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17 無茶ぶり(2)
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かつてレーファも攫われたことがあったが、あれが表沙汰になればあの男たちもそういう罰を受けたのだろうか。……いや、攫われた自分は竜人ではなくヒトだから、そういった罰の対象にはならないかもしれない。
思わず自分の体を抱きしめると、それを見ていたラージュナが腕を伸ばし――あろうことか、レーファの頭を撫でた。
(?! えっ?!)
ありえない事態に、表には出さないようにしつつも混乱して、どういうつもりなのかとラージュナを見上げた。
「この国では誘拐犯に対する処罰はどうなっているかわかるか?」
「え……ええと、むちうち三十と、額に罪人の焼きごてを入れられて強制労働五年になります。危害をくわえていれば、それにあわせた処罰がついかされます。ごうかんされていれば、犯人にもおなじ目にあわせます。相手は馬になりますが。けがを負わせていれば追加で腕をおられますし、ころしたりしていれば牛ざきにされることもあるそうです」
相手が貴人であればあるほど罰が重くなるのはどこの国でも同じだろうが、レト王国の刑法ではこうなっている。
「ふむ……ぬるいといえばぬるいが、焼き鏝を入れることで犯罪者であることが周囲にわかるし、強制労働は公共事業の労働力としては最適か。合理的ではある」
ラージュナは納得したように頷いた。さらに頭を撫でてくるのはどういう意味合いだろうか。
戸惑うレーファの視線に気付いたのか、目が合った。
「……子どもは頭を撫でると喜ぶと聞いた」
「…………」
まさかその話を鵜呑みにして実行しているのか。
たしかにレーファは、外見は子どもの姿だが、そんなことをされても――。
(……意外と優しい撫で方をするんだな)
サンディラなどに乱暴に頭を撫でられることはあるが、こんな風に優しく撫でられるのはいつぶりだろう。父にすら撫でられたことはない。だとすると昨年身罷った母以来かもしれず、結果として――レーファは照れた。
頬が急に熱くなった気がする。
「あ、あの、あまり撫でられると……その、恥ずかしい、ので」
「? ここには俺とおまえしかいない。周囲を気にする必要はないだろう」
だめだこれは話が通じない。
思わず自分の体を抱きしめると、それを見ていたラージュナが腕を伸ばし――あろうことか、レーファの頭を撫でた。
(?! えっ?!)
ありえない事態に、表には出さないようにしつつも混乱して、どういうつもりなのかとラージュナを見上げた。
「この国では誘拐犯に対する処罰はどうなっているかわかるか?」
「え……ええと、むちうち三十と、額に罪人の焼きごてを入れられて強制労働五年になります。危害をくわえていれば、それにあわせた処罰がついかされます。ごうかんされていれば、犯人にもおなじ目にあわせます。相手は馬になりますが。けがを負わせていれば追加で腕をおられますし、ころしたりしていれば牛ざきにされることもあるそうです」
相手が貴人であればあるほど罰が重くなるのはどこの国でも同じだろうが、レト王国の刑法ではこうなっている。
「ふむ……ぬるいといえばぬるいが、焼き鏝を入れることで犯罪者であることが周囲にわかるし、強制労働は公共事業の労働力としては最適か。合理的ではある」
ラージュナは納得したように頷いた。さらに頭を撫でてくるのはどういう意味合いだろうか。
戸惑うレーファの視線に気付いたのか、目が合った。
「……子どもは頭を撫でると喜ぶと聞いた」
「…………」
まさかその話を鵜呑みにして実行しているのか。
たしかにレーファは、外見は子どもの姿だが、そんなことをされても――。
(……意外と優しい撫で方をするんだな)
サンディラなどに乱暴に頭を撫でられることはあるが、こんな風に優しく撫でられるのはいつぶりだろう。父にすら撫でられたことはない。だとすると昨年身罷った母以来かもしれず、結果として――レーファは照れた。
頬が急に熱くなった気がする。
「あ、あの、あまり撫でられると……その、恥ずかしい、ので」
「? ここには俺とおまえしかいない。周囲を気にする必要はないだろう」
だめだこれは話が通じない。
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