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第八章 惑星の子守唄
第三話
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楸矢が入院するとすぐ、柊矢は椿矢を呼び出した。
柊矢が喫茶店に小夜を連れて入ると、既に椿矢は来ていて、二人を見ると片手を上げた。
「呪詛の資料だったのか」
柊矢から話を聞いた椿矢が眉を顰めた。
「何のことだ?」
「榎矢がうちの蔵から古文書を色々持ち出したんだよね。目録があるわけじゃないから何を持っていったのか分からなかったし、どうせ森の資料はないからと思って放っておいたんだけど」
雫が一滴、テーブルの上に落ちた。
男二人が驚いて見ると小夜が泣いていた。
「そんなに楸矢君のことが心配なの?」
「私のせいでしょうか。私が沙陽さん達の言うこと聞いていれば……」
「それはない。お前が言うことを聞いても俺と楸矢は従わなかった」
柊矢はハンカチを渡しながらきっぱりと言い切った。
「でも……」
「ま、それは今更言っても仕方がないよ。問題はこれからどうするか、だね」
「お前んちの資料にあったものなら、治し方だって……」
「僕が君らに味方してるって知ってるのに、治し方の資料置いてくと思う?」
「だろうな」
予想していた答えらしく、大して落胆した様子はなかった。
「ま、楸矢君の命がかかってるみたいだし、何とか探しておくよ」
「頼む」
「待ってください!」
小夜が立ち上がった。
「このままじゃ楸矢さんが……」
「焦る気持ちは分かるが、今はこいつを信じて待つしかない」
柊矢にそう言われて、それ以上何も言えなかった。
小夜以上に柊矢の方が心配しているはずなのだ。
今は大人しく柊矢に従うしかなかった。
翌日、昼休みに小夜は学校を抜け出した。
新宿御苑の前でムーシカを歌っていると、沙陽がやってきた。
「人のこと呼び出すなんていい度胸してるじゃない」
「沙陽さん、お願いします。沙陽さんの言うこと聞きますから歌うのやめてください」
小夜は挨拶抜きで切り出した。
「じゃあ、クレーイスを渡して」
「分かりました。でも、その前にムーシカを止めてください。そしたら取ってきます」
「そんなことして柊矢を呼んできたりするんじゃないでしょうね」
「それくらいなら最初から柊矢さんと一緒のときに呼びます」
「もし本物のクレーイスを持ってこなかったら……」
「そのときはまた歌えばいいじゃないですか」
沙陽はそれもそうだと思ったのか、それ以上何も言わなかった。
「小夜ちゃん……」
小夜が病室に入っていくと、楸矢が弱々しい声で言った。
「学校はどうしたの?」
「サボってきちゃいました。今、ムーシカは止まってますよね。クレーイス、貸してもらえますか?」
「いいけど、どうするの?」
「思い付いたことがあるんです。それを試してみたくて」
楸矢さん、嘘付いてごめんなさい。
小夜は心の中で謝った。
小夜はクレーイスを受け取ると、
「早く良くなってくださいね」
と言って病室を出た。
病院の出口に向かう途中、突然辺りが暗くなった。
渡すなって事?
