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第五幕 告白
動き出した策略
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そんなことを話しながら俺たちが朝食を終えようとしているところに、昨日紹介された幹部の人がやってきた。確か副リーダーの一人、ノボさん、だったっけ。あごヒゲがダンディな感じのオジさんだ。
「お食事中すいません。この後、2年目の訓練生向けに歌術の講義があるんですが、ソウタさん、歌術のエキシビションをお願いできませんでしょうか」
俺はこの後、一刻も早くニコの枕元に戻って告ろうと思っていた。しかし
「ちょっとだけ行ってあげたら? ニコちゃんの方は私が見ておくわ」
ハルさんに言われるとしょうがない。俺はしぶしぶノボさんについて行った。
キャンプの中央にあるグランドに人が集まって何かやってる。歌術のエキシビジョンって、俺、何やったらいいんだろう。
「ほら、歌い手様がいらっしゃったぞ! お前ら整列だ整列。ご挨拶せんか」
講師のおっちゃんは歌術というより『体育教師』という感じの人だ。ヤマさんという名前らしい。日本人的な名前だな。
だらけていた訓練生の兄ちゃんたちも一応列になって俺に「よろしくお願いっしゃーす」と挨拶してくれた。『2年目の訓練生』と言っていたが、年齢は関係ないようで、俺と同じぐらいの奴もいれば、だいぶ年上の奴もいる。
俺も腰を折って「よろしくお願いします」と返す。しかし頭の中にはニコの悲しそうな顔がちらついていた。こんなことやってる場合じゃないんだけどな。
「歌い手様は特に震の歌術の達人だとうかがいました。何せ震の歌術は難しいので、我々講師陣でも使いこなせる者がおりません。歌い手様がいらっしゃったら震の歌術の特別講義をやっていただこうと楽しみにしておりました」
講師のヤマさんがそんなことを言ってる間に、訓練生が台の上にリンゴをセットした。あれを震の歌術でぶっ飛ばせというのだろう。
俺はまず簡単に震の歌術の説明をしてからリンゴに向き合った。
リンゴを派手にクラッシュするというだけなら、今の俺には一瞬でできることだが、分かりやすいように助奏、つまり前置きの足踏み手拍子をすることにした。
『ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン』
右足でリズムをとりながら、そこに手拍子を加える。
『ドン、パッパ、ドン、パッ、ドン、パッパ、ドン、パッ』
懐かしいな。ジゴさんにこうやって震歌を教えてもらったのはそんなに前のことではないのに、もうずいぶん昔のような気がする。
そして机をぶっ壊してジゴさんが大喜びして、あの時もニコは俺をジッと見つめてくれてた。
ああ、ニコ。
思えばこの世界に来てからずっと、彼女は俺の横にいてくれた。俺はそれに甘え、増長したのかもしれない。いつも俺の横にいて、向こうからあれこれ構ってくれるのが当たり前だと思い込んでいたのかもしれない。
ああ、早く彼女のところに行って、きちんと想いを伝えないといけない。
そんなことを考えていたからだろう。リンゴに右手を向け、震歌を歌い始めても、いつもの手の平に伝わってくる振動が感じられない。リンゴも微動だにしていない。
あれ? おかしいな。
ニコのことが気になってるからか? 集中できてないからか?
ハルさんは、念のため人前で歌術を使う時はなるべく出力を抑えておけと言ってた。リンゴを砕くぐらいなら出力1%も要らないはずだったが、これはちょっと出力を上げざるを得ない。
仕方なく震歌のラップの部分を少し長めに引っ張った。ようやっと手の平に振動を感じるようになってきた。よし、これぐらいで良いだろう。俺はリンゴに向けて気合いを放った。
「散れやっ! 散れやっ! 散れやっ! 散れやっ! はっ!」
『ぱしっ』
リンゴは派手に……いや、かなり地味に、いくつかのかけらに割れただけだった。
「……」
見ていた訓練生たちから驚きの声が……上がらなかった。ちょっと遅れてパラパラと拍手が起こった。連中、にやにや笑ってやがる。
