85 / 123
第八幕 奸計の古城
不気味な古城
しおりを挟む
結局その夜もよく眠れないまま翌朝を迎えた。朝食もそこそこに俺たちはまた船上の人になった。
しかし早朝の船着き場にずらっと人が並んで深々とお辞儀をしている様子は、旅立つ歌い手の壮行というより死者の葬送みたいで、堅苦しく陰気だった。雨が小降りになったのだけがせめてもの救いか。
大きなイカダのような船は、ゆったりした大河の流れを、船頭の人力で少しずつさかのぼって行く。
河岸は最初、スラム街みたいなごちゃごちゃした下町だったが、上流に行くにつれ、田舎の田園風景に変わっていく。
「ナラさん、大丈夫ですか?」
「そんなに大丈夫か大丈夫か何回も訊かんでも大丈夫ちゃうわ。絶賛船酔い中じゃ」
それでも海と違って河には大きな波がないだけ、まだマシみたいだな。
結局、スギナ会の人は誰も付いて来なかった。この船の船頭さんも、俺たちを船着き場に下ろしたらすぐに街に戻るらしい。
あれだけお勤めがお勤めがと言っておきながら、いざとなったら意外にあっさりしたもんだ。それに子供達のことも、そこまで心配なら自分たちも動けば良いのに、俺たちに任せてしまうというのが、どうも解せない。
まあしかし、あれこれ考えてもしょうがない。こっちとしても、誰も付いて来ない方がありがたい。
流れは次第に急になり、櫓を漕ぐ船頭さんも必死になってきた。
「船頭さん、ここは普段からこんなに流れがきついの?」
ハルさんが尋ねると、汗を拭き拭き答えてくれる。
「いやいや、いつもはこの船で楽に行き来できるぐらいの緩い流れでさ。ちょっと雨が降ったぐらいでは変わらねえはずだが、この先の渦と言い、ここ数日何か変でさ。河が怒っとるみたいだわ」
最初はまっすぐ上流に進んでいた船が、流れに負けてジグザグにしか進まなくなってきた。船頭さんが気の毒だ。
その時、俺は思いついた。
「船頭さん、この辺りは歌術を使っても大丈夫ですか?」
「ああ、この辺ならもう大丈夫だけんど」
確認して奏鳴剣を抜き、切っ先を水面に沈めた。
「ニコ、水鳴剣を頼む」
「え? ああ、うん」
彼女も俺のやろうとしていることが分ったのだろう。すぐに笛を出して涼しいメロディーを奏でてくれた。
剣が水色に光ったかと思うと、水流がほとばしる……代わりに船がぐいっと前進した。そうだ。水鳴剣の水流を活かしたジェットエンジンだ。
船はスムースに河をさかのぼるようになった。
「おお! こりゃラクでええわ。ありがとうごぜえます、歌い手様」
船頭さんは大喜びだ。
「さすが異世界人ね。天才的な発想ねえ」
ハルさんもほめてくれるが、剣を支える腕がだるくってしょうがない。これじゃ俺が船を漕いでいるのと同じだ。ニコもずっと笛を吹き続けだと疲れるだろう。時々休憩しながらじゃないと無理だな。
さらに河を上るにつれ水面に妙な変化が出てきた。単に流れが急なだけでなく、あちこちで小さく渦を巻いている。集合体恐怖の人が見たら卒倒しそうな絵柄だ。
「船頭さん、これは?」
ハルさんが怪訝な顔で尋ねるが、
「いや、分からね。2、3日前から急にこんな渦が出てきたんでさ。子供の頃からこの河の上で育ってきたが、こんなのは初めてでさ」
船頭さんにも分からないようだ。これがヤスさんの言っていた『渦』だな。
「この辺りはまだ渦が小さいから船も進むが、この先、どんどん渦が大きくなっていくんでさ。とても一刻城には近づけねえ」
そうだな、今は奏鳴剣の推進力で船は真っ直ぐ進んでいるが、これ以上渦が大きくなったら無理だろう。巻き込まれてしまうかもしれない。
