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本編
75話 再び、学園(臨時講師)
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そんな、揉め事が学園の会議の後にあったと知らない貴族達は、会議の2日後には臨時講師として忙しくしていた。
「さて、中等部の1年生達との授業の場所はこの辺だったんだけど…
同じ様な構造で迷ったな…」
とそんなことを1人で呟いていると、近くの扉が開き、ランセリアが顔を出してキョロキョロしてアークを見つけると少し怒り気味に言う。
「アーク!
何をしているのです?
こちらですよ!」
「あ、良かった。
似たような感じばかりで迷ってしまって。」
そう言いながら部屋に入っていくアーク。
そこで、中にいたベイグマンがそれを聞いたのか会話に入ってきた。
「あぁ、そうか、アークは学園に来るのは初めてだったな。
すまん、うっかりしていた。」
「あ、そうでしたわね。
一緒に来るべきでしたわ。」
「まあ、こうして間に合ったわけですし。
そろそろ、始まりますので気を取り直して授業をしましょう。」
「そうだな。
では、皆並んでくれ!
本日の講師は私、ベイグマンと妻のランセリア、そして、メイフィールド伯爵が行う。
わからないことがあれば遠慮なく聞いてくれ。」
ベイグマンから紹介されて、それぞれお辞儀をする。
「さて、今回は最初ということもあり、皆の適正を見ていきたいと思う。
そして、それぞれの適正を確認したうえで、武器を使った戦闘訓練は私、ベイグマンが…
魔法の訓練は妻のランセリアが…
そして、武器と魔法を用いての訓練にはメイフィールド伯爵が教えていこうと思う。
何か、質問があるものはいるか?」
そこで、手を上げる生徒がいた。
「あ、あの…」
「ん?質問か?なんだ?」
「え、えっと、適正を見るとは魔法が使えるか使えないかの適正ですか?それは全員ですか?」
「えぇ、魔法が使えるか使えないかの方は私とアーク…メイフィールド伯爵で『魔力感知』を使って確認していきますわ。
そこで、魔力量が多く魔法師としてやれる素質がある者には、魔法を教えていきます。」
「え?でも初等科では自己申告だけでしたよね?
それに、自己申告しても、ある程度して見込みがないとされた人は必然的に武器を使っての訓練しかしてきませんでしたけど…」
「まあ、誰ですか?
そんな事を言っていたのは!」
「えっと、当時の初等部の先生達です…」
「ああ、それは、その先生達が間違っているよ。
保有している魔力量が多いからと言ってどんな魔法でも使えるかと言われたらそうじゃなくて、適性があるからね。
魔力量が多くても身体強化系の魔法の適性がある人もいれば放出する魔法の適性がある人もいるからね。
まあ、身体強化系の魔法となると必然的に武器を使っての訓練になってしまうけどね。
まあ、適性がなくても全く使えない訳ではないけど、かなりの努力が必要にはなるかな…」
「ふむ、後日の会議で話す必要がありそうだな…」
「えぇ、そうね…
私達の時はそんなことはなかったはずだから、気付かなかったのかもしれないわね…
今までは中等部と高等部だけしか教えてこなかったけど、今後は初等部にも教えて行く必要がありそうだわ。」
「そうですね…」
「さて、ではアーク、早速生徒達の魔法適正を見ていきましょうか。」
「わかりました。
放出する魔法の適性がある子達はランセリア様が、身体強化系の魔法の適性がある子達は僕の方で教えるってことで良いですかね?」
「そうね、私は身体強化系の魔法は苦手だから。」
「身体強化系の魔法が使える子は、武器を使っての訓練も必要だろうからそっちは私が教えるが、魔法はアークじゃないと無理だから、その振り分け方で良いだろう。
身体強化系の魔法をある程度、覚えたら武器を使っての訓練を教えることにしよう。」
「わかりました。
まあ、人数が多くなるようなら僕の方でも武器を使っての訓練は教えられるので。
それに、身体強化の魔法を使っての接近戦だと少し勝手が違うので、本人達が身体強化魔法になれるまでは僕の方で教えますよ。」
「わかった。
なら、そういった振分けでやっていこう。」
3人で話し合い指導の方向性が決まると、ランセリアとアークはすぐさま魔法の適性を確認していった。
初等部、中等部、高等部は同じ学園内で校舎が別になっている。
それぞれが1年~3年で各学年は5クラスある。
そして、1クラスは30人程いる。
この日、3人は中等部の生徒に武器を使っての訓練と魔法の訓練を行うので
1クラス50分の授業だが、延べ150人に教えるので大変である。
その後の3人は魔法の適性を確認していった。
どのクラスもおよそ、半分ずつになり魔法の訓練は更に分けたが身体強化魔法の適性はそこまで多くなく、どのクラスも3,4人程となった。
「さて、まずは身体強化魔法についての説明をしますが…
皆は身体強化魔法ってどんな魔法かわかりますか?」
アークがそんな質問をしたあと一拍置いて1人の生徒が喋りだす。
「どんな魔法ってそりゃ、身体能力の強化でしょ?」
すると他の生徒達も頷く。
「「「うんうん…」」」
「ずいぶんとざっくりしてるな…
まあ、そうなんだけど。
じゃあ身体能力の強化って具体的には?」
「それは…」
「はぁ、いいかい?
