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本編
67話 問題だらけなので帰ってきました
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アークとハインツは王都へと急ぎ馬車を走らせる。
本来であれば、王都から迷宮都市ラビリウムへは馬車で2日程の距離だが屋敷の建て直しをしてくれているドワーフ達が可哀想だということで馬車引く馬達に疲労回復の為の回復魔法や身体強化の魔法を施した末に、朝、ラビリウムを出発したのにも関わらずその日の昼過ぎには王都に到着してしまった。
王都への入場なので貴族でも少し時間が掛かるようだ。
そして、ハインツがアークの入場手続きをしている。
アークは暇をもて余しているようで、王都に着いたならと馬車から外へ出ると、
「恥ずかしながら帰って参りました!」("`д´)ゞ
といきなり変なことをやり出した。
アークの入場手続きをしているハインツも王都の門を守っている衛兵達もアークの方へ視線を向けて唖然としている。すると
「アーク殿、急にどうしたのだ?」
とハインツがアークに最もな疑問を口にした。
「あ、いや、気にしないでください。」
「そ、そうか、わかった。」
「さて、じゃあ、先に行きますね。」
そういってアークは歩いて入ろうとするが、
ハインツに肩を捕まれた。
「アーク殿!歩いて何処へ行くというのですか?
ベイグマン様から馬車で戻ってこいと言われていたでしょ!」
「え?気になるので建て直し中の屋敷を確認しに行くんですけど?それに馬車で戻ってきたじゃないですか。」
「いやいや、確かにラビリウムから王都はものすごい速度の馬車で戻ってきましたが王都の入場門から歩いて行ったら意味がないでしょ!
そもそも、そんな格好では貴族区画には入れませんよ!
しかも歩いてなんて…皮鎧とか、見た目は低ランクの冒険者なんですから、冒険者が勝手に貴族区画に入ろうとしてると思われて止められます!」
「いや、そこはちゃんと貴族証を見せるって。」
「駄目です!アーク殿を1人で行かせたら色々と面倒ごとが起きる気しかしません!
大人しく、馬車に乗っていてください!
そろそろ中に入れますから!」
アークはハインツにものすごい剣幕で怒られた。
普段から面倒ごとが多いのだろう。
ある意味今回の騒動の1番の被害者かもしれない。
「は、は~い。」
なお、瑠璃は馬車の中で爆睡中だったりする。
(あ、瑠璃が馬車の中で爆睡中なの忘れてた。)
それほど時間も掛からずにハインツがやってきた。
「さて、では、アーク殿。
手続きが完了したので、行きますよ。」
「よろしくお願いします。」
アークの返事を聞いたハインツは御者席に行き馬車を操り、貴族区画へ向かっていった。
王都の入場門から馬車で向かうこと20分程経ち、やっとアークが陛下から下賜された屋敷にたどり着いた。
御者をしていたハインツが馬車の中に声を掛ける。
「アーク殿、屋敷に到着しましたが、門の所に近衛騎士団の者がいますので、お三方がいるようですね。」
「えぇぇぇ!全く、そんな常に見張られていたら職人さん達も居心地悪くて作業効率が悪くなるでしょうに。」
アークも呆れるしかなかった。
「しかし、アイリア様もフィリーナ様もランセリア様も暇なんですかね?やることないのかな?
