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「……竜吉様からの手紙には、なんと?」
手紙を読み終わって大きな溜息を吐いたレーファが、清潤の太腿を枕に寝転がる。
「んー……死んだことにしてごめん、オレの父親は麒麟族の第二王子の藍月様、自分が『楔』だっていうことはずいぶん前から知ってた、オレが白竜王のツガイだってことも前から知ってた、清潤とうまくいくとわかってたけど実際そうだったから喜ばしい、これからも仲良くね……って感じかな……」
「……竜吉様は卜占の腕も良かったのでしたね……」
「皇上はそう言ってたね……」
とはいえ神聖な卜占を個人が勝手にやっていいわけではないから、どこかで密かに行っていたのだろう。謎だけが深まる。
「やることやったらすぐ帰るのはいかにもローツィ様らしい」
サンディラがからからと笑う。
ということは、昔から気質は変わっていないのだろう。
「何故レト王国の側妃だったのか、そういう細かいところは結局わかってないんだろう?」
ヴェルティスの問いに頷いた。
「書かれてなかった。次にお会いする時に聞こうと思う。……いつになるかわからないけど……」
「亡くなられたと思った時から十五年近くたってるもんな…………」
「皇国を出奔した時期に対して、レーファの誕生が遅すぎますが……そのあたりもいずれ訊けるといいですね」
「うん」
頭を撫でられると、清潤の膝の上で溜息を吐いた。
「……サンディラ、何か言いたいことあるなら言っていいよ」
「いやあ……すっかり俺たちの前でも清潤様に甘えられるようになったんだなあって思っただけだ」
「感慨深いですねえ……白竜王宮へ来た当初は、子猫が警戒しているみたいだったのに……」
「好き勝手言わないでくれる?」
「ふ……たしかに警戒したような、戸惑ったような雰囲気は感じていました」
「清潤まで!」
手を伸ばして、すべすべの頬を軽く抓る。それでも清潤は肩を揺らして笑っていた。
「今はどうです?」
これはサンディラとヴェルティスへの問いかけだ。
ふたりは顔を見合わせる。
「ラージュナ様の時より、よほど安心して甘えてるように見えるなァ」
「まさかレーファがこんなに甘えん坊だったとは思わなかった……」
うんうんと頷いているふたりに、レーファは体を起こすとふて腐れる。
「まあ今までは甘え方とかよくわかんなかったんだろうし……別に俺らが甘やかさなかったわけじゃなく、必要以上に甘えてこなかっただろ、レーファ」
「清潤様にいっぱい甘やかされればいいんじゃないか?」
「簡単に言ってくれるじゃないか……」
唸るように言うと、清潤が後ろから頭を撫でてくれる。
「何年かかっても構いませんよ。百年でも、二百年でも。甘えてくださいね」
「いや……二百年はさすがに……」
手紙を読み終わって大きな溜息を吐いたレーファが、清潤の太腿を枕に寝転がる。
「んー……死んだことにしてごめん、オレの父親は麒麟族の第二王子の藍月様、自分が『楔』だっていうことはずいぶん前から知ってた、オレが白竜王のツガイだってことも前から知ってた、清潤とうまくいくとわかってたけど実際そうだったから喜ばしい、これからも仲良くね……って感じかな……」
「……竜吉様は卜占の腕も良かったのでしたね……」
「皇上はそう言ってたね……」
とはいえ神聖な卜占を個人が勝手にやっていいわけではないから、どこかで密かに行っていたのだろう。謎だけが深まる。
「やることやったらすぐ帰るのはいかにもローツィ様らしい」
サンディラがからからと笑う。
ということは、昔から気質は変わっていないのだろう。
「何故レト王国の側妃だったのか、そういう細かいところは結局わかってないんだろう?」
ヴェルティスの問いに頷いた。
「書かれてなかった。次にお会いする時に聞こうと思う。……いつになるかわからないけど……」
「亡くなられたと思った時から十五年近くたってるもんな…………」
「皇国を出奔した時期に対して、レーファの誕生が遅すぎますが……そのあたりもいずれ訊けるといいですね」
「うん」
頭を撫でられると、清潤の膝の上で溜息を吐いた。
「……サンディラ、何か言いたいことあるなら言っていいよ」
「いやあ……すっかり俺たちの前でも清潤様に甘えられるようになったんだなあって思っただけだ」
「感慨深いですねえ……白竜王宮へ来た当初は、子猫が警戒しているみたいだったのに……」
「好き勝手言わないでくれる?」
「ふ……たしかに警戒したような、戸惑ったような雰囲気は感じていました」
「清潤まで!」
手を伸ばして、すべすべの頬を軽く抓る。それでも清潤は肩を揺らして笑っていた。
「今はどうです?」
これはサンディラとヴェルティスへの問いかけだ。
ふたりは顔を見合わせる。
「ラージュナ様の時より、よほど安心して甘えてるように見えるなァ」
「まさかレーファがこんなに甘えん坊だったとは思わなかった……」
うんうんと頷いているふたりに、レーファは体を起こすとふて腐れる。
「まあ今までは甘え方とかよくわかんなかったんだろうし……別に俺らが甘やかさなかったわけじゃなく、必要以上に甘えてこなかっただろ、レーファ」
「清潤様にいっぱい甘やかされればいいんじゃないか?」
「簡単に言ってくれるじゃないか……」
唸るように言うと、清潤が後ろから頭を撫でてくれる。
「何年かかっても構いませんよ。百年でも、二百年でも。甘えてくださいね」
「いや……二百年はさすがに……」
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