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第2話 汚部屋ピカピカ大作戦!
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_ピンポーン
俺がお風呂に入ろうと支度していたところにインターホンが鳴った。
時計は6時を指していた。
着替えるのも手間な為、相手を見て出るか決めようとインターホンの画面を見ると、甘倉が心配そうに立っていた。
(何かあったのか?)
流石に下着姿で出るわけにも行かず、面倒だと思いつつも服を着てからドアへと向かった。
「悪い。遅くなった」
出るのが遅くなったことを甘倉は気にする人ではないことは知っているのだが。
「いえ、こちらこそいきなりすみません。急用なのでいきなり本題に入りますが、その……暖房が壊れました……」
………そう言われましても。
だが本当にいきなりだな。
「…佐藤さんには言ったか?」
佐藤さんというのはこのマンションの大家であり俺の叔父に当たる人で、口数が少ないがとても優しい人だ。
「はい…修理業者にきてもらうそうなのですが…その……時間がかかるそうで、色々修理業者さんと話した結果今晩は実家に帰るかして凌いでほしいとのことですが……」
まぁ、そうなるか。壊れ方によっては全取っ換えもある。そうなると数時間で終わるようなものではない。
今から始めるとなると夜も遅くなる。
だからといって甘倉は両親との折り合いが悪い。
実家に帰るという選択肢はない。
そう、つまり……
「俺の家片付けてないが、それで良いなら」
こういうことになる。
「…良いんですか!ありがとうございます」
「甘倉が良いなら、と、いうか抵抗はないのか?」
これが1番の心配だ。
現役女子高生なるものが同級生の男の部屋で泊まってもいいのだろうか?
「ま、まぁ少しは……」
そうだろうな。
隣に住んでいて甘倉の彼氏らしき人は見たことない。
まぁあれだけモテてれば過去には居たのだろう。
男に対する免疫はあるのか。
と勝手に納得することにした。
ただ念の為聞いておく。
「彼氏居るなら大問題なんだがそこは大丈夫か?」
「…居ないから副会長の所に来たのですよ。彼氏なんて居たことありませんよ」
「そうか。念には念をと思ってな、気を悪くしたならすまない」
あれだけ人気で彼氏いないのは少し意外だった。
「べ、別に気にしてませんよ!」
絶対気にしてるな。
………
……
…
ようやく1晩泊まるための荷物の運び込みが終わった。
だが、まだ問題は残っている。
俺の部屋はかの大らかで優しい生徒会長様でもため息を漏らすほどに散らかっていたのだ…
「はぁ……よくこれで生きていけますね」
申し訳ございません。
「すまない…後で後でと思っているうちに」
「もういいです。片付けましょう、いえ、片付けさせてください」
…言い直す必要あったか?
「いいのか?俺にとっては大助かりなのだが」
「こんな部屋に泊まるのは私が嫌だからです」
「……ど、毒舌ですね。まぁ俺が悪いからなんとも言えないが」
そうして大掃除が始まった。
「まずテーブルの上からです。物が置ける場所を作ることで片付けがスムーズになるのです」
…参考にしておく。
「次です。クローゼット周りを片付け、洋服類をすべて収納できるようにしましょう」
へぇ………
「ゴミ類は…しっかり片付いてますね」
まぁ、本当は綺麗好きだからな。いくら汚部屋でもゴミはきちんと捨ててある。
「これで完了です。不幸中の幸い、元々ものが少なくて良かったです」
「助かった。神様」
「それでまだ7時ですし夕飯作ってしまいましょう…って材料ゼロですね」
甘倉が冷蔵庫を覗きながら呟いた。
「悪い。その冷蔵庫使ったことない」
いつもコンビニ弁当か栄養ゼリーで済ませているからな。
「…でしょうね。それにキッチンも使ったこと…」
「ない」
「はぁ……」
「掃除もしてもらって料理までさせるのは申し訳ない。出前でも取るから片付いたソファでゆっくりしていてくれ」
これは俺なりの気遣いだ。
世話焼いてもらってる側が言えることではないが。
俺がお風呂に入ろうと支度していたところにインターホンが鳴った。
時計は6時を指していた。
着替えるのも手間な為、相手を見て出るか決めようとインターホンの画面を見ると、甘倉が心配そうに立っていた。
(何かあったのか?)
