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3章 Dedicated to an angel
#25 祝福
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#25
___静かだが、何処か暖かな空気が流れているルリアの部屋で、ルリアは食事を続け、カミーユは貰ったパンを食べ終わると彼女を見つめていた。
時折、苦手な人参を嫌な顔をしながらも飲み込み、その事を褒めながら。
そして食事が終わり、カミーユがデザートを渡そうとした途端、部屋の扉を数回叩く音が響いた。
「___食べ終わったかしら?」
そして、扉の開く音が部屋に響き渡り、その音と共に少女の___屋敷の主であるセリーヌの声が聞こえ、ルリアはその声を聞くと立ち上がる。
「お姉様…!」『あ、お、おはようございますっ…!』
ルリアは急いで椅子から降りると、部屋に入ってきたセリーヌに近付き、カミーユも慌てて彼女に挨拶をする。
「えぇ、おはよう。それよりルリア?食べ終わってないのなら、それはマナーが悪いわよ?」
「え、あ、ごめんなさい…」
セリーヌは近寄ってきたルリアの頭を撫でながらカミーユに挨拶を返すと、少ししゃがみ込み彼女と目線を合わせながらそう咎める。
ルリアは咎められ、しゅんとしながら謝罪の言葉を述べるが、別に気にしてはいないのかルリアの頭をまた撫でた。
「まぁいいわ。後は何が残っているの?」
『え、あ、後はデザートだけです…!』
頭を撫でながらカミーユに尋ね、彼女は慌てて答えると、彼女は立ち上がりルリアの手をそっととる。
「ならそれは後でにして、おいでルリア。」
「…?わかったわ…!」
そして、大人っぽい笑みを浮かべ指を鳴らしながらそう言うと、ルリアの足についていた枷は音を立てて外れ、彼女は少し疑問に思いながら頷き、手を繋ぎセリーヌと共に部屋の外に出た。
____部屋の外に出、庭には一面とても鮮やかな紅いバラが咲き乱れ、セリーヌはその景色を見ず、何処かに向かって歩き出す。
ルリアは何時も見ているが何処か飽きないバラを、ちらと眺めながら、セリーヌの手をぎゅっと握り、後をついて行く。
庭の途中まで歩くと、セリーヌは彼女の方を振り返る。
「少し、目を綴じていて?」
セリーヌの言葉にルリアは目を綴じるのが怖いらしく心配そうに彼女を見つめるが、彼女はルリアの手をそっと自身の両手で包み込む。
「大丈夫。私が手を繋いでいるから、ね?」
その言葉にゆっくりと頷きながら、ルリアは白く長い睫毛で縁取られた目蓋を綴じ、セリーヌはそっとルリアの手を引き、歩き出した。
「___目を、開けて?」
短いようで長いような、そんな時間がルリアを包み、セリーヌは立ち止まるとルリアにそう述べる。
ルリアは、その言葉の通りに目蓋を開け_____
「_____わぁ…!」
目蓋を開け、先程まで暗闇だった彼女の視界に入るのは、色とりどりのバラが咲き乱れる庭だった。
まるで大きな鳥籠のように、バラが咲き乱れているこの場所の天井や周りには大きな柵が囲いこまれ、入口であろう場所には細かな装飾が施された門が開いていた。
赤はもちろん、黄色や白、橙に黒等、様々な色や形のバラが咲き乱れ、ルリアはセリーヌの手をそっと離すと、あまりの色の数に見蕩れ、様々なバラをその視界に映す。
「__気に入ってくれたかしら?」
セリーヌはバラに見蕩れているルリアを見、その顔に慈愛の笑みを浮かべながら尋ねる。
ルリアは、ゆっくりと彼女の方を振り向くと大きく頷いた。
「こんな場所があるなんて知らなかったわ…!」
「それもそうよ?__だって、この温室はルリの為に作ったのだから。」