身体強化魔法ってのは身体能力の強化をする魔法でこれは、スキルでも同じ効果だよ。
そして、具体的には腕力の強化や脚力の強化等がある。
一口に身体強化魔法って言っても効果は細かく分けられているんだよ。
そして、使える身体強化魔法にも適性があるってこと。」
「え?そうなの?」
「それで、身体強化の種類だけどね。」
✾身体強化魔法〈バフ系魔法〉
スキルも同様
・パワーアップ〈火属性〉
〈力強化〉
・スピードアップ〈風属性〉
〈速度強化〉
・プロテクトアップ〈土属性〉
〈耐久強化〉
・マインドアップ〈水属性〉
〈魔法威力強化・魔法耐久強化・治癒能力強化〉
「以上が基本の4属性の身体強化魔法になります。
他には応用があるけども、とりあえずは基本の4属性を覚えてください。
あとは、スキルは強化のみだけど実は魔法だと弱化も出来るんだよ。
これは強化魔法が問題なく使える様になって自分以外を強化出来るようにならないと使えないけどね。
それでは、使い方等も教えていきますね…」
「「「わかりました。」」」
…………そんな感じの授業を行い、その日の授業は終了した。
「アーク、お疲れ様。
どうだった?初めての講師は。」
「ふぅ、まあ、なかなかハードな1日でしたね…
まあ、何人かの生徒は加減出来なくて、強化しすぎてたから明日以降、筋肉痛に苦しむんじゃないかと思いますが…」
「それは、武器を使っての訓練をしている生徒達もだな……
しっかり教えられて楽しくなったのか、大喜びで目一杯動いていたからな…
まあ、その辺も生徒達には良い経験になるだろう。
さて、帰るか…
明日以降はこの場所で中等部の2年生、3年生それから高等部と教えていかなければならんからな…」
「そうですね…」
「それに、2日後には1回目の会議があるから、魔法の適性のことも話さないといけないわね。」
翌日に2年生、さらに翌日に3年生に武器を使っての訓練と魔法の訓練を教えたが、今まで身体強化魔法を教えてもらった事がなかったようで1年生に教えたように、教えたが2年生と3年生は調子に乗ってやり過ぎるものは極々一部のみであった……
やりすぎた者は小さい頃から魔法の才能がないと言われていたが、よくよく調べたら、身体強化魔法に適性があった者や家で教えられた魔法の属性には全く適性がなく別の属性魔法が使えたなど、今までの環境とは劇的に変わったためテンションが上がったようであった。
そして、3年生達の授業が終わったあとに授業を受け持っていた貴族達が城に集まり、報告会を行うこととなった。
「ふむ、皆集まったようだな…
では、第一回目の報告会を始めよう。
では、それぞれの担当教科と教えている内容と気になった事を報告してくれ。」
「では、私から……
私は、魔法の属性や詠唱文等の講義を行いました。
そして………」
……………
「では、最後は私達ですかな…
私とランセリアとメイフィールド伯爵の3人で武器や魔法の実技訓練を行いました。
対象は中等部と高等部の生徒で初日は中等部の1年生。
2日目には2年生。
3日目の本日は3年生。
と講義を行ってきた訳ですが、
初日の1年生の講義を始めたときにまずは魔法が使えるかどうかとその属性を自己申告してもらいました。
そして、魔法の適性を調べると話したところ、一部の生徒から魔法が使えない生徒も全員調べるのかと言われましてね。
詳しく聞いたところ、初等部では魔法を少し使ってみて、適性が無いと判断された者は早々に武器のみの訓練をやっていたようで、適正検査はやってないようです。」
「なんと!そんなことが!」
ざわ…ざわ…ざわざわ……
「その後、私とメイフィールド伯爵の2人で生徒達の適性を調べたところ初等部で魔法の適性なしと言われた子達は身体強化魔法の適性があったり初等部で教えられた魔法とは全く違う属性に適性があったりしましたわ。
一部適性ありと言われた子にも使っている属性よりも別の属性の方がより適性がある。
