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第二章 旋律の森
第三話
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学校が早く終わったので小夜は、いつもと違ってバスに乗らず、超高層ビル群に向かった。
いつものように歌が風に乗ってながれている。
しかし、小夜は足を止めず、ビル街を抜けて西新宿の自分の家に向かった。
家があった場所がどうなっているのか、見てみたかったのだ。
ビルの間を抜け、西新宿の住宅街へ入っていく。
小夜の家の跡には何も残っていなかった。
瓦礫すらない。
ただの空き地になっていた。
小夜は無意識に柊矢からもらった胸元のペンダントを握っていた。
大丈夫。
お祖父ちゃんが見守ってくれてる。
清美も柊矢さんや楸矢さんもいる。
きっとこれからも頑張れる。
泣いてばかりいるのはもうお終い。
空き地の片隅に花束が置かれていた。近所の人が置いてくれたのだろう。
小夜は花の前にしゃがんで手を合わせた。
小夜が帰ると、柊矢はいつも音楽室でキタラを爪弾いていた。
学校にいるときはキタラの音は聴こえてないから小夜が帰ってくる時間にあわせて音楽室に来ているのだろう。
小夜は自分の部屋に鞄を置くと、着替えもしないまま音楽室へ向かった。
小夜が入っていくと、柊矢がキタラを弾き始めた。
それにあわせて歌い始めると、どこからか重唱や斉唱が聴こえてきた。徐々に歌声や演奏が加わっていく。
そのうちに楸矢も帰ってきて、笛を吹き始めた。
そのまま数曲終えると、小夜は夕食の支度を始めるために台所へ向かった。
柊矢も部屋に戻り、楸矢は一人残ってフルートの練習を始めた。
小夜が夕食の支度をしていると、楸矢が入ってきた。
楸矢が椅子に座ったのを見て、小夜は夕辺の残りのきんぴらごぼうをさっと暖めて出した。
いつも夕食の支度をしていると楸矢が台所へやってきてつまみ食いをするので、最近はおやつを用意しておくようになった。
大抵は前夜の残り物だ。
「有難う。いただきまーす!」
楸矢はすぐに食べ始めた。
「柊兄は?」
「部屋だと思いますよ」
「じゃ、仕事だね」
楸矢は空になった食器を差し出しながら言った。小夜が残っているきんぴらごぼうを全部入れながら、
「柊矢さんって何のお仕事してるんですか?」
と訊ねた。
前から気になっていたのだ。
出勤する様子はないし、かといって学生にも見えない。
そもそも、二人だけの家族で楸矢が高校生なのだから、柊矢が働いていなければ食べていけないはずだ。
あ、でも、お祖父様が亡くなったって言ってたから遺産があるとか?
「あれ? 言ってなかったっけ? 不動産管理だよ」
「不動産屋さんなんですか?」
「不動産屋じゃなくて、不動産管理。俺の祖父ちゃんがいくつか不動産を残してくれてさ。それの家賃収入で食ってるんだ。柊兄がやってるのはその不動産の管理」
「そうだったんですか」
小夜は野菜を切りながら言った。
都内に不動産をいくつも持っているのだとしたらかなりの資産家と言うことになる。
「結構色々仕事あるらしいよ。管理人さんじゃ対応出来ない事務処理とか、保険関係のこととか」
そんなに忙しいのに、小夜の祖父の保険等の手続きをしてくれたのだ。多分、色々な連絡も、全部柊矢のところに行くようにして対応してくれていたのだろう。小夜は改めて柊矢に感謝した。
「サラダのドレッシングは何がいいですか?」
「中華」
「和風がいい」
柊矢が台所へ入ってきながら言った。
「じゃあ、サラダは取り分けられるようにしておきますね」
夕食が出来上がり、三人が食卓に着くと食事が始まった。
「この前、森が出たとき歌った歌、覚えてるか?」
柊矢が話しかけてきた。
「ああ、あれ。確か……」