ここがムーシケーだというのはグラフェーが見えているから分かるが、森の中ではない。
周りには何もなかった。
夜空は地球の月よりも遥かに明るいグラフェーの光に照らされて星はほとんど見えなかった。
小夜は大きな窪地の底にいるようだった。
不意に目の隅を何かが走った。
そちらを見ようとしたとき、真上から星が流れた。
流星の軌跡は太く、刹那、一際大きく丸く光ったかと思うと消えた。
濃灰色の短い飛行機雲のような流星痕が夜空に残った。
流星痕がゆっくりと薄れていく。
あれは流星というより火球だ。
そんなことを思っているうちにまた太い軌跡を描いて火球が流れていった。
ムーシケーの夜空を火球が幾筋も流れていく。
空に沢山の流星痕が残っている。
これが時々ニュースで言っている流星群なのだろうか。
一つ、かなりの太さの軌跡を描いたものが、その先でいくつかに別れて消えていった。
しばらくして大地を穿つような轟音がして地面が揺れた。
今のは隕石だ。
大きすぎたから大気圏で燃え尽きないでムーシケーの大地に落ちたのだ。
不意に悟った。
ここはクレーターの底だ。
その瞬間、病院に戻った。
病院の前で小夜は沙陽にクレーイスを渡した。
「もう歌わないでくださいね」
小夜は今見たことを沙陽に言うべきか迷ったが、
「分かってるわ。これさえあれば用はないもの」
沙陽はそう言うと、すぐに去っていった。
楸矢の容体はすぐに回復し退院した。
「楸矢さん、良かった……」
「小夜ちゃん、クレーイス、渡したね」
楸矢が森の方を見ながら言った。
楸矢の言葉の意味が分かったらしく、柊矢が小夜を見た。
「申し訳ありません! でも、歌うの止めて欲しくて……」
小夜が二人に深く頭を下げた。
「お前にやったものだ。お前がどうしようと自由だ」
「俺は取引したわけじゃないから封印のムーシカ吹くよ」
「俺もだ」
「それは向こうも最初から分かってるはずですから」
柊矢や楸矢を止めるという約束はしていない。
二人が封印のムーシカを奏でれば、他のムーソポイオスが歌うだろう。
小夜が歌わなくても森は封印されるはずだ。
柊矢と楸矢は家に帰るなり、音楽室へ入って封印のムーシカを奏で始めた。
他のムーソポイオスが歌い始める。
華やかなメゾソプラノから始まり、それに優しいアルトの斉唱、透き通るソプラノの重唱が加わる。
更に椿矢の甘いテノールが重なった。
しかし、ムーシカが終わっても森は消えなかった。
「なんでっ!」
楸矢が森を見ながら言った。
「クレーイスさえあれば俺達の妨害は効かないってわけか」
「くそ! 俺のせいで!」
楸矢が左手で壁を殴った。
「楸矢さんのせいじゃありません。クレーイスを渡したのは私です。私が悪かったんです。すみません!」
小夜は頭を下げた。
「俺のためにやってくれたんでしょ。小夜ちゃんは悪くないよ。ムーシケーの意志に背くのがどれだけ辛かったか分かってるから」
「……っ!」
小夜の目から涙が溢れた。
勝手にクレーイスを渡してしまった自分にそんな優しい言葉を掛けてもらう資格なんてないのに。
二人のお祖父様の形見なのに……。
柊矢がそっと小夜の肩を抱いた。
「椿矢に連絡を取ろう」
柊矢はスマホを取りだした。
柊矢が喫茶店に小夜を連れて入ると、既に椿矢は来ていて、二人を見ると片手を上げた。
「呪詛の資料だったのか」
柊矢から話を聞いた椿矢が眉を顰めた。
「何のことだ?」
「榎矢がうちの蔵から古文書を色々持ち出したんだよね。目録があるわけじゃないから何を持っていったのか分からなかったし、どうせ森の資料はないからと思って放っておいたんだけど」
雫が一滴、テーブルの上に落ちた。
男二人が驚いて見ると小夜が泣いていた。
「そんなに楸矢君のことが心配なの?」
「私のせいでしょうか。私が沙陽さん達の言うこと聞いていれば……」
「それはない。お前が言うことを聞いても俺と楸矢は従わなかった」
柊矢はハンカチを渡しながらきっぱりと言い切った。
「でも……」
「ま、それは今更言っても仕方がないよ。問題はこれからどうするか、だね」
「お前んちの資料にあったものなら、治し方だって……」
「僕が君らに味方してるって知ってるのに、治し方の資料置いてくと思う?」
「だろうな」
予想していた答えらしく、大して落胆した様子はなかった。
「ま、楸矢君の命がかかってるみたいだし、何とか探しておくよ」
「頼む」
「待ってください!」
小夜が立ち上がった。
「このままじゃ楸矢さんが……」
「焦る気持ちは分かるが、今はこいつを信じて待つしかない」
柊矢にそう言われて、それ以上何も言えなかった。
小夜以上に柊矢の方が心配しているはずなのだ。
今は大人しく柊矢に従うしかなかった。
翌日、昼休みに小夜は学校を抜け出した。
新宿御苑の前でムーシカを歌っていると、沙陽がやってきた。
「人のこと呼び出すなんていい度胸してるじゃない」
「沙陽さん、お願いします。沙陽さんの言うこと聞きますから歌うのやめてください」
小夜は挨拶抜きで切り出した。
「じゃあ、クレーイスを渡して」
「分かりました。でも、その前にムーシカを止めてください。そしたら取ってきます」
「そんなことして柊矢を呼んできたりするんじゃないでしょうね」
「それくらいなら最初から柊矢さんと一緒のときに呼びます」
「もし本物のクレーイスを持ってこなかったら……」
「そのときはまた歌えばいいじゃないですか」
沙陽はそれもそうだと思ったのか、それ以上何も言わなかった。
「小夜ちゃん……」
小夜が病室に入っていくと、楸矢が弱々しい声で言った。
「学校はどうしたの?」
「サボってきちゃいました。今、ムーシカは止まってますよね。クレーイス、貸してもらえますか?」
「いいけど、どうするの?」
「思い付いたことがあるんです。それを試してみたくて」
楸矢さん、嘘付いてごめんなさい。
小夜は心の中で謝った。
小夜はクレーイスを受け取ると、
「早く良くなってくださいね」
と言って病室を出た。
病院の出口に向かう途中、突然辺りが暗くなった。
渡すなって事?