その言葉を聞き、ルリアはきょとんとした顔になるが、セリーヌは彼女に近付くと目線を合わせる様にかがみ、そっと彼女の首元に手を回す。
「______お誕生日おめでとう、ルリ。」
その言葉と共に、ルリアの首元には銀色に輝く小さな蝙蝠の飾りがついたネックレスが取り付けられていた。
彼女は少し目を瞬かせ、ネックレスを見つめていたが、やっとその言葉の意味を理解したのか頬を朱に赤らめ、嬉しそうに微笑む。
「吸血鬼は永遠に生きるから、すっかり貴方の誕生日を忘れていたわ…ごめんなさい。だから、この温室を用意したの。」
「ううん、とっても、とってもうれしいわ…!ありがとうお姉様…!」
ルリアの瞳には、今にも涙が溢れてしまいそうな程の大粒の涙が溜まり、姿勢を戻し申し訳なさそうに謝るセリーヌに抱きつくと何度も感謝の言葉を声にする。
『___と、少し遅かったかな?』
少し経ち、男性の声が聞こえるとルリアは抱きつくのを止め、声の方を振り向く。
そこには背中に手を回し、少し息が上がっているウィルの姿があり、セリーヌは彼の言葉に "えぇ" と頷いた。
「おにい、さま…?」
『___私からも、お誕生日おめでとう。ルリ。』
ルリアは息が上がっているウィルを見、少し首を傾げるが、彼もルリアに近付くと目線を合わせる様にかがみ、その言葉と共に手を前に出した。
___そこには、綺麗な色で描かれた絵本と、彼女の両手に収まりそうな程の小さなくまの人形があり、ルリアは、溢れそうになっていた涙をぽろぽろと零すと、幸せそうに、とても無邪気な笑みを浮かべる。
「ありがとう、おねえ、さま…おにい、さま…!」
透明な涙が彼女の頬を伝い、ルリアは、言葉を詰まらせながらも、2人にお礼の言葉を言った。
─────
12/19
本日はルリアの誕生日ですっ。
私が本格的な創作を始めたきっかけな子なので、祝う為に少し雑になってしまいました…
これを見てくれている貴方も、心の中でいいので、彼女を祝ってくれたら嬉しいですっ。
___静かだが、何処か暖かな空気が流れているルリアの部屋で、ルリアは食事を続け、カミーユは貰ったパンを食べ終わると彼女を見つめていた。
時折、苦手な人参を嫌な顔をしながらも飲み込み、その事を褒めながら。
そして食事が終わり、カミーユがデザートを渡そうとした途端、部屋の扉を数回叩く音が響いた。
「___食べ終わったかしら?」
そして、扉の開く音が部屋に響き渡り、その音と共に少女の___屋敷の主であるセリーヌの声が聞こえ、ルリアはその声を聞くと立ち上がる。
「お姉様…!」『あ、お、おはようございますっ…!』
ルリアは急いで椅子から降りると、部屋に入ってきたセリーヌに近付き、カミーユも慌てて彼女に挨拶をする。
「えぇ、おはよう。それよりルリア?食べ終わってないのなら、それはマナーが悪いわよ?」
「え、あ、ごめんなさい…」
セリーヌは近寄ってきたルリアの頭を撫でながらカミーユに挨拶を返すと、少ししゃがみ込み彼女と目線を合わせながらそう咎める。
ルリアは咎められ、しゅんとしながら謝罪の言葉を述べるが、別に気にしてはいないのかルリアの頭をまた撫でた。
「まぁいいわ。後は何が残っているの?」
『え、あ、後はデザートだけです…!』
頭を撫でながらカミーユに尋ね、彼女は慌てて答えると、彼女は立ち上がりルリアの手をそっととる。
「ならそれは後でにして、おいでルリア。」
「…?わかったわ…!」
そして、大人っぽい笑みを浮かべ指を鳴らしながらそう言うと、ルリアの足についていた枷は音を立てて外れ、彼女は少し疑問に思いながら頷き、手を繋ぎセリーヌと共に部屋の外に出た。
____部屋の外に出、庭には一面とても鮮やかな紅いバラが咲き乱れ、セリーヌはその景色を見ず、何処かに向かって歩き出す。
ルリアは何時も見ているが何処か飽きないバラを、ちらと眺めながら、セリーヌの手をぎゅっと握り、後をついて行く。
