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第八章
第八章 第四話
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槍を持った男が籠の前方から突進してきた。
花月が抜刀しながら男に向かっていく。
男が立ち止まって槍を突き出す。
槍の穂先を避けた花月を見た男はそのまま籠に槍穂を突き立てようとした。
槍が伸びきり、槍穂が籠に届く寸前、花月が刀の柄頭で槍柄を弾く。
穂先が籠を逸れた。
男はすかさず槍柄を手繰り寄せる。
速い!
刀の間合いに入る前に引き戻された槍穂が突き出される。
槍を何度も素早く繰り出され懐に飛び込む隙がない。
穂先が花月に届かないとすぐに引いてしまう。
そして近付く間もなく即座に突き出される。
槍柄が伸びないと穂先をやり過ごして刀の間合いに踏み込むことが出来ない。
柄の長さを利用して突くだけとか、重量を利用して勢いを付けて叩き付けるだけというような素人ではない。
かなりの槍の遣い手だ。
敵は他にもいるから槍の相手だけをしているわけにはいかない。
花月は懐に手を入れて扇子を取り出すと、それを開いて上に放り投げた。
扇子がひらひらと宙を舞う。
敵は構わず槍を繰り出してきたが、扇子で出来た一瞬の死角から花月が投げた刀に気付くのが遅れた。
男の胸に刀が突き立つ。
左胸に刀を受けた男が倒れた。
別の男が大太刀で斬り掛かってきた。
花月は脇差を抜いて大太刀の切っ先を弾きながら後ろに跳んだ。
男と花月が向かい合って立つ。
脇差は刀身が短い。
普通の太刀より長い大太刀と脇差では間合いが違いすぎる。
大太刀の男が刀を振り下ろす。
脇差で受けようとしたが、細身の刀身は簡単に折れてしまった。
花月は咄嗟に後ろに跳んだが切っ先が僅かに花月の肩の下を斬り裂く。
白い小袖の胸に小さな真紅の染みが出来る。
男が突進してくる。
花月が懐に手を入れた。
棒手裏剣を男に向かって二投、三投と放つ。
目を狙っているのだが、どれも頭を軽く傾けただけで避けられてしまう。
かと言って身体を狙っても棒手裏剣では大した痛手は与えられないから勢いを付けて突っ込んでくる男を止めることは出来ない。
折れた脇差では投げ付けても大した威力はない。
無刀取りが出来るほど近付かれたら大太刀が籠の中に届いてしまうかもしれない。
大太刀の切っ先が花月に迫る。
刃渡りが長いから花月ごと籠の中まで突き通すつもりなのだ。
花月は真正面に立ったまま折れた脇差を構えた。
敵と戦いながら花月の様子を窺っていた光夜は息を飲んだ。
鍔で受ける気か!
それで脇差を投げ付けずに持っていたのだ。
だが鍔では一度は切っ先を籠から逸らすことは出来ても、その後はまともに遣り合えないだろう。
折れた脇差だけで戦ったら花月も無事では済まないはずだ。
「花月!」
光夜の脇差を投げようにも花月の影に隠れてしまって男の姿はほとんど見えない。
光夜では針の穴を通すような正確な投擲は出来ない。
男に脇差を投げられる位置に移動しようとした時、別の武士が斬り掛かってきた。
こんな時に……!
光夜が体を開いて避ける。
武士が二の太刀を放つ。
それを鎬で弾く。
「どけ! どいてくれ!」
武士と斬り合っていたら間に合わない。
このままじゃ花月が……!
