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魂の還る惑星 第一章 Sirius-シリウス-
第一章 第五話
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「俺が歌っても聴こえないだろ」
柊矢が答えた。
「別に聴こえなくてもいいじゃないですか。私は柊矢さんと歌いたいです」
そう言われてみればムーシカはムーシコスに聴こえてしまうというだけで聴かせなければいけないわけではない。
聴かせるのが義務ならキタリステースの演奏が聴こえるのが特定の楽器を弾いたときだけのはずがない。
「そうか。なら、歌ってみるか」
演奏は好きだが、小夜が椿矢と歌っているのを見て自分も一緒に歌えたらと思ったのも事実だ。
高校や大学の副科で声楽もあったから歌えないわけではない。
小夜が嬉しそうな表情になった。
柊矢はキタラを手に取ると弾きながら歌い始めた。
わぁ! 柊矢さんの歌声、初めて聴いたけどすごく素敵……。
柊矢はキタリステースだからこの歌声が聴こえているのは目の前にいる小夜だけだ。
柊矢の歌声を独り占め出来ていると思うとこれ以上ないくらい幸せだった。
小夜が柊矢の歌声に聞き惚れる。
女声パートに入ると歌詞が浮かんできた。小夜は歌い始めた。
楸矢は小夜の歌声を聴いて顔を上げた。
歌声が時々止まってキタラの演奏だけになる。
既存のムーシカではない。しかも歌詞は恋人同士が語りあっているものだ。
「……まさかと思うけど、これデュエットなんじゃ……」
やがて歌声と演奏が終わった。
心の中で今のムーシカを思い浮かべてみると小夜の歌声が止まっていた部分にも歌詞があった。
やっぱり、あれ、二人で歌ってたのか……。
柊兄がキタリステースで良かった……。
柊矢と小夜が互いに熱い想いを語り合っているムーシカを四六時中聴かされたりしたらたまらない。
どうせならもっと早くくっついてくれれば大学の寮に申し込んだのに。
今から申し込んでも入れてくれるかな……。
今のデュエットはなんとなく雰囲気が昔のムーシケーがグラフェーに向かって歌っていたムーシカに似ている。
ムーシケーのムーシカには歌詞はなかった――少なくとも聴こえなかった――し、グラフェーも歌ってなかった(多分)にしても、こんなムーシカを絶え間なく聴かされ続けて平気だったムーシコスって一体どんな精神構造してたんだ……。
翌日、楸矢が大学の教科書を買っているとき、キタラの音が聴こえてきた。
「嘘だろ」
楸矢は思わず声を漏らしてしまった。
周りの人間が怪訝そうに楸矢を見ながら通り過ぎていく。
キタラの音だけが聴こえている。
既存のものではないからまた柊矢が新しいムーシカを創ったのだ。
ラブソングだし、そろそろ小夜が家に着く頃だからきっと歌って聴かせるのだろう。
勘弁してよ……。
楸矢が店を出るとキタラの演奏が終わった。
入れ違いに椿矢の歌声が聴こえてきた。
楸矢は向きを変えると高田馬場駅に向かって歩き出した。
小夜は買い物袋を抱えて家路を急いでいた。
さっきキタラの音色が聴こえていた。
新しいムーシカだったし柊矢がまた創ったのだ。
家に帰れば柊矢が歌ってくれるはずだ。
旋律も歌詞も分かってるとはいえ、やはり本人が歌うのを直接聴きたい。
小夜の足は徐々に速くなっていき最後には駆けだしていた。
椿矢は聴衆の中に大きな鞄を持った楸矢がいるのに気付いた。
お開きになって聴衆がいなくなると楸矢は椿矢の隣に腰を掛けた。
すぐに小夜の透き通った歌声が聴こえてくる。
椿矢はそれには加わらずに隣の楸矢の方を向いた。
「君達っていつも一緒にムーシカ奏でてるのかと思った」
「今、柊兄と小夜ちゃんが二人で歌ってるから」
聴こえているのは小夜と男のムーソポイオスの歌声と副旋律のコーラス、それとキタリステースの演奏だ。
だが、これは昨日柊矢が作ったデュエットである。
当然、聴こえてないだけで男声パートは柊矢も歌っているはずだ。
「やっぱり、柊矢君と歌ってたんだ」
