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第六幕 踊り子
久々のデート
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3日目は2日目とほぼ同じメニューだった。午前中は装具をつけて筋トレをしながら歌術を浴びる。午後からは温泉とマッサージと歌術の繰り返し。
腕の回復は順調だ。痺れが減り、感覚は普通になってきた。筋力もだいぶ戻ってきた。この分なら確かに1週間で「治った」と言えるレベルになるだろう。
エメさん、単に危ない人かと思ってたけど、やはり癒術師としては超一流だったようだ。失礼しました。
しかし困ったのは、ニコがますます弱ってることだ。
とにかく食欲がない。本人は大丈夫大丈夫と言うが、朝も昼も夜もほとんど食べてない。わずか数日なのにげっそり痩せたように見える。本人は認めないが、夜も寝れてないみたいだ。
それに笑顔に力がない。ぼーっとして心ここにあらずの様子だ。話をしていても、フッと途切れてしまったりする。
身体の病気ではなくウツ気味なんじゃないか。その原因はたぶん俺との接触不足。それがハルさんの診立てだ。
その日の夜エメさんが部屋に来た時に、1日だけ休養日を入れてもらえないか、ハルさんが話してくれた。俺のためというよりニコのためだ。
エメさんはなかなかOKしなかったが、最終的に「明日の午後の半日だけ」っていうことでお休みをもらえることになった。
しかしそれでもニコはあまり喜ばなかった。むしろ俺の治療が中断することを気にしていた。
さて次の日の午後。俺は数日ぶりに宿を出て外の空気を吸うことができた。最初はハルさんも一緒だったが「じゃあ、後はごゆっくり」とすぐに二人きりにしてくれた。
夕食までに宿に戻らないといけないので本当に半日だけだが、久々にニコと二人でゆっくりできる時間だ。
ハルさんの情報では、イズ川の支流にも滝があり、「本流の滝よりもそっちの方が観光客が少なくてデートには良さそうよ」ということだった。それに俺は高額懸賞金付きの指名手配犯だ。顔や頭は隠してるがなるべく人がいない所が良い。ということで俺とニコは温泉街の裏山のハイキングコースを歩いていた。
何となくぎこちない雰囲気で、時々言葉は交わすものの会話が続かない。お互いいろいろ話したいことはあるのに何だか口が重たい。
村にいた頃のニコだったら一人でずーっとしゃべってくれてたのにな。そう思って彼女をそっと見る。ストールで顔と頭を隠しているが、そこからのぞく目と鼻だけでも超美人だと分る。
「なあに?」
俺の視線に気付いて笑顔で小首を傾げる仕草は相変わらず可愛い。たまらなく可愛い。しかし以前と比べてそこには女っぽさも感じられるようになってきている。「美少女」から一歩「美女」に近づいた感じだ。
俺が黙ったままじろじろ見てたからだろう。
「なんでそんなに見るの? 私、何か変?」
ちょっと困っている。
「ああ、ごめん。村を出てからニコは変わったなって思ってさ」
「え? 何? 私、変わった?」
「うん。前は『天真爛漫な女の子』っていう感じだったけど、旅に出て以来、だんだん大人っていうか、レディーになってきたなあって思う。見た目も、雰囲気も、話すことも」
「え? そう? そうかな……」
ニコは少しうつむいて、ぽつりぽつり話した。
「私ね、今から思うと村にいた頃は本当に何も考えてなかったの。お父さんお母さんに守られてたし、そこにソウタが来てくれて、もう嬉しくって毎日頭の中はお花畑だったわ。でも黙呪兵が来てソウタと二人で村を出て、そこから初めていろいろ考えるようになったの。ああ、お父さんが言ってたのはこういうことだったんだ、とか、あの時のお母さんの行動にはこういう意味があったんだ、とか、今になって分ることがよくあるの」
「それが大人になるっていうことじゃないかな」
「そうかな。だったら私もちょっと大人になったのかも。でもそういえばソウタは最初からすごく大人だなあと思ったよ」
「え? 俺? 大人じゃないよ」
全然大人じゃない。今でも何も考えてない。その場その場でふらふらしてるだけだ。
とりあえず村から逃げ出し、ハルさんとニコに助けられて旅をしているものの、歌い手としての自覚なんてゼロだし、じゃあ多くの人を裏切って逃げ切るのかと言われるとその覚悟もない。
ニコという女性がいるのに、エメさんからの誘惑にふらっと乗ってしまいそうになる。アミが助けてくれなければ危なかった。そしてアミが……ん? アミがどうしたんだ?
