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108 デート(6)
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「はぁ……なるほど、それでこの量の買い物に……」
「俺が行けたらよかったな……」
ヴェルティスとサンディラが、やや同情めいた言葉をくれる。
「……いや、ふたりがいたらあれこれ無責任なことを言って、買い物がもっと増えてたと思う」
「えっ、信用がない」
意外そうに言われても、その通りなのでフォローはできない。
「前もあったろ、レーファはあっちも似合うんじゃないか、こっちも似合うって無責任に言って……結局ラージュナ様、清潤か。清潤が全部まとめて買って……」
「いや、でもそれ一回だけだし……」
「無責任じゃなくて本当にそう思ったからだし……」
「前科があるから信用できないんだよ」
レーファがぎろりとふたりを睨むと、ふたりはそれぞれ明後日のほうを向いて下手な誤魔化しを、素知らぬふりをする。
「まあ、でもほら、この青の羽織は色も青空みたいで綺麗だ。橙色や黄色の刺繍はすごくレーファに似合ってるし」
「おまえが橙色を好きだって知ってるから選んだのかもしれねえな。いや、羽織自体の色は目の色に合わせたのかもしれねえが」
「こっちの腕輪と対になった指輪も、鳥のデザインがすごくいいな」
「ああ、その鳥は……」
鴛鴦の契りをモチーフにしたもので、よく恋人や夫婦が互いへの贈り物にするデザインだと店の人は言っていたか。
(まあ……ツガイだから、あながち間違いではないんだけど……)
こういうもので形として見せられると、つい意識してしまう。
(清潤が恥ずかしいことをするからいけない)
なにしろ腕輪も指輪も、ふたり揃いで買ったのだ。だから恥ずかしいのをつい彼のせいにして、腕輪は表面をするりと撫でておいた。
「俺が行けたらよかったな……」
ヴェルティスとサンディラが、やや同情めいた言葉をくれる。
「……いや、ふたりがいたらあれこれ無責任なことを言って、買い物がもっと増えてたと思う」
「えっ、信用がない」
意外そうに言われても、その通りなのでフォローはできない。
「前もあったろ、レーファはあっちも似合うんじゃないか、こっちも似合うって無責任に言って……結局ラージュナ様、清潤か。清潤が全部まとめて買って……」
「いや、でもそれ一回だけだし……」
「無責任じゃなくて本当にそう思ったからだし……」
「前科があるから信用できないんだよ」
レーファがぎろりとふたりを睨むと、ふたりはそれぞれ明後日のほうを向いて下手な誤魔化しを、素知らぬふりをする。
「まあ、でもほら、この青の羽織は色も青空みたいで綺麗だ。橙色や黄色の刺繍はすごくレーファに似合ってるし」
「おまえが橙色を好きだって知ってるから選んだのかもしれねえな。いや、羽織自体の色は目の色に合わせたのかもしれねえが」
「こっちの腕輪と対になった指輪も、鳥のデザインがすごくいいな」
「ああ、その鳥は……」
鴛鴦の契りをモチーフにしたもので、よく恋人や夫婦が互いへの贈り物にするデザインだと店の人は言っていたか。
(まあ……ツガイだから、あながち間違いではないんだけど……)
こういうもので形として見せられると、つい意識してしまう。
(清潤が恥ずかしいことをするからいけない)
なにしろ腕輪も指輪も、ふたり揃いで買ったのだ。だから恥ずかしいのをつい彼のせいにして、腕輪は表面をするりと撫でておいた。
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