そうこうするうちに小さい船着き場に到着した。周りは人家も何もない、うっそうとした森だ。
「歌い手様、すまねえ。本当なら一刻城のすぐ下までお連れするはずが、この渦のせいで、ご案内できるのはここまででさ」
「いえいえ、それでも助かりました。ありがとうございました」
「オイラの親父は先々代の歌い手様を一刻城に案内したのをずっと自慢してたんでさ。オイラも、自分が案内した歌い手様が黙呪王を倒したんだって息子に自慢してえんで、がんばって下せえ」
「ありがとう。とりあえず一刻城のお勤め、がんばって来ます」
手を振って船頭と別れ、森の中に入った。
「そういえば先々代の歌い手様って女性だったのよね。すごい美人だったって言い伝えられてるわ」
「へえ、そうなんですか。ナラさんは会ったことないんですか?」
「んなもんあるかい。ワシをいくつや思とんねん」
「40歳ぐらいですか?」
「アホか! キョウに会うた時が7、8歳やったから、まだ30歳にもなっとらんわ。こんな清々しい若者に何ちゅう失礼なこと言うねん」
「ええーっ! そんなに若かったんですか?」
「何よ、小僧じゃないの。もっと人生の先輩を敬いなさい」
「うっせえわ。鹿の中やったらもう長老じゃ。お前こそ長老を敬え、ヴォケ」
そんなことを話しながら歩いていると、
「きゃああああああっ!」
凄まじい悲鳴をあげて、先頭を歩いていたアミが俺のところに飛んできた。
何かと思うと畳1枚ぐらいの大きさのゴキブリが道をふさいでいる。いよいよお出ましか。
しかしデカいな。これが走ったり飛んだりすると……俺もイヤだな。
とりあえず頭の辺りを狙って震刃を飛ばしたが、ほとんど同時にニコも炎刃を放っていた。巨大ゴキはあっという間に処分された。
「お前でも苦手なものはあるんだな」
アミをからかうと
「うるさいわね! 私だって苦手ぐらいあるわよ。そんなこと言うんだったらあんたが先頭歩きなさいよ」
斬り込み役を押しつけられてしまった。しかし、この辺りは蛇も多いんだよな……
「どわあああああああっ!」
いきなり目の前に蛇が落ちてきて尻餅をついてしまった。
「情けないわねえ……」
今度はアミが切り払って助け起こしてくれた。
「さっきのお前の悲鳴だって凄かったぞ」
「格好悪さはあんたの方がだいぶ上よ」
そんなことを言い合ってたら
「じゃあ、私が先頭歩くね」
ニコが先に立ってさっさと歩き出した。
俺とアミは顔を見合わせ、おとなしく後に付いて行った。そんな俺たちを見てハルさんとナラさんはにやにや笑っている。
城に着いたのは夕方だった。
ババーン! という効果音がしそうな感じで目の前に現れたのは、日本の城とは違う、西洋風の古城だ。
しかし石造りの城壁はあちこちが崩れ、コケやツタに覆われて周囲の森に同化している。さらに城の半分ぐらいが河に浸かっていて、最初から川辺にあったのか、水没したのか分らない。廃墟と言うより、もうほとんど自然に還りかけてるような状態だ。ここが日本ならホラースポットとして有名になること間違いなしだ。
「うわあ、すごい所ですね」
思わず声が出る。
「またここに来ることになるとは思とらんかったわ……」
ナラさんがぼそっとつぶやく。
子供たちのことを思うと、即、助けに突入したいところだが、3人だけで行くことや、夜になって視界が失われることを考えると、夕方の時間帯から突入することは憚られた。
俺たちは城の外にキャンプを張り、明朝、作戦開始ということにした。
子供たち、がんばれ。もうすぐ助けに行くから踏ん張るんだぞ。
……ってか、本当にこんな所に子供がいるのか?
