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125 卜占(2)

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(いやでも……うーん……)

 清潤の内心を推し量るように見つめていると、見つめ返された。

「……あまり真に受けないようにしてください」
「だが三弟は吾とレーファ殿があまり仲良くなるのは好んでいないのは事実だろう?」
「えっ」

 それはまったくの初耳だ。そういえば、紅竜王洪聖の宴でも「悋気を起こすな」などと滄寧が言っていた。身に覚えがないが、清潤には何かあるのだろうか。

「だから余計なことは言わないでくださいと……」

 清潤がさらに抗議しようとした時、本宮のほうから手を振ってやってくる人物がいた。

「大哥、三弟、レーファ殿! 招集がかかったぞ」

 公用の装いをした洪聖だった。今日は赤みかかった髪を頭の上のほうでひとつにまとめている。

「招集?」
「大公と竜王への告知と評定だとか……ちょうど地方視察に行ってた四弟や大公たちも戻ってきたらしいし、その結果の知らせと諸侯への通知をどうするかってところじゃないか」
「なるほど。では、支度をしてすぐに登城するか」
「ああ。レーファ殿も一緒にとのことだった」
「オレも? 大切な会議なんじゃ……?」
「大切だから出席してくれってさ」

 そうなると、心当たりがあるのはツガイや『四凶』に関することだろうか。それなら他人事ではないから、出席しろというのもわかる。

「地方巡察のこともありますし、あなたが攫われたことも無縁ではないから、でしょうね。すぐ支度しましょう」

 清潤の言葉に一堂頷くと、支度が済んでいる洪聖だけは先に登城するというので別れた。
 一度登城していた清潤はそのままの姿で再登城できるとしても、レーファは術の訓練をしていたから、どちらかといえば市井に出てもおかしくない服装だ。ヴェルティスに一言告げると、彼は相変わらずすごい速度で着替えを用意してくれる。
 簡単に湯浴みも済ませると、用意された衣服を着込んだ。

(いつも思うけど、布の枚数が多い……)

 皇国はレト王国の感覚で言えば肌寒いくらいの気候が年中続く。だからある程度の服を着るのはわかるし下着の上に一枚二枚着ることまではわかるが、腰回りにも布を巻いたり裾が長いのはまだまだ慣れない。
 おまけに(おそらく清潤の趣味で)飾り立てられるのだから、面映ゆさもあった。

(まあ……イヤじゃないけどね)

 王族として煌びやかな衣装を着たこともあるのだから、今更か。これも着ているうちになれるだろうと思うことにした。
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