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第二章 花曇り
第五話
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「あの、花耶ちゃんが納豆食べるって本当ですか?」
「食うよ。さすがに昼飯では食わないけどな」
紘彬は雑誌の開いたページに目をやりながらカツ丼を口に運んだ。
腹部を血まみれにして倒れている男性の写真が載っていた。
死後時間がたっているのか、血は黒く変色していた。
「それ、法医学の雑誌ですよね。なんの記事ですか?」
「遺体になってからどれくらいでハエが来て卵を産むかとかそういうこと。ハエが肉の塊に大量の卵を産むと丁度ミートソースにパルメザンチーズかけたみたいになるんだ」
コンビニで買ってきたミートソーススパゲッティにパルメザンチーズをかけていた飯田が嫌そうな顔をしながら容器をデスクに置いた。
「よく食事中に読む気になるな」
団藤が呆れたように言った。
「大学じゃウジの群れが握り飯の米粒が動いてるみたいなの見ながら飯食ってたからな」
上田が食べていた塩握りをゴミ箱に捨てた。
佐久はコンビニ弁当を掴むと慌てて刑事部屋から出て行った。
そういえば、桜井さんってCSI:見て法医学者目指した人だったっけ。
大学時代は暇さえあれば法医学部の教授にくっついて歩いて、ありとあらゆるグロい死体を見て回っていたと言っていた。
大塚の監察医務院にもしょっちゅう顔を出していたから、内定もかなり早い段階で決まっていたらしい。
定時を回り、それぞれが帰り支度をしていると、刑事部屋がノックされ中山が入ってきた。
「失礼します!」
中山は敬礼した。
「よう、中村だっけ? どうした?」
「桜井さん、中山ですよ」
如月が小声で正した。
「例の女性につきまとっていた男ですが」
「どうした?」
「女性に襲いかかっていたところを逮捕しました!」
「お手柄じゃないか」
紘彬が中山の肩を叩いた。
「有難うございます!」
中山が頬を紅潮させて敬礼した。
「あの女性は? 片桐だっけ?」
「片山です」
如月が訂正した。
「首を絞められて意識を失っていたので救急車で病院に運びました」
団藤と上田は、早速男を取調室に入れた。
男はがりがりに痩せ、頬はこけ、肌は土気色をしていた。
落ち着かない様子でしきりに貧乏揺すりをしている。
「まず、名前と住所は?」
男は名乗らなかったが、身体検査の時出てきた免許証から、土田慎司という名だと分かった。
同時に、如月は飯田とともに病院へ向かい片山紀子から話を聞いていた。
土田の言い分によると、片山が自分にラブレターをくれたから話しかけようとしていただけだと主張していた。
「お前は話をするとき相手の首を絞めるのか!」
上田が机を叩いて怒鳴りつけた。
一方、ラブレターを渡したのかと片山に聞くと、
「知らないわよ! 大体この年でラブレターなんて出すと思う!?」
と最初は答えていたのだが、土田の名前を聞くと、そう言えば中学二年の時に渡した記憶がある、と言った。
「でも、もう十年以上も前の話よ! あのとき結局返事はもらえなかったし!」
確かに片山も土田も二十八歳だから中学二年の時と言ったら十四年も前の話だ。
「なんにせよ、殺人未遂だ。桜井、令状取って土田の家を家宅捜索してくれ。何か他の動機が見つかるかもしれん」
「了解」
土田の家は、地下鉄東西線の早稲田駅から五分程のところにあった。
細い路地を入ったところに建つ、古くて今にも倒れそうなぼろアパートの二階だった。
一階、二階とも二部屋ずつ、上の階へは外側に着いている階段を上がる。
長年風雨に晒されるまま、手入れもされてなかったのだろう、外壁はなんとも言えない色をしていた。元が何色だったのか想像もつかない。
ブロック塀がアパートと道路を隔てていて、その塀に郵便受けがついていた。
郵便受けの扉の一つは取れかかっている。
土田の郵便受けを覗いてみると、請求書がたまっていた。
二階へ上がる階段の登り口で風に揺れているぺんぺん草が侘びしさを誘う。
階段は足を乗せて体重をかける度に、悲鳴のような甲高い軋み音を響かせた。
「この階段、取れて落ちたりしないよな」
「いや、これは、その、申し訳ない」
大家が顔を赤らめて謝った。
「一人ずつ上がりますか?」
紘彬の言葉に佐久が訊ねた。
「ま、仮に落ちても二階からならそんなに大ケガにはならないだろ」
紘彬はそう言うと無造作に階段を上り始めた。
口で心配そうなことを言っていた割に行動は大雑把だ。
佐久が慎重な足取りで続く。足下で階段が悲鳴を上げた。