「え、森が出たの? いつ?」
「しばらく前だ」
「えっと……メーニナエイデテアーペーレーイーアデオーアキレーオス」
小夜は旋律を思い出しながら歌った。
「一体何語なんだろね」
楸矢が小夜の口ずさんだ歌を聴いて言った。
「もしかしたら分かるかもしれない」
「ホント?」
楸矢が疑わしげに言った。
二人とも歌が聴こえるのだ。何語なのか何度も話し合ったに違いない。
「今度の土曜、時間あるか?」
「はい」
「じゃあ、付き合ってくれ」
「はい」
「柊兄は小鳥ちゃんとデートか。じゃあ、俺も彼女、うちに呼ぼうかな」
「で、デートじゃありません」
小夜は赤くなって反論した。
「小鳥ちゃんの奥手は相変わらずだな」
柊矢がからかうように言った。
「二人してからかわないでください!」
土曜日、柊矢と共に向かったのは都内の大学だった。
「ここの研究室に俺の知り合いがいるんだ」
「知り合い? 柊ちゃんは相変わらず冷たいな~。俺達ズッ友だろ」
二人の後ろから声がして振り返ると、よれよれの白衣を羽織った男性がいた。
柊矢と同い年くらいだろうか。髪が少し乱れていて無精髭を生やしている。
「お前は小学生か。大体、柊ちゃんなんて呼ぶヤツは知り合いで十分だ」
柊矢はそう答えると、
「榊良一だ。榊、この子は俺が面倒を見てる霞乃小夜」
と紹介した。
「柊ちゃん、『さよ』って名前好きだね」
「ただの偶然だ」
「面倒見てるって、その子、高校生くらいでしょ? 柊ちゃん、両手が後ろに回るようなことしてないだろうね」
「するか」
両手が後ろに回ることってどういう意味だろう?
聞いたらまたからかわれそうだったので黙っていた。
「ま、座って」
榊は研究室に二人を招じ入れると、椅子に座るように勧めて自分も腰を下ろした。
研究室の中は本で埋め尽くされていた。
いくつもある机の上には専門書と思われる分厚い本や雑誌が積み上げられ、書きかけのノートや、開きっぱなしの本などが置かれていた。
本にはアルファベットともアラビア語とも違う見たことのない文字が書かれているものがあった。
「で、彼女紹介しに来たんじゃないでしょ」
「か、彼女じゃ……」
「お前なら分かるんじゃないかと思ってな」
柊矢はそう言うと小夜の方を振り向いた。
「夕辺の歌の歌詞、言えるか?」
「え、えっと……メーニナエイデテアーペーレーイーアデオーアキレーオス」
「なんかギリシア語っぽいけど……」
榊が首をかしげた。
「お前、俺の授業中寝てたな」
年配の男性が入ってくるなり榊の頭を分厚い本で叩いた。
「痛っ!」
「女神よ、ペーレウスの子アキレウスの怒りを歌いたまえ」
年配の男性が言った。
「え、教授、それって、えーっと……」
榊が考え込んだ。
「イーリアス!」
教授が怒鳴りつける。
「ですよね。でも、なんか違うような……」
「その子のは古典ギリシア語だ。現代ギリシア語とは読みが違う音があるんだよ。その例として俺が授業中に読んで聞かせたの聞いてなかったな」
ギリシア語のアルファベットの形や単語などの綴りは古代からほとんど変わってないものが多いため、現代ギリシア語が読めれば遺跡などに彫ってある言葉の意味も分かるものが多いらしい。
ただ、発音などは古典ギリシア語と現代ギリシア語では違うものがあるということだった。
「じゃあ、ポダソーキュサキッレウスって言うのは……」
柊矢が訊ねた。これは何とか聞き取れた歌詞の一節だった。
「足速きアキレウスだな」
教授が答えた。
「古典ギリシア語って言うのはいつ頃使われてたんですか?」
「大体紀元前二千年前くらいには使われてたようだ」
「紀元前二千年……」
今から四千年前か。
「ちなみに現代ギリシア語は十一世紀頃の口語が元になってると言われているんだよ」
榊が得意げに言った。
「お前が偉そうに言うな」
