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第一章 モフはモフを呼ぶ
第19話「本物の〇〇というものを見せてやろう」
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俺とリルは進軍の列から離れ、何やら気配がした方へ向かう。
勝手に出てきたから、あとで怒られるかな?
でも放っておくと、まずい気がしたんだよね。
森の中を疾走する。
景色がどんどん後ろへ流れていく。
力をセーブして走ってるけど、そこそこの速さのはずだ。
リルは俺の後を遅れることなくついてくる。
気になった気配が徐々に近づいてくる。
数分走ったところで、その気配まであと少しというところまで来た。
走る速度を落として、前方をうかがう。
視界ギリギリのところに豚顔をした大柄のやつが複数体見えた。
槍や弓で武装している。
服といえるものは着ておらず、皮製の腰巻をしている程度だ。
「クルルゥ……(あれはオークか……)」
初めて見る存在に気が引きしまる。
「どこかに向かってるみたいだね……」
リルが俺のすぐ後ろまできて呟いた。
アルフレッドの話によると、オークは人に対して並々ならぬ敵意を持っているものらしい。
オークは必ず人に敵対する。
だから放っておくとオークに村や街、さらには国すらも侵略を受けることになるというわけだ。
人とオークは、お互いに相いれない存在だ。
自分の関わった人たちを守るため、自分の居場所を守るため、オークを討伐する覚悟はすでに決めている。
オークの様子をみるために、気配を殺しながら距離を詰めていく。
30体くらいのオークの集団。
向かっているのは……、俺たちが来た方角……、討伐軍を襲撃しようとしている?
武器の扱いもさまになってるし、まとまりを持って動いてる。
これは、騎士や冒険者が思っている以上に脅威なんじゃないのか?
数が結構多い……。
ここで倒すべきか、安全を重視して報告に戻るべきか……。
その時、オークの集団から少し離れたところでガサッと草を踏みしめる音。
俺とリルの居る場所からすると、オークを挟んで向こう側だ。
「クルゥ……(あ、あれは……)」
まずい状況が視界にうつった。
二人の女の子が動けずに震えている。
リルと同じくらいの歳だろうか、二人は姉妹に見える。
すぐそばには父親らしき男がいる。
女の子の一人が恐怖でうっかり音を立ててしまったようだ。
オークにも気づかれたし、逃げられない距離だ。
数体のオークが醜い笑みを浮かべながら、女の子のほうに近づいていく。
父親がかばって前に出るけど、どう見てもオークに勝てる感じじゃない。
「シュン……」
頭の後ろで俺を呼ぶリルの声。
「クルルニャ(任せて! 助けに入ろう!)」
リルの声音だけで、助けようという意思が十分に分かった。
俺は後ろを振り返ることもなく、助けに向かうために一歩踏み出す。
初めて戦う相手というのは何があるか分からないものだ。
強さ、攻撃手段が未知ということは、ランク差をくつがえすこともあると思っている。
囲まれないように初撃で大勢を決する!
オークの集団との距離を一気に詰め、ふい打ちとして風刃を放った。
「グゴォッ!?」
数体のオークが悲鳴を上げ、その場で倒れ込む。
「クルニャ!(まだまだいくよ!)」
続けて風刃を放つと、さらに数体のオークが両断される。
「グガアアァァ!」
襲撃に気づいたオークが武器を構えてこちらに向かってくる。
弓を構えているオークもいる。
弓持ちから片付けようと思ったところで、後方から風切り音。
弓持ちのオークの額に矢が刺さる。
しかもほぼ同時に3体に!
「クルニャン!(リル、ありがとう!)」
敵を前にしているため、振り返らずに攻撃を再開する。
目前にいた5体のオークを風刃で倒す。
その時、他の個体よりも一回り大きなオークが正面にやってきた。
「グゥゥゥゥ……」
大気が震えるような重く低い咆哮。
厚みのある剣を構えるそのオークは他のオークとはだいぶ雰囲気が違う。
ほとんどのオークが裸に近い格好なのに、そのオークは赤黒い皮の鎧らしきものをつけている。
豚顔なのは同じだが、他のオークより威圧感が大きい
これは……。
この集団の隊長的な奴のお出ましかな……。
「クルニャ!(くらえ!)」
あいさつ代わりに風刃を二連発。
隊長オークを袈裟切りにするコースだ。
「グゴォ!!」
吼えたと思った瞬間に、隊長オークは剣を振るった。
ブォーンと空気を切り裂く音がして、風刃はかき消されてしまった。
「クルゥ……(こいつ、やりおる……)」
俺が感心している間に、隊長オークは大きな一歩で俺との間合いをつめてくる。
踏み込みと同時に、隊長オークが剣を振り下ろしてくる。
かなりの速度だが、問題なく避けられる程度だ。
俺は振り下ろしを横に避ける。
その時、隊長オークの体勢を変えようとする足さばきが見えた。
これは!?