「そ。柊兄の声が聴こえなかったのだけが救いだよ」
「同じ家なのに聴こえなかったの? よそで歌ってたとか?」
「うち、音楽室があるから」
「音楽室って、防音設備がある部屋ってこと? すごいね」
「あんたんち、ムーシコスの一族なんでしょ。無いの?」
「キタリステース用の楽器はどれも古楽器だからね。ムーソポイオスは声量押さえればいいだけだし」
昔の楽器というのはそれほど音は大きくない。
基本的には上流階級の人間が自宅などで趣味として弾くか、旅芸人などが広場で人を集めて演奏するものだったからだ。
もちろん音の大きいものもあったことはあったが数は少なかった。
現代のように大きいコンサートホールでの演奏会などが無かったから大きい音を出す必要がなかったのだ。
ムーソポイオスも声量はそれほどない。
ムーシカであればどこにいてもムーシコスには聴こえるから声楽家のようにコンサートホール全体に響かせられるような声量は必要ないのだ。
不意に椿矢がくすくす笑いだした。
「何、いきなり」
「いや、小夜ちゃんの声しか聴こえなくても歌詞で恋人同士のデュエットだってことは分かったでしょ。沙陽どんな顔して聴いてたのかなって」
確かにデュエットで小夜の声しか聴こえてなければ男声パートを歌っているのはキタリステース――つまり柊矢――ということくらい見当が付くだろう。
歌声が聴こえなくても歌詞を知りたければムーシコスなら望めば分かる。
今は男のムーソポイオスが男声パートを歌っているが。
「男の方、あんたの弟?」
「違うよ。少ないとは言っても僕達以外にも男のムーソポイオスはいるからね。けど今、柊矢君が歌ってるんだよね。柊矢君、怒らないかな」
「平気でしょ。っていうか、そもそも完全に二人の世界に入っちゃってるから聴こえてるかどうかも怪しいし」
楸矢は肩をすくめた。
「榎矢がよく君達のこと血が薄いって言ってるけど、僕の知ってる中で一番ムーシコスらしいのは柊矢君と小夜ちゃんだね」
「それなら柊兄や小夜ちゃんは帰還派になってないとおかしいんじゃないの?」
「逆だよ。ムーシカさえ奏でられればそれで満足だから場所はどこでもいいんだよ。ムーシケーである必要ないってこと」
柊矢が答えた。
「別に聴こえなくてもいいじゃないですか。私は柊矢さんと歌いたいです」
そう言われてみればムーシカはムーシコスに聴こえてしまうというだけで聴かせなければいけないわけではない。
聴かせるのが義務ならキタリステースの演奏が聴こえるのが特定の楽器を弾いたときだけのはずがない。
「そうか。なら、歌ってみるか」
演奏は好きだが、小夜が椿矢と歌っているのを見て自分も一緒に歌えたらと思ったのも事実だ。
高校や大学の副科で声楽もあったから歌えないわけではない。
小夜が嬉しそうな表情になった。
柊矢はキタラを手に取ると弾きながら歌い始めた。
わぁ! 柊矢さんの歌声、初めて聴いたけどすごく素敵……。
柊矢はキタリステースだからこの歌声が聴こえているのは目の前にいる小夜だけだ。
柊矢の歌声を独り占め出来ていると思うとこれ以上ないくらい幸せだった。
小夜が柊矢の歌声に聞き惚れる。
女声パートに入ると歌詞が浮かんできた。小夜は歌い始めた。
楸矢は小夜の歌声を聴いて顔を上げた。
歌声が時々止まってキタラの演奏だけになる。
既存のムーシカではない。しかも歌詞は恋人同士が語りあっているものだ。
「……まさかと思うけど、これデュエットなんじゃ……」
やがて歌声と演奏が終わった。
心の中で今のムーシカを思い浮かべてみると小夜の歌声が止まっていた部分にも歌詞があった。
やっぱり、あれ、二人で歌ってたのか……。
柊兄がキタリステースで良かった……。
柊矢と小夜が互いに熱い想いを語り合っているムーシカを四六時中聴かされたりしたらたまらない。
どうせならもっと早くくっついてくれれば大学の寮に申し込んだのに。
今から申し込んでも入れてくれるかな……。
今のデュエットはなんとなく雰囲気が昔のムーシケーがグラフェーに向かって歌っていたムーシカに似ている。