教授が再度榊の頭を叩いた。
「痛っ!」
しばらく教授の話を聞いてから柊矢と小夜は研究室を辞した。
いつものように歌が風に乗ってながれている。
しかし、小夜は足を止めず、ビル街を抜けて西新宿の自分の家に向かった。
家があった場所がどうなっているのか、見てみたかったのだ。
ビルの間を抜け、西新宿の住宅街へ入っていく。
小夜の家の跡には何も残っていなかった。
瓦礫すらない。
ただの空き地になっていた。
小夜は無意識に柊矢からもらった胸元のペンダントを握っていた。
大丈夫。
お祖父ちゃんが見守ってくれてる。
清美も柊矢さんや楸矢さんもいる。
きっとこれからも頑張れる。
泣いてばかりいるのはもうお終い。
空き地の片隅に花束が置かれていた。近所の人が置いてくれたのだろう。
小夜は花の前にしゃがんで手を合わせた。
小夜が帰ると、柊矢はいつも音楽室でキタラを爪弾いていた。
学校にいるときはキタラの音は聴こえてないから小夜が帰ってくる時間にあわせて音楽室に来ているのだろう。
小夜は自分の部屋に鞄を置くと、着替えもしないまま音楽室へ向かった。
小夜が入っていくと、柊矢がキタラを弾き始めた。
それにあわせて歌い始めると、どこからか重唱や斉唱が聴こえてきた。徐々に歌声や演奏が加わっていく。
そのうちに楸矢も帰ってきて、笛を吹き始めた。
そのまま数曲終えると、小夜は夕食の支度を始めるために台所へ向かった。
柊矢も部屋に戻り、楸矢は一人残ってフルートの練習を始めた。
小夜が夕食の支度をしていると、楸矢が入ってきた。
楸矢が椅子に座ったのを見て、小夜は夕辺の残りのきんぴらごぼうをさっと暖めて出した。
いつも夕食の支度をしていると楸矢が台所へやってきてつまみ食いをするので、最近はおやつを用意しておくようになった。
大抵は前夜の残り物だ。
「有難う。いただきまーす!」
楸矢はすぐに食べ始めた。
「柊兄は?」
「部屋だと思いますよ」
「じゃ、仕事だね」
楸矢は空になった食器を差し出しながら言った。小夜が残っているきんぴらごぼうを全部入れながら、
「柊矢さんって何のお仕事してるんですか?」
と訊ねた。
前から気になっていたのだ。
出勤する様子はないし、かといって学生にも見えない。
そもそも、二人だけの家族で楸矢が高校生なのだから、柊矢が働いていなければ食べていけないはずだ。
あ、でも、お祖父様が亡くなったって言ってたから遺産があるとか?
「あれ? 言ってなかったっけ? 不動産管理だよ」
「不動産屋さんなんですか?」
「不動産屋じゃなくて、不動産管理。俺の祖父ちゃんがいくつか不動産を残してくれてさ。それの家賃収入で食ってるんだ。柊兄がやってるのはその不動産の管理」
「そうだったんですか」
小夜は野菜を切りながら言った。
都内に不動産をいくつも持っているのだとしたらかなりの資産家と言うことになる。
「結構色々仕事あるらしいよ。管理人さんじゃ対応出来ない事務処理とか、保険関係のこととか」
そんなに忙しいのに、小夜の祖父の保険等の手続きをしてくれたのだ。多分、色々な連絡も、全部柊矢のところに行くようにして対応してくれていたのだろう。小夜は改めて柊矢に感謝した。
「サラダのドレッシングは何がいいですか?」
「中華」
「和風がいい」
柊矢が台所へ入ってきながら言った。
「じゃあ、サラダは取り分けられるようにしておきますね」
夕食が出来上がり、三人が食卓に着くと食事が始まった。
「この前、森が出たとき歌った歌、覚えてるか?」
柊矢が話しかけてきた。
「ああ、あれ。確か……」
「え、森が出たの? いつ?」
「しばらく前だ」
「えっと……メーニナエイデテアーペーレーイーアデオーアキレーオス」
小夜は旋律を思い出しながら歌った。
「一体何語なんだろね」
楸矢が小夜の口ずさんだ歌を聴いて言った。