そりゃそうだろう。これぐらい、ちょっと歌術をかじった人なら誰でもできる。
「いやあ、すごい歌の力ですな。さすがです。リンゴがバラバラになっちまった」
ヤマさんはフォローしてくれるが、その顔にはちょっと失望の色が浮かんでいた。横で見ていたノボさんも苦笑している。通路で立ち止まってこちらを見てた人たちも、フッと鼻で笑ってまた歩き出した。
今のは自分的には2割ぐらいの出力は出したつもりだった。先日ヒヒを吹っ飛ばして蹴散らした時でも出力は1割以下だ。2割だったら本来リンゴは影も形もなくなるはずなのに、いくつかに割れただけって……
絶不調だ。やっぱりニコのことが気になって集中できてないんだろう。集中してないとここまで力が落ちるものなのか。
続けて訓練生たちが1人1人出てきて、リンゴに向けて震歌を歌った。俺は横でそれを指導することになった。
ただ、しばらくレクチャーしても、リンゴに傷をつけられたのが10人中2人いただけで、リンゴを割ることができた奴はいなかった。やはり震の歌術が初心者には難しいというのは本当なんだ。
それにしても訓練生たちの態度は良くない。『お前なんかに教わりたくねえんだよ』という空気をひしひしと感じる。
リンゴをちょっと傷つけられた奴を
「今のは良いですね。良いセンスしてます」
って俺なりに褒めたら、ふんと鼻で笑って横を向かれた。ああ、嫌な感じだ。
ひとしきり震歌をやった後は震刃を披露することになった。
訓練生たちが向こうから持って来たのは刀の試し切りをする時のような藁束だ。これを切って見せてくれということのようだ。
何だか憂さ晴らしに乱震刃を放ってズタズタにしてやりたい気分だが、実力を見せてしまってはいけない。スパッと切るだけにしておこう。
本来こんな藁束を切るぐらいなら出力は1%も要らない。しかし今、自分が絶不調であることを考えて、さっきの震歌と同じく2割ぐらいの出力を出すことにする。明らかにオーバーキルになるが仕方ない。
頭の中でスクエアな16ビートを刻み、右の人差し指を藁束に向ける。
「んっ来いやっ、来いやっ、来いやっ、来いやっ、断てやっ、断てやっ、断てやっ、断てやっ」
小声で歌いながら藁束をすっと切り捨て……えっ!?
切れない。何で?
「す、すいません。失敗です。もう1回やります」
訓練生たちは「ふははははは」と馬鹿にしたような笑い声を上げている。ヤマさんとノボさんはもう言葉もなく引きつった顔をしている。
俺の音痴な歌に教師や同級生が大笑いする場面がまた頭に浮かんでくる。冷や汗がこめかみの辺りにたらーり流れてくる。心臓がバクバクいう。ちっ、まだこのトラウマが出てくるのか。
もう出力を抑えてる場合じゃない。本気になってしまった。おそらく5割ぐらいの出力になってしまったと思う。
断てやっ、藁束っ!
さすがに藁束は真っ二つになった。ホッとしてその場にへたり込みそうになった。
しかしその断端が目に入って、俺は冷静さを取り戻した。
なんと藁束の中には金属棒が2本、仕込まれていた。ただの金属棒ではない。おそらくナジャの牢屋の鉄格子と同じ仕組みになっているのだろう。歌術の震動を逃してしまうやつだ。簡単には切れないわけだ。
訓練生たちは「ふううん。何だ、切りやがった」みたいな感じで白けている。
「いやあ、すごいすごい。真っ二つですな」
ヤマさんとノボさんもホッとした顔で拍手している。この人たちは金属棒が仕込まれてることに気付いてないのか? まあ俺も気付かないふりをしておこう。
その後、ヤマさんが前でしゃべってる間に、さっき俺がばらしたリンゴをさりげなく確認すると、こっちも何か変だ。芯がくり抜いてあって、中に何かが入っていた形跡がある。だからなかなか震動しなかったんだ。
訓練生たちが使ったリンゴは、俺も手に取ったが、何もない普通のリンゴだった。俺がバラしたリンゴだけに細工がしてあったんだ。
訓練生の奴らが、俺の歌術がうまく行かないようにイタズラをしたんだろうか?
黒髪の歌い手だといって鳴り物入りでキャンプに乗り込んできて、しかもすごい美少女を連れてきてこれ見よがしにべたべたしている。歌い手だあ? 気に入らねえ。イタズラして笑ってやれ。そういうことなんだろうか?
