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145 四凶(4)
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(……物騒だけど、窮奇って大きな体をしているらしいし、それくらいあったほうがいいのかもしれない)
こそりと思うが、清潤が言ったことはつまり『攻撃に不安はない』ということだ。
「……余計、緊張するじゃないか……」
鴛鴦の間、卓にぺたりと上体を預けたレーファの頭を、清潤がそっと撫でてくれる。
「ふたりでいるから頑張れるということです。あなたはひとりではありませんし、あなただけに負わせる責はないということでもありますが。……一緒にいますし、あなたは自分で思っているより強いので。もう少し自分を信用してください」
抱き上げられ、榻牀のほうへ移動する。座った清潤の上に座らされるのも、慣れていいのかどうかはわからないが、慣れてしまった。
細身に見えるのに、ヒトよりずっと力のある竜だからなのだろうが、成人したレーファを軽々と持ち上げる。それは少し複雑な気分でもあり、小さい頃から他人とは肉体的な接触が少なかった分、嬉しくもある。
清潤のほうへ凭れると、肩を抱き寄せてくれるのも嬉しい。口に出して言ったことはないが、わかられている気はしている。
「私たちはふたりでひとつですから。あなたひとりではできないことでも、ふたりでできればそれでいい」
「……そう……?」
「ツガイなのですから、そうですよ」
「…………」
ツガイだから。ふたりでできればいい。
清潤が何度か言ってくれた言葉。
(……オレだって、半分は竜なんだし……きっと、皆の……清潤の力になれる、はず)
あまり自分を疑っていると、レーファを信頼してくれている清潤まで疑っていることになってしまう。それは違うと思えた。
(……母様も助けてくれるかな)
玉皇上帝の姉だという母は、相当な術の使い手だと聞いた。その血が流れているのだし、以前軽い火の術で火柱を上げてしまったのだから、母や自分を疑うのは止めたほうがいいのだろう。
防御符が他の者より巧く作れるなら、そこへ全力を注ぎ込めばいいだけだ。
「オレは、オレなりに、清潤と頑張ればいい……?」
「ええ。一緒に頑張りましょう」
「……うん」
頷くとこめかみに口付けされ、抱え上げられて房室へと連れて行かれた。
こそりと思うが、清潤が言ったことはつまり『攻撃に不安はない』ということだ。
「……余計、緊張するじゃないか……」
鴛鴦の間、卓にぺたりと上体を預けたレーファの頭を、清潤がそっと撫でてくれる。
「ふたりでいるから頑張れるということです。あなたはひとりではありませんし、あなただけに負わせる責はないということでもありますが。……一緒にいますし、あなたは自分で思っているより強いので。もう少し自分を信用してください」
抱き上げられ、榻牀のほうへ移動する。座った清潤の上に座らされるのも、慣れていいのかどうかはわからないが、慣れてしまった。
細身に見えるのに、ヒトよりずっと力のある竜だからなのだろうが、成人したレーファを軽々と持ち上げる。それは少し複雑な気分でもあり、小さい頃から他人とは肉体的な接触が少なかった分、嬉しくもある。
清潤のほうへ凭れると、肩を抱き寄せてくれるのも嬉しい。口に出して言ったことはないが、わかられている気はしている。
「私たちはふたりでひとつですから。あなたひとりではできないことでも、ふたりでできればそれでいい」
「……そう……?」
「ツガイなのですから、そうですよ」
「…………」
ツガイだから。ふたりでできればいい。
清潤が何度か言ってくれた言葉。
(……オレだって、半分は竜なんだし……きっと、皆の……清潤の力になれる、はず)
あまり自分を疑っていると、レーファを信頼してくれている清潤まで疑っていることになってしまう。それは違うと思えた。
(……母様も助けてくれるかな)
玉皇上帝の姉だという母は、相当な術の使い手だと聞いた。その血が流れているのだし、以前軽い火の術で火柱を上げてしまったのだから、母や自分を疑うのは止めたほうがいいのだろう。
防御符が他の者より巧く作れるなら、そこへ全力を注ぎ込めばいいだけだ。
「オレは、オレなりに、清潤と頑張ればいい……?」
「ええ。一緒に頑張りましょう」
「……うん」
頷くとこめかみに口付けされ、抱え上げられて房室へと連れて行かれた。
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