悪魔に押し倒されそうです

まったり

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悪魔きちゃいました

目覚めた悪魔

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「ビビビビ…ビビ!ビビビビ!」


壊れてしまったのか目覚まし時計は鈍い音を鳴らす。


私は飛び起きた。
どうやら寝てしまったみたい。


「ん?」


昨日寝かせたところにあの男がいない。
私は周りを見渡した。男はキッチンにいた。


「ちょっ人の家で勝手になにしてるんですか!」


でも一瞬言葉が詰まった。
手際よく作られる朝ごはんがとても美味しそうだったからだ。
いい焦げ目がついたハムの上に乗せられたベストタイミングの半熟になった目玉焼き。

男は綺麗に皿に盛るとわたしをみて


「おはよう」


と、何事もなかったかのように言った。


「え、私のために作ってくれたんですか…」

とりあえず私は恐る恐るハムの部分だけ食べた。
どこか懐かしい味がした。そうだこのカリカリ具合は母のだ。
というか完全に母の焼き方だった。


「懐かしいでしょ」


男はそう言った。
なぜ私の母の味を知ってるの?疑問がさらに増えた。


「あなた…誰なんですか?」

「僕は悪魔さ」

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