大家が合鍵を使って土田の部屋の鍵を開けた。
部屋は四畳半二部屋で、外廊下に面したところに狭いシンクがあってそこにコンロが置かれていた。
一応流しも付いていた。
扉を開けると変な臭いがした。何かが腐った臭いだ。玄関は汚れてざらざらしていた。
この分じゃ部屋の中も汚いだろうな。
足を踏み出してみると、案の定畳の上もざらついていた。
きっと靴下は汚れで真っ黒になるだろう。
帰るときにそんな汚れた足で靴を履かなければならないのかと思うとうんざりした。
紘彬は、今度どこかに家宅捜索に入るときは替えの靴下を持っていこうと心に決めた。
今日のところは帰りに新しいインソールを買うことにした。
家具が殆どなく、服などは部屋の隅に積まれていた。
入ってすぐの部屋に置かれているコーヒーテーブルの上には食べ終わったカップ麺や菓子パンの袋が散らかっていた。
カップ麺に残った汁が腐って異臭を放っていた。
「これならそんなに散らからないっスね」
「家宅捜索って散らかるものなのか?」
紘彬は初めての家宅捜索だった。
「やる側が言うのもおかしいかもしれないっスけど、家宅捜索が終わった後って結構悲惨な状態なんスよ」
「片付け大変そうだな、とか思っちゃうんだ」
「そっス。ま、この部屋はそんな心配ないっスけどね」
一応二部屋あるので二人は手分けして捜索し始めた。
紘彬は奥の部屋を、佐久は玄関側の部屋を探し始めた。
部屋の片隅に積み上げられた服の山からは汗臭い饐えた臭いがした。
着た後洗わずに放り出してあるらしい。
ポケットを点検しながら一枚一枚どけていった。
どれも高田馬場辺りの安い服屋で百円から数百円くらいで買えそうなものばかりだ。
紘彬がジャンパーをつまみ上げたとき、小さな袋に入った白い粉がポケットから落ちてきた。
「おい」
佐久に声をかけながらそれを拾い上げたとき、
「桜井警部補、これ……」
指を指された方を見ると、しわくちゃになった茶色い紙袋から一万札や千円札が十枚以上出てきた。
「あ、あいつ、家賃滞納してるくせにこんなに貯め込んでやがったのか!」
佐久の指さす方を覗き込んだ大家が憤慨した口調で言った。
「警部補、よく見てください、この紙幣」
紙幣はくしゃくしゃだった。
「変なしわが寄ってるな」
「ちょうど鷲掴みにするとこうなるっスよね」
佐久が手袋をした手で握る真似をした。
紘彬はジャンパーと野球帽を改めてつまみ上げた。
「コンビニ強盗がこんなの着てなかったか?」
「そういえば似てるっスね」
「食うよ。さすがに昼飯では食わないけどな」
紘彬は雑誌の開いたページに目をやりながらカツ丼を口に運んだ。
腹部を血まみれにして倒れている男性の写真が載っていた。
死後時間がたっているのか、血は黒く変色していた。
「それ、法医学の雑誌ですよね。なんの記事ですか?」
「遺体になってからどれくらいでハエが来て卵を産むかとかそういうこと。ハエが肉の塊に大量の卵を産むと丁度ミートソースにパルメザンチーズかけたみたいになるんだ」
コンビニで買ってきたミートソーススパゲッティにパルメザンチーズをかけていた飯田が嫌そうな顔をしながら容器をデスクに置いた。
「よく食事中に読む気になるな」
団藤が呆れたように言った。
「大学じゃウジの群れが握り飯の米粒が動いてるみたいなの見ながら飯食ってたからな」
上田が食べていた塩握りをゴミ箱に捨てた。
佐久はコンビニ弁当を掴むと慌てて刑事部屋から出て行った。
そういえば、桜井さんってCSI:見て法医学者目指した人だったっけ。
大学時代は暇さえあれば法医学部の教授にくっついて歩いて、ありとあらゆるグロい死体を見て回っていたと言っていた。
大塚の監察医務院にもしょっちゅう顔を出していたから、内定もかなり早い段階で決まっていたらしい。
定時を回り、それぞれが帰り支度をしていると、刑事部屋がノックされ中山が入ってきた。
「失礼します!」
中山は敬礼した。
「よう、中村だっけ? どうした?」
「桜井さん、中山ですよ」
如月が小声で正した。
「例の女性につきまとっていた男ですが」
「どうした?」
「女性に襲いかかっていたところを逮捕しました!」
「お手柄じゃないか」
紘彬が中山の肩を叩いた。
「有難うございます!」
中山が頬を紅潮させて敬礼した。
「あの女性は? 片桐だっけ?」
「片山です」
如月が訂正した。
「首を絞められて意識を失っていたので救急車で病院に運びました」
団藤と上田は、早速男を取調室に入れた。
男はがりがりに痩せ、頬はこけ、肌は土気色をしていた。
落ち着かない様子でしきりに貧乏揺すりをしている。
「まず、名前と住所は?」