まさか…暇つぶしのために?そうだったとしたら、職人さん達が余計に可哀想だなぁ。」
そんなことをぼやきつつアークは瑠璃を起こして、肩に乗った瑠璃を確認して馬車を降りる。
御者席を降りたハインツと一緒に屋敷の正門で待機している近衛騎士団の団員に声を掛ける。
「これは、副団長!お疲れ様です!」
「ああ、ご苦労。お前は何故ここにいるんだ?」
「はい、王妃様がこちらの屋敷の建て直し状況を実際に見て確認するということで、ここ数日は毎日来ております!」
近衛騎士団員は素直にハインツに報告する。
「アーク殿…思った以上に深刻かもしれん。」
「そうですね。はぁぁぁ。」
「副団長、そちらは?」
「この方は、この屋敷を陛下より下賜されたアーク・メイフィールド子爵だ。」
「これは、失礼しました!」
そういって敬礼をする。
「ああ、気にしてないから大丈夫。
そういう、堅苦しいのはいらないから。
気にしないで。」
そんなやり取りをした後にアークとハインツは屋敷の門に入っていく。
「「…………」」
アークもハインツも頭を抱えた。
そこには、アイリア、フィリーナ、ランセリアがそれぞれ仁王立ちの状態で距離を取って作業をしているドワーフ達を見ていた。
「ハインツさん、急いで、陛下とアルバーノ公爵と宰相のエトムート様を連れてきてもらっても良いですか?一緒にいるようならベイグマン様もお願いします。」
「し、承知した。あとは、役に立つかはわからんが陛下の護衛という形でもう何人か、近衛騎士を連れてこよう。」
「ええ、大急ぎでお願いします。
その間に食べ物等でドワーフの方から注意をそらしておきますから。」
ハインツは大急ぎで御者席に戻り王城へ向かった。
「はぁぁぁ。」
何度目かわからないため息をついたアークは、正門に近い場所で通路から横にずれた場所に移動すると無限収納からアダマンタイトを出して地面に置き、手に魔力を集めながら地面に手をついた。
すると出来上がったのは、アダマンタイト製の四阿である。
本来、四阿は柱4本と屋根だけの休憩所であるが、今回はわざと回りが見えないように直径3m程の円形で柱ではなく六角形の網目にしてある。
高さも3m程で出入り口は通路側に1ヶ所のみにした。
地面と接する部分はそのまま地面に打ち込むような形にした、これで暴れられても四阿の部分が飛んでいくようなことはない。
なにせ、半神であるアークが作ったのだから。
更に、木魔法を使い円形の鳥籠に蔦が絡み合う様にした。
より、強固な檻になったようだ。
「よし!こんなもんかな。」
アークがやってきて四阿を作製するところを見ていたのはドワーフ達の中の何人かだけであり、アイリア、フィリーナ、ランセリアは気づいていない。
「さて、3人を連れてくるかな。」
と、そんなことを呟きながら、屋敷の方へ歩いていく。
「アイリア様!フィリーナ様!ランセリア様!
立ちっぱなしでは疲れるでしょうから、あちらで休憩しませんか?」
急に声を掛けられた3人は驚きながらも振り替えるとそこにいた人物を見て笑顔になる。
「あら、メイフィールド子爵、いつこちらに戻ってきたのかしら?」
そういったのは、フィリーナだった。
どうやら、周りの目を気にして口調を変えているようだ。
「ええ、つい今しがた戻って参りました。
さあ、どうぞ、あちらでおくつろぎください。」
一応、周りの目があるので、アークもそれなりに対応する。
だてに、2ヶ月もランセリアにちょうき……叩き込まれてはいない。
「そうね、フィリーナ、ランセリア、あちらでお茶にしましょうか?
どうやら、メイフィールド子爵が色々と用意してくれたようですからね。」
アイリアが賛成する。
「「わかりました。」」
フィリーナとランセリアもそれに従った。
こうして、3人を現場から引き剥がすことに成功したアークは四阿という名の檻へ3人を連れてくることに成功した。
「あら?テーブルも何もないですわね?」
そういってアークを睨み付けるランセリア。
「ああ、すぐにご用意できますので。」 パチンッ
そう答えてアークは指を鳴らした。
すると、四阿の真ん中に地面の土が盛り上がり直径1m程の円卓と2人がゆったりと座れるぐらいの扇形の椅子が3つ現れた。
更に、周りにもちょっとした物がおける台が現れた。
一瞬にして現れたそれらは凄く凝った意匠が施されている。勿論、魔法で硬質化された状態である。
「い、一瞬で…」
「す、すごいわね…」
「さあ、お好きなところへお座りください。」
そういって、着席を促したアークに従い、3人はそれぞれ、席に座る。
とりあえずは第一関門突破である。
「では、皆さんお疲れでしょうから、クッキーはいかがですか?」
「「「ええ、いただくわ。」」」
3人は声を揃える。
「では、こちらを。」
そういって、無限収納からクッキーを取り出す。
どうやら、アークは迷宮都市ラビリウムの食材ダンジョンに通いながらもクッキー等の軽食から始まりさまざまな物を作っていたようだ。
