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第一幕 歌のない世界
トラウマ
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次の日、午前中に農作業を済ませ、午後になってから俺とニコとジゴさんの3人で地下室への階段を下りた。さあいよいよ歌術のレッスン開始だ。
「この地下室にはこの通り分厚い扉があるし、上では母さんがでかい粉ひき器を回してくれてるから、まず魔物が来る心配はない。それでもあんまり大きな声や音を出さないように十分気をつけてくれよ」
歌声が外に漏れたらどんな恐ろしいことになるか、昨日十分身にしみている。
「はい!」
俺とニコは声をそろえて返事した。
「よし、それじゃあ基本から行こう。まずは発声練習だ。私が歌った通りに歌ってごらん」
そう言ってジゴさんは歌い出した。
歌詞はなし、「ラララー」で歌う。音程はドレミで言うと『ドレミソラーソミレミド』、何となく和風で懐かしい感じの節回しだ。
「こんな感じだ。さあやってごらん」
ジゴさんに促され、俺たちはそっと歌い出した。
しかしたった今、思い出した。
俺は音痴だ。
隣のニコが可愛い声で、しかも正確に音程をトレースしているのに、俺の『ド』の音程は最初から外れてる。しかも『ドレミソラー』と上がって行くところでさらに外れてしまう。
音感がないわけじゃない。むしろ鋭い方だ。
絶対音感持ちとまでは言わないが、ギターやベースのチューニングはチューナーなしでできる。人が歌ってるのを聴くと、音程が少しズレてるだけでもすぐに分かる。
それなのに自分が歌うとダメだ。
音程が外れているのは分かってるのに、声を正しい音程に合せることができない。途中から焦ってきて、もうワケが分からなくなってくる。頭が真っ白になってしまう。
ううむ。まずい。
これまでもこういうことは何回もあった。そしてその一つ一つの情景が俺の心の中にトラウマとして刻み込まれている。
保育園の時は良かった。音程が外れてても、声さえ出してりゃ良かった。口パクでもバレなかった。
しかし小学校に上がると一人ずつ歌わされる場面が出てきて、俺が音痴だということがバレてしまった。
周囲から下手くそだの、音痴だの、はやされる。そうなるとよけいにアガってしまってダメだ。メロメロだ。
一番ひどかったのは、中学2年の音楽の授業で、一人ずつ前に出て歌わされた時だ。
俺はガチガチに緊張して、出だしから上ずった声になってしまい、それでも正しい音を探ろうとして必死で音程を上げたり下げたりしたため、とても歌とは思えない珍妙なパフォーマンスになってしまった。
クラス全員、教師も、たまたま来ていた教育実習生も、みな腹を抱えて笑い転げた。
密かに思いを寄せていたあの子も、俺を指差して大笑いしていた。格好悪いとか恥ずかしいとかそういうレベルではない。俺の心は死んだ。
しかもその後がさらにひどかった。
実は俺の父親はミュージシャンだ。某メジャーバンドのベーシストでリードボーカル。曲も全部父親が書いてた。一時は紅白に出るかっていうぐらい人気があったらしい。
それが、俺が2歳か3歳の頃、若手女優と不倫して、家庭もバンドも置いて失踪してしまった。それっきり行方不明だ。情けない話……まあ、今はそれは置いとこう。
俺の父親がミュージシャンというのはわりと周囲に知られてた。それなのに、このド音痴だ。
「ミュージシャンの息子なのに」
ってことで、よけいにみんなにイジられた。馬鹿にされた。
それに対してムキになるとなおさら笑われ、ハブられた。俺は一気にクラスで最下位カーストまで落ちた。とうとう俺は学校に行けなくなった。
音痴のせいでいろいろなものを失った。たくさんの人から笑われ、馬鹿にされ、疎外された。それが俺の黒歴史だ。
「もう1回やってみようか。ほい」
ジゴさんも俺の音程が外れてるのに気がついてるはずだ。それについて何も言わないのが、かえって気になって仕方ない。
促されてもう一度2人で「ラララー♪」と歌うが、やっぱりダメだ。俺だけ全然違う音程で歌ってる。だんだん萎縮してきて、さらに小声になってしまった。
「どうしたんだソウタ。もう少し声を出してもいいんだぞ」
すかさずジゴさんに指摘される。
「あ、はい……」
「ソウタ、一緒にがんばろ」
「う、うん……」
ニコは屈託ない笑顔を向けてくる。ニコもジゴさんも悪気はない。でもその優しさが辛い。俺は分かってる。励まされるとよけいにダメなんだ。
「よし。じゃ、今度はちょっとだけ音の高さを上げて同じように歌ってみよう」
ジゴさんはそう言って、キーを1音上げて歌う。楽器無しでやるのは意外に難しい技だ。大抵はちょっと音程が低い目になるもんだが、ジゴさんの音程は完璧だ。
「ラララララー♪」
ニコも上手だ。しかし俺は……もう支離滅裂で何を歌ってるのかも分からない。
