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力に伴うもの

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 自分がスーパーヒーロのように巨大な力を持つようになるならどうなるか妄想したことは何回かある。それもほんの小さな子供の頃のことで、年を取ってからはそんな妄想はしなくなったけど。
 そんな私にいきなり力が出来たのは何事もなく日々を過ごしていた中。普通に朝起きて普通に会社に行って、普通に仕事をして普通に家に戻る途中のこと。喉が渇いて自販機で緑茶を買おうとして、五百円硬貨が自販機の下に落ちたのである。光が硬貨に反射してて、手を伸ばしたら届く。私は屈んで拾おうとして、無意識のうちに自販機を持ち上げたら空高く飛んだのだ。自販機が。ただ少し力を入れただけで。
 落ちてくる自販機を何気なく20メートルほどの高さまでジャンプして受け取った。自販機と一緒に落ちる。羽のように軽い体はただ何事もなかったかのように落ちて、少しだけ音がして、ヒールが折れたけどそれだけ。体に異常は感じない。いや、この事態は明らかに異常そのものだけど、痛みとかを感じないということ。
 当たり前だけど、大変なことになった。
 私じゃなくて自販機が。幸い回りに人の気配はない。なぜわかるか。何となくいわかるのである。それで半ば壊れてしまった自販機を下してから私はこれを念じて圧縮してから遠くへ飛ばしたりできないのかと念じてみたら缶を圧縮するように四方からの圧力で潰れたのである。あれ、寝ぼけているのかな。私ってまだ夢の中なのかな。会社に行かないと。こういう時はどうすれば起き上がれるようになるんだっけ。そうだ、夢では時計がないからきっと時計を見たらこれが夢であることを自覚するようになって、あ、でも今自覚しているんだからもう明晰夢を見ているだけじゃないの。でも明晰夢を見ている間に好き勝手にしてたら脳が興奮状態に入って眠りが浅くなって起きても疲労が残ると聞いたんだし。
 先ずはスマホ、スマホ。時刻は19時55分。私は早まる鼓動を落ち着かせるために近くにあるアンティークな雰囲気の喫茶店に入ってコーヒーを注文した。ブラックで。何かを楽しめる気分ではない。カフェインを取り入れて騒がしい心を沈ませないと。窓際に座って、さっきから自販機があった場所を眺める。30メートルほど離れている。現場からよくも逃げずにこうも堂々としているのだと感心する。単なる器物破損である。所有者から支払いを要求されたら払う気ではあるけど、どうやって壊したのかを説明するなんて私に出来るとは思わないほうがいいんじゃないかな。普通にそう聞かれた時点でその人も何か怪しいことになるし?
 ああ、私がこんなことを考える日が来るとは思わなかった。何事もなく普通に暮らしていたはずだ。いや、まあ、社会は問題だらけだし、バカな人はたくさんいるし嫌なことも少なくないが、それで生きられないほど苦しいとかではなかったし、出来るだけ落ち着いた生活を試みていたはずである。
 この瞬間が夢だったらどれだけよかったかなんて思わなくもない。夢じゃないのかを時計を見てわかったのかと言うと、そうじゃない。
 現実と夢の区別ぐらいは出来る。脳が覚醒状態にある時の感覚と夢を見ている時の感覚はまるで違う。イルカじゃないんだから脳の半分だけ寝てるとかでもあるまい。
 それとも幻覚か何か。私はまた試しに五メートルほど離れたところにある木を念じて揺らしてみる。揺れる、揺れる、揺れる。葉っぱが舞って落ちる。私は落ちてくる葉っぱを念じて飛ばした。空高くまで飛んで行けと飛ばした。
 けどなんで私?私何かした?前世で何かあった?悪魔のいたずら?そもそも私は現実じゃないシミュレーション世界を生きていて、これは何かしらのバグだったりして。
 この力があって何をしろと。私に人助けでもしろとでも。言っとくけど私はとても面倒くさがりであり、懐疑的な人間でもある。こんな得体の知れない力の対象として何が支払われるのかたまったもんじゃないし、調子に乗って災害現場で何の装備もなしに人命救助とかしている最中で力がいきなりなくなるかもしれない。何の前触れもなく私のものになった力なんだから何の前触れもなく消えてしまう力であるとしても不思議ではない。
 できればもっとわかりにくい形のがよかった。人が考えることがわかったり未来予知が出来たり病気にかからない体になったり。
 人が考えることがわかると人が避ける話題を言わずに済むし、相手が喋るタイミングと自分が喋るべきタイミングがわからずに黙ったまま時間が過ぎることもなくなるだろうし。
 未来予知が出来たら投資を始めるだろう、それと災害が起きそうな場所に行かなくなるとか。病気にかからなくなるのはもうそれだけで祝福のようなものだ。
 こんな、どこぞの超人のような力なんてどこで使えばいいというのか。もしかしたら私だけじゃないかもしれないし、世界中に超人がたくさん現れたら私もその時何かするべきかもしれないけど、ああでも。