しかし早朝の船着き場にずらっと人が並んで深々とお辞儀をしている様子は、旅立つ歌い手の壮行というより死者の葬送みたいで、堅苦しく陰気だった。雨が小降りになったのだけがせめてもの救いか。
大きなイカダのような船は、ゆったりした大河の流れを、船頭の人力で少しずつさかのぼって行く。
河岸は最初、スラム街みたいなごちゃごちゃした下町だったが、上流に行くにつれ、田舎の田園風景に変わっていく。
「ナラさん、大丈夫ですか?」
「そんなに大丈夫か大丈夫か何回も訊かんでも大丈夫ちゃうわ。絶賛船酔い中じゃ」
それでも海と違って河には大きな波がないだけ、まだマシみたいだな。
結局、スギナ会の人は誰も付いて来なかった。この船の船頭さんも、俺たちを船着き場に下ろしたらすぐに街に戻るらしい。
あれだけお勤めがお勤めがと言っておきながら、いざとなったら意外にあっさりしたもんだ。それに子供達のことも、そこまで心配なら自分たちも動けば良いのに、俺たちに任せてしまうというのが、どうも解せない。
まあしかし、あれこれ考えてもしょうがない。こっちとしても、誰も付いて来ない方がありがたい。
流れは次第に急になり、櫓を漕ぐ船頭さんも必死になってきた。
「船頭さん、ここは普段からこんなに流れがきついの?」
ハルさんが尋ねると、汗を拭き拭き答えてくれる。
「いやいや、いつもはこの船で楽に行き来できるぐらいの緩い流れでさ。ちょっと雨が降ったぐらいでは変わらねえはずだが、この先の渦と言い、ここ数日何か変でさ。河が怒っとるみたいだわ」
最初はまっすぐ上流に進んでいた船が、流れに負けてジグザグにしか進まなくなってきた。船頭さんが気の毒だ。
その時、俺は思いついた。
「船頭さん、この辺りは歌術を使っても大丈夫ですか?」
「ああ、この辺ならもう大丈夫だけんど」
確認して奏鳴剣を抜き、切っ先を水面に沈めた。
「ニコ、水鳴剣を頼む」
「え? ああ、うん」
彼女も俺のやろうとしていることが分ったのだろう。すぐに笛を出して涼しいメロディーを奏でてくれた。
剣が水色に光ったかと思うと、水流がほとばしる……代わりに船がぐいっと前進した。そうだ。水鳴剣の水流を活かしたジェットエンジンだ。
船はスムースに河をさかのぼるようになった。
「おお! こりゃラクでええわ。ありがとうごぜえます、歌い手様」
船頭さんは大喜びだ。
「さすが異世界人ね。天才的な発想ねえ」
ハルさんもほめてくれるが、剣を支える腕がだるくってしょうがない。これじゃ俺が船を漕いでいるのと同じだ。ニコもずっと笛を吹き続けだと疲れるだろう。時々休憩しながらじゃないと無理だな。
さらに河を上るにつれ水面に妙な変化が出てきた。単に流れが急なだけでなく、あちこちで小さく渦を巻いている。集合体恐怖の人が見たら卒倒しそうな絵柄だ。
「船頭さん、これは?」
ハルさんが怪訝な顔で尋ねるが、
「いや、分からね。2、3日前から急にこんな渦が出てきたんでさ。子供の頃からこの河の上で育ってきたが、こんなのは初めてでさ」
船頭さんにも分からないようだ。これがヤスさんの言っていた『渦』だな。
「この辺りはまだ渦が小さいから船も進むが、この先、どんどん渦が大きくなっていくんでさ。とても一刻城には近づけねえ」
そうだな、今は奏鳴剣の推進力で船は真っ直ぐ進んでいるが、これ以上渦が大きくなったら無理だろう。巻き込まれてしまうかもしれない。
そうこうするうちに小さい船着き場に到着した。周りは人家も何もない、うっそうとした森だ。
「歌い手様、すまねえ。本当なら一刻城のすぐ下までお連れするはずが、この渦のせいで、ご案内できるのはここまででさ」
「いえいえ、それでも助かりました。ありがとうございました」
「オイラの親父は先々代の歌い手様を一刻城に案内したのをずっと自慢してたんでさ。オイラも、自分が案内した歌い手様が黙呪王を倒したんだって息子に自慢してえんで、がんばって下せえ」
「ありがとう。とりあえず一刻城のお勤め、がんばって来ます」
手を振って船頭と別れ、森の中に入った。
「そういえば先々代の歌い手様って女性だったのよね。すごい美人だったって言い伝えられてるわ」
「へえ、そうなんですか。ナラさんは会ったことないんですか?」
「んなもんあるかい。ワシをいくつや思とんねん」
「40歳ぐらいですか?」
「アホか! キョウに会うた時が7、8歳やったから、まだ30歳にもなっとらんわ。こんな清々しい若者に何ちゅう失礼なこと言うねん」
「ええーっ! そんなに若かったんですか?」