「ソウタ、もうちょっと大きい声で歌ってみよう。よし、もう一度だ」
「あ、はい……」
分かってます、分かってますよ。
頭の中にいろいろなトラウマ場面が蘇ってくる。腹を抱えて笑う教師、馬鹿にしてくる同級生達……音痴だと分かった途端にみんな態度が変わる。俺を見下すようになる。
もうダメだ。俺が音痴だということはニコにもジゴさんにもバレてしまった。ニコには嫌われ、ジゴさんにも、そんな音痴じゃ歌術なんて無理無理、って見捨てられるだろう。
せっかく歌のない世界に来たのに、なんでまたわざわざこんなことをやってるんだ。こんなことなら歌術だの旅人など夢を見ず、この村の隅っこで黙って静かに暮らしてた方がよっぽどいいじゃないか。
言おうか? 「やっぱり止めます」って。
「どうしたんだ? ソウタ」
「ソウタ、大丈夫?」
いつの間にか黙り込んでしまった俺を、真顔の2人がのぞき込む。
音痴は迷惑だ。人に不快感を与える存在だ。とにかく謝ってしまおう。申し訳ありません。音痴なのに歌ってごめんなさい。
「すいません……音痴で」
しかし顔を上げるとニコもジゴさんもキョトンとしている。昨日土下座をした時と同じ反応だ。
「ソウタ、『オンチ』ってなんだ?」
ジゴさんに尋ねられる。ああ、そうか。こっちには『音痴』という概念はないのか。
「歌おうと思った音程で歌うことができないんです。歌うと必ず音程が外れてしまうんです」
「ああ、そういうことか」
ジゴさんはうなずいた。
「それなら問題ない。いや、確かに音程が重要な歌術もあるが、音程なんか全く関係ない歌術もあるぞ」
「音程が関係ない歌術?」
思わず聞き直した
「そうだ。昨日も話したが、歌術は熱、風、水、雷、震、情の基本6術からできてる。熱や水の歌術は音程が大事だが、震の歌術なんか、音程はほとんど関係ない」
「音程はほとんど関係ない……」
俺は復唱してしまった。
「そうだ。ただリズムやタイミングが非常にシビアなんだ。よし、じゃあ、ここらで発声練習は終わりにして実践練習に入ろう。試しに震の歌術をやってみようか?」
「は、はい。ぜひ」
俺は微かな希望を感じ、地獄に垂れてきた蜘蛛の糸にすがった。音程が関係ないなら俺にだってできるかもしれない。
「見たい見たい、やってやって」
ニコは無邪気に目を輝かしている。
「よし、じゃあ、ちょっともったいないけどこれを震の歌術で壊してみよう」
そう言いながらジゴさんはロウソクを一本、燭台から外して目の前のテーブルに立てた。
「飛び散るかもしれないからちょっと離れておけよ」
俺たちを少し下がらせ、ジゴさんはロウソクに向き直ってすーっと息を吸った。
俺は期待でゴクッと唾をのんだ。
「この地下室にはこの通り分厚い扉があるし、上では母さんがでかい粉ひき器を回してくれてるから、まず魔物が来る心配はない。それでもあんまり大きな声や音を出さないように十分気をつけてくれよ」
歌声が外に漏れたらどんな恐ろしいことになるか、昨日十分身にしみている。
「はい!」
俺とニコは声をそろえて返事した。
「よし、それじゃあ基本から行こう。まずは発声練習だ。私が歌った通りに歌ってごらん」
そう言ってジゴさんは歌い出した。
歌詞はなし、「ラララー」で歌う。音程はドレミで言うと『ドレミソラーソミレミド』、何となく和風で懐かしい感じの節回しだ。
「こんな感じだ。さあやってごらん」
ジゴさんに促され、俺たちはそっと歌い出した。
しかしたった今、思い出した。
俺は音痴だ。
隣のニコが可愛い声で、しかも正確に音程をトレースしているのに、俺の『ド』の音程は最初から外れてる。しかも『ドレミソラー』と上がって行くところでさらに外れてしまう。
音感がないわけじゃない。むしろ鋭い方だ。
絶対音感持ちとまでは言わないが、ギターやベースのチューニングはチューナーなしでできる。人が歌ってるのを聴くと、音程が少しズレてるだけでもすぐに分かる。
それなのに自分が歌うとダメだ。
音程が外れているのは分かってるのに、声を正しい音程に合せることができない。途中から焦ってきて、もうワケが分からなくなってくる。頭が真っ白になってしまう。
ううむ。まずい。
これまでもこういうことは何回もあった。そしてその一つ一つの情景が俺の心の中にトラウマとして刻み込まれている。
保育園の時は良かった。音程が外れてても、声さえ出してりゃ良かった。口パクでもバレなかった。
しかし小学校に上がると一人ずつ歌わされる場面が出てきて、俺が音痴だということがバレてしまった。
周囲から下手くそだの、音痴だの、はやされる。そうなるとよけいにアガってしまってダメだ。メロメロだ。
一番ひどかったのは、中学2年の音楽の授業で、一人ずつ前に出て歌わされた時だ。
俺はガチガチに緊張して、出だしから上ずった声になってしまい、それでも正しい音を探ろうとして必死で音程を上げたり下げたりしたため、とても歌とは思えない珍妙なパフォーマンスになってしまった。