ムーシケーのムーシカには歌詞はなかった――少なくとも聴こえなかった――し、グラフェーも歌ってなかった(多分)にしても、こんなムーシカを絶え間なく聴かされ続けて平気だったムーシコスって一体どんな精神構造してたんだ……。
翌日、楸矢が大学の教科書を買っているとき、キタラの音が聴こえてきた。
「嘘だろ」
楸矢は思わず声を漏らしてしまった。
周りの人間が怪訝そうに楸矢を見ながら通り過ぎていく。
キタラの音だけが聴こえている。
既存のものではないからまた柊矢が新しいムーシカを創ったのだ。
ラブソングだし、そろそろ小夜が家に着く頃だからきっと歌って聴かせるのだろう。
勘弁してよ……。
楸矢が店を出るとキタラの演奏が終わった。
入れ違いに椿矢の歌声が聴こえてきた。
楸矢は向きを変えると高田馬場駅に向かって歩き出した。
小夜は買い物袋を抱えて家路を急いでいた。
さっきキタラの音色が聴こえていた。
新しいムーシカだったし柊矢がまた創ったのだ。
家に帰れば柊矢が歌ってくれるはずだ。
旋律も歌詞も分かってるとはいえ、やはり本人が歌うのを直接聴きたい。
小夜の足は徐々に速くなっていき最後には駆けだしていた。
椿矢は聴衆の中に大きな鞄を持った楸矢がいるのに気付いた。
お開きになって聴衆がいなくなると楸矢は椿矢の隣に腰を掛けた。
すぐに小夜の透き通った歌声が聴こえてくる。
椿矢はそれには加わらずに隣の楸矢の方を向いた。
「君達っていつも一緒にムーシカ奏でてるのかと思った」
「今、柊兄と小夜ちゃんが二人で歌ってるから」
聴こえているのは小夜と男のムーソポイオスの歌声と副旋律のコーラス、それとキタリステースの演奏だ。
だが、これは昨日柊矢が作ったデュエットである。
当然、聴こえてないだけで男声パートは柊矢も歌っているはずだ。
「やっぱり、柊矢君と歌ってたんだ」
「そ。柊兄の声が聴こえなかったのだけが救いだよ」
「同じ家なのに聴こえなかったの? よそで歌ってたとか?」
「うち、音楽室があるから」
「音楽室って、防音設備がある部屋ってこと? すごいね」
「あんたんち、ムーシコスの一族なんでしょ。無いの?」
「キタリステース用の楽器はどれも古楽器だからね。ムーソポイオスは声量押さえればいいだけだし」
昔の楽器というのはそれほど音は大きくない。
基本的には上流階級の人間が自宅などで趣味として弾くか、旅芸人などが広場で人を集めて演奏するものだったからだ。
もちろん音の大きいものもあったことはあったが数は少なかった。
現代のように大きいコンサートホールでの演奏会などが無かったから大きい音を出す必要がなかったのだ。
ムーソポイオスも声量はそれほどない。
ムーシカであればどこにいてもムーシコスには聴こえるから声楽家のようにコンサートホール全体に響かせられるような声量は必要ないのだ。
不意に椿矢がくすくす笑いだした。
「何、いきなり」
「いや、小夜ちゃんの声しか聴こえなくても歌詞で恋人同士のデュエットだってことは分かったでしょ。沙陽どんな顔して聴いてたのかなって」
確かにデュエットで小夜の声しか聴こえてなければ男声パートを歌っているのはキタリステース――つまり柊矢――ということくらい見当が付くだろう。
歌声が聴こえなくても歌詞を知りたければムーシコスなら望めば分かる。
今は男のムーソポイオスが男声パートを歌っているが。
「男の方、あんたの弟?」
「違うよ。少ないとは言っても僕達以外にも男のムーソポイオスはいるからね。けど今、柊矢君が歌ってるんだよね。柊矢君、怒らないかな」
「平気でしょ。っていうか、そもそも完全に二人の世界に入っちゃってるから聴こえてるかどうかも怪しいし」
楸矢は肩をすくめた。
「榎矢がよく君達のこと血が薄いって言ってるけど、僕の知ってる中で一番ムーシコスらしいのは柊矢君と小夜ちゃんだね」
「それなら柊兄や小夜ちゃんは帰還派になってないとおかしいんじゃないの?」
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