光夜が焦って刀を振り上げた時、再び銃声が響いた。
「花月!」
光夜は武士の懐に飛び込んで胸に脇差を突き立てて花月の方を見ようとしたが、武士の身体が邪魔で見えない。
光夜は脇差から手を放して武士の腹を蹴った。
武士が倒れて視界が開ける。
花月は脇差を構えたまま辺りを窺っていた。
大太刀の男の姿は見えない。
光夜は急いで籠を回った。
地面に男が倒れている。
側に大太刀が転がっていた。
男が絶命しているのは明らかだ。
頭から流れ出す血が広がっていく。
傷は右耳の上辺りだから花月が遣ったのではない。
おそらく今の銃声はこの男が撃たれた時のものだろう。
花月は無事のようだ。
「花月……!」
駆け寄っていく光夜の方を振り向いた花月が折れた脇差を投げた。
脇差が光夜の横を掠めて飛んでいく。
背後で叫び声と地面に何かが倒れた音がした。
振り向くと警護の者が敵を倒したところだった。
倒れている敵の近くに花月の脇差が落ちている。
警護の者と戦っていた敵に花月が投げた脇差が当たったのだろう。
脇差をぶつけられて隙が出来たところを斬られたようだ。
周りから遠ざかっていく複数の足音が聞こえた。
残っていた敵が銃撃を恐れて逃げ出したのだろう。
光夜は花月の左胸の上の方に小さな赤い染みがあるのに気付いた。
「花月、それ……」
「これくらい、掠り傷よ」
そう言って肩を竦めようとして顔を顰めた。
「おい……」
光夜が更に言葉を続けようとしたが、花月は籠に近付き片膝を突くと、
「若様、おケガはありませぬか」
籠の中に声を掛けた。
「大事ない」
信之介がくぐもった声で返事をした。
「桜井様、菊市殿、我らはここを片付けてから追い掛けます故、お二人は若様をお願い致す」
警護の武士を指揮している者が花月にそう声を掛けてきた。
敵味方関係なく道端に死体を転がしたままにしておく訳にはいかないので草むらに移動させる必要がある。
警護の武士の遺体は弔うために屋敷に連れ戻さなければならないが、担いでいくわけにはいかないので後で籠を連れてきて屋敷に運ぶのである。
指揮をしている者が六尺達に合図をすると、彼らは戻ってきて再び籠を担いだ。
籠が再び進み始める。
光夜と花月は並んで歩き出す。
「手当てしなくて良いのかよ」
光夜が小声で訊ねた。
血の染みが少しずつ広がっている。
ついさっきまで染みは半寸もなかったはずだが今は一寸以上ある。
「ここで脱ぐわけにはいかないでしょ」
花月が囁き返す。
そうだ……。
花月はケガをしたからといって場所を選ばすに手当をするわけにはいかない。
確かにここで肌を見せるわけにはいかねぇけど……。
光夜は不安を振り払うように、
「あの銃声は味方だったって事か?」
と訊ねた。
「今回はそうだったみたいね」
花月が答えた。
敵なら最初から籠を狙っていただろう。
銃でいきなり狙撃されたらまず防げない。
一発目を外したというのでもない限り。
それに敵は矢を放ってきた。
おそらく銃を撃った者は弓使いを狙撃したのだろう。
矢を払いながら籠を守りつつ槍や大太刀と渡り合うのは難しい。
銃による掩護のおかげで命拾いしたのだ。
西野家に着くと花月は奥の部屋で手当てしてもらって光夜と信之介がいる部屋に戻ってきた。
「花月さん! 大丈夫でしたか!?」
信之介が心配そうな顔で訊ねた。
「大したことないわよ」
「危ういところでしたな。あと少し踏み込まれていたら命を落とされていたかもしれませぬ」
医師の言葉に顔から血の気が引くのが分かった。
信之介も顔面蒼白になっている。
「実際には何事もありませんでしたし」
花月が笑って手を振ったが、
「笑い事じゃねぇだろ!」
「何かあってからでは遅すぎます!」
「死なねぇことが活人剣の教えだろ!」
光夜と信之介に口々に言われて花月は決まり悪そうに肩を竦めた。
夜、光夜が布団に横になると猫が隣に来た。
光夜の身体に自分の背中を押し付けるようにして寝転ぶ。
脇腹に当たっている猫の背は温かくて柔らかくて少し重い。
これが生き物の温もりだ。
花月が抜刀しながら男に向かっていく。
男が立ち止まって槍を突き出す。
槍の穂先を避けた花月を見た男はそのまま籠に槍穂を突き立てようとした。
槍が伸びきり、槍穂が籠に届く寸前、花月が刀の柄頭で槍柄を弾く。
穂先が籠を逸れた。
男はすかさず槍柄を手繰り寄せる。
速い!