まあいずれにせよ、俺は大人からはほど遠い。まだまだお子様だ。
「俺から見ると、ニコの方が大人に見えるよ」
「そんなことないよ。私から見たらソウタはいつもお兄ちゃんで大人だよ」
「年がちょっと上なだけだよ。それに異世界人だからな」
そんなことを話しながら歩いているうち、道がひどくぬかるんだ場所にさしかかった。足元に気をつけていても時々滑って転びそうになる。
「きゃっ!」
なんて言ってるそばからニコが転びかけた。
「おっと、大丈夫?」
とっさに手を出して支えた。その手を見てニコは元から大きい目をさらに見張った。
「ソウタ、これ左手だよ! 左手で私のこと支えてくれたんだよ」
そうか。とっさにパッと手を出せるぐらい、動きが良くなってきたということだな。
「エメさんて、本当にすごいんだねえ。たった3日半でここまで良くなったんだ」
ニコは俺の左手を両手で握りしめた。
「良かった……」
そのまま涙目になっている。彼女は未だに俺の手がこうなったのは自分のせいだと思ってる。
「ありがとう。でも、いつも言ってるけどニコが気にすることないよ。これは俺が自分でやったんだから」
「ううん。ソウタをあの馬鹿ゴリラと戦わせたのは私よ」
そんなことないんだがな……今となってはあの戦いも懐かしい感じがする。
そういえばあの馬鹿ゴリラ、今頃どうしてるんだろう。黙呪王側のスパイだったことがバレて、もうレジスタンス組織には戻れまい。あ、ちなみに俺とニコの間ではあいつの呼び名は『馬鹿ゴリラ』で決定してる。
「まあ、どっちにしても、もうちょっと進もう。ここでジッとしてるとまたヒルが出てきそうな気がする」
「あ、そうだね。でも私が双炎歌で焼き払うから大丈夫だよ」
「うん、噛まれたら頼んだよ」
「おっけー」
「そういえばあのヒル、薬の素材になるって言ってたけど何の薬になるんだろうね」
「ハルさんはね、『惚れ薬』の素材になるって言ってた」
ほ、惚れ薬……なんじゃそりゃ。本当にあるのか。そんなものが。
さらに小一時間歩いた所に滝はあった。
ここに着いた日に観に行った本流の滝が「男滝」で、こちらは「女滝」というらしい。確かに女性的で美しい滝だ。入り組んだ岩の間を水流が踊るように落ちてくる。迫力はないが風情がある。
といってもそれなりの水量はあるようで、周囲には水音が響き渡っている。滝の横にスペースがあってベンチが置いてある。幸い他に客はいない。俺たちは並んで腰かけた。
「ふう、結構歩いたね」
「そうだな。3日間全然歩いてなかったから運動不足になってるよ」
「私も。全然外に出てなかったの」
「ずっと本読んでたの?」
「うん。恋愛小説とかいろいろ」
「へえ、そんなのあるんだ」
「うん。結構面白いんだよ。私ね……さっきの話の続きだけどね……」
ニコは遠くを見る目で話し出した。
「家に閉じこもってた頃は、旅人本の中でも冒険ものとか男の子が読むようなものばっかり読んでたの。恋愛ものとか読んでも意味が分からないし、全然面白いとも思わなかったし。でもね……」
ちらっとこっちを見る。
「ソウタが来てからは、ちょっとずつ恋愛ものも分かるようになってきたの。あ、なるほど、男子を好きになるってこういうことか、恋ってこういうことか、みたいな」
改まってそんなこと言われるとマジで照れるんですけど。俺はたぶんニヤケ顔になっていたと思う。
「旅に出てからも、お風呂入ったり、ハグしてもらったり、同じベッドで寝たり、とうとうキスもしちゃって、ソウタと一緒にいればいるほど、恋愛についていろんなことが分かるようになってきたの。でもね……最近また大きな進歩があったの」
「進歩?」
「そう。また一つ大事な恋愛の要素が分かるようになったの」
「何? それ」
「私ね、『嫉妬』が分かるようになったの。ねえ、ソウタ。訊きたかったんだけど、あの子のこと、どう思う?」
ドドド……滝の音がひときわ大きくなったように感じた。
腕の回復は順調だ。痺れが減り、感覚は普通になってきた。筋力もだいぶ戻ってきた。この分なら確かに1週間で「治った」と言えるレベルになるだろう。