 人類が今保有している核兵器とかは見つけ出して全部破壊して回ったりするのはありかも知れない。こう思っている時点で私に力を与えた何者かの思う壺かもだけど。
 じゃあどうしろと。悪人でも懲らしめろと。悪人を懲らしめている間に力が消えたら。それかその悪人がこんな力をまた持ってたりしていたら。ならさすがに目立つか。私は目立つことに対しては何か思うところがあるわけではない。今のご時世、目立つというのはSNSで多くの人に見られるのと大差ない。結局見られてもその時だけ。
 話題になってもその時だけ。
 しかし私は果たして誰が悪人なのか決められるのか。私は誰かを悪人と断定して裁けるほどの人間なのか。そんな殺人や誘拐や強盗や暴行を行ったことは一度もないが、逆に人の命を救ったこともなければ今まで慈善活動に寄付した金額だって微々たるもの。正義感はあるほうだと思う。けど私が持つ正義感は別にそこまで大それたものではない。間違ったことをした人は反省すべき、それが出来なければ出来るまで社会から隔離される方がいい。
 殺すなんて、死刑のこと?けどそれってあまり意味がないんじゃないと聞くが。死刑があるとしても犯罪者がそもそも犯罪を起こさないようになるわけじゃない。今より頻繁に死刑が行われた時代はそれはもう酷いことがあったと聞くが、ただ余裕がないだけなんだと思う。殺さずに生かしておくほどの心の余裕が社会にはない。だから殺す。犯罪者だけをさばいて罰を与えることを考えるより被害者の苦痛を減らすほうが大事じゃないのか。被害者を救うための正義であって犯罪者を殺すのは正義でも何でもない。あれはただ感情的に許せない、集団的ヒステリーに近い。被害者の遺族にお金や無料のカウンセリングが提供される方が大事で、加害者を裁くのはそこまで重要なものなのか。人がやったことだから感情的に許されるのであって、例えば酷く痛みを伴う病気にかかったとして、それが菌によるものなら菌に怒りを抱くのか。消すとは思うけど、伝染するものじゃなく一時的なものの場合もあるし、その場合怒りに任せて菌を殺すなんて話は聞いたことないけど……。犯罪者は人だから違う?人には意志があるから?
 こんな話を聞いたことある。アメリカで起きた幾つかの連続殺人犯の脳を調べたところ、前頭葉に問題があったらしい。それもまた意志として見られるのか。擁護するわけではない。ただ、どこからどこまで意志なのかを私自身が決めようとすると、必ずどこからは論理を飛躍しないといけないところが現れる。その時のジレンマと向き合っては不安に駆られ、葛藤をするようになるだろう。
 果たして全知ではない私が恣意的に裁けるものなのかと。
 犯罪が起きた時、加害者を裁くよりその状況にならないようにどうにかしたほうがいいのではないのか。例えば隣人が凶悪殺人犯だったとして、それを隣人がわかる手段があるのか。ないならなぜないのか。何か制度とか文化でそれがわかるように社会を変えるほうが凶悪な殺人犯を見つけ出してそいつを無人島に捨ててくるよりはましだと思う。
 このような考えからこの力を犯罪者を正義の名のもとに自分で裁くためのものとして使うのは保留。近くで犯罪が起きてそれを防げるような距離にあったなら、走って防ぐのはあり得るかもしれない。それだけ。積極的に追跡して殺すなんてアンチヒーローのような真似は出来そうにない。性格的にも、意味合い的にも。そんなことをしたいと思っている人がこんな力を手に入れて暴れるというのならそれを防ぐ気にはなれないけど。
 それが多分に恣意的な判断であったとして、加害者が悪いことをしたことが確実であるのなら
 次に災害や事故での救命活動。これにはいくつかの問題がある。先ず絶対に目立つ。絶対に見られて大変な騒ぎになる。そして災害が起きるたびに私の存在があることを人々に期待されるだろう。だが私が何かしらの理由で現れなかったら?ただ失望されるならまだしも、私が救ってくれなかったと変な恨みを買うかもしれない。
 例えば同時に二つの事故現場があって、それが離れた場所なら私は一つを自分の意思で選ばないといけない。行かなかった場所には私が救えたかもしれない命があることになる。果たして私がその現実に耐えられるのか。
 たとえ誰かに何かを言われることがなくても、私自身が救えなかった命がある事実だけで悲しみを覚えるだろう、世界的にも消防士は自殺率が高い職業だと聞く。なるほど確かにそんなモラルのジレンマを、このような超人的な力がなくたって装備もあるし、現場に足を踏み入れたことがある人間なら感じてしまうものだ。それを私が感じないわけがあるか。明らかに善人らしい善人ではないし、人に不親切だったり無視したり助けを求める人を聞かなかったことにする時もある私だけど、だからと罪悪感を感じないように図太いどころかどこぞのアメリカ人の企業家や億万長者な投資家のように世の中はすべて奪うか奪われるかなどと考える人間みたく罪悪感を感じないわけがないのだ。