刀の間合いに入る前に引き戻された槍穂が突き出される。
槍を何度も素早く繰り出され懐に飛び込む隙がない。
穂先が花月に届かないとすぐに引いてしまう。
そして近付く間もなく即座に突き出される。
槍柄が伸びないと穂先をやり過ごして刀の間合いに踏み込むことが出来ない。
柄の長さを利用して突くだけとか、重量を利用して勢いを付けて叩き付けるだけというような素人ではない。
かなりの槍の遣い手だ。
敵は他にもいるから槍の相手だけをしているわけにはいかない。
花月は懐に手を入れて扇子を取り出すと、それを開いて上に放り投げた。
扇子がひらひらと宙を舞う。
敵は構わず槍を繰り出してきたが、扇子で出来た一瞬の死角から花月が投げた刀に気付くのが遅れた。
男の胸に刀が突き立つ。
左胸に刀を受けた男が倒れた。
別の男が大太刀で斬り掛かってきた。
花月は脇差を抜いて大太刀の切っ先を弾きながら後ろに跳んだ。
男と花月が向かい合って立つ。
脇差は刀身が短い。
普通の太刀より長い大太刀と脇差では間合いが違いすぎる。
大太刀の男が刀を振り下ろす。
脇差で受けようとしたが、細身の刀身は簡単に折れてしまった。
花月は咄嗟に後ろに跳んだが切っ先が僅かに花月の肩の下を斬り裂く。
白い小袖の胸に小さな真紅の染みが出来る。
男が突進してくる。
花月が懐に手を入れた。
棒手裏剣を男に向かって二投、三投と放つ。
目を狙っているのだが、どれも頭を軽く傾けただけで避けられてしまう。
かと言って身体を狙っても棒手裏剣では大した痛手は与えられないから勢いを付けて突っ込んでくる男を止めることは出来ない。
折れた脇差では投げ付けても大した威力はない。
無刀取りが出来るほど近付かれたら大太刀が籠の中に届いてしまうかもしれない。
大太刀の切っ先が花月に迫る。
刃渡りが長いから花月ごと籠の中まで突き通すつもりなのだ。
花月は真正面に立ったまま折れた脇差を構えた。
敵と戦いながら花月の様子を窺っていた光夜は息を飲んだ。
鍔で受ける気か!
それで脇差を投げ付けずに持っていたのだ。
だが鍔では一度は切っ先を籠から逸らすことは出来ても、その後はまともに遣り合えないだろう。
折れた脇差だけで戦ったら花月も無事では済まないはずだ。
「花月!」
光夜の脇差を投げようにも花月の影に隠れてしまって男の姿はほとんど見えない。
光夜では針の穴を通すような正確な投擲は出来ない。
男に脇差を投げられる位置に移動しようとした時、別の武士が斬り掛かってきた。
こんな時に……!
光夜が体を開いて避ける。
武士が二の太刀を放つ。
それを鎬で弾く。
「どけ! どいてくれ!」
武士と斬り合っていたら間に合わない。
このままじゃ花月が……!
