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第七章 花のように
第三話
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「首に大きな黒子?」
如月は女子生徒に聞き返した。
「ここのところに。マスクに隠れてなかったから見えたんです」
女子生徒が右の耳の二センチほど下を指した。
如月は礼を言うと、女子生徒の名前と連絡先を控えてから、少年課の刑事に話しかけた。
先ほど病院へ行った刑事とスマホで話していたから、内藤から聞いた内容も知っているだろうと思ったのだ。
「あの、内藤君は刺した男のこと……」
「男だって証言があったのか!?」
「いえ、そう言うわけでは……」
刑事は、余計な先入観は捜査を見誤る、とか何とかひとしきりぶった。
ようやく刑事が話し終えたところで、
「内藤君は自分を刺した人間をなんて言ってるんですか?」
と訊ねた。
「顔は分からなかったそうだ」
「じゃあ、誰に刺されたかは……」
「全く分からないらしい」
如月は礼を言うと、団藤の元へ行った。
「団藤警部補、自分も病院に行って内藤君の話を聞きたいのですが」
「もう向こうには少年課の刑事がいるから嫌な顔されると思うぞ」
「確認したいことがあるんです」
「分かった。桜井、一緒に行け」
団藤はそう言うと紘彬に声をかけた。
二人は病院へ向かった。
「なんか分かったのか?」
「聞いてみないと何とも……」
如月は言葉を濁した。
「そうか。ま、いいや。早く行こうぜ。紘一も連絡待ってるだろうし」
二人は歌舞伎町にある病院へ向かった。
紘彬と如月は十三階でエレベーターを降りた。
目の前にはナースステーションがあり、その両脇から通路が奥へ向かって延びていた。
ナースステーションと通路を挟んだ向かい側に談話室のようなものがあった。冷蔵庫も置いてある。
看護師の一人に内藤の病室を聞くと談話室の隣だった。
「やっぱ、十三階だから部屋番号が一三〇一号室とかなんだな」
「そうですね」
「ここ、整形外科の階だろ。大手術とか受ける前や後に十三の着く部屋番号なんて嫌だろうな」
「桜井さん」
如月が声を潜めて窘めた。
通路の外側、つまり窓がついている側に病室が並んでいた。
通路を挟んで病室の向かい側に車いす用トイレの大きな扉が三つ並んでおり、その先に洗浄室があり、その向こうに普通のトイレがあった。トイレの出入り口は患者が出入りしやすいようにドアではなく、カーテンが掛けられていた。
病室のドアはスライド式でどこも開きっぱなしになっていた。
「あ、ここです。失礼します」
如月が声をかけて中に入った。
中は二人部屋だったが、廊下側のベッドは空いていた。
少年課の刑事は見当たらなかった。一旦帰ったのかもしれない。
「すみません」
そう声をかけると、五十代くらいの女性が振り向いた。
紘彬と如月は警察手帳を見せた。
「ご苦労様です」
女性が丁寧に頭を下げた。
「さっきも刑事が来たと思いますが、内藤君にあと一つ二つ確認したいことがあるので……」
如月がそう言うと、
「どうぞ。私は向こうへ行ってますので」
内藤の母親らしき女性は病室から出て行った。
「内藤君、少しいいかな」
内藤は口をつぐんでいた。
「傷の具合は?」
「そんなこと、聞きに来たの?」
「これは社交辞令」
如月がそう答えると、内藤の口角がわずかに上がった。
「犯人は誰だか分からないって言ったそうだけど」
「それがどうかした?」
「ホントは誰だか知ってるんだよね。庇ってるんでしょ」
「なんで俺があんなヤ……」
内藤は言いかけて慌てて口を閉じた。
「俺には理由は分からないけど」
如月はそう言うと、
「じゃあ、行きましょうか」
紘彬に声をかけて踵を返した。
「俺が訴えないって言ったら!?」
「殺人未遂は親告罪じゃないから」
如月は振り返って答えた。
「でも、俺のせいで……」
「じゃあ、仮に彼を捕まえなかったとして、それで何か解決するの?」
「え?」
「万引きで何か解決した?」
内藤は黙り込んだ。
「腹いせに君を刺して、捕まらなかったとしたら、また同じことをするんじゃないの? 原因は相手にあるんだからって言い訳して、気にくわない人を刺して回るようになるかもしれないよ」
内藤は俯いた。
掛け布団の上に出していた両手を強く握りしめる。