クラス全員、教師も、たまたま来ていた教育実習生も、みな腹を抱えて笑い転げた。
密かに思いを寄せていたあの子も、俺を指差して大笑いしていた。格好悪いとか恥ずかしいとかそういうレベルではない。俺の心は死んだ。
しかもその後がさらにひどかった。
実は俺の父親はミュージシャンだ。某メジャーバンドのベーシストでリードボーカル。曲も全部父親が書いてた。一時は紅白に出るかっていうぐらい人気があったらしい。
それが、俺が2歳か3歳の頃、若手女優と不倫して、家庭もバンドも置いて失踪してしまった。それっきり行方不明だ。情けない話……まあ、今はそれは置いとこう。
俺の父親がミュージシャンというのはわりと周囲に知られてた。それなのに、このド音痴だ。
「ミュージシャンの息子なのに」
ってことで、よけいにみんなにイジられた。馬鹿にされた。
それに対してムキになるとなおさら笑われ、ハブられた。俺は一気にクラスで最下位カーストまで落ちた。とうとう俺は学校に行けなくなった。
音痴のせいでいろいろなものを失った。たくさんの人から笑われ、馬鹿にされ、疎外された。それが俺の黒歴史だ。
「もう1回やってみようか。ほい」
ジゴさんも俺の音程が外れてるのに気がついてるはずだ。それについて何も言わないのが、かえって気になって仕方ない。
促されてもう一度2人で「ラララー♪」と歌うが、やっぱりダメだ。俺だけ全然違う音程で歌ってる。だんだん萎縮してきて、さらに小声になってしまった。
「どうしたんだソウタ。もう少し声を出してもいいんだぞ」
すかさずジゴさんに指摘される。
「あ、はい……」
「ソウタ、一緒にがんばろ」
「う、うん……」
ニコは屈託ない笑顔を向けてくる。ニコもジゴさんも悪気はない。でもその優しさが辛い。俺は分かってる。励まされるとよけいにダメなんだ。
「よし。じゃ、今度はちょっとだけ音の高さを上げて同じように歌ってみよう」
ジゴさんはそう言って、キーを1音上げて歌う。楽器無しでやるのは意外に難しい技だ。大抵はちょっと音程が低い目になるもんだが、ジゴさんの音程は完璧だ。
「ラララララー♪」
ニコも上手だ。しかし俺は……もう支離滅裂で何を歌ってるのかも分からない。
「ソウタ、もうちょっと大きい声で歌ってみよう。よし、もう一度だ」
「あ、はい……」
分かってます、分かってますよ。
頭の中にいろいろなトラウマ場面が蘇ってくる。腹を抱えて笑う教師、馬鹿にしてくる同級生達……音痴だと分かった途端にみんな態度が変わる。俺を見下すようになる。
もうダメだ。俺が音痴だということはニコにもジゴさんにもバレてしまった。ニコには嫌われ、ジゴさんにも、そんな音痴じゃ歌術なんて無理無理、って見捨てられるだろう。
せっかく歌のない世界に来たのに、なんでまたわざわざこんなことをやってるんだ。こんなことなら歌術だの旅人など夢を見ず、この村の隅っこで黙って静かに暮らしてた方がよっぽどいいじゃないか。
言おうか? 「やっぱり止めます」って。
「どうしたんだ? ソウタ」
「ソウタ、大丈夫?」
いつの間にか黙り込んでしまった俺を、真顔の2人がのぞき込む。
音痴は迷惑だ。人に不快感を与える存在だ。とにかく謝ってしまおう。申し訳ありません。音痴なのに歌ってごめんなさい。
「すいません……音痴で」
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「ソウタ、『オンチ』ってなんだ?」
ジゴさんに尋ねられる。ああ、そうか。こっちには『音痴』という概念はないのか。
「歌おうと思った音程で歌うことができないんです。歌うと必ず音程が外れてしまうんです」
「ああ、そういうことか」
ジゴさんはうなずいた。
「それなら問題ない。いや、確かに音程が重要な歌術もあるが、音程なんか全く関係ない歌術もあるぞ」
「音程が関係ない歌術?」
思わず聞き直した
「そうだ。昨日も話したが、歌術は熱、風、水、雷、震、情の基本6術からできてる。熱や水の歌術は音程が大事だが、震の歌術なんか、音程はほとんど関係ない」
「音程はほとんど関係ない……」
俺は復唱してしまった。
「そうだ。ただリズムやタイミングが非常にシビアなんだ。よし、じゃあ、ここらで発声練習は終わりにして実践練習に入ろう。試しに震の歌術をやってみようか?」
「は、はい。ぜひ」
俺は微かな希望を感じ、地獄に垂れてきた蜘蛛の糸にすがった。音程が関係ないなら俺にだってできるかもしれない。
「見たい見たい、やってやって」
ニコは無邪気に目を輝かしている。
「よし、じゃあ、ちょっともったいないけどこれを震の歌術で壊してみよう」
そう言いながらジゴさんはロウソクを一本、燭台から外して目の前のテーブルに立てた。
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