が羨ましかったのだろう。
そういう子供の頃の憧れというか、不可抗力で欲しくても手に入らなかったものに対する憧憬の念というのはそう簡単には消えない。
彼女、というか特別な相手が自分のために何かしてくれるという状況を経験してみたいのだ。
小夜も柊矢がヴァイオリンを弾いてくれるのが嬉しいから楸矢の気持ちは理解出来る。
柊矢がヴァイオリンを弾いてくれる度に楸矢がげんなりした顔をしているのを見ると申し訳ない気持ちになってしまうが。
「それ以外には何かありますか? 大人の女性の方がいいとか」
「年には拘らないよ。まぁ、さすがに中学生以下とか三十超えてるとかだと厳しいけど」
小夜は頷いて礼を言うと夕食の支度に戻った。
「聞いてない。あの子、名乗らなかったし、向こうも俺達と関わる気ないみたいだからさ。俺には柊兄と小夜ちゃんいるから、それでいいやって。あ、それとあんたも」
楸矢の言葉に椿矢は楽しげな笑い声を上げた。
「どうせ結婚したら嫌でも親戚付き合いしなきゃいけなくなるよ」
椿矢は笑いながらそう言った。
「すごいご馳走! これ全部、小夜ちゃんと清美ちゃんが作ったの!?」
楸矢がテーブルに並んだ料理を見て声を上げた。
部屋には飾り付けもしてある。
「作ったのはほとんど小夜です」
「清美も色々手伝ってくれましたよ。清美が手伝ってくれたからケーキも作れたんだよ」
「二人ともありがとう! 二回もケーキ食べられるなんて嬉しいよ」
「楸矢さん、ケーキ好きだったんですか?」
甘すぎなければいいとは聞いていたが特に好きだとは言ってなかったような気がしたが勘違いだったのだろうか。
「好きっていうか、ケーキってなんか特別な感じがするじゃん。だから、お祝いしてもらってるんだなって実感するっていうか……。今までお祝いとかしてもらったことないし」
小夜は頷くと、
「部屋の飾りは清美が全部やってくれたんです」
と続けた。
「ありがとう、清美ちゃん」
「ご馳走になるだけじゃ申し訳ないので」
プレゼントがダメならと、ささやかな飾りを買ってきたのだ。
恐る恐る柊矢に飾っていいかお伺いを立てると構わないと言ってくれた。
柊矢が飾り付けに感心しているのを見て、霧生兄弟も早くに両親を亡くして祖父に育てられたという話を思い出した。
小夜だけではなく、柊矢や楸矢もこう言う家庭での祝い事とは無縁の環境で育ったのだ。
「まさか鯛を使ったご馳走が出るなんて……鯛なんて高いですよね? あたし、お呼ばれしちゃってホントに良かったんですか?」
「気にする必要はない。祝いに来てくれただけで十分だ」
「そうだよ、清美ちゃん。それに、作るの手伝ってくれたんでしょ。でも、これ、ホントすごいね。塩の塊の中に鯛が入ってるなんて」
楸矢が塩を崩しながら言った。
「炊き込みご飯は清美が作ってくれたんです」
「ホント!? これもすごく美味しいよ」
「小夜に教わったとおりにやっただけですよ」
清美が慌てて手を振った。
簡単な料理で、それも細かく指示してもらったから作れたのだ。
さすがの清美もそれを自分が作ったと言えるほど図太くはない。
「でも、教われば作れるってことはお料理出来るんだ」
「えっと……」
楸矢の期待に満ちた視線に清美は言葉に詰まった。
出来ると答えて万が一何か作ってほしいと言われたときに出来なかったら失望されるだろうが、楸矢の口振りからして料理の上手い子が好みらしいから出来ないとも答えたくない。
「出来ますよ」
小夜が代わりに答えた。
「小夜!」
「色々手伝ってくれたけど、どれもちゃんと作れてるじゃない。やれば出来るよ」
「そっかな。じゃあ、練習しようかな」
清美が照れたように言った。
「清美、おはよう」
小夜は教室に入ると清美に声をかけた。
「おはよ。ね、小夜、楸矢さんの好みってどんなタイプ? 大人の女性だとちょっと厳しいんだけど、守備範囲広いなら高校生もありだよね?」
「そうだね」
楸矢の好みはよく分からないが、中学の頃の彼女は同い年だったそうだし女子高生の彼女もいい、などとも言っていた。
清美とは話もあうようだからチャンスはあるだろう。
「楸矢さんの好みのタイプ、聞いておいてくれない?」
「いいよ」
小夜は頷いた。
楸矢が帰ると小夜はもう夕食を作っているところだった。
「お帰りなさい」
小夜は鍋の火を弱めると冷蔵庫から唐揚げを取り出して手早く火を通すと楸矢の前に置いた。
「あの、楸矢さん」
「何?」
「楸矢さんって、どんな子が好みなんですか?」
「っていうと?」
「例えば、お料理出来る子とか……」
当たり前だが自分の事が好みかを聞いているのではない。清美のことだ。
楸矢はちょっと考えてから、
「昨日ご馳走作ってくれたとき、清美ちゃんって実際どれくらい手伝ってくれたの?」
と訊ね返した。
「色々やってくれましたよ」
「じゃあ、お料理は普通に作れるって思っていいの?」
「はい。普段作ってないので慣れてないだけです」
手際のよくない部分もあったが、それは数をこなしていれば解決する。
それ以外は特に問題はなかった。
慣れてないのに調味料を目分量で量るようないい加減なこともせず、きちんと量っていた。
まぁ、楸矢に食べてもらうのだから失敗できないと必死だったというのはあるだろうが。
「古いって言われそうだけど彼女の手料理って憧れてるんだよね。別に特別上手とかじゃなくてもいいんだけどさ」
その気持ちは小夜にも理解出来た。
楸矢は別に料理は女性がするべきという古い考えで言っているわけではないのだ。
小夜も母親に作ってもらったお弁当に憧れていた。
だから少しでもそういうお弁当に近付けたくて料理の練習をした。
作ってもらうことは無理でもコンプレックスを持たなくてすむようなお弁当は作れるようになった。
両親がいないことは知られていたから「誰に作ってもらったの?」と聞かれることはなかった。
楸矢も生まれてすぐ両親を亡くして育ての親は祖父だけだったのだからクラスメイトが持ってくる綺麗に盛り付けられたお弁当が羨ましかったのだろう。
そういう子供の頃の憧れというか、不可抗力で欲しくても手に入らなかったものに対する憧憬の念というのはそう簡単には消えない。
彼女、というか特別な相手が自分のために何かしてくれるという状況を経験してみたいのだ。
小夜も柊矢がヴァイオリンを弾いてくれるのが嬉しいから楸矢の気持ちは理解出来る。
柊矢がヴァイオリンを弾いてくれる度に楸矢がげんなりした顔をしているのを見ると申し訳ない気持ちになってしまうが。
「それ以外には何かありますか? 大人の女性の方がいいとか」
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小夜は頷いて礼を言うと夕食の支度に戻った。
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