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85 目合わせの儀(14)
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言われるままに、回していた腕をしっかりと強くする。
「……んっ……ぁッあ……!」
潤滑剤で慣らされたナカは、動かれても以前のように引きつるような痛みはない。
肌を撫でる清潤の手も今は熱く、触れられたところから蕩けていくような錯覚。ただ気持ち良かった。
「あ、ッあ、アん……ッ、ぁあ……っ」
抜かれ、突かれるたびに漏れる声は徐々に甘さを帯びる。時折脚が浮き、宙を蹴った。
「アッ?!」
甘い声が跳ねたのは、突然レーファ自身の熱を撫でられたからだ。
濡れそぼったそこは少し触られただけでも敏感になっている。根元から先端へ指の腹で撫でられるだけでも腰が揺れるほど悦い。
「だ、め……っ」
「気持ちいいでしょう……?」
「ん……」
「私も、気持ちいいので……一緒に気持ち悦くなりましょう?」
一緒に、と言われると、それならいいかと思える。
ひとりで――自分ばかりが悦いのではないなら。
「…………ん」
頷き、清潤の背を抱きしめる。
「いい子ですね……」
子どもではないと反論したかったが、長命な竜人から見ればヒトの自分などまだまだ子どもの部類だろう。それに、今は反論できる状況ではなかった。
額と目尻に口付けをくれた後、清潤がゆっくりと腰を揺らす。
「んっ……ぁ、ッあ」
深くまで突き入れられ、抜かれる時に声が堪えられない。どうすれば堪えられるのかもわからなかったから、短い言葉の切れ端がぼろぼろと口から漏れていくがままになる。
「レーファ……ッ」
「ぁ、ッあ、ア、ッ……せい、じゅ……っ」
繋がったところからぐちゅぐちゅと品のない粘着質な音が聞こえるのも、たまらなく羞恥心を増させる。けれどそれを指摘する余裕もなかった。
揺さぶられていると、熱がぐるぐると回って熱くてたまらない。
「せ、じゅん、も……おかしく、なる……っ」
喘ぎながら訴えると、くちびるへ噛み付くような口付けを受ける。獣じみた仕草は清潤らしくなく、レーファをどきりとさせた。
「おかしく、なって。……私も、なるから」
青みかかった夕闇色の瞳が、レーファをじっと見つめる。口で言うより雄弁に「逃がさない」ことを物語っている。
(食べられ、る……)
捕食される獣はこんな気持ちになるのだろうか。
そんな考え事も、清潤が生気を絞るように抜いてくることで霧散した。
「ッあ、ア……! や、あっ、ア、ッんん……!」
「ふ、ッ、ぅ……」
清潤の息も乱れ、獣じみている。
ぐっと奥深くへ突き入れられ、熱を絞られた。目の前にチカチカと星が瞬くような錯覚。
「ア、ああ、ア……ッ!」
びくびくと腰が震える。ナカも濡れた感覚があり、それから清潤が熱を抜いた。その刺激でもまたびくりと震えてしまった。
「は……、ン……、」
呼吸が整わないまま、力が抜けようとする。清潤が頬を撫でてくれて、レーファは目線を上げた。
やけに優しい、甘い顔で見つめられていて、恥ずかしくなった。けれど顔を逸らそうとすると清潤の手のひらに妨害されてしまう。
「離れないで。……一緒に眠りましょう?」
「……う、ん……」
離れるつもりはなかったが、そう言われてしまうと弱い。
清潤はレーファの隣に寝転ぶと、レーファを抱き寄せる。なんだか小さい頃にもこんな風に抱き寄せられて腕の中で眠ったことがあったな、と思い出して――やはり恥ずかしい。
「……子どもじゃないんだけど……」
「子ども扱いしているつもりはありませんが?」
「…………なら、いい」
誤魔化している様子もないから、清潤には本当に子ども扱いのつもりはないのだろう。納得しきれないが、この腕の中は安心することを覚えていたから積極的に抗うつもりもない。
「おやすみなさい、レーファ」
「……おやすみ」