「たとえ何があろうと、人を刺すのはいけないことだよね。もし君に何か非があったんだとしたら、法的な手段に訴えるべきだった。そのための法律でしょ」
「法律のことは詳しくないけど、俺を訴えられるような法律がなかったとしたら?」
内藤が小さな声で訊ねた。
「そのための選挙権だろ」
紘彬が言った。
内藤は怪訝な表情で顔を上げた。
いきなり選挙の話が出てきて戸惑ったらしい。
「法律がなくて困るって言うなら国会議員に働きかけて作ってもらえばいい。そのための立法府だし、そのための国会だし、そのための選挙だ。国会議員は法律を作るために給料もらってるんだから」
「でも、俺はまだ選挙権……」
「君にはなくても彼にはあるよ」
如月が言った。
内藤は俯いた。
「もし、君が後悔してるんなら、担当検事に事情を伝えてあげるよ。多分、情状酌量してもらえると思う」
「ホントですか!」
内藤はまた顔を上げた。
「ただ、それだと君がやったことが裁判で公になっちゃうかもしれないけど。学校退学になるかもしれないよ」
「構いません。自分がやったことです。責任を取ります」
内藤は如月の目を見つめて言った。
「分かった。じゃ、彼を逮捕したら検事にそう伝えるよ」
如月はそう言うと、今度こそ病室を後にした。
一旦署へ戻って課長に報告すると、紘彬と如月は高田馬場の書店へ向かった。
道すがら、如月は、容疑者のガードマンと紘一や内藤との関わりを話した。
「黙っててすみませんでした」
「気にすんなよ。どうせ言わないでくれって頼まれてたんだろ」
「そうですが……」
「いいっていいって」
紘彬が如月の背中をばんばん叩いた。
如月は少し気が軽くなった。
紘彬の開けっぴろげな性格にはいつも救われている気がする。
「しかし、万引きした高校生を刺したってことは、クビにでもなったかな」
「それくらいじゃなければ、あそこまで庇おうとはしないでしょうね」
やがて書店が見えてきた。
紘彬と如月が警察手帳を見せると店長のオフィスに通された。
「え、新発田ですか? 彼ならしばらく前に解雇しましたが、また何か問題でも?」
「新発田の住所を教えていただけますか?」
「あの、何かこの店のことで問題でも?」
谷垣がしつこく訊いてきた。
新発田より店のことが心配なようだ。
「この店には関係ありませんから、住所を」
如月がそう言うと、谷垣は安心した様子で新発田のファイルを差し出した。
それを見ると、新発田の住所は石神井だった。
如月は女子生徒に聞き返した。
「ここのところに。マスクに隠れてなかったから見えたんです」
女子生徒が右の耳の二センチほど下を指した。
如月は礼を言うと、女子生徒の名前と連絡先を控えてから、少年課の刑事に話しかけた。
先ほど病院へ行った刑事とスマホで話していたから、内藤から聞いた内容も知っているだろうと思ったのだ。
「あの、内藤君は刺した男のこと……」
「男だって証言があったのか!?」
「いえ、そう言うわけでは……」
刑事は、余計な先入観は捜査を見誤る、とか何とかひとしきりぶった。
ようやく刑事が話し終えたところで、
「内藤君は自分を刺した人間をなんて言ってるんですか?」
と訊ねた。
「顔は分からなかったそうだ」
「じゃあ、誰に刺されたかは……」
「全く分からないらしい」
如月は礼を言うと、団藤の元へ行った。
「団藤警部補、自分も病院に行って内藤君の話を聞きたいのですが」
「もう向こうには少年課の刑事がいるから嫌な顔されると思うぞ」
「確認したいことがあるんです」
「分かった。桜井、一緒に行け」
団藤はそう言うと紘彬に声をかけた。
二人は病院へ向かった。
「なんか分かったのか?」
「聞いてみないと何とも……」
如月は言葉を濁した。
「そうか。ま、いいや。早く行こうぜ。紘一も連絡待ってるだろうし」
二人は歌舞伎町にある病院へ向かった。
紘彬と如月は十三階でエレベーターを降りた。
目の前にはナースステーションがあり、その両脇から通路が奥へ向かって延びていた。
ナースステーションと通路を挟んだ向かい側に談話室のようなものがあった。冷蔵庫も置いてある。
看護師の一人に内藤の病室を聞くと談話室の隣だった。
「やっぱ、十三階だから部屋番号が一三〇一号室とかなんだな」
「そうですね」
「ここ、整形外科の階だろ。大手術とか受ける前や後に十三の着く部屋番号なんて嫌だろうな」
「桜井さん」
如月が声を潜めて窘めた。
通路の外側、つまり窓がついている側に病室が並んでいた。
