【完結/番外編更新】皇国竜王恋物語◆白竜王のツガイだったせいでループn回目、最終的には溺愛されてます◆

オジカヅキ・オボロ

文字の大きさ
上 下
85 / 160

85 目合わせの儀(14)

しおりを挟む
 言われるままに、回していた腕をしっかりと強くする。

「……んっ……ぁッあ……!」

 潤滑剤で慣らされたナカは、動かれても以前のように引きつるような痛みはない。
 肌を撫でる清潤の手も今は熱く、触れられたところから蕩けていくような錯覚。ただ気持ち良かった。

「あ、ッあ、アん……ッ、ぁあ……っ」

 抜かれ、突かれるたびに漏れる声は徐々に甘さを帯びる。時折脚が浮き、宙を蹴った。

「アッ?!」

 甘い声が跳ねたのは、突然レーファ自身の熱を撫でられたからだ。
 濡れそぼったそこは少し触られただけでも敏感になっている。根元から先端へ指の腹で撫でられるだけでも腰が揺れるほど悦い。

「だ、め……っ」
「気持ちいいでしょう……?」
「ん……」
「私も、気持ちいいので……一緒に気持ち悦くなりましょう?」

 一緒に、と言われると、それならいいかと思える。
 ひとりで――自分ばかりが悦いのではないなら。

「…………ん」

 頷き、清潤の背を抱きしめる。

「いい子ですね……」

 子どもではないと反論したかったが、長命な竜人から見ればヒトの自分などまだまだ子どもの部類だろう。それに、今は反論できる状況ではなかった。
 額と目尻に口付けをくれた後、清潤がゆっくりと腰を揺らす。

「んっ……ぁ、ッあ」

 深くまで突き入れられ、抜かれる時に声が堪えられない。どうすれば堪えられるのかもわからなかったから、短い言葉の切れ端がぼろぼろと口から漏れていくがままになる。

「レーファ……ッ」
「ぁ、ッあ、ア、ッ……せい、じゅ……っ」

 繋がったところからぐちゅぐちゅと品のない粘着質な音が聞こえるのも、たまらなく羞恥心を増させる。けれどそれを指摘する余裕もなかった。
 揺さぶられていると、熱がぐるぐると回って熱くてたまらない。

「せ、じゅん、も……おかしく、なる……っ」

 喘ぎながら訴えると、くちびるへ噛み付くような口付けを受ける。獣じみた仕草は清潤らしくなく、レーファをどきりとさせた。

「おかしく、なって。……私も、なるから」

 青みかかった夕闇色の瞳が、レーファをじっと見つめる。口で言うより雄弁に「逃がさない」ことを物語っている。

(食べられ、る……)

 捕食される獣はこんな気持ちになるのだろうか。
 そんな考え事も、清潤が生気を絞るように抜いてくることで霧散した。

「ッあ、ア……! や、あっ、ア、ッんん……!」
「ふ、ッ、ぅ……」

 清潤の息も乱れ、獣じみている。
 ぐっと奥深くへ突き入れられ、熱を絞られた。目の前にチカチカと星が瞬くような錯覚。

「ア、ああ、ア……ッ!」

 びくびくと腰が震える。ナカも濡れた感覚があり、それから清潤が熱を抜いた。その刺激でもまたびくりと震えてしまった。

「は……、ン……、」

 呼吸が整わないまま、力が抜けようとする。清潤が頬を撫でてくれて、レーファは目線を上げた。
 やけに優しい、甘い顔で見つめられていて、恥ずかしくなった。けれど顔を逸らそうとすると清潤の手のひらに妨害されてしまう。

「離れないで。……一緒に眠りましょう?」
「……う、ん……」

 離れるつもりはなかったが、そう言われてしまうと弱い。
 清潤はレーファの隣に寝転ぶと、レーファを抱き寄せる。なんだか小さい頃にもこんな風に抱き寄せられて腕の中で眠ったことがあったな、と思い出して――やはり恥ずかしい。

「……子どもじゃないんだけど……」
「子ども扱いしているつもりはありませんが?」
「…………なら、いい」

 誤魔化している様子もないから、清潤には本当に子ども扱いのつもりはないのだろう。納得しきれないが、この腕の中は安心することを覚えていたから積極的に抗うつもりもない。

「おやすみなさい、レーファ」
「……おやすみ」

 やはり清潤の声にも弱いのだろうかと今さらなことを思いながら目を閉じる。慣れないことをした疲労からか、眠りの波はすぐにレーファを攫った。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