男は名乗らなかったが、身体検査の時出てきた免許証から、土田慎司という名だと分かった。
同時に、如月は飯田とともに病院へ向かい片山紀子から話を聞いていた。
土田の言い分によると、片山が自分にラブレターをくれたから話しかけようとしていただけだと主張していた。
「お前は話をするとき相手の首を絞めるのか!」
上田が机を叩いて怒鳴りつけた。
一方、ラブレターを渡したのかと片山に聞くと、
「知らないわよ! 大体この年でラブレターなんて出すと思う!?」
と最初は答えていたのだが、土田の名前を聞くと、そう言えば中学二年の時に渡した記憶がある、と言った。
「でも、もう十年以上も前の話よ! あのとき結局返事はもらえなかったし!」
確かに片山も土田も二十八歳だから中学二年の時と言ったら十四年も前の話だ。
「なんにせよ、殺人未遂だ。桜井、令状取って土田の家を家宅捜索してくれ。何か他の動機が見つかるかもしれん」
「了解」
土田の家は、地下鉄東西線の早稲田駅から五分程のところにあった。
細い路地を入ったところに建つ、古くて今にも倒れそうなぼろアパートの二階だった。
一階、二階とも二部屋ずつ、上の階へは外側に着いている階段を上がる。
長年風雨に晒されるまま、手入れもされてなかったのだろう、外壁はなんとも言えない色をしていた。元が何色だったのか想像もつかない。
ブロック塀がアパートと道路を隔てていて、その塀に郵便受けがついていた。
郵便受けの扉の一つは取れかかっている。
土田の郵便受けを覗いてみると、請求書がたまっていた。
二階へ上がる階段の登り口で風に揺れているぺんぺん草が侘びしさを誘う。
階段は足を乗せて体重をかける度に、悲鳴のような甲高い軋み音を響かせた。
「この階段、取れて落ちたりしないよな」
「いや、これは、その、申し訳ない」
大家が顔を赤らめて謝った。
「一人ずつ上がりますか?」
紘彬の言葉に佐久が訊ねた。
「ま、仮に落ちても二階からならそんなに大ケガにはならないだろ」
紘彬はそう言うと無造作に階段を上り始めた。
口で心配そうなことを言っていた割に行動は大雑把だ。
佐久が慎重な足取りで続く。足下で階段が悲鳴を上げた。
大家が合鍵を使って土田の部屋の鍵を開けた。
部屋は四畳半二部屋で、外廊下に面したところに狭いシンクがあってそこにコンロが置かれていた。
一応流しも付いていた。
扉を開けると変な臭いがした。何かが腐った臭いだ。玄関は汚れてざらざらしていた。
この分じゃ部屋の中も汚いだろうな。
足を踏み出してみると、案の定畳の上もざらついていた。
きっと靴下は汚れで真っ黒になるだろう。
帰るときにそんな汚れた足で靴を履かなければならないのかと思うとうんざりした。
紘彬は、今度どこかに家宅捜索に入るときは替えの靴下を持っていこうと心に決めた。
今日のところは帰りに新しいインソールを買うことにした。
家具が殆どなく、服などは部屋の隅に積まれていた。
入ってすぐの部屋に置かれているコーヒーテーブルの上には食べ終わったカップ麺や菓子パンの袋が散らかっていた。
カップ麺に残った汁が腐って異臭を放っていた。
「これならそんなに散らからないっスね」
「家宅捜索って散らかるものなのか?」
紘彬は初めての家宅捜索だった。
「やる側が言うのもおかしいかもしれないっスけど、家宅捜索が終わった後って結構悲惨な状態なんスよ」
「片付け大変そうだな、とか思っちゃうんだ」
「そっス。ま、この部屋はそんな心配ないっスけどね」
一応二部屋あるので二人は手分けして捜索し始めた。
紘彬は奥の部屋を、佐久は玄関側の部屋を探し始めた。
部屋の片隅に積み上げられた服の山からは汗臭い饐えた臭いがした。
着た後洗わずに放り出してあるらしい。
ポケットを点検しながら一枚一枚どけていった。
どれも高田馬場辺りの安い服屋で百円から数百円くらいで買えそうなものばかりだ。
紘彬がジャンパーをつまみ上げたとき、小さな袋に入った白い粉がポケットから落ちてきた。
「おい」
佐久に声をかけながらそれを拾い上げたとき、
「桜井警部補、これ……」
指を指された方を見ると、しわくちゃになった茶色い紙袋から一万札や千円札が十枚以上出てきた。
「あ、あいつ、家賃滞納してるくせにこんなに貯め込んでやがったのか!」
佐久の指さす方を覗き込んだ大家が憤慨した口調で言った。
「警部補、よく見てください、この紙幣」
紙幣はくしゃくしゃだった。
「変なしわが寄ってるな」
「ちょうど鷲掴みにするとこうなるっスよね」
佐久が手袋をした手で握る真似をした。
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