 大のために小を捨てるとかもってのほか。普通の人間だから罪悪感ではなくても痛みを感じるし、苦しみも感じる。この辺は超人ではないようで。
 だからこれも近くで起きてて、目撃者がなるべく少ない場合だけにする。
 この二つは言わばwith great power comes great responsibility(大いなる力には大きな責任が伴う)に基づいてのヒーロー的な話。私は試しにコーヒーが入っているマグカップに念じてコーヒーの渦巻きを発生してみたんだけど、出来たのでまだ力は消えているわけではないのがわかる。
 つまり妄想ではない。仮に、とか。単に暇つぶしに、とかじゃなく。自分に起きていること。現実なのだ。
 なので暫定的に結論を出すことを急いだわけだ。しかし力が単なる負担になるわけではない。私はそれほど悲観主義者ではない。いきなり力が消える場合のことも考慮に入れつつも、それだけで何もしないようには出来ていない。それは例えば私が明日死ぬかもしれないと思い続けながら生きるのと同じなのだ。考えてみればそう。人間、生きている限りは何かしらの原因で明日死ぬ可能性は必ずある。いくら確率が低いことであったとしても、それは誰かには起きるもの。交通事故の確率が低いことは私が明日交通事故にあわないことの保障にはならない。
 集団を標本にとって算出した確率は集団のためのものであって、個人のためのものではない。
 だけどそれをまるで今からでも当たり前のように起きそうな現実だと思って生きているわけではないのだ。ああでも、やっぱりこんな力信じられるかと言う気持ちがあるのは確かだ。だって、二つのヒーロー活動のうちどっちも軟な精神で出来るようなものでもなければ必ず悪く転がる可能性を持つ。それもとびっきり残酷な方向で。
 つまり、この力を私にもたらせてくれた存在があるとするなら、それが善意だけで私にこんな力を与えてくれたことではないことははっきりと言えるわけだ。
 世の中超人が生まれないのにはそれなりに理由があるというもの。見た目より何倍も強い人はいるかもしれないけど、自販機ほどの重さの物を片手で空高く飛ばしては20メートルぐらいジャンプして念動力を使える人なんて聞いたことがない。
 神話じゃないんだから。
 いや、あながち外れた推測でもないのかもしれない。八百万の神々のうち一人が私に神の力を授けてくれたとか。なんのために?私の先祖に神様でもいた?そんな話聞いたことない。
 そろそろコーヒーが冷めるので飲み干して、お代わり。結構おいしいかもしれない。豆がいいのかな。
 周りを見回しても違和感はない。耳に全員の声が鮮明に聞こえるが、意識しないと前と同じくただの雑音。そんなに多くの人々がいるわけでも、たくさん喋ってる人がいるわけでもない。
 家に戻ったら今日はストリーミングサービスのサイトで映画を見ようとしていた。前から見たかったメロドラマの映画があるのだ。でも今のざわめく気持ちで見られる気がしない。どうしようもない。
 空は暗いし、風は湿ってて生温い。喫茶店の中はクーラーが効いてて涼しいけど。
 まだ20代の半ばだというのになぜこんなことになってしまったのか。このままだと人生を普通の人と違う形で生きて行かないと行けない。必ずどこからか綻びが出てくる。前までの日常は消えて、新しい日常が始まる。望んだこともない、頼んだこともない日常が。
 そう。
 日常的にこの力を使うのはどうか。例えば会社に行くためにビルの屋上を高くジャンプし続ける。絶対目立つし、意味不明すぎる。空を飛ぶOLとかシュールすぎる。普通に恥ずかしいしネットで話題になったらそれこそ転げまわるような黒歴史確定。
 手足を動かす代わりに念じるだけで動かすのは便利かも知れない。見えない腕が生えているようなものだ。便利ではあっても不便になることはない。誰かに見られたら大変なことになるのは間違いないが。
 よくSFの作品だと実験動物のように扱われたり解剖されるとかの話があるが。インドで飲まず食わずで生きていた人がいたけど、学者たちは別に彼を解剖していないし実験動物扱いもしていない。何回か実験があったり、放送に出したりしたくらい。
 そんな、世の中って不思議なことが起きれば誰もが群がって何かしら怪しいことをしたり無条件に調べさせられるよう要求を受けたりはしない。何なら弁護士やマネージャーを雇えばいい。
 アメリカだとやばいことが起きるかも?Racial Segregation(人種隔離政策)が当たり前だった60年代までの黒人なら問答無用で捕獲された可能性もあるけど、私はアメリカの60年代を生きる黒人ではないのでそれはない。
 日本のおおらかな空気で念動力を使って回ったらスマホで周りから撮られるくらい?それもそんなにいい気はしないが、それ以上の不利益は考えられないというのは私がただナイーブなだけなのか。もしかしたら世界中の学術研究機関からのオファーがくるかもしれないが。行きたくないと言ったら私をさらおうとでもするというのか。
 どうやって?なんの権限があって?