「もしかしたら分かるかもしれない」
「ホント?」
楸矢が疑わしげに言った。
二人とも歌が聴こえるのだ。何語なのか何度も話し合ったに違いない。
「今度の土曜、時間あるか?」
「はい」
「じゃあ、付き合ってくれ」
「はい」
「柊兄は小鳥ちゃんとデートか。じゃあ、俺も彼女、うちに呼ぼうかな」
「で、デートじゃありません」
小夜は赤くなって反論した。
「小鳥ちゃんの奥手は相変わらずだな」
柊矢がからかうように言った。
「二人してからかわないでください!」
土曜日、柊矢と共に向かったのは都内の大学だった。
「ここの研究室に俺の知り合いがいるんだ」
「知り合い? 柊ちゃんは相変わらず冷たいな~。俺達ズッ友だろ」
二人の後ろから声がして振り返ると、よれよれの白衣を羽織った男性がいた。
柊矢と同い年くらいだろうか。髪が少し乱れていて無精髭を生やしている。
「お前は小学生か。大体、柊ちゃんなんて呼ぶヤツは知り合いで十分だ」
柊矢はそう答えると、
「榊良一だ。榊、この子は俺が面倒を見てる霞乃小夜」
と紹介した。
「柊ちゃん、『さよ』って名前好きだね」
「ただの偶然だ」
「面倒見てるって、その子、高校生くらいでしょ? 柊ちゃん、両手が後ろに回るようなことしてないだろうね」
「するか」
両手が後ろに回ることってどういう意味だろう?
聞いたらまたからかわれそうだったので黙っていた。
「ま、座って」
榊は研究室に二人を招じ入れると、椅子に座るように勧めて自分も腰を下ろした。
研究室の中は本で埋め尽くされていた。
いくつもある机の上には専門書と思われる分厚い本や雑誌が積み上げられ、書きかけのノートや、開きっぱなしの本などが置かれていた。
本にはアルファベットともアラビア語とも違う見たことのない文字が書かれているものがあった。
「で、彼女紹介しに来たんじゃないでしょ」
「か、彼女じゃ……」
「お前なら分かるんじゃないかと思ってな」
柊矢はそう言うと小夜の方を振り向いた。
「夕辺の歌の歌詞、言えるか?」
「え、えっと……メーニナエイデテアーペーレーイーアデオーアキレーオス」
「なんかギリシア語っぽいけど……」
榊が首をかしげた。
「お前、俺の授業中寝てたな」
年配の男性が入ってくるなり榊の頭を分厚い本で叩いた。
「痛っ!」
「女神よ、ペーレウスの子アキレウスの怒りを歌いたまえ」
年配の男性が言った。
「え、教授、それって、えーっと……」
榊が考え込んだ。
「イーリアス!」
教授が怒鳴りつける。
「ですよね。でも、なんか違うような……」
「その子のは古典ギリシア語だ。現代ギリシア語とは読みが違う音があるんだよ。その例として俺が授業中に読んで聞かせたの聞いてなかったな」
ギリシア語のアルファベットの形や単語などの綴りは古代からほとんど変わってないものが多いため、現代ギリシア語が読めれば遺跡などに彫ってある言葉の意味も分かるものが多いらしい。
ただ、発音などは古典ギリシア語と現代ギリシア語では違うものがあるということだった。
「じゃあ、ポダソーキュサキッレウスって言うのは……」
柊矢が訊ねた。これは何とか聞き取れた歌詞の一節だった。
「足速きアキレウスだな」
教授が答えた。
「古典ギリシア語って言うのはいつ頃使われてたんですか?」
「大体紀元前二千年前くらいには使われてたようだ」
「紀元前二千年……」
今から四千年前か。
「ちなみに現代ギリシア語は十一世紀頃の口語が元になってると言われているんだよ」
榊が得意げに言った。
「お前が偉そうに言うな」
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「痛っ!」
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