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第六章
第三話
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翌日から西野家中屋敷で稽古が始まった。
花月と光夜は信之介や文丸と共に庭で素振りをしていた。
「若、握り方はこうです」
剣術指南役の夷隅が指導をしているが肝心の文丸は全くやる気がない様子で面倒くさそうに木刀を振っていた。
その様子を見ていた花月が、
「夷隅先生、よろしいでしょうか」
と夷隅に声を掛けた。
「菊市と村瀬の試合を若様に見ていただいてはいかがでしょう」
夷隅もいい加減うんざりしていたのかすぐに花月の提案に乗った。
光夜と信之介は三間の間を取って向かい合った。
礼をすると互いに青眼に構えた。
信之介と向かい合った瞬間、他のことは全て頭から消えた。
二人は足の裏を擦るようにして間を詰めていった。
一足一刀の間境の半歩手前で止まり睨み合う。
不意に池の鯉が跳ねた。
刹那、光夜が突きを放つ。
信之介が光夜の木刀を弾くと袈裟に振り下ろした。
光夜の肩の寸前で木刀が止まった。
「一本!」
くそ! 今度こそ!
二人は再度三間の間を取って向かい合った。
先に動いたのは信之介だった。
「たぁ!」
木刀を振り上げて面を狙った。
光夜は木刀を弾く。
二人の木刀が弾かれ合った。
次の瞬間、二人は同時に二の太刀を放った。
光夜は胴へ、信之介は面へ。
わずかに光夜の方が速かった。
信之介の胴に当たる寸前で木刀を止めた。
信之介の木刀は、光夜の面の三寸上で止まっていた。
「そこまで!」
夷隅が言った。
光夜と信之介が木刀を降ろして礼をする。
文丸は二人の試合に目を奪われていた。
それを見た夷隅が、
「桜井殿、貴殿は儂の教えを請いたいそうだな」
と花月に声を掛けた。
「はい」
「新陰流の面影はもうないが、それでも良いか」
「構いません」
「では、手合わせをして進ぜよう」
「有難うございます」
夷隅は文丸が試合に興味を示したことに気付いて、この機に稽古をする気にさせようというのだろう。
夷隅と花月は五間の間を取って向き合った。
礼をすると、花月は青眼に構えた。
夷隅は下段に構えている。
花月は一歩前に踏み出しながら八双の構えに変えた。
普段は使わない構えだ。
教えを請うための試合とは言え文丸が剣術に興味を覚えさせるためのものだから敢えて遣っているのだろう。
二人は足指で這うようにゆっくりと距離を縮めた。
一足一刀の間境の手前で止まると、睨み合った。
花月の頬を汗が伝った。
汗が落ちた瞬間、
「はぁっ!」
花月が袈裟に振り下ろした。
夷隅がそれを弾く。
そのまま小手を放った。
花月は右足を引き体を開いて躱すと胴払いを掛けた。
しかし夷隅は花月の木刀を弾くと、面に振り下ろした。
花月の額の寸前で木刀が止まった。
「参りました」
花月が夷隅に深くお辞儀をした。
それから文丸の方を振り向くと、
「いかがですか、若様」
と、静かに声を掛けた。
「……すごいな」
文丸は言葉を失っていた。
「若様にも出来るようになります」
「まことか?」
「はい。お試しになりますか?」
「え、今か? 儂には無理じゃ」
「私が助言致します。私の言うとおりに木刀を動かしてください」
花月はそう言って文丸に木刀を持たせ、光夜に向かって頷く。
光夜を招き寄せて木刀の切っ先が触れる程近い場所に立たせた。
「光夜、面を」
光夜は一歩踏み込むと、ゆっくり木刀を下ろした。
「上へ」
文丸が言われたとおりに木刀を上に力一杯振り上げた。
木刀がぶつかり合った。
光夜は軽く振り下ろしたつもりだったが、文丸の木刀だけが弾かれる。
文丸は何とか木刀を持ち上げて再度青眼の構えを取った。
「右へ」
文丸が言われたとおり木刀を横に払う。
再び光夜が文丸の木刀を弾く。
文丸がよろける。
文丸が体勢を立て直すと、
「一歩踏み込んで突き出す」
花月が声を掛けた。
文丸が言われたとおりに木刀を突き出す。
光夜が軽く弾く。
文丸が木刀に振り回されるようによろけた。
そんな遣り取りを暫く繰り返した。
そのうち文丸が肩で息を始めた。
光夜は打ち込んでいいか分からず花月の方に目を向けた。
花月が構わないと目配せしたので、そのまま小手を打った。