庭の途中まで歩くと、セリーヌは彼女の方を振り返る。
「少し、目を綴じていて?」
セリーヌの言葉にルリアは目を綴じるのが怖いらしく心配そうに彼女を見つめるが、彼女はルリアの手をそっと自身の両手で包み込む。
「大丈夫。私が手を繋いでいるから、ね?」
その言葉にゆっくりと頷きながら、ルリアは白く長い睫毛で縁取られた目蓋を綴じ、セリーヌはそっとルリアの手を引き、歩き出した。
「___目を、開けて?」
短いようで長いような、そんな時間がルリアを包み、セリーヌは立ち止まるとルリアにそう述べる。
ルリアは、その言葉の通りに目蓋を開け_____
「_____わぁ…!」
目蓋を開け、先程まで暗闇だった彼女の視界に入るのは、色とりどりのバラが咲き乱れる庭だった。
まるで大きな鳥籠のように、バラが咲き乱れているこの場所の天井や周りには大きな柵が囲いこまれ、入口であろう場所には細かな装飾が施された門が開いていた。
赤はもちろん、黄色や白、橙に黒等、様々な色や形のバラが咲き乱れ、ルリアはセリーヌの手をそっと離すと、あまりの色の数に見蕩れ、様々なバラをその視界に映す。
「__気に入ってくれたかしら?」
セリーヌはバラに見蕩れているルリアを見、その顔に慈愛の笑みを浮かべながら尋ねる。
ルリアは、ゆっくりと彼女の方を振り向くと大きく頷いた。
「こんな場所があるなんて知らなかったわ…!」
「それもそうよ?__だって、この温室はルリの為に作ったのだから。」
その言葉を聞き、ルリアはきょとんとした顔になるが、セリーヌは彼女に近付くと目線を合わせる様にかがみ、そっと彼女の首元に手を回す。
「______お誕生日おめでとう、ルリ。」
その言葉と共に、ルリアの首元には銀色に輝く小さな蝙蝠の飾りがついたネックレスが取り付けられていた。
彼女は少し目を瞬かせ、ネックレスを見つめていたが、やっとその言葉の意味を理解したのか頬を朱に赤らめ、嬉しそうに微笑む。
「吸血鬼は永遠に生きるから、すっかり貴方の誕生日を忘れていたわ…ごめんなさい。だから、この温室を用意したの。」
「ううん、とっても、とってもうれしいわ…!ありがとうお姉様…!」
ルリアの瞳には、今にも涙が溢れてしまいそうな程の大粒の涙が溜まり、姿勢を戻し申し訳なさそうに謝るセリーヌに抱きつくと何度も感謝の言葉を声にする。
『___と、少し遅かったかな?』
少し経ち、男性の声が聞こえるとルリアは抱きつくのを止め、声の方を振り向く。
そこには背中に手を回し、少し息が上がっているウィルの姿があり、セリーヌは彼の言葉に "えぇ" と頷いた。
「おにい、さま…?」
『___私からも、お誕生日おめでとう。ルリ。』
ルリアは息が上がっているウィルを見、少し首を傾げるが、彼もルリアに近付くと目線を合わせる様にかがみ、その言葉と共に手を前に出した。
___そこには、綺麗な色で描かれた絵本と、彼女の両手に収まりそうな程の小さなくまの人形があり、ルリアは、溢れそうになっていた涙をぽろぽろと零すと、幸せそうに、とても無邪気な笑みを浮かべる。
「ありがとう、おねえ、さま…おにい、さま…!」
透明な涙が彼女の頬を伝い、ルリアは、言葉を詰まらせながらも、2人にお礼の言葉を言った。
─────
12/19
本日はルリアの誕生日ですっ。
私が本格的な創作を始めたきっかけな子なので、祝う為に少し雑になってしまいました…
これを見てくれている貴方も、心の中でいいので、彼女を祝ってくれたら嬉しいですっ。
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