エメさん、単に危ない人かと思ってたけど、やはり癒術師としては超一流だったようだ。失礼しました。
しかし困ったのは、ニコがますます弱ってることだ。
とにかく食欲がない。本人は大丈夫大丈夫と言うが、朝も昼も夜もほとんど食べてない。わずか数日なのにげっそり痩せたように見える。本人は認めないが、夜も寝れてないみたいだ。
それに笑顔に力がない。ぼーっとして心ここにあらずの様子だ。話をしていても、フッと途切れてしまったりする。
身体の病気ではなくウツ気味なんじゃないか。その原因はたぶん俺との接触不足。それがハルさんの診立てだ。
その日の夜エメさんが部屋に来た時に、1日だけ休養日を入れてもらえないか、ハルさんが話してくれた。俺のためというよりニコのためだ。
エメさんはなかなかOKしなかったが、最終的に「明日の午後の半日だけ」っていうことでお休みをもらえることになった。
しかしそれでもニコはあまり喜ばなかった。むしろ俺の治療が中断することを気にしていた。
さて次の日の午後。俺は数日ぶりに宿を出て外の空気を吸うことができた。最初はハルさんも一緒だったが「じゃあ、後はごゆっくり」とすぐに二人きりにしてくれた。
夕食までに宿に戻らないといけないので本当に半日だけだが、久々にニコと二人でゆっくりできる時間だ。
ハルさんの情報では、イズ川の支流にも滝があり、「本流の滝よりもそっちの方が観光客が少なくてデートには良さそうよ」ということだった。それに俺は高額懸賞金付きの指名手配犯だ。顔や頭は隠してるがなるべく人がいない所が良い。ということで俺とニコは温泉街の裏山のハイキングコースを歩いていた。
何となくぎこちない雰囲気で、時々言葉は交わすものの会話が続かない。お互いいろいろ話したいことはあるのに何だか口が重たい。
村にいた頃のニコだったら一人でずーっとしゃべってくれてたのにな。そう思って彼女をそっと見る。ストールで顔と頭を隠しているが、そこからのぞく目と鼻だけでも超美人だと分る。
「なあに?」
俺の視線に気付いて笑顔で小首を傾げる仕草は相変わらず可愛い。たまらなく可愛い。しかし以前と比べてそこには女っぽさも感じられるようになってきている。「美少女」から一歩「美女」に近づいた感じだ。
俺が黙ったままじろじろ見てたからだろう。
「なんでそんなに見るの? 私、何か変?」
ちょっと困っている。
「ああ、ごめん。村を出てからニコは変わったなって思ってさ」
「え? 何? 私、変わった?」
「うん。前は『天真爛漫な女の子』っていう感じだったけど、旅に出て以来、だんだん大人っていうか、レディーになってきたなあって思う。見た目も、雰囲気も、話すことも」
「え? そう? そうかな……」
ニコは少しうつむいて、ぽつりぽつり話した。
「私ね、今から思うと村にいた頃は本当に何も考えてなかったの。お父さんお母さんに守られてたし、そこにソウタが来てくれて、もう嬉しくって毎日頭の中はお花畑だったわ。でも黙呪兵が来てソウタと二人で村を出て、そこから初めていろいろ考えるようになったの。ああ、お父さんが言ってたのはこういうことだったんだ、とか、あの時のお母さんの行動にはこういう意味があったんだ、とか、今になって分ることがよくあるの」
「それが大人になるっていうことじゃないかな」
「そうかな。だったら私もちょっと大人になったのかも。でもそういえばソウタは最初からすごく大人だなあと思ったよ」
「え? 俺? 大人じゃないよ」
全然大人じゃない。今でも何も考えてない。その場その場でふらふらしてるだけだ。
とりあえず村から逃げ出し、ハルさんとニコに助けられて旅をしているものの、歌い手としての自覚なんてゼロだし、じゃあ多くの人を裏切って逃げ切るのかと言われるとその覚悟もない。
ニコという女性がいるのに、エメさんからの誘惑にふらっと乗ってしまいそうになる。アミが助けてくれなければ危なかった。そしてアミが……ん? アミがどうしたんだ?