いや、それにしては手が込んでる。2年目の訓練生にあんな金属棒の知識があるとは思えない。黒幕がいるに違いない。
そいつは皆の前で俺に恥をかかせ、意気を挫き、それと同時にどこかからじっと見ていて、俺の実力を測っているに違いない。
誰だ? 黒幕は……って、そんなこともう明白じゃないか。
講義が終わった後、俺はさっさと戻ってニコの部屋に行こうとしたが、ヤマさんとノボさんにがっちり捕まってしまい昼飯に連行された。
「ソウタさん、さっき、本気出さずにだいぶ抑えてたでしょ? 明日もやりますから、明日は本気出して下さいよ」
ヤマさんから言われた。
金属棒のことはともかく、出力を抑えてたことはバレてたようだ。見る人が見れば分かるのだろう。
昼飯を食べながら、ノボさんのどうでもいい武勇伝につき合わされ、ようやっと解放された、さあニコのところに戻ろうと思ったら、今度は別のキャンプ幹部が呼びに来て、剣術のトレーニングに強制参加させられた。
ニコは昼ご飯ちゃんと食べただろうか。脳裏に彼女の悲しそうな顔が浮かぶ。ああ、早く君の元に駆けつけたいのに。
「お食事中すいません。この後、2年目の訓練生向けに歌術の講義があるんですが、ソウタさん、歌術のエキシビションをお願いできませんでしょうか」
俺はこの後、一刻も早くニコの枕元に戻って告ろうと思っていた。しかし
「ちょっとだけ行ってあげたら? ニコちゃんの方は私が見ておくわ」
ハルさんに言われるとしょうがない。俺はしぶしぶノボさんについて行った。
キャンプの中央にあるグランドに人が集まって何かやってる。歌術のエキシビジョンって、俺、何やったらいいんだろう。
「ほら、歌い手様がいらっしゃったぞ! お前ら整列だ整列。ご挨拶せんか」
講師のおっちゃんは歌術というより『体育教師』という感じの人だ。ヤマさんという名前らしい。日本人的な名前だな。
だらけていた訓練生の兄ちゃんたちも一応列になって俺に「よろしくお願いっしゃーす」と挨拶してくれた。『2年目の訓練生』と言っていたが、年齢は関係ないようで、俺と同じぐらいの奴もいれば、だいぶ年上の奴もいる。
俺も腰を折って「よろしくお願いします」と返す。しかし頭の中にはニコの悲しそうな顔がちらついていた。こんなことやってる場合じゃないんだけどな。
「歌い手様は特に震の歌術の達人だとうかがいました。何せ震の歌術は難しいので、我々講師陣でも使いこなせる者がおりません。歌い手様がいらっしゃったら震の歌術の特別講義をやっていただこうと楽しみにしておりました」
講師のヤマさんがそんなことを言ってる間に、訓練生が台の上にリンゴをセットした。あれを震の歌術でぶっ飛ばせというのだろう。
俺はまず簡単に震の歌術の説明をしてからリンゴに向き合った。
リンゴを派手にクラッシュするというだけなら、今の俺には一瞬でできることだが、分かりやすいように助奏、つまり前置きの足踏み手拍子をすることにした。
『ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン』
右足でリズムをとりながら、そこに手拍子を加える。
『ドン、パッパ、ドン、パッ、ドン、パッパ、ドン、パッ』
懐かしいな。ジゴさんにこうやって震歌を教えてもらったのはそんなに前のことではないのに、もうずいぶん昔のような気がする。
そして机をぶっ壊してジゴさんが大喜びして、あの時もニコは俺をジッと見つめてくれてた。
ああ、ニコ。
思えばこの世界に来てからずっと、彼女は俺の横にいてくれた。俺はそれに甘え、増長したのかもしれない。いつも俺の横にいて、向こうからあれこれ構ってくれるのが当たり前だと思い込んでいたのかもしれない。
ああ、早く彼女のところに行って、きちんと想いを伝えないといけない。
そんなことを考えていたからだろう。リンゴに右手を向け、震歌を歌い始めても、いつもの手の平に伝わってくる振動が感じられない。リンゴも微動だにしていない。
あれ? おかしいな。
ニコのことが気になってるからか? 集中できてないからか?
ハルさんは、念のため人前で歌術を使う時はなるべく出力を抑えておけと言ってた。リンゴを砕くぐらいなら出力1%も要らないはずだったが、これはちょっと出力を上げざるを得ない。
仕方なく震歌のラップの部分を少し長めに引っ張った。ようやっと手の平に振動を感じるようになってきた。よし、これぐらいで良いだろう。俺はリンゴに向けて気合いを放った。
「散れやっ! 散れやっ! 散れやっ! 散れやっ! はっ!」
『ぱしっ』
リンゴは派手に……いや、かなり地味に、いくつかのかけらに割れただけだった。
「……」
見ていた訓練生たちから驚きの声が……上がらなかった。ちょっと遅れてパラパラと拍手が起こった。連中、にやにや笑ってやがる。
そりゃそうだろう。これぐらい、ちょっと歌術をかじった人なら誰でもできる。
「いやあ、すごい歌の力ですな。さすがです。リンゴがバラバラになっちまった」
ヤマさんはフォローしてくれるが、その顔にはちょっと失望の色が浮かんでいた。横で見ていたノボさんも苦笑している。通路で立ち止まってこちらを見てた人たちも、フッと鼻で笑ってまた歩き出した。