文丸の手に当たる寸前で木刀を止めた。
「儂の負けか」
文丸は木刀を下ろした。
「然様でございます。いかがでしたか?」
「面白かったぞ。剣術というのは楽しいものじゃな」
文丸は頬を上気させて言った。
目が輝いている。
「今回は私が助言させて頂きましたが、若様も上達なされば一人で戦えるようになります」
「先ほどの信之介達のようにか?」
「はい。勿論、稽古をずっと続けていけば、ですが」
「よし、儂は遣るぞ」
「若、素振りも稽古のうちですぞ」
花月達が居ないときに試合をしたい、などと言い出されては困ると思ったのだろう、夷隅が釘を刺した。
「分かっておる。しかし、たまには今のように試合をさせてくれるのであろう?」
「はっ。若が稽古を真面目になさって下さるのであれば」
夷隅は仕方ないという感じで頷いた。
「では、やるぞ」
文丸は勢いよく木刀を振り始めた。
とはいえ、今まで真面目に剣術の稽古をしていなかった文丸は体力がなかったのであまり長時間は出来なかった。
稽古が終わると花月達は文丸の座敷に招かれた。
四人の前に膳が置かれ茶菓子と茶が載せられている。
文丸の側に年配の女中が控えていた。
「花月は夷隅の教えを請いたいと申したそうじゃな。夷隅はそれほどすごい者なのか?」
「無論でございます。でなければ剣術師範は務まりませぬ」
「そうか。儂は今日初めて剣術が楽しいと思ったぞ」
「上達すれば更に楽しくなります」
「ならば早く上達したいのぉ」
文丸が嬉しそうに言った。
確かに花月は教え上手だ。
乗せるのが上手いと言うべきか。
「日々の稽古を欠かさなければ……」
殺気!
光夜が文丸を押し倒すのと、花月が膳を掴んで棒手裏剣を叩き落とすのは同時だった。
文丸の後ろに控えていた女中が悲鳴を上げる。
花月は縁側に駆け寄ると、懐に忍ばせておいた棒手裏剣を木の枝を飛び移っていく曲者に投げ付けた。
一投、二投と立て続けに放つ。
しかし、どちらも木の枝を飛び移って逃げていく黒い影には僅かに届かず木の幹に突き刺さった。
あっという間に曲者は木々の向こうに消えた。
廊下を駆けてくる足音がして「御免!」と言う声とともに警護の者達が駆け込んできた。
花月は振り返って部屋の中を見回した。
「若様、ご無事ですか」
「なんじゃ、今のは」
「曲者にございます」
畳の上に五寸釘の両側を尖らせたようなものが数本落ちていた。
「これは……」
「棒手裏剣にございます」
「これが手裏剣か」
文丸が手裏剣に手を伸ばそうとした。
「触れてはなりませぬ。毒が塗ってあるやもしれませぬ」
花月が制すると文丸は慌てて手を引っ込めた。
警護の者が布で手裏剣を包んで取り上げる。
「花月が投げたのも……」
「これと棒手裏剣でございます」
花月はそう言って自分の棒手裏剣を文丸に見せた。
「そなたは忍びではないのであろう?」
「手裏剣術は忍びの者も使いますが、武芸十八般の一つでございます故武士でも嗜む者がおります」
「では武士も手裏剣を持ち歩くものなのか? 信之介は持っておらなんだぞ」
「人によります。私は手裏剣術が得意なので持ち歩いているだけにございます」
花月は文丸の質問に色々答えていた。
篠野に言われていた帰る刻限はとっくに過ぎているにも関わらず文丸の相手をしているのは再び襲撃されるかもしれないと警戒しているのだろう。
やがて敷地の内外を確認し終えたのか篠野がもう大丈夫だというので二人は屋敷を辞した。
花月と光夜は信之介や文丸と共に庭で素振りをしていた。
「若、握り方はこうです」
剣術指南役の夷隅が指導をしているが肝心の文丸は全くやる気がない様子で面倒くさそうに木刀を振っていた。
その様子を見ていた花月が、
「夷隅先生、よろしいでしょうか」
と夷隅に声を掛けた。
「菊市と村瀬の試合を若様に見ていただいてはいかがでしょう」
夷隅もいい加減うんざりしていたのかすぐに花月の提案に乗った。
光夜と信之介は三間の間を取って向かい合った。
礼をすると互いに青眼に構えた。
信之介と向かい合った瞬間、他のことは全て頭から消えた。
二人は足の裏を擦るようにして間を詰めていった。
一足一刀の間境の半歩手前で止まり睨み合う。
不意に池の鯉が跳ねた。
刹那、光夜が突きを放つ。
信之介が光夜の木刀を弾くと袈裟に振り下ろした。
光夜の肩の寸前で木刀が止まった。
「一本!」
くそ! 今度こそ!
