詩小説

里海金以

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雨の中走り帰るあなた

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えー 今日晴って
言ってよねぇ?
前の日大降りで
傘を乾かしていて
今日は晴って言っていたから
このまま干しておこうって
午後から曇り
いきなり
雨なのだ
私の友達がいる
だけど友達も忘れて
他の友達と一緒に帰って
私一人になった
親が
家に帰るのは
ちょうど
部活終わり時間
部活終わって
三十分以内に帰らないといけない
学校下校には
ギリギリで母親が迎えに
きてもらえるのだ
だから待つことに
この学校は
部活ない日は
早く帰れだけど
部活終わりまでは
あまりうるさくは言われないっけど
先生に
傘忘れたからって言いにくい日
家族の関係で待たないとなんて
私は
嘘をつけないから
嘘をつくこと
苦手だから
はぁ・・・

教室に
同じクラスの男子がやってきた
あれもう帰ったんではないの?
どうして帰ってきた?
『これ貸すよ
 僕家近し
 これぐらいなら大丈夫だよ』って
傘を渡して出ていったのだ
初めて友達以外から借り物した
驚いている
いつの間にか
校庭に出ていたみたいで
走りながら帰っているのだ

私も元の我に返って
教室を
後にして帰ったのだ
お母さんが
見慣れない傘に
驚いている
借りたこと言うと

『その子大丈夫だったかしら』って
お母さんが
私の心の中で
心配していた声を声にしないで
よけい
心配になるじゃん
明日返そうと
ドライヤーとか使い
乾かしていた

次の日か男子は風で休みだと
私のせいだって責めていると
友達が
『もしかして
 傘かりたん?』って
『えっ 何で知っての』
『私実は・・・』
幼馴染で
小さいころは
よく遊んでいたとか
中学になってから
距離が出来て
遊んでないけど
家知っていて
まだ一人暮らしでは
ないから
会えるかもって
私が行ってもいいけど
あなたが直接言ったほうが
喜ぶことも
何か
隠しているみたいだ
『彼の事あんた好き?』って
私は聞くと
友達はうなずくその顔は
悲しそうだ
『私は
 彼の事昨日初めて声かけられて
 驚いたの?私前々から好きってことはなかったし
 今も・・・』って
慌てて言う私に友達は
『それは知っているけど
 嫉妬はしたくないけど
 何故か嫉妬してしまう
 そんな私はが嫌だ』って
『もしかして
 彼って
 私が好きとか・・・?』
『そうみたい
 私に
 大きくなったら
 結婚しようって
 言っておきながらだよ』って
『ごめん
 私のせいで
 悲しませて』
『全然
 あなたの友達はやめるつもりはない』
友達は裏切らない
大人の今も
今も関わっているんだから

彼の家に行く
本当に学校から
近い距離
友達のほうが
私より
知識豊富で
彼が喜ぶものまで
知っている
買い物してから
彼の家へ向かった
友達にお礼言うと
走って友達は帰った
チャイムをならし
自己紹介して中へ
彼は苦しそうに
私が来ると
『何で来たんだよ』
『傘返しに来ました』って
『お前うつってもいいのかよ』と
『もう帰ろうと思って
 傘かしてくれて
 ありがとう
 ごめんねぇ
 私のせいで
 風邪ひいたみたいで』
『いや 雨にあたたかったではない
 風邪引いているのに
 学校来たから』って
『えっ それガチ』
『ガチだよ』
『じゃぁよけい
 風をひかせた・・・』って
ショックになっていると
『お前は
 ショックを受けなくていい
 ガチで僕が
 自ら行った行為だから』と
言うがどうしてもいられなくなって
『ごめん』って
出ていく
足取りが
重くどこか別な場所へ向かっている
すると
友達が
『おーい こっち来て』と
『まさかショック受けて
 私に
 助け求めてんじゃないの?』
『何で分かった?』
『それは内緒』
『もしかしてやり取りしているんじゃないの』
『バレた』と
笑いながら言うのだ
『彼さぁ本当やばいと 感じる
 彼さぁいわゆるストーカーぽいところ
 あるんだよねぇ
 だってさぁ・・・』
初めて聞く事実
友達に幼馴染でしかも
好きな人が
幼馴染に
くっついていることを
いいことに
私の事聞きだしていたみたいだ
私は驚きが隠せない
彼はあんなことしない
ように見えていたが
『彼も心配ししていたのよ万が一のことが
 あったらいけないと
 思うと
 だから私に助けてくれて言われた』
なんて笑いながら言う
こんなこと言ってきたのだ
『私も同じ事されたの
 傘ではなかったけど・・・』って
友達も
熱だした日に学校来て
濡れて帰る彼
お見舞いに行くと
同じこと
言われたって
彼ってそういう性格みたいだから
大丈夫だょって
実は中学の時に友達が
検証したら
本当に熱があって
しかも
保健質の先生に帰れって
謎に悔しがっていたんだ
って笑いながら話す友達
そんな友達から
彼を奪ったことも
ショックだ
『大丈夫だよ
 奪ったなんて思わないで
 約束だよ』って
勝手に
約束されたのだ
次の日
彼は元気よく来ていたが
何もアクションは
起きなかった
難しいな
距離感なんて
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