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3章 Dedicated to an angel
#32 地下への階段
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カミーユ、ジェシカ、フェイの3人は、フェイを先頭に長い階段を降りていた。
「____そういえば、お嬢様の力って…?」
ジェシカの魔法によって作られた、炎で出来た小鳥が暗い階段を明るく照らし、コツコツという3人分のブーツの踵の音が響き渡る中、カミーユは自身が仕えているルリアの能力を知らず、2人に問いかける。
その言葉を聞き、カミーユの前にいたジェシカは立ち止まりゆっくりと彼女の方を振り向く。
『_____聞くより、先に見た方が早いと思うな。な、フィー。』
「うん……あっ、そういえば私、カミーユちゃんに挨拶したっけー?」
いつの間にかフェイも立ち止まっており静寂が辺りを包み込み、長い沈黙の後、ジェシカはそう答えフェイの愛称を呼ぶと彼女も頷く。
____2人のその声のトーンは何時もより下がっている様に感じられ、カミーユを見つめていたジェシカの瞳は何処か怯えているかの様な、恐れている様な、そんな瞳で、カミーユは無意識に固唾を呑む。
けれど、ふと紡がれたフェイの言葉に、彼女は少しきょとんとした顔つきに変わった。
「……あっ。」『…してない気がするな。』
「ふふっ、色々あったから忘れてた!私はフェイ!この屋敷のお掃除と見つからないための結界をはる役目のメイド!フィーって呼んで?」
「あ、私はカミーユって言います…!」
色々な出来事が起きていたというのと、フェイの存在は初対面だと言うのに何処か安心する存在だった為、カミーユ本人も彼女に挨拶をしていない事に気付き、小さく声を洩らす。
フェイはジェシカの言葉を聞き、まるで妖精の様な悪戯っぽい笑みを浮かべると、改めて挨拶をし、カミーユも挨拶をする。
『2人とも挨拶を忘れてるとはなぁ…』「私、影薄いのかなー?」
「えっ、いや、フェイさんといると何処か安心出来るというか…それにジェシカさんと良くお話しているので、だから忘れてました…」
「…ジェシカのせい?」『いや違うから。』
2人のやりとりを聞き、カミーユは彼女達の仲の良さを実感しつつ、面白かったのかクスリと笑みを零す。
2人はちらと顔を見合わせると、明るい笑みを浮かべた。
「…あ、ついたよー!」
そしてフェイは先に階段を降りきると、2人に向かって明るい声で告げた。
____重い扉を開き、真っ先に視界に映るのは炎の小鳥によって照らされる床。
広い空間の床は石で出来ているらしく、端の方は灰色1色なのだが、部屋の真ん中に置かれている椅子とその周りだけは、とても鮮やかな朱に染まっていた。
生臭い血と何かが混ざった臭いが、カミーユの鼻に入り、彼女は思わず嘔吐きそうになるが、息を呑みこみ何とか堪える。
だが、ジェシカとフェイはその臭いに慣れているのか、気にもとめず部屋の中に入り、彼女も慌てて部屋の中に足を踏み入れた。
「___これ、は…………?」
真ん中に置かれた椅子に向かって歩を進め、各々の靴が血溜まりを踏み、バシャという音が部屋に響く中、カミーユは椅子の前で立ち止まりある姿を見ると、言葉を詰まらせ、吐き気に耐えながら2人に尋ねた。
理解が及ばないのか、それとも目の前の光景が怖いのか、その声色は僅かながらに震えており、ジェシカは椅子を見つめながら重々しく唇を開く。
『_________これが、ルリア様の能力だよ。』
「____そういえば、お嬢様の力って…?」
ジェシカの魔法によって作られた、炎で出来た小鳥が暗い階段を明るく照らし、コツコツという3人分のブーツの踵の音が響き渡る中、カミーユは自身が仕えているルリアの能力を知らず、2人に問いかける。
その言葉を聞き、カミーユの前にいたジェシカは立ち止まりゆっくりと彼女の方を振り向く。
『_____聞くより、先に見た方が早いと思うな。な、フィー。』
「うん……あっ、そういえば私、カミーユちゃんに挨拶したっけー?」
いつの間にかフェイも立ち止まっており静寂が辺りを包み込み、長い沈黙の後、ジェシカはそう答えフェイの愛称を呼ぶと彼女も頷く。
____2人のその声のトーンは何時もより下がっている様に感じられ、カミーユを見つめていたジェシカの瞳は何処か怯えているかの様な、恐れている様な、そんな瞳で、カミーユは無意識に固唾を呑む。
けれど、ふと紡がれたフェイの言葉に、彼女は少しきょとんとした顔つきに変わった。
「……あっ。」『…してない気がするな。』
「ふふっ、色々あったから忘れてた!私はフェイ!この屋敷のお掃除と見つからないための結界をはる役目のメイド!フィーって呼んで?」
「あ、私はカミーユって言います…!」
色々な出来事が起きていたというのと、フェイの存在は初対面だと言うのに何処か安心する存在だった為、カミーユ本人も彼女に挨拶をしていない事に気付き、小さく声を洩らす。
フェイはジェシカの言葉を聞き、まるで妖精の様な悪戯っぽい笑みを浮かべると、改めて挨拶をし、カミーユも挨拶をする。
『2人とも挨拶を忘れてるとはなぁ…』「私、影薄いのかなー?」
「えっ、いや、フェイさんといると何処か安心出来るというか…それにジェシカさんと良くお話しているので、だから忘れてました…」
「…ジェシカのせい?」『いや違うから。』
2人のやりとりを聞き、カミーユは彼女達の仲の良さを実感しつつ、面白かったのかクスリと笑みを零す。
2人はちらと顔を見合わせると、明るい笑みを浮かべた。
「…あ、ついたよー!」
そしてフェイは先に階段を降りきると、2人に向かって明るい声で告げた。
____重い扉を開き、真っ先に視界に映るのは炎の小鳥によって照らされる床。
広い空間の床は石で出来ているらしく、端の方は灰色1色なのだが、部屋の真ん中に置かれている椅子とその周りだけは、とても鮮やかな朱に染まっていた。
生臭い血と何かが混ざった臭いが、カミーユの鼻に入り、彼女は思わず嘔吐きそうになるが、息を呑みこみ何とか堪える。
だが、ジェシカとフェイはその臭いに慣れているのか、気にもとめず部屋の中に入り、彼女も慌てて部屋の中に足を踏み入れた。
「___これ、は…………?」
真ん中に置かれた椅子に向かって歩を進め、各々の靴が血溜まりを踏み、バシャという音が部屋に響く中、カミーユは椅子の前で立ち止まりある姿を見ると、言葉を詰まらせ、吐き気に耐えながら2人に尋ねた。
理解が及ばないのか、それとも目の前の光景が怖いのか、その声色は僅かながらに震えており、ジェシカは椅子を見つめながら重々しく唇を開く。
『_________これが、ルリア様の能力だよ。』
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