光夜が焦って刀を振り上げた時、再び銃声が響いた。
「花月!」
光夜は武士の懐に飛び込んで胸に脇差を突き立てて花月の方を見ようとしたが、武士の身体が邪魔で見えない。
光夜は脇差から手を放して武士の腹を蹴った。
武士が倒れて視界が開ける。
花月は脇差を構えたまま辺りを窺っていた。
大太刀の男の姿は見えない。
光夜は急いで籠を回った。
地面に男が倒れている。
側に大太刀が転がっていた。
男が絶命しているのは明らかだ。
頭から流れ出す血が広がっていく。
傷は右耳の上辺りだから花月が遣ったのではない。
おそらく今の銃声はこの男が撃たれた時のものだろう。
花月は無事のようだ。
「花月……!」
駆け寄っていく光夜の方を振り向いた花月が折れた脇差を投げた。
脇差が光夜の横を掠めて飛んでいく。
背後で叫び声と地面に何かが倒れた音がした。
振り向くと警護の者が敵を倒したところだった。
倒れている敵の近くに花月の脇差が落ちている。
警護の者と戦っていた敵に花月が投げた脇差が当たったのだろう。
脇差をぶつけられて隙が出来たところを斬られたようだ。
周りから遠ざかっていく複数の足音が聞こえた。
残っていた敵が銃撃を恐れて逃げ出したのだろう。
光夜は花月の左胸の上の方に小さな赤い染みがあるのに気付いた。
「花月、それ……」
「これくらい、掠り傷よ」
そう言って肩を竦めようとして顔を顰めた。
「おい……」
光夜が更に言葉を続けようとしたが、花月は籠に近付き片膝を突くと、
「若様、おケガはありませぬか」
籠の中に声を掛けた。
「大事ない」
信之介がくぐもった声で返事をした。
「桜井様、菊市殿、我らはここを片付けてから追い掛けます故、お二人は若様をお願い致す」
警護の武士を指揮している者が花月にそう声を掛けてきた。
敵味方関係なく道端に死体を転がしたままにしておく訳にはいかないので草むらに移動させる必要がある。
警護の武士の遺体は弔うために屋敷に連れ戻さなければならないが、担いでいくわけにはいかないので後で籠を連れてきて屋敷に運ぶのである。
指揮をしている者が六尺達に合図をすると、彼らは戻ってきて再び籠を担いだ。
籠が再び進み始める。
光夜と花月は並んで歩き出す。
「手当てしなくて良いのかよ」
光夜が小声で訊ねた。
血の染みが少しずつ広がっている。
ついさっきまで染みは半寸もなかったはずだが今は一寸以上ある。
「ここで脱ぐわけにはいかないでしょ」
花月が囁き返す。
そうだ……。
花月はケガをしたからといって場所を選ばすに手当をするわけにはいかない。
確かにここで肌を見せるわけにはいかねぇけど……。
光夜は不安を振り払うように、
「あの銃声は味方だったって事か?」
と訊ねた。
「今回はそうだったみたいね」
花月が答えた。
敵なら最初から籠を狙っていただろう。
銃でいきなり狙撃されたらまず防げない。
一発目を外したというのでもない限り。
それに敵は矢を放ってきた。
おそらく銃を撃った者は弓使いを狙撃したのだろう。
矢を払いながら籠を守りつつ槍や大太刀と渡り合うのは難しい。
銃による掩護のおかげで命拾いしたのだ。
西野家に着くと花月は奥の部屋で手当てしてもらって光夜と信之介がいる部屋に戻ってきた。
「花月さん! 大丈夫でしたか!?」
信之介が心配そうな顔で訊ねた。
「大したことないわよ」
「危ういところでしたな。あと少し踏み込まれていたら命を落とされていたかもしれませぬ」
医師の言葉に顔から血の気が引くのが分かった。
信之介も顔面蒼白になっている。
「実際には何事もありませんでしたし」
花月が笑って手を振ったが、
「笑い事じゃねぇだろ!」
「何かあってからでは遅すぎます!」
「死なねぇことが活人剣の教えだろ!」
光夜と信之介に口々に言われて花月は決まり悪そうに肩を竦めた。
夜、光夜が布団に横になると猫が隣に来た。
光夜の身体に自分の背中を押し付けるようにして寝転ぶ。
脇腹に当たっている猫の背は温かくて柔らかくて少し重い。
これが生き物の温もりだ。
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