まあいずれにせよ、俺は大人からはほど遠い。まだまだお子様だ。
「俺から見ると、ニコの方が大人に見えるよ」
「そんなことないよ。私から見たらソウタはいつもお兄ちゃんで大人だよ」
「年がちょっと上なだけだよ。それに異世界人だからな」
そんなことを話しながら歩いているうち、道がひどくぬかるんだ場所にさしかかった。足元に気をつけていても時々滑って転びそうになる。
「きゃっ!」
なんて言ってるそばからニコが転びかけた。
「おっと、大丈夫?」
とっさに手を出して支えた。その手を見てニコは元から大きい目をさらに見張った。
「ソウタ、これ左手だよ! 左手で私のこと支えてくれたんだよ」
そうか。とっさにパッと手を出せるぐらい、動きが良くなってきたということだな。
「エメさんて、本当にすごいんだねえ。たった3日半でここまで良くなったんだ」
ニコは俺の左手を両手で握りしめた。
「良かった……」
そのまま涙目になっている。彼女は未だに俺の手がこうなったのは自分のせいだと思ってる。
「ありがとう。でも、いつも言ってるけどニコが気にすることないよ。これは俺が自分でやったんだから」
「ううん。ソウタをあの馬鹿ゴリラと戦わせたのは私よ」
そんなことないんだがな……今となってはあの戦いも懐かしい感じがする。
そういえばあの馬鹿ゴリラ、今頃どうしてるんだろう。黙呪王側のスパイだったことがバレて、もうレジスタンス組織には戻れまい。あ、ちなみに俺とニコの間ではあいつの呼び名は『馬鹿ゴリラ』で決定してる。
「まあ、どっちにしても、もうちょっと進もう。ここでジッとしてるとまたヒルが出てきそうな気がする」
「あ、そうだね。でも私が双炎歌で焼き払うから大丈夫だよ」
「うん、噛まれたら頼んだよ」
「おっけー」
「そういえばあのヒル、薬の素材になるって言ってたけど何の薬になるんだろうね」
「ハルさんはね、『惚れ薬』の素材になるって言ってた」
ほ、惚れ薬……なんじゃそりゃ。本当にあるのか。そんなものが。
さらに小一時間歩いた所に滝はあった。
ここに着いた日に観に行った本流の滝が「男滝」で、こちらは「女滝」というらしい。確かに女性的で美しい滝だ。入り組んだ岩の間を水流が踊るように落ちてくる。迫力はないが風情がある。
といってもそれなりの水量はあるようで、周囲には水音が響き渡っている。滝の横にスペースがあってベンチが置いてある。幸い他に客はいない。俺たちは並んで腰かけた。
「ふう、結構歩いたね」
「そうだな。3日間全然歩いてなかったから運動不足になってるよ」
「私も。全然外に出てなかったの」
「ずっと本読んでたの?」
「うん。恋愛小説とかいろいろ」
「へえ、そんなのあるんだ」
「うん。結構面白いんだよ。私ね……さっきの話の続きだけどね……」
ニコは遠くを見る目で話し出した。
「家に閉じこもってた頃は、旅人本の中でも冒険ものとか男の子が読むようなものばっかり読んでたの。恋愛ものとか読んでも意味が分からないし、全然面白いとも思わなかったし。でもね……」
ちらっとこっちを見る。
「ソウタが来てからは、ちょっとずつ恋愛ものも分かるようになってきたの。あ、なるほど、男子を好きになるってこういうことか、恋ってこういうことか、みたいな」
改まってそんなこと言われるとマジで照れるんですけど。俺はたぶんニヤケ顔になっていたと思う。
「旅に出てからも、お風呂入ったり、ハグしてもらったり、同じベッドで寝たり、とうとうキスもしちゃって、ソウタと一緒にいればいるほど、恋愛についていろんなことが分かるようになってきたの。でもね……最近また大きな進歩があったの」
「進歩?」
「そう。また一つ大事な恋愛の要素が分かるようになったの」
「何? それ」
「私ね、『嫉妬』が分かるようになったの。ねえ、ソウタ。訊きたかったんだけど、あの子のこと、どう思う?」
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