というのもわかりましたわ。」
「というわけで、今後は、初等部の教師達にその辺りの話をしてしっかりと指導をしてもらうか。
毎年中等部と高等部の生徒だけでなく初等部の生徒たちにも教えるかのどちらかですね。」
「確かにそうだな。
特に身体強化魔法は早いうちから使えるという自覚を持たせた方が良いかもしれんしのぅ。」
「そうだな。
たが、今年は初等部の教師達に指導をする方向で行こう。
流石に、初等部にも教えるとなると人員不足でもあるし、時間も足りないからな。
宰相の方に任せるから対応してくれ。
今年は文書での通達などでもかまわんだろ。」
「確かに、陛下の言うとおりですな。
では、私の方で対応しておきます。」
「そして、来年以降はしっかりと初等部への指導や教師達にも指導内容の共有や指導の仕方等も話し合った方がいいだろう。
そうなると来年以降は1学期に変更した方がいいかもしれんな。」
「そうですな。
初等部にも教えるとなると確実に人手が足りなくなるので子爵や男爵といった下級貴族の当主や夫人達もやるようにした方が良いでしょうな。」
「確かに、年々人手が足りなくなってきてますからな。」
「「「「「そうね。」」」」」
「「「「「そうだな。」」」」」
と、意外にも殆どの当主や夫人達が賛成している。
皆、顔がやつれているので本当につらいみたいだ……
「さて、皆からの報告は以上じゃな?
では、そろそろ会議を終わりにしたいがその前に……
先日、冒険者ギルドとの緊急会議を行ったが、その時にギルド側からの要望が2つ程、挙げられた。そして、これをストークホルム王国として承認した。
その会議は我がストークホルム王国とマグナシルヴァ、マテリエインフィニタ帝国、フィアレマーリ獣王国、アトランティス帝国の各国の王や皇帝と宰相と大臣達が……
更にはそれぞれの国の冒険者ギルド本部からグランドマスターが出席して行われた緊急会議であった。
そして、ギルド側からの要望はSランクとAランク冒険者の身分の保証を上げることとBランク冒険者にも身分の保証をして欲しいといった内容とAランクからSランクに上げるときの制度の変更じゃな。
身分の保証は大国や小国の貴族達が無茶苦茶なことをするものがいるのでBランク以上の冒険者に貴族家の当主相当の権限を与えるというものだ。
SランクとAランクは元々権限を与えられていたが、この権限を更に上げると言った内容じゃな。
そして、AランクからSランクに上げる方は国の承認を必要とせず3人のギルドマスターからの推薦があり、且つ審査を行い問題なしとされた者がSランクになれると言ったものじゃ。
そして、これを承認したためギルド側からも数日のうちに大々的に通達されるはずじゃ。」
「今、宰相から説明があったように冒険者へ横暴な態度であったり依頼の報酬を払わなかったりといったような事をしていたものは、後日、こちらから処罰を与えるので覚悟しておけ!!」
ビクッビクッ
と国王が一括した途端何名かは顔色が悪くなったり、挙動不審になったりしていたが、皆スルーしていた。
「んっ…んんっ…
では、改めて何か質問などはあるかの?
………無いようなので、本日の会議はこれで終了とする。
明日以降もしっかりと頼むぞ!
では、解散!!!」
====================
皆さん、大分お待たせいたしました。
転職したり、久々に働いたので環境になれず、体調を崩したりとありましたが、なんとか書けました。
なるべく早めに書きたいとは思いますが、今後は生活していく上で無理をするのは辞めようと決意しましたので、無理なく書いていきたいと思います。
改めてよろしくお願いします。
「さて、中等部の1年生達との授業の場所はこの辺だったんだけど…
同じ様な構造で迷ったな…」
とそんなことを1人で呟いていると、近くの扉が開き、ランセリアが顔を出してキョロキョロしてアークを見つけると少し怒り気味に言う。
「アーク!