隊長オークは振り下ろしから急に水平振りに、剣の軌道を変えてきた。
こちらに向かってくる剣。
俺はなんとか避けた。
目の前を剣が通り過ぎていく。
少しかすってしまい、俺の自慢の長毛がパラパラと舞う。
頬も少し切られたようで、血が頬を伝うのを感じる。
「ニャッ?(これは?)」
わずかに感じる違和感。
瞬時に、剣に毒が塗られていたことに気づいた。
しかもこれは、即効性の猛毒……。
「グギギギィ!」
隊長オークが醜悪な笑いを浮かべる。
俺に毒を与えた手ごたえを感じているのだろう。
初見の敵はこれが怖い……。
本当にリルに戦わせなくて良かったよ。
隊長オークよ!
「クルニャーン!(喜んでいるところ悪いが、俺に毒は効かない!)」
俺のスキル“毒無効”がしっかり仕事をしてくれる。
「ググゥゥ……」
何事もなかったように動く俺に、隊長オークが戸惑っている。
「クルニャー!(本物の毒というものを見せてやろう!)」
スキル“毒弾”を使い、短剣状に形成した毒を隊長オークに向かって吐き出す。
毒が隊長オークの顔面に直撃する。
直後、悲鳴を上げ膝をつく。
俺は念のため、風刃でとどめを刺した。
さて、少し時間がかかってしまった。
オークどもは俺と隊長オークの戦いをうかがっていたようで、女の子たちも問題なく無事だ。
そこからは大した強敵もなく、風刃でサクサクっとオークを全滅させることができた。
特に怪我もなく全滅させられたけど、隊長オークみたいなのがゴロゴロいたら結構厄介だな……。
それに、オークキングの他にオークジェネラルとかいうのもいるんだっけ?
隊長オークより、もっと強いってことだよね?
なかなか骨が折れそうだ……。
◇
「「ありがとうございました!」」
俺とリルは、助けた女の子たちと父親にお礼を言われた。
薪や木の実を拾いに来ていたそうだ。
助けることになったのは偶然だったけど、無事で良かったよ。
「無事でよかった! リルたちは行かなきゃだから、家まで気をつけてね」
「クルルニャーン!(機会があったら、またね~!)」
女の子たちの家までの方角を聞いた。
少し遠回りになるけど、俺とリルはその方角をざっと走り抜け安全を確認することにした。
それから討伐軍の方に戻ることにしたのだった。
勝手に出てきたから、あとで怒られるかな?
でも放っておくと、まずい気がしたんだよね。
森の中を疾走する。
景色がどんどん後ろへ流れていく。
力をセーブして走ってるけど、そこそこの速さのはずだ。
リルは俺の後を遅れることなくついてくる。
気になった気配が徐々に近づいてくる。
数分走ったところで、その気配まであと少しというところまで来た。
走る速度を落として、前方をうかがう。
視界ギリギリのところに豚顔をした大柄のやつが複数体見えた。
槍や弓で武装している。
服といえるものは着ておらず、皮製の腰巻をしている程度だ。
「クルルゥ……(あれはオークか……)」
初めて見る存在に気が引きしまる。
「どこかに向かってるみたいだね……」
リルが俺のすぐ後ろまできて呟いた。
アルフレッドの話によると、オークは人に対して並々ならぬ敵意を持っているものらしい。
オークは必ず人に敵対する。
だから放っておくとオークに村や街、さらには国すらも侵略を受けることになるというわけだ。
人とオークは、お互いに相いれない存在だ。
自分の関わった人たちを守るため、自分の居場所を守るため、オークを討伐する覚悟はすでに決めている。
オークの様子をみるために、気配を殺しながら距離を詰めていく。
30体くらいのオークの集団。
向かっているのは……、俺たちが来た方角……、討伐軍を襲撃しようとしている?
武器の扱いもさまになってるし、まとまりを持って動いてる。
これは、騎士や冒険者が思っている以上に脅威なんじゃないのか?
数が結構多い……。
ここで倒すべきか、安全を重視して報告に戻るべきか……。
その時、オークの集団から少し離れたところでガサッと草を踏みしめる音。
俺とリルの居る場所からすると、オークを挟んで向こう側だ。
「クルゥ……(あ、あれは……)」
まずい状況が視界にうつった。
二人の女の子が動けずに震えている。
リルと同じくらいの歳だろうか、二人は姉妹に見える。
すぐそばには父親らしき男がいる。
女の子の一人が恐怖でうっかり音を立ててしまったようだ。
オークにも気づかれたし、逃げられない距離だ。
数体のオークが醜い笑みを浮かべながら、女の子のほうに近づいていく。
父親がかばって前に出るけど、どう見てもオークに勝てる感じじゃない。
「シュン……」
頭の後ろで俺を呼ぶリルの声。
「クルルニャ(任せて! 助けに入ろう!)」
リルの声音だけで、助けようという意思が十分に分かった。
俺は後ろを振り返ることもなく、助けに向かうために一歩踏み出す。
初めて戦う相手というのは何があるか分からないものだ。
強さ、攻撃手段が未知ということは、ランク差をくつがえすこともあると思っている。
囲まれないように初撃で大勢を決する!
