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✕‬‪✕‬の回顧録 前編

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「‪✕‬‪✕‬。あなたはほんとに綺麗な髪と瞳の色をしているわねぇ…私と旦那様に似て上品な顔立ちで…」

「あなたはしっかりしていてとてもいい子ね!‪✕‬‪✕‬!今日の夜ご飯は‪✕‬‪✕‬の好きなものにしましょうか♪」

ボクはお母さんがとても大好き。いつもボクを褒めてくれる。それに、自分の親をこんな風に言うのは変かもしれないけどお母さんはとても綺麗な美人さん。ボクの自慢だ。お父さんとはあまり話さないけれど、お顔がとてもかっこいいからお父さんもボクの自慢だ。


友達が誰もいなくて外に出てもひとりぼっちなのが寂しいと感じた時もあったけれどボクには十分幸せな生活だった。


でも徐々にそれはボクの身体に起こった異変と共に変化していった。

まず、あれほどお母さんから沢山褒められたピンクブロンドの髪が少しずつ白くなっていった。

お母さんになぜボクの髪の色が変わってしまったのか聞くとお母さんは顔を少し顰めて目を逸らしながら「それは…分からないけれどその色もとても綺麗よ」と言った。ボクはお母さんに褒められたのかと喜んだ。日に日に白くなっていく髪、最終的には白い髪に光が反射して銀髪のようになった。

このくらいの時から何故かお母さんは家にボクを閉じ込めるようになった。

次に変わったのは瞳の色だった。髪と同じようにお母さんに褒められたお母さんと水色の瞳は、どんどん左右で色が異なるようになっていった。自分の瞳の色が変わっていくのが気持ち悪かったけどお母さんが綺麗だと褒めてくれるかもと思うとどんな色になっていくのか楽しみでお母さんを驚かせようと長い髪で隠して目を見せないようにした。

そして、瞳の色の変化し始めて1週間が経った頃。変化が完全に止まって右目は赤、左目は金色っぽい色になった。(後から知ったけれどガーネットとシャンパンゴールドという色らしい)それぞれ違う色が自分の瞳に閉じこめられていて、お母さんも前よりも綺麗と沢山褒めてくれると思って見せに行った。

「お母さん!見て!!ボク、瞳の色も変わったんだよ!!どう?驚いた??♪」

するとお母さんはボクの頭を乱暴に掴み、強引に引っ張るといきなりのことでバランスを崩してたたらを踏んだボクにはお構いなしにボクの瞳をまじまじと見始めた。予想と違うお母さんの行動に驚いたボクは

「お母さん?どうしたの?褒めてくれないの??」

と聞きながらお母さんの顔色を伺うと、お母さんは怒っているような悲しんでいるような....見たことのない顔をしていた。

心配になったボクはお母さんに大丈夫?と声をかけるもその問いかけに答えないままお母さんはフラフラと寝室に行ってしまった。




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