何をしているのです?
こちらですよ!」
「あ、良かった。
似たような感じばかりで迷ってしまって。」
そう言いながら部屋に入っていくアーク。
そこで、中にいたベイグマンがそれを聞いたのか会話に入ってきた。
「あぁ、そうか、アークは学園に来るのは初めてだったな。
すまん、うっかりしていた。」
「あ、そうでしたわね。
一緒に来るべきでしたわ。」
「まあ、こうして間に合ったわけですし。
そろそろ、始まりますので気を取り直して授業をしましょう。」
「そうだな。
では、皆並んでくれ!
本日の講師は私、ベイグマンと妻のランセリア、そして、メイフィールド伯爵が行う。
わからないことがあれば遠慮なく聞いてくれ。」
ベイグマンから紹介されて、それぞれお辞儀をする。
「さて、今回は最初ということもあり、皆の適正を見ていきたいと思う。
そして、それぞれの適正を確認したうえで、武器を使った戦闘訓練は私、ベイグマンが…
魔法の訓練は妻のランセリアが…
そして、武器と魔法を用いての訓練にはメイフィールド伯爵が教えていこうと思う。
何か、質問があるものはいるか?」
そこで、手を上げる生徒がいた。
「あ、あの…」
「ん?質問か?なんだ?」
「え、えっと、適正を見るとは魔法が使えるか使えないかの適正ですか?それは全員ですか?」
「えぇ、魔法が使えるか使えないかの方は私とアーク…メイフィールド伯爵で『魔力感知』を使って確認していきますわ。
そこで、魔力量が多く魔法師としてやれる素質がある者には、魔法を教えていきます。」
「え?でも初等科では自己申告だけでしたよね?
それに、自己申告しても、ある程度して見込みがないとされた人は必然的に武器を使っての訓練しかしてきませんでしたけど…」
「まあ、誰ですか?
そんな事を言っていたのは!」
「えっと、当時の初等部の先生達です…」
「ああ、それは、その先生達が間違っているよ。
保有している魔力量が多いからと言ってどんな魔法でも使えるかと言われたらそうじゃなくて、適性があるからね。
魔力量が多くても身体強化系の魔法の適性がある人もいれば放出する魔法の適性がある人もいるからね。
まあ、身体強化系の魔法となると必然的に武器を使っての訓練になってしまうけどね。
まあ、適性がなくても全く使えない訳ではないけど、かなりの努力が必要にはなるかな…」
「ふむ、後日の会議で話す必要がありそうだな…」
「えぇ、そうね…
私達の時はそんなことはなかったはずだから、気付かなかったのかもしれないわね…
今までは中等部と高等部だけしか教えてこなかったけど、今後は初等部にも教えて行く必要がありそうだわ。」
「そうですね…」
「さて、ではアーク、早速生徒達の魔法適正を見ていきましょうか。」
「わかりました。
放出する魔法の適性がある子達はランセリア様が、身体強化系の魔法の適性がある子達は僕の方で教えるってことで良いですかね?」
「そうね、私は身体強化系の魔法は苦手だから。」
「身体強化系の魔法が使える子は、武器を使っての訓練も必要だろうからそっちは私が教えるが、魔法はアークじゃないと無理だから、その振り分け方で良いだろう。
身体強化系の魔法をある程度、覚えたら武器を使っての訓練を教えることにしよう。」
「わかりました。
まあ、人数が多くなるようなら僕の方でも武器を使っての訓練は教えられるので。
それに、身体強化の魔法を使っての接近戦だと少し勝手が違うので、本人達が身体強化魔法になれるまでは僕の方で教えますよ。」
「わかった。
なら、そういった振分けでやっていこう。」
3人で話し合い指導の方向性が決まると、ランセリアとアークはすぐさま魔法の適性を確認していった。
初等部、中等部、高等部は同じ学園内で校舎が別になっている。
それぞれが1年~3年で各学年は5クラスある。
そして、1クラスは30人程いる。
この日、3人は中等部の生徒に武器を使っての訓練と魔法の訓練を行うので
1クラス50分の授業だが、延べ150人に教えるので大変である。
その後の3人は魔法の適性を確認していった。
どのクラスもおよそ、半分ずつになり魔法の訓練は更に分けたが身体強化魔法の適性はそこまで多くなく、どのクラスも3,4人程となった。
「さて、まずは身体強化魔法についての説明をしますが…
皆は身体強化魔法ってどんな魔法かわかりますか?」
アークがそんな質問をしたあと一拍置いて1人の生徒が喋りだす。
「どんな魔法ってそりゃ、身体能力の強化でしょ?」
すると他の生徒達も頷く。
「「「うんうん…」」」
「ずいぶんとざっくりしてるな…
まあ、そうなんだけど。
じゃあ身体能力の強化って具体的には?」
「それは…」
「はぁ、いいかい?