 けど調子に乗りすぎると痛い目に見る可能性はある。私が女で怪しい力を使うからと魔女を信じてる狂ったキリスト教系の過激派から狙撃でもされたらたまったもんじゃない。
 世の中どこにもろくでもない人間はいるもんだし、家族が危ないことに巻き込まれる可能性だってあるし。
 開き直って政府に保護を求めて、その対価に何かをしてあげるとか?国家はそんないいものじゃない。必要悪として存在する暴力装置の一つに過ぎない、とまで言うのはさすがに過激派のアナキストのような感じはするけど、国家はそれこそ人が集まって作り出した超人のようなもので、大のために小を切り捨てるのを当たり前のようにやってる。
 そんなものに頼ったら絶対後でしっぺ返しがある。それもとびっきり酷いやつ。
 そもそも私はそんな図々しいことをしたいとは思わないけどね。
 結論、誰も見ない時だけ、家で一人で家事をする時だけに限定。
 悪い話や暗い話だけ考えた気がするけど、美味しい話もあるはずだ。
 ズバリ、この力でお金を稼ぐのはどうか。先ずは直接的な方法。工事現場を一人で回す。金になるはず。鉱山の採掘も一人で楽々。しかしこれには問題がある。人の働き口を奪うことになる。
 なので却下。個人的に住みたい場所を作るためにこの力を使うのはありかもしれない。
 次に少し間接的な方法。発電機のタービンを回す。それで作った電気を売る。これはありだ。スマホにメモしておく。
 木材や石材を加工して家具などを作るのは?材料を調達することはお金さえあれば可能だけど、それなりに大きな工房が必要だ。私が今住んでいる中心街付近の都会で出来るような気がしないので保留。そのために引っ越すには今の仕事が嫌いじゃないし充実しているので。
 もっと間接的な方法。私が力を使うことを見せるだけでいいの。マジックと称して実は超能力でした、とか。
 これは私が舞台の前に立たなければいけないので却下。発声練習とか正しい姿勢とか暑い照明とか、遠慮したい。それにその分野の専門家に、今の角度的にありえないとか指摘されたら反論できないから無理。
 放送に出て自分にこんな力があるんだとか、動画配信をするのも却下。それは日常的に使うことのリスクで考えてあるのだ。
 私はここまで一通りに考えをまとめてスマホにメモをし終えて、コーヒーを飲んで一息。
 そしてそれを感じた。やばい。何かくる。ここは4車線道路で、車がそれなりに早いスピードで走れる。
 何を土地狂ったのか、こっちに突っ込んでくる車。私は咄嗟に立ち上がって障壁を展開。量子を何かこうしてああして、自分でも知らない形で動かしたら勝手に青く光る障壁が作ることが出来た。そして運転手の保護。障壁でまた包み込むことをイメージし、力を放つ。
 自動車が勝手に暴走したのか運転手の若い男性はパニック状態で涙目だ。
 店に被害はなく。歩道の真ん中で車は止まった。よかったよかった。
 って、普通に私の手から光が発せられて障壁を作ってるし、運転手のところとも繋がってるし。
 周りにいた客のほぼ全員がスマホを取り出してはこっちに構えて写真や動画を撮り始めた。
 ああ、やっちまった。超人的な力を使えるようになってたったの一時間ほど。やはり私に力を与えてくれた存在はまともな奴じゃないことがこれではっきりわかる。
 私の平穏だった日常よ、さよなら。



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