やはり清潤の声にも弱いのだろうかと今さらなことを思いながら目を閉じる。慣れないことをした疲労からか、眠りの波はすぐにレーファを攫った。
「……んっ……ぁッあ……!」
潤滑剤で慣らされたナカは、動かれても以前のように引きつるような痛みはない。
肌を撫でる清潤の手も今は熱く、触れられたところから蕩けていくような錯覚。ただ気持ち良かった。
「あ、ッあ、アん……ッ、ぁあ……っ」
抜かれ、突かれるたびに漏れる声は徐々に甘さを帯びる。時折脚が浮き、宙を蹴った。
「アッ?!」
甘い声が跳ねたのは、突然レーファ自身の熱を撫でられたからだ。
濡れそぼったそこは少し触られただけでも敏感になっている。根元から先端へ指の腹で撫でられるだけでも腰が揺れるほど悦い。
「だ、め……っ」
「気持ちいいでしょう……?」
「ん……」
「私も、気持ちいいので……一緒に気持ち悦くなりましょう?」
一緒に、と言われると、それならいいかと思える。
ひとりで――自分ばかりが悦いのではないなら。
「…………ん」
頷き、清潤の背を抱きしめる。
「いい子ですね……」
子どもではないと反論したかったが、長命な竜人から見ればヒトの自分などまだまだ子どもの部類だろう。それに、今は反論できる状況ではなかった。
額と目尻に口付けをくれた後、清潤がゆっくりと腰を揺らす。
「んっ……ぁ、ッあ」
深くまで突き入れられ、抜かれる時に声が堪えられない。どうすれば堪えられるのかもわからなかったから、短い言葉の切れ端がぼろぼろと口から漏れていくがままになる。
「レーファ……ッ」
「ぁ、ッあ、ア、ッ……せい、じゅ……っ」
繋がったところからぐちゅぐちゅと品のない粘着質な音が聞こえるのも、たまらなく羞恥心を増させる。けれどそれを指摘する余裕もなかった。
揺さぶられていると、熱がぐるぐると回って熱くてたまらない。
「せ、じゅん、も……おかしく、なる……っ」
喘ぎながら訴えると、くちびるへ噛み付くような口付けを受ける。獣じみた仕草は清潤らしくなく、レーファをどきりとさせた。
「おかしく、なって。……私も、なるから」
青みかかった夕闇色の瞳が、レーファをじっと見つめる。口で言うより雄弁に「逃がさない」ことを物語っている。
(食べられ、る……)
捕食される獣はこんな気持ちになるのだろうか。
そんな考え事も、清潤が生気を絞るように抜いてくることで霧散した。
「ッあ、ア……! や、あっ、ア、ッんん……!」
「ふ、ッ、ぅ……」
清潤の息も乱れ、獣じみている。
ぐっと奥深くへ突き入れられ、熱を絞られた。目の前にチカチカと星が瞬くような錯覚。
「ア、ああ、ア……ッ!」
びくびくと腰が震える。ナカも濡れた感覚があり、それから清潤が熱を抜いた。その刺激でもまたびくりと震えてしまった。
「は……、ン……、」
呼吸が整わないまま、力が抜けようとする。清潤が頬を撫でてくれて、レーファは目線を上げた。
やけに優しい、甘い顔で見つめられていて、恥ずかしくなった。けれど顔を逸らそうとすると清潤の手のひらに妨害されてしまう。
「離れないで。……一緒に眠りましょう?」
「……う、ん……」
離れるつもりはなかったが、そう言われてしまうと弱い。
清潤はレーファの隣に寝転ぶと、レーファを抱き寄せる。なんだか小さい頃にもこんな風に抱き寄せられて腕の中で眠ったことがあったな、と思い出して――やはり恥ずかしい。
「……子どもじゃないんだけど……」
「子ども扱いしているつもりはありませんが?」
「…………なら、いい」
誤魔化している様子もないから、清潤には本当に子ども扱いのつもりはないのだろう。納得しきれないが、この腕の中は安心することを覚えていたから積極的に抗うつもりもない。
「おやすみなさい、レーファ」
「……おやすみ」
やはり清潤の声にも弱いのだろうかと今さらなことを思いながら目を閉じる。慣れないことをした疲労からか、眠りの波はすぐにレーファを攫った。
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