身体強化魔法ってのは身体能力の強化をする魔法でこれは、スキルでも同じ効果だよ。
そして、具体的には腕力の強化や脚力の強化等がある。
一口に身体強化魔法って言っても効果は細かく分けられているんだよ。
そして、使える身体強化魔法にも適性があるってこと。」
「え?そうなの?」
「それで、身体強化の種類だけどね。」
✾身体強化魔法〈バフ系魔法〉
スキルも同様
・パワーアップ〈火属性〉
〈力強化〉
・スピードアップ〈風属性〉
〈速度強化〉
・プロテクトアップ〈土属性〉
〈耐久強化〉
・マインドアップ〈水属性〉
〈魔法威力強化・魔法耐久強化・治癒能力強化〉
「以上が基本の4属性の身体強化魔法になります。
他には応用があるけども、とりあえずは基本の4属性を覚えてください。
あとは、スキルは強化のみだけど実は魔法だと弱化も出来るんだよ。
これは強化魔法が問題なく使える様になって自分以外を強化出来るようにならないと使えないけどね。
それでは、使い方等も教えていきますね…」
「「「わかりました。」」」
…………そんな感じの授業を行い、その日の授業は終了した。
「アーク、お疲れ様。
どうだった?初めての講師は。」
「ふぅ、まあ、なかなかハードな1日でしたね…
まあ、何人かの生徒は加減出来なくて、強化しすぎてたから明日以降、筋肉痛に苦しむんじゃないかと思いますが…」
「それは、武器を使っての訓練をしている生徒達もだな……
しっかり教えられて楽しくなったのか、大喜びで目一杯動いていたからな…
まあ、その辺も生徒達には良い経験になるだろう。
さて、帰るか…
明日以降はこの場所で中等部の2年生、3年生それから高等部と教えていかなければならんからな…」
「そうですね…」
「それに、2日後には1回目の会議があるから、魔法の適性のことも話さないといけないわね。」
翌日に2年生、さらに翌日に3年生に武器を使っての訓練と魔法の訓練を教えたが、今まで身体強化魔法を教えてもらった事がなかったようで1年生に教えたように、教えたが2年生と3年生は調子に乗ってやり過ぎるものは極々一部のみであった……
やりすぎた者は小さい頃から魔法の才能がないと言われていたが、よくよく調べたら、身体強化魔法に適性があった者や家で教えられた魔法の属性には全く適性がなく別の属性魔法が使えたなど、今までの環境とは劇的に変わったためテンションが上がったようであった。
そして、3年生達の授業が終わったあとに授業を受け持っていた貴族達が城に集まり、報告会を行うこととなった。
「ふむ、皆集まったようだな…
では、第一回目の報告会を始めよう。
では、それぞれの担当教科と教えている内容と気になった事を報告してくれ。」
「では、私から……
私は、魔法の属性や詠唱文等の講義を行いました。
そして………」
……………
「では、最後は私達ですかな…
私とランセリアとメイフィールド伯爵の3人で武器や魔法の実技訓練を行いました。
対象は中等部と高等部の生徒で初日は中等部の1年生。
2日目には2年生。
3日目の本日は3年生。
と講義を行ってきた訳ですが、
初日の1年生の講義を始めたときにまずは魔法が使えるかどうかとその属性を自己申告してもらいました。
そして、魔法の適性を調べると話したところ、一部の生徒から魔法が使えない生徒も全員調べるのかと言われましてね。
詳しく聞いたところ、初等部では魔法を少し使ってみて、適性が無いと判断された者は早々に武器のみの訓練をやっていたようで、適正検査はやってないようです。」
「なんと!そんなことが!」
ざわ…ざわ…ざわざわ……
「その後、私とメイフィールド伯爵の2人で生徒達の適性を調べたところ初等部で魔法の適性なしと言われた子達は身体強化魔法の適性があったり初等部で教えられた魔法とは全く違う属性に適性があったりしましたわ。
一部適性ありと言われた子にも使っている属性よりも別の属性の方がより適性がある。
というのもわかりましたわ。」
「というわけで、今後は、初等部の教師達にその辺りの話をしてしっかりと指導をしてもらうか。