二人は再度三間の間を取って向かい合った。
先に動いたのは信之介だった。
「たぁ!」
木刀を振り上げて面を狙った。
光夜は木刀を弾く。
二人の木刀が弾かれ合った。
次の瞬間、二人は同時に二の太刀を放った。
光夜は胴へ、信之介は面へ。
わずかに光夜の方が速かった。
信之介の胴に当たる寸前で木刀を止めた。
信之介の木刀は、光夜の面の三寸上で止まっていた。
「そこまで!」
夷隅が言った。
光夜と信之介が木刀を降ろして礼をする。
文丸は二人の試合に目を奪われていた。
それを見た夷隅が、
「桜井殿、貴殿は儂の教えを請いたいそうだな」
と花月に声を掛けた。
「はい」
「新陰流の面影はもうないが、それでも良いか」
「構いません」
「では、手合わせをして進ぜよう」
「有難うございます」
夷隅は文丸が試合に興味を示したことに気付いて、この機に稽古をする気にさせようというのだろう。
夷隅と花月は五間の間を取って向き合った。
礼をすると、花月は青眼に構えた。
夷隅は下段に構えている。
花月は一歩前に踏み出しながら八双の構えに変えた。
普段は使わない構えだ。
教えを請うための試合とは言え文丸が剣術に興味を覚えさせるためのものだから敢えて遣っているのだろう。
二人は足指で這うようにゆっくりと距離を縮めた。
一足一刀の間境の手前で止まると、睨み合った。
花月の頬を汗が伝った。
汗が落ちた瞬間、
「はぁっ!」
花月が袈裟に振り下ろした。
夷隅がそれを弾く。
そのまま小手を放った。
花月は右足を引き体を開いて躱すと胴払いを掛けた。
しかし夷隅は花月の木刀を弾くと、面に振り下ろした。
花月の額の寸前で木刀が止まった。
「参りました」
花月が夷隅に深くお辞儀をした。
それから文丸の方を振り向くと、
「いかがですか、若様」
と、静かに声を掛けた。
「……すごいな」
文丸は言葉を失っていた。
「若様にも出来るようになります」
「まことか?」
「はい。お試しになりますか?」
「え、今か? 儂には無理じゃ」
「私が助言致します。私の言うとおりに木刀を動かしてください」
花月はそう言って文丸に木刀を持たせ、光夜に向かって頷く。
光夜を招き寄せて木刀の切っ先が触れる程近い場所に立たせた。
「光夜、面を」
光夜は一歩踏み込むと、ゆっくり木刀を下ろした。
「上へ」
文丸が言われたとおりに木刀を上に力一杯振り上げた。
木刀がぶつかり合った。
光夜は軽く振り下ろしたつもりだったが、文丸の木刀だけが弾かれる。
文丸は何とか木刀を持ち上げて再度青眼の構えを取った。
「右へ」
文丸が言われたとおり木刀を横に払う。
再び光夜が文丸の木刀を弾く。
文丸がよろける。
文丸が体勢を立て直すと、
「一歩踏み込んで突き出す」
花月が声を掛けた。
文丸が言われたとおりに木刀を突き出す。
光夜が軽く弾く。
文丸が木刀に振り回されるようによろけた。
そんな遣り取りを暫く繰り返した。
そのうち文丸が肩で息を始めた。
光夜は打ち込んでいいか分からず花月の方に目を向けた。
花月が構わないと目配せしたので、そのまま小手を打った。
文丸の手に当たる寸前で木刀を止めた。
「儂の負けか」
文丸は木刀を下ろした。
「然様でございます。いかがでしたか?」
「面白かったぞ。剣術というのは楽しいものじゃな」
文丸は頬を上気させて言った。