流石に下着姿で出るわけにも行かず、面倒だと思いつつも服を着てからドアへと向かった。
「悪い。遅くなった」
出るのが遅くなったことを甘倉は気にする人ではないことは知っているのだが。
「いえ、こちらこそいきなりすみません。急用なのでいきなり本題に入りますが、その……暖房が壊れました……」
………そう言われましても。
だが本当にいきなりだな。
「…佐藤さんには言ったか?」
佐藤さんというのはこのマンションの大家であり俺の叔父に当たる人で、口数が少ないがとても優しい人だ。
「はい…修理業者にきてもらうそうなのですが…その……時間がかかるそうで、色々修理業者さんと話した結果今晩は実家に帰るかして凌いでほしいとのことですが……」
まぁ、そうなるか。壊れ方によっては全取っ換えもある。そうなると数時間で終わるようなものではない。
今から始めるとなると夜も遅くなる。
だからといって甘倉は両親との折り合いが悪い。
実家に帰るという選択肢はない。
そう、つまり……
「俺の家片付けてないが、それで良いなら」
こういうことになる。
「…良いんですか!ありがとうございます」
「甘倉が良いなら、と、いうか抵抗はないのか?」
これが1番の心配だ。
現役女子高生なるものが同級生の男の部屋で泊まってもいいのだろうか?
「ま、まぁ少しは……」
そうだろうな。
隣に住んでいて甘倉の彼氏らしき人は見たことない。
まぁあれだけモテてれば過去には居たのだろう。
男に対する免疫はあるのか。
と勝手に納得することにした。
ただ念の為聞いておく。
「彼氏居るなら大問題なんだがそこは大丈夫か?」
「…居ないから副会長の所に来たのですよ。彼氏なんて居たことありませんよ」
「そうか。念には念をと思ってな、気を悪くしたならすまない」
あれだけ人気で彼氏いないのは少し意外だった。
「べ、別に気にしてませんよ!」
絶対気にしてるな。
………
……
…
ようやく1晩泊まるための荷物の運び込みが終わった。
だが、まだ問題は残っている。
俺の部屋はかの大らかで優しい生徒会長様でもため息を漏らすほどに散らかっていたのだ…
「はぁ……よくこれで生きていけますね」
申し訳ございません。
「すまない…後で後でと思っているうちに」
「もういいです。片付けましょう、いえ、片付けさせてください」
…言い直す必要あったか?
「いいのか?俺にとっては大助かりなのだが」
「こんな部屋に泊まるのは私が嫌だからです」
「……ど、毒舌ですね。まぁ俺が悪いからなんとも言えないが」
そうして大掃除が始まった。
「まずテーブルの上からです。物が置ける場所を作ることで片付けがスムーズになるのです」
…参考にしておく。
「次です。クローゼット周りを片付け、洋服類をすべて収納できるようにしましょう」
へぇ………
「ゴミ類は…しっかり片付いてますね」
まぁ、本当は綺麗好きだからな。いくら汚部屋でもゴミはきちんと捨ててある。
「これで完了です。不幸中の幸い、元々ものが少なくて良かったです」
「助かった。神様」
「それでまだ7時ですし夕飯作ってしまいましょう…って材料ゼロですね」
甘倉が冷蔵庫を覗きながら呟いた。
「悪い。その冷蔵庫使ったことない」
いつもコンビニ弁当か栄養ゼリーで済ませているからな。
「…でしょうね。それにキッチンも使ったこと…」
「ない」
「はぁ……」
「掃除もしてもらって料理までさせるのは申し訳ない。出前でも取るから片付いたソファでゆっくりしていてくれ」
これは俺なりの気遣いだ。
世話焼いてもらってる側が言えることではないが。
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