今のは自分的には2割ぐらいの出力は出したつもりだった。先日ヒヒを吹っ飛ばして蹴散らした時でも出力は1割以下だ。2割だったら本来リンゴは影も形もなくなるはずなのに、いくつかに割れただけって……
絶不調だ。やっぱりニコのことが気になって集中できてないんだろう。集中してないとここまで力が落ちるものなのか。
続けて訓練生たちが1人1人出てきて、リンゴに向けて震歌を歌った。俺は横でそれを指導することになった。
ただ、しばらくレクチャーしても、リンゴに傷をつけられたのが10人中2人いただけで、リンゴを割ることができた奴はいなかった。やはり震の歌術が初心者には難しいというのは本当なんだ。
それにしても訓練生たちの態度は良くない。『お前なんかに教わりたくねえんだよ』という空気をひしひしと感じる。
リンゴをちょっと傷つけられた奴を
「今のは良いですね。良いセンスしてます」
って俺なりに褒めたら、ふんと鼻で笑って横を向かれた。ああ、嫌な感じだ。
ひとしきり震歌をやった後は震刃を披露することになった。
訓練生たちが向こうから持って来たのは刀の試し切りをする時のような藁束だ。これを切って見せてくれということのようだ。
何だか憂さ晴らしに乱震刃を放ってズタズタにしてやりたい気分だが、実力を見せてしまってはいけない。スパッと切るだけにしておこう。
本来こんな藁束を切るぐらいなら出力は1%も要らない。しかし今、自分が絶不調であることを考えて、さっきの震歌と同じく2割ぐらいの出力を出すことにする。明らかにオーバーキルになるが仕方ない。
頭の中でスクエアな16ビートを刻み、右の人差し指を藁束に向ける。
「んっ来いやっ、来いやっ、来いやっ、来いやっ、断てやっ、断てやっ、断てやっ、断てやっ」
小声で歌いながら藁束をすっと切り捨て……えっ!?
切れない。何で?
「す、すいません。失敗です。もう1回やります」
訓練生たちは「ふははははは」と馬鹿にしたような笑い声を上げている。ヤマさんとノボさんはもう言葉もなく引きつった顔をしている。
俺の音痴な歌に教師や同級生が大笑いする場面がまた頭に浮かんでくる。冷や汗がこめかみの辺りにたらーり流れてくる。心臓がバクバクいう。ちっ、まだこのトラウマが出てくるのか。
もう出力を抑えてる場合じゃない。本気になってしまった。おそらく5割ぐらいの出力になってしまったと思う。
断てやっ、藁束っ!
さすがに藁束は真っ二つになった。ホッとしてその場にへたり込みそうになった。
しかしその断端が目に入って、俺は冷静さを取り戻した。
なんと藁束の中には金属棒が2本、仕込まれていた。ただの金属棒ではない。おそらくナジャの牢屋の鉄格子と同じ仕組みになっているのだろう。歌術の震動を逃してしまうやつだ。簡単には切れないわけだ。
訓練生たちは「ふううん。何だ、切りやがった」みたいな感じで白けている。
「いやあ、すごいすごい。真っ二つですな」
ヤマさんとノボさんもホッとした顔で拍手している。この人たちは金属棒が仕込まれてることに気付いてないのか? まあ俺も気付かないふりをしておこう。
その後、ヤマさんが前でしゃべってる間に、さっき俺がばらしたリンゴをさりげなく確認すると、こっちも何か変だ。芯がくり抜いてあって、中に何かが入っていた形跡がある。だからなかなか震動しなかったんだ。
訓練生たちが使ったリンゴは、俺も手に取ったが、何もない普通のリンゴだった。俺がバラしたリンゴだけに細工がしてあったんだ。
訓練生の奴らが、俺の歌術がうまく行かないようにイタズラをしたんだろうか?
黒髪の歌い手だといって鳴り物入りでキャンプに乗り込んできて、しかもすごい美少女を連れてきてこれ見よがしにべたべたしている。歌い手だあ? 気に入らねえ。イタズラして笑ってやれ。そういうことなんだろうか?
いや、それにしては手が込んでる。2年目の訓練生にあんな金属棒の知識があるとは思えない。黒幕がいるに違いない。
そいつは皆の前で俺に恥をかかせ、意気を挫き、それと同時にどこかからじっと見ていて、俺の実力を測っているに違いない。
誰だ? 黒幕は……って、そんなこともう明白じゃないか。
講義が終わった後、俺はさっさと戻ってニコの部屋に行こうとしたが、ヤマさんとノボさんにがっちり捕まってしまい昼飯に連行された。
「ソウタさん、さっき、本気出さずにだいぶ抑えてたでしょ? 明日もやりますから、明日は本気出して下さいよ」
ヤマさんから言われた。
金属棒のことはともかく、出力を抑えてたことはバレてたようだ。見る人が見れば分かるのだろう。
昼飯を食べながら、ノボさんのどうでもいい武勇伝につき合わされ、ようやっと解放された、さあニコのところに戻ろうと思ったら、今度は別のキャンプ幹部が呼びに来て、剣術のトレーニングに強制参加させられた。
ニコは昼ご飯ちゃんと食べただろうか。脳裏に彼女の悲しそうな顔が浮かぶ。ああ、早く君の元に駆けつけたいのに。
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