通路を挟んで病室の向かい側に車いす用トイレの大きな扉が三つ並んでおり、その先に洗浄室があり、その向こうに普通のトイレがあった。トイレの出入り口は患者が出入りしやすいようにドアではなく、カーテンが掛けられていた。
病室のドアはスライド式でどこも開きっぱなしになっていた。
「あ、ここです。失礼します」
如月が声をかけて中に入った。
中は二人部屋だったが、廊下側のベッドは空いていた。
少年課の刑事は見当たらなかった。一旦帰ったのかもしれない。
「すみません」
そう声をかけると、五十代くらいの女性が振り向いた。
紘彬と如月は警察手帳を見せた。
「ご苦労様です」
女性が丁寧に頭を下げた。
「さっきも刑事が来たと思いますが、内藤君にあと一つ二つ確認したいことがあるので……」
如月がそう言うと、
「どうぞ。私は向こうへ行ってますので」
内藤の母親らしき女性は病室から出て行った。
「内藤君、少しいいかな」
内藤は口をつぐんでいた。
「傷の具合は?」
「そんなこと、聞きに来たの?」
「これは社交辞令」
如月がそう答えると、内藤の口角がわずかに上がった。
「犯人は誰だか分からないって言ったそうだけど」
「それがどうかした?」
「ホントは誰だか知ってるんだよね。庇ってるんでしょ」
「なんで俺があんなヤ……」
内藤は言いかけて慌てて口を閉じた。
「俺には理由は分からないけど」
如月はそう言うと、
「じゃあ、行きましょうか」
紘彬に声をかけて踵を返した。
「俺が訴えないって言ったら!?」
「殺人未遂は親告罪じゃないから」
如月は振り返って答えた。
「でも、俺のせいで……」
「じゃあ、仮に彼を捕まえなかったとして、それで何か解決するの?」
「え?」
「万引きで何か解決した?」
内藤は黙り込んだ。
「腹いせに君を刺して、捕まらなかったとしたら、また同じことをするんじゃないの? 原因は相手にあるんだからって言い訳して、気にくわない人を刺して回るようになるかもしれないよ」
内藤は俯いた。
掛け布団の上に出していた両手を強く握りしめる。
「たとえ何があろうと、人を刺すのはいけないことだよね。もし君に何か非があったんだとしたら、法的な手段に訴えるべきだった。そのための法律でしょ」
「法律のことは詳しくないけど、俺を訴えられるような法律がなかったとしたら?」
内藤が小さな声で訊ねた。
「そのための選挙権だろ」
紘彬が言った。
内藤は怪訝な表情で顔を上げた。
いきなり選挙の話が出てきて戸惑ったらしい。
「法律がなくて困るって言うなら国会議員に働きかけて作ってもらえばいい。そのための立法府だし、そのための国会だし、そのための選挙だ。国会議員は法律を作るために給料もらってるんだから」
「でも、俺はまだ選挙権……」
「君にはなくても彼にはあるよ」
如月が言った。
内藤は俯いた。
「もし、君が後悔してるんなら、担当検事に事情を伝えてあげるよ。多分、情状酌量してもらえると思う」
「ホントですか!」
内藤はまた顔を上げた。
「ただ、それだと君がやったことが裁判で公になっちゃうかもしれないけど。学校退学になるかもしれないよ」
「構いません。自分がやったことです。責任を取ります」
内藤は如月の目を見つめて言った。
「分かった。じゃ、彼を逮捕したら検事にそう伝えるよ」
如月はそう言うと、今度こそ病室を後にした。
一旦署へ戻って課長に報告すると、紘彬と如月は高田馬場の書店へ向かった。
道すがら、如月は、容疑者のガードマンと紘一や内藤との関わりを話した。
「黙っててすみませんでした」
「気にすんなよ。どうせ言わないでくれって頼まれてたんだろ」
「そうですが……」
「いいっていいって」
紘彬が如月の背中をばんばん叩いた。
如月は少し気が軽くなった。
紘彬の開けっぴろげな性格にはいつも救われている気がする。
「しかし、万引きした高校生を刺したってことは、クビにでもなったかな」
「それくらいじゃなければ、あそこまで庇おうとはしないでしょうね」
やがて書店が見えてきた。
紘彬と如月が警察手帳を見せると店長のオフィスに通された。
「え、新発田ですか? 彼ならしばらく前に解雇しましたが、また何か問題でも?」
「新発田の住所を教えていただけますか?」
「あの、何かこの店のことで問題でも?」
谷垣がしつこく訊いてきた。
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