「何よ、小僧じゃないの。もっと人生の先輩を敬いなさい」
「うっせえわ。鹿の中やったらもう長老じゃ。お前こそ長老を敬え、ヴォケ」
そんなことを話しながら歩いていると、
「きゃああああああっ!」
凄まじい悲鳴をあげて、先頭を歩いていたアミが俺のところに飛んできた。
何かと思うと畳1枚ぐらいの大きさのゴキブリが道をふさいでいる。いよいよお出ましか。
しかしデカいな。これが走ったり飛んだりすると……俺もイヤだな。
とりあえず頭の辺りを狙って震刃を飛ばしたが、ほとんど同時にニコも炎刃を放っていた。巨大ゴキはあっという間に処分された。
「お前でも苦手なものはあるんだな」
アミをからかうと
「うるさいわね! 私だって苦手ぐらいあるわよ。そんなこと言うんだったらあんたが先頭歩きなさいよ」
斬り込み役を押しつけられてしまった。しかし、この辺りは蛇も多いんだよな……
「どわあああああああっ!」
いきなり目の前に蛇が落ちてきて尻餅をついてしまった。
「情けないわねえ……」
今度はアミが切り払って助け起こしてくれた。
「さっきのお前の悲鳴だって凄かったぞ」
「格好悪さはあんたの方がだいぶ上よ」
そんなことを言い合ってたら
「じゃあ、私が先頭歩くね」
ニコが先に立ってさっさと歩き出した。
俺とアミは顔を見合わせ、おとなしく後に付いて行った。そんな俺たちを見てハルさんとナラさんはにやにや笑っている。
城に着いたのは夕方だった。
ババーン! という効果音がしそうな感じで目の前に現れたのは、日本の城とは違う、西洋風の古城だ。
しかし石造りの城壁はあちこちが崩れ、コケやツタに覆われて周囲の森に同化している。さらに城の半分ぐらいが河に浸かっていて、最初から川辺にあったのか、水没したのか分らない。廃墟と言うより、もうほとんど自然に還りかけてるような状態だ。ここが日本ならホラースポットとして有名になること間違いなしだ。
「うわあ、すごい所ですね」
思わず声が出る。
「またここに来ることになるとは思とらんかったわ……」
ナラさんがぼそっとつぶやく。
子供たちのことを思うと、即、助けに突入したいところだが、3人だけで行くことや、夜になって視界が失われることを考えると、夕方の時間帯から突入することは憚られた。
俺たちは城の外にキャンプを張り、明朝、作戦開始ということにした。
子供たち、がんばれ。もうすぐ助けに行くから踏ん張るんだぞ。
……ってか、本当にこんな所に子供がいるのか?
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~
イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」
どごおおおぉっ!!
5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略)
ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。
…だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。
それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。
泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ…
旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは?
更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!?
ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか?
困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語!
※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください…
※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください…
※小説家になろう様でも掲載しております
※イラストは湶リク様に描いていただきました
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる