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2章 A girl wandering a road

#7 外の何か

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────2人の視界には、森の木の隙間に何か布の切れ端の様な物が映っていて、それは規則的に上下に動く事を繰り返していた。

「…ちょっと、見てくるよ」

「私もい………」「だめだ。何かあったら大変だから、ここにいるんだ。いいね…?」

ウィルは、それが何かなのかを確認する為にそう呟くと、ルリアも行きたいのかウィルの方に顔を向け、言おうとする。
だが、彼はルリアの言葉を遮り、笑みを向けながら彼女の頭を撫でた。
頭を撫でられた彼女は、少し目を伏せると小さく頷く。

彼はそんなルリアの様子を見、彼女の頭から手を離すと、外に出るために門の方に近付いていった。

『…………どうしたの?』

門の方に近付いている中、セリーヌはウィルの緊迫そうな顔を見、彼に近付くと首を傾げ問いかける。

「ルリが、外に何かいるのを見つけたんだ。………もしかしたら人間かもしれない。」

『…………私も行くわ。ジャンヌ、貴方も来なさい』

"人間"

彼女はその言葉が耳に入ると目を見開き、低い声でウィルに言うと、誰かの名前を呼ぶ。

ジャンヌ、そう呼ばれたと同時に、セリーヌの後ろに大きな水の繭の様な物が現れ、そこから1人の女性が現れる。
川に流れる水の様に薄い水色の髪を持ち、メイド服を着ている女性は、セリーヌに深々とお辞儀をする。

彼女の名前はジャンヌ。
この屋敷のメイド長の1人であり、セリーヌ側近のメイドである。

『かしこまりました。主様』

「それと、ルリアはまだ柵の近くにいるだろうから、彼女を柵から遠ざけておいてくれないか」

『かしこまりました、伝えておきます』

ジャンヌは会話を聞いていたらしく、セリーヌの言葉に頷く。
ウィルはジャンヌを見、ルリアがまだ柵の近くにいるだろうと判断するとそう言い、ジャンヌは頷くと、水で出来た小鳥を作り飛ばす。
それを見ていたセリーヌは、飛んでいった小鳥を眺めた後、早足で門の方に向かっていき、彼らもその後をついて行った。


たった1つの外への出入口てある大きな門に、彼女達は辿り着くと、ジャンヌが門をゆっくりと開ける。
そして開けた門を通ると、セリーヌはウィルの方に顔を向ける。

「………こっちだ」

ウィルもセリーヌの後に門を通ると、少し辺りを警戒しているかの様に見渡した後、静かに言いながら先程見えた方向に歩き出し、彼女達もその後を追った。



一方ルリアは1人、人形を抱きしめながら、じっと木の隙間から見える何かを見つめていた。
そして、段々と何かに近付いているウィル達が目に入ると、気付いてもらいたくて手を上げ振ろうとする。

──────けれど、ウィル達は彼女が何時も見ている笑顔の表情とは違い、真剣な顔で歩いていた為。彼女は、振り上げていた手をゆっくりと下ろすと人形を抱きしめ、また、ウィル達を見つめていた。

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