オークの集団との距離を一気に詰め、ふい打ちとして風刃を放った。
「グゴォッ!?」
数体のオークが悲鳴を上げ、その場で倒れ込む。
「クルニャ!(まだまだいくよ!)」
続けて風刃を放つと、さらに数体のオークが両断される。
「グガアアァァ!」
襲撃に気づいたオークが武器を構えてこちらに向かってくる。
弓を構えているオークもいる。
弓持ちから片付けようと思ったところで、後方から風切り音。
弓持ちのオークの額に矢が刺さる。
しかもほぼ同時に3体に!
「クルニャン!(リル、ありがとう!)」
敵を前にしているため、振り返らずに攻撃を再開する。
目前にいた5体のオークを風刃で倒す。
その時、他の個体よりも一回り大きなオークが正面にやってきた。
「グゥゥゥゥ……」
大気が震えるような重く低い咆哮。
厚みのある剣を構えるそのオークは他のオークとはだいぶ雰囲気が違う。
ほとんどのオークが裸に近い格好なのに、そのオークは赤黒い皮の鎧らしきものをつけている。
豚顔なのは同じだが、他のオークより威圧感が大きい
これは……。
この集団の隊長的な奴のお出ましかな……。
「クルニャ!(くらえ!)」
あいさつ代わりに風刃を二連発。
隊長オークを袈裟切りにするコースだ。
「グゴォ!!」
吼えたと思った瞬間に、隊長オークは剣を振るった。
ブォーンと空気を切り裂く音がして、風刃はかき消されてしまった。
「クルゥ……(こいつ、やりおる……)」
俺が感心している間に、隊長オークは大きな一歩で俺との間合いをつめてくる。
踏み込みと同時に、隊長オークが剣を振り下ろしてくる。
かなりの速度だが、問題なく避けられる程度だ。
俺は振り下ろしを横に避ける。
その時、隊長オークの体勢を変えようとする足さばきが見えた。
これは!?
隊長オークは振り下ろしから急に水平振りに、剣の軌道を変えてきた。
こちらに向かってくる剣。
俺はなんとか避けた。
目の前を剣が通り過ぎていく。
少しかすってしまい、俺の自慢の長毛がパラパラと舞う。
頬も少し切られたようで、血が頬を伝うのを感じる。
「ニャッ?(これは?)」
わずかに感じる違和感。
瞬時に、剣に毒が塗られていたことに気づいた。
しかもこれは、即効性の猛毒……。
「グギギギィ!」
隊長オークが醜悪な笑いを浮かべる。
俺に毒を与えた手ごたえを感じているのだろう。
初見の敵はこれが怖い……。
本当にリルに戦わせなくて良かったよ。
隊長オークよ!
「クルニャーン!(喜んでいるところ悪いが、俺に毒は効かない!)」
俺のスキル“毒無効”がしっかり仕事をしてくれる。
「ググゥゥ……」
何事もなかったように動く俺に、隊長オークが戸惑っている。
「クルニャー!(本物の毒というものを見せてやろう!)」
スキル“毒弾”を使い、短剣状に形成した毒を隊長オークに向かって吐き出す。
毒が隊長オークの顔面に直撃する。
直後、悲鳴を上げ膝をつく。
俺は念のため、風刃でとどめを刺した。
さて、少し時間がかかってしまった。
オークどもは俺と隊長オークの戦いをうかがっていたようで、女の子たちも問題なく無事だ。
そこからは大した強敵もなく、風刃でサクサクっとオークを全滅させることができた。
特に怪我もなく全滅させられたけど、隊長オークみたいなのがゴロゴロいたら結構厄介だな……。
それに、オークキングの他にオークジェネラルとかいうのもいるんだっけ?
隊長オークより、もっと強いってことだよね?
なかなか骨が折れそうだ……。
◇
「「ありがとうございました!」」
俺とリルは、助けた女の子たちと父親にお礼を言われた。
薪や木の実を拾いに来ていたそうだ。
助けることになったのは偶然だったけど、無事で良かったよ。
「無事でよかった! リルたちは行かなきゃだから、家まで気をつけてね」
「クルルニャーン!(機会があったら、またね~!)」
女の子たちの家までの方角を聞いた。
少し遠回りになるけど、俺とリルはその方角をざっと走り抜け安全を確認することにした。
それから討伐軍の方に戻ることにしたのだった。
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