皇帝は虐げられた身代わり妃の瞳に溺れる

えくれあ
恋愛
丞相の娘として生まれながら、蔡 重華は生まれ持った髪の色によりそれを認められず使用人のような扱いを受けて育った。 一方、母違いの妹である蔡 鈴麗は父親の愛情を一身に受け、何不自由なく育った。そんな鈴麗は、破格の待遇での皇帝への輿入れが決まる。 しかし、わがまま放題で育った鈴麗は輿入れ当日、後先を考えることなく逃げ出してしまった。困った父は、こんな時だけ重華を娘扱いし、鈴麗が見つかるまで身代わりを務めるように命じる。 皇帝である李 晧月は、後宮の妃嬪たちに全く興味を示さないことで有名だ。きっと重華にも興味は示さず、身代わりだと気づかれることなくやり過ごせると思っていたのだが……

英雄の条件

渡辺 佐倉
BL
暴虐王と呼ばれた王様と、それを心から愛していた一人の男のお話です。 ファンタジー設定 王様×お妃さま 中華風ファンタジーの国にヨーロッパ風ファンタジーの世界の元軍人が嫁いでくる話です。 同じものをエブリスタ、fujossyにも掲載中です。

若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!

古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。 そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は? *カクヨム様で先行掲載しております

仕事ができる子は騎乗位も上手い

冲令子
BL
うっかりマッチングしてしまった会社の先輩後輩が、付き合うまでの話です。 後輩×先輩。

空が青ければそれでいい

Jekyll
BL
日々、喧嘩に明け暮れる秋山威乃はある日、学校の屋上で一人の男に出逢う。 年下とは思えぬ態度と風格の男は風間組次期後継者、風間龍大だった。 初対面のはずの龍大は威乃に対して、妙な提案を持ちかけてきて…。そして威乃の母親の失踪で動き出す、二人の関係とは。 【登場人物紹介】 秋山 威乃 Ino Akiyama 目が大きく、可愛らしいというフレーズのピッタリな顔付きをしている女顔である。 だが、その見た目にそぐわず喧嘩っ早く腕っ節も強い。 Height:168/Weight:51/Age:18 風間 龍大Ryudai Kazama 仁流会会長風間組組長、風間龍一の嫡男。 非常に難しい性格をしていて、感情を全く表に出さない上に言葉数が少ないのでコミュニュケーションを取るのが難しい男。 Height:188/Weight:80/Age:17 名取 春一Haruichi Natori 通称ハル。威乃の親友で幼馴染み。腕っ節も強く喧嘩っ早い。 もともと目付きが悪いので、すぐに喧嘩を売られる。 Height:174/Weight:60/Age:18 沢木 彰信Akinobu Sawaki 威乃とハルの幼馴染み。 風間 龍一Ryuichi Kazama 仁流会会長、風間組組長 梶原 秀治Syuji Kaziwara 仁流会鬼塚組若頭補佐。龍大の教育係でもある。

消えない思い

樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。 高校3年生 矢野浩二 α 高校3年生 佐々木裕也 α 高校1年生 赤城要 Ω 赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。 自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。 そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。 でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。 彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。 そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。

いつも優しい幼馴染との距離が最近ちょっとだけ遠い

たけむら
BL
「いつも優しい幼馴染との距離が最近ちょっとだけ遠い」 真面目な幼馴染・三輪 遥と『そそっかしすぎる鉄砲玉』という何とも不名誉な称号を持つ倉田 湊は、保育園の頃からの友達だった。高校生になっても変わらず、ずっと友達として付き合い続けていたが、最近遥が『友達』と言い聞かせるように呟くことがなぜか心に引っ掛かる。そんなときに、高校でできたふたりの悪友・戸田と新見がとんでもないことを言い始めて…? *本編:7話、番外編:4話でお届けします。 *別タイトルでpixivにも掲載しております。

はじめて愛をくれた人

たがわリウ
BL
異世界転生/和風ファンタジー 勝利した領主×敗北した領主の伴侶 日本で生きていた記憶を持っている松葉は、現世では美しい外見になっていた。 その整った顔立ちで、領主である蘇芳の伴侶となる。不自由な立場でも贅沢な暮らしができることを幸運に思っていた。 しかしある日、突然邸から火の手が上がる。攻めいられ敗北した蘇芳のもとから、隣の土地を治める領主のもとへ行くことになった松葉。 今までの暮らしを捨て、故郷を去らなければならなくなった松葉は新たな相手を恨む。 良いようには扱われないだろうと思っていたが新たな相手、竜胆は、どこまでも優しく松葉に接した。 自分に好意を向けてくれる竜胆に、松葉も次第に心を開いていく。 ※途中までですが、受けが攻め以外と関係を持っています。 ▼ 登場人物 松葉(まつば)……受け。十五で蘇芳の伴侶となる。生まれ育った地から離れ、竜胆の伴侶に。 蘇芳(すおう)……松葉の元伴侶。贅沢が好きな領主。 竜胆(りんどう)……攻め。松葉の新たな伴侶。慕われている領主。

処理中です...