ここがムーシケーだというのはグラフェーが見えているから分かるが、森の中ではない。
周りには何もなかった。
夜空は地球の月よりも遥かに明るいグラフェーの光に照らされて星はほとんど見えなかった。
小夜は大きな窪地の底にいるようだった。
不意に目の隅を何かが走った。
そちらを見ようとしたとき、真上から星が流れた。
流星の軌跡は太く、刹那、一際大きく丸く光ったかと思うと消えた。
濃灰色の短い飛行機雲のような流星痕が夜空に残った。
流星痕がゆっくりと薄れていく。
あれは流星というより火球だ。
そんなことを思っているうちにまた太い軌跡を描いて火球が流れていった。
ムーシケーの夜空を火球が幾筋も流れていく。
空に沢山の流星痕が残っている。
これが時々ニュースで言っている流星群なのだろうか。
一つ、かなりの太さの軌跡を描いたものが、その先でいくつかに別れて消えていった。
しばらくして大地を穿つような轟音がして地面が揺れた。
今のは隕石だ。
大きすぎたから大気圏で燃え尽きないでムーシケーの大地に落ちたのだ。
不意に悟った。
ここはクレーターの底だ。
その瞬間、病院に戻った。
病院の前で小夜は沙陽にクレーイスを渡した。
「もう歌わないでくださいね」
小夜は今見たことを沙陽に言うべきか迷ったが、
「分かってるわ。これさえあれば用はないもの」
沙陽はそう言うと、すぐに去っていった。
楸矢の容体はすぐに回復し退院した。
「楸矢さん、良かった……」
「小夜ちゃん、クレーイス、渡したね」
楸矢が森の方を見ながら言った。
楸矢の言葉の意味が分かったらしく、柊矢が小夜を見た。
「申し訳ありません! でも、歌うの止めて欲しくて……」
小夜が二人に深く頭を下げた。
「お前にやったものだ。お前がどうしようと自由だ」
「俺は取引したわけじゃないから封印のムーシカ吹くよ」
「俺もだ」
「それは向こうも最初から分かってるはずですから」
柊矢や楸矢を止めるという約束はしていない。
二人が封印のムーシカを奏でれば、他のムーソポイオスが歌うだろう。
小夜が歌わなくても森は封印されるはずだ。
柊矢と楸矢は家に帰るなり、音楽室へ入って封印のムーシカを奏で始めた。
他のムーソポイオスが歌い始める。
華やかなメゾソプラノから始まり、それに優しいアルトの斉唱、透き通るソプラノの重唱が加わる。
更に椿矢の甘いテノールが重なった。
しかし、ムーシカが終わっても森は消えなかった。
「なんでっ!」
楸矢が森を見ながら言った。
「クレーイスさえあれば俺達の妨害は効かないってわけか」
「くそ! 俺のせいで!」
楸矢が左手で壁を殴った。
「楸矢さんのせいじゃありません。クレーイスを渡したのは私です。私が悪かったんです。すみません!」
小夜は頭を下げた。
「俺のためにやってくれたんでしょ。小夜ちゃんは悪くないよ。ムーシケーの意志に背くのがどれだけ辛かったか分かってるから」
「……っ!」
小夜の目から涙が溢れた。
勝手にクレーイスを渡してしまった自分にそんな優しい言葉を掛けてもらう資格なんてないのに。
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