毎年中等部と高等部の生徒だけでなく初等部の生徒たちにも教えるかのどちらかですね。」
「確かにそうだな。
特に身体強化魔法は早いうちから使えるという自覚を持たせた方が良いかもしれんしのぅ。」
「そうだな。
たが、今年は初等部の教師達に指導をする方向で行こう。
流石に、初等部にも教えるとなると人員不足でもあるし、時間も足りないからな。
宰相の方に任せるから対応してくれ。
今年は文書での通達などでもかまわんだろ。」
「確かに、陛下の言うとおりですな。
では、私の方で対応しておきます。」
「そして、来年以降はしっかりと初等部への指導や教師達にも指導内容の共有や指導の仕方等も話し合った方がいいだろう。
そうなると来年以降は1学期に変更した方がいいかもしれんな。」
「そうですな。
初等部にも教えるとなると確実に人手が足りなくなるので子爵や男爵といった下級貴族の当主や夫人達もやるようにした方が良いでしょうな。」
「確かに、年々人手が足りなくなってきてますからな。」
「「「「「そうね。」」」」」
「「「「「そうだな。」」」」」
と、意外にも殆どの当主や夫人達が賛成している。
皆、顔がやつれているので本当につらいみたいだ……
「さて、皆からの報告は以上じゃな?
では、そろそろ会議を終わりにしたいがその前に……
先日、冒険者ギルドとの緊急会議を行ったが、その時にギルド側からの要望が2つ程、挙げられた。そして、これをストークホルム王国として承認した。
その会議は我がストークホルム王国とマグナシルヴァ、マテリエインフィニタ帝国、フィアレマーリ獣王国、アトランティス帝国の各国の王や皇帝と宰相と大臣達が……
更にはそれぞれの国の冒険者ギルド本部からグランドマスターが出席して行われた緊急会議であった。
そして、ギルド側からの要望はSランクとAランク冒険者の身分の保証を上げることとBランク冒険者にも身分の保証をして欲しいといった内容とAランクからSランクに上げるときの制度の変更じゃな。
身分の保証は大国や小国の貴族達が無茶苦茶なことをするものがいるのでBランク以上の冒険者に貴族家の当主相当の権限を与えるというものだ。
SランクとAランクは元々権限を与えられていたが、この権限を更に上げると言った内容じゃな。
そして、AランクからSランクに上げる方は国の承認を必要とせず3人のギルドマスターからの推薦があり、且つ審査を行い問題なしとされた者がSランクになれると言ったものじゃ。
そして、これを承認したためギルド側からも数日のうちに大々的に通達されるはずじゃ。」
「今、宰相から説明があったように冒険者へ横暴な態度であったり依頼の報酬を払わなかったりといったような事をしていたものは、後日、こちらから処罰を与えるので覚悟しておけ!!」
ビクッビクッ
と国王が一括した途端何名かは顔色が悪くなったり、挙動不審になったりしていたが、皆スルーしていた。
「んっ…んんっ…
では、改めて何か質問などはあるかの?
………無いようなので、本日の会議はこれで終了とする。
明日以降もしっかりと頼むぞ!
では、解散!!!」
====================
皆さん、大分お待たせいたしました。
転職したり、久々に働いたので環境になれず、体調を崩したりとありましたが、なんとか書けました。
なるべく早めに書きたいとは思いますが、今後は生活していく上で無理をするのは辞めようと決意しましたので、無理なく書いていきたいと思います。
改めてよろしくお願いします。
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これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。
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面白いです。一気読みしました。続き楽しみにしています。
おかえりなさい∩^ω^∩
お待たせしました。
私事ですが、転職の就活などなど色々とやっておりなかなか投稿できませんでした。
ハーレム系ならタグにハーレムとタグ設定して欲しいです