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2章 A girl wandering a road

#11 理由と提案

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「わ、私と……?な、なんで私が魔女って………」

『魔力が見えたから。とりあえずセリーヌ様を呼んでくるわ』

自分がどうして "魔女" と分かったのか。

少女はその事が疑問で堪らなく慌てて言い、ジャンヌはまたため息をつき、淡々と答えると部屋をでる。

少女は未だ困惑していたが、落ち着かせる為に深く息を吐くと、きょろきょろと部屋の中を見回す。
先程までは暗くてあまり見えなかったが──最低限の明かりがついたシャンデリアが照らす室内は、質素だがとても高級感があり、置かれている家具には控えめだがとても細かな装飾が描かれているのが分かった。

少女はその室内を見つめながら、自分を拾ってくれた "セリーヌ様" がどんな人なのか考えていた。



────少し経ち、少女がいる部屋にジャンヌともう1人──おそらくその少女がジャンヌが言っていた「セリーヌ様」なのだろうと、少女は無意識に背をのばし近付いてくる少女を見つめる。

近付いてきた少女の蒼い髪は、月が出ている夜空の様に深く、瞳は血の様に鮮やかな紅色だった。
そして、腰からはえる蝙蝠の翼は、彼女が「吸血鬼」なのだということを表していた。


「気分はどう?」

少女は近くの椅子に腰掛け、大人びた笑みを浮かべながら少女に尋ねる。
尋ねられた少女は突然の声掛けに驚き、慌てて首を縦に振る。

「なら良かった。私はセリーヌ。セリーヌ・Wウィスタリア・カーディナル。ここの屋敷の主であり、吸血鬼の長よ。よろしく」

少女は──セリーヌは、首を縦に振った少女を見、静かに笑みを浮かべながら挨拶をすると手を行儀よく自身の膝に置く。

「貴方はここに来てから2日ほど眠っていたわ。どうしてあんな所で倒れていたの?」

『ぇ……あ、えと、行く宛が無くさまよっていて…その途中で食料が切れちゃって倒れてしまったんです………た、助けてくれてありがとうございますっ』

その手を置く仕草さえ優雅で、少女は少し見とれていたが、慌ててセリーヌの質問に答えると深々とお辞儀をし。彼女は、少女の様子が面白かったのか口元に手を当てクスクスと微笑を零す。

「────ねぇ。行く宛がないのなら、私の屋敷のメイドとして働かない?」

ひとしきり笑った後、セリーヌは身を乗り出せば少女の顔をまじまじと見つめながら、そう問いかける。

セリーヌを見つめる少女の陽の光の様な金色の瞳は、明らかに混乱しきっていて、セリーヌは静かに微笑むと少女の答えを待っていた。
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