目が輝いている。
「今回は私が助言させて頂きましたが、若様も上達なされば一人で戦えるようになります」
「先ほどの信之介達のようにか?」
「はい。勿論、稽古をずっと続けていけば、ですが」
「よし、儂は遣るぞ」
「若、素振りも稽古のうちですぞ」
花月達が居ないときに試合をしたい、などと言い出されては困ると思ったのだろう、夷隅が釘を刺した。
「分かっておる。しかし、たまには今のように試合をさせてくれるのであろう?」
「はっ。若が稽古を真面目になさって下さるのであれば」
夷隅は仕方ないという感じで頷いた。
「では、やるぞ」
文丸は勢いよく木刀を振り始めた。
とはいえ、今まで真面目に剣術の稽古をしていなかった文丸は体力がなかったのであまり長時間は出来なかった。
稽古が終わると花月達は文丸の座敷に招かれた。
四人の前に膳が置かれ茶菓子と茶が載せられている。
文丸の側に年配の女中が控えていた。
「花月は夷隅の教えを請いたいと申したそうじゃな。夷隅はそれほどすごい者なのか?」
「無論でございます。でなければ剣術師範は務まりませぬ」
「そうか。儂は今日初めて剣術が楽しいと思ったぞ」
「上達すれば更に楽しくなります」
「ならば早く上達したいのぉ」
文丸が嬉しそうに言った。
確かに花月は教え上手だ。
乗せるのが上手いと言うべきか。
「日々の稽古を欠かさなければ……」
殺気!
光夜が文丸を押し倒すのと、花月が膳を掴んで棒手裏剣を叩き落とすのは同時だった。
文丸の後ろに控えていた女中が悲鳴を上げる。
花月は縁側に駆け寄ると、懐に忍ばせておいた棒手裏剣を木の枝を飛び移っていく曲者に投げ付けた。
一投、二投と立て続けに放つ。
しかし、どちらも木の枝を飛び移って逃げていく黒い影には僅かに届かず木の幹に突き刺さった。
あっという間に曲者は木々の向こうに消えた。
廊下を駆けてくる足音がして「御免!」と言う声とともに警護の者達が駆け込んできた。
花月は振り返って部屋の中を見回した。
「若様、ご無事ですか」
「なんじゃ、今のは」
「曲者にございます」
畳の上に五寸釘の両側を尖らせたようなものが数本落ちていた。
「これは……」
「棒手裏剣にございます」
「これが手裏剣か」
文丸が手裏剣に手を伸ばそうとした。
「触れてはなりませぬ。毒が塗ってあるやもしれませぬ」
花月が制すると文丸は慌てて手を引っ込めた。
警護の者が布で手裏剣を包んで取り上げる。
「花月が投げたのも……」
「これと棒手裏剣でございます」
花月はそう言って自分の棒手裏剣を文丸に見せた。
「そなたは忍びではないのであろう?」
「手裏剣術は忍びの者も使いますが、武芸十八般の一つでございます故武士でも嗜む者がおります」
「では武士も手裏剣を持ち歩くものなのか? 信之介は持っておらなんだぞ」
「人によります。私は手裏剣術が得意なので持ち歩いているだけにございます」
花月は文丸の質問に色々答えていた。
篠野に言われていた帰る刻限はとっくに過ぎているにも関わらず文丸の相手をしているのは再び襲撃されるかもしれないと警戒しているのだろう。
やがて敷地の内外を確認し終えたのか篠野がもう大丈夫だというので二人は屋敷を辞した。
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