(さて、エトムート様や他の方々が早めに来てくれることを願うしかないかな。)
周りに作った台にポット等を置き3人と話しているとちょうど、お茶を飲み終わったことに気付いたアークが言われる前にお茶を入れようとしたら何処から現れたのかわからない、3人の侍女がそれぞれにお茶をいれる。
が、3人は何でもないような顔をしている。
「!!!」
その侍女を見てアークが驚くとアイリアが、
「あら、アークは合ったことなかったかしら?城の侍女達よ。」
「あ、そうなんですね。いや、急に現れたから……」
「ああ、それは最初は私も驚きましたが、そういうものだと思いなさい。」
とランセリアが言った。
「そうですか、わかりました。」
「まあ、気付かなかったのも無理はないわ。
彼女達は…行儀見習いとして城に来ている、貴族のご令嬢以外の侍女は基本的に緊急時には王族を守る盾となったりもするから戦闘能力は高い子が多いのよ。
隠密みたいなことをやる子もいるから気配を消すのもお手のものよ。」
「なるほど、そうなんですね。」
そんな会話をしていると、後ろからアークに声を掛けられる。
「アーク殿!」
声のした方を確認したアークはハインツの顔を確認すると近づいていく。
「ああ、ハインツさん。連れてきてくれましたか?」
「ええ、陛下、公爵、辺境伯、宰相殿の4人を連れてきました。」
と言って後ろを振り返ったハインツ。
ハインツの肩越しにアークも確認すると、4人とも何とも言えない顔をしていた。
アークが臣下の礼をしようとするとレオナルドが、
「今は、礼はいらん、気にするな。」
と言いアークを止めた。
「しかし、すまんな、アークよ。うちのアイリアが…」
「それに関してはうちのフィリーナも…」
「ああ、うちのランセリアもな……」
「「「はぁぁ。」」」
3人は小さくため息をつく。
「あ、あははは。」
「さすがの私も疲れるわぃ。
こうならないように、私が建て直しの打ち合わせをしていたと言うのに、あの3人の行動力には昔から驚かされるわぃ。」
宰相であるエトムートも他の3人以上に疲れた顔をしている。
「……皆さんもご一緒にお茶でもどうですか?
エトムート様には中に別で椅子を設けますので…」
「「「「ああ、いただこう。」」」」
レオナルド、セドリック、ベイグマンはそれぞれの妻が座っている席に座り、エトムートの席は入口の所にカウンター席のような形で用意した。
「「「あら?貴方達も来たの?」」」
「「「ああ、アークが戻ってきたから連れ戻そうと思ってな…」」」
「「「むっっ!」」」
「「「まあ、とりあえず、茶にしよう。アーク、茶と茶菓子を頼む。」」」
「わかりました。」
一語一句変わらずに、見事にシンクロしていた。
「アーク殿そちらが終わったらこちらにも頼む。」
「はい、お待ちください。」
アークは6人がいるテーブルにクッキー等の軽食を多めに置いてエトムートの方へ行き、そちらにもクッキー等の軽食とお茶を出した。
=============================
なかなか、ネタが思い付かない(´-ω-`)
いつ更新とは言えませんが、ちょこちょこと更新していきますので、温かく見守ってください。
なお、感想等ございましたら気軽にください。
メンタルが弱いので暴言等はやめてください。
本来であれば、王都から迷宮都市ラビリウムへは馬車で2日程の距離だが屋敷の建て直しをしてくれているドワーフ達が可哀想だということで馬車引く馬達に疲労回復の為の回復魔法や身体強化の魔法を施した末に、朝、ラビリウムを出発したのにも関わらずその日の昼過ぎには王都に到着してしまった。
王都への入場なので貴族でも少し時間が掛かるようだ。
そして、ハインツがアークの入場手続きをしている。
アークは暇をもて余しているようで、王都に着いたならと馬車から外へ出ると、
「恥ずかしながら帰って参りました!」("`д´)ゞ
といきなり変なことをやり出した。
アークの入場手続きをしているハインツも王都の門を守っている衛兵達もアークの方へ視線を向けて唖然としている。すると
「アーク殿、急にどうしたのだ?」
とハインツがアークに最もな疑問を口にした。
「あ、いや、気にしないでください。」
「そ、そうか、わかった。」
「さて、じゃあ、先に行きますね。」
そういってアークは歩いて入ろうとするが、
ハインツに肩を捕まれた。
「アーク殿!歩いて何処へ行くというのですか?
ベイグマン様から馬車で戻ってこいと言われていたでしょ!」
「え?気になるので建て直し中の屋敷を確認しに行くんですけど?それに馬車で戻ってきたじゃないですか。」
「いやいや、確かにラビリウムから王都はものすごい速度の馬車で戻ってきましたが王都の入場門から歩いて行ったら意味がないでしょ!
そもそも、そんな格好では貴族区画には入れませんよ!
しかも歩いてなんて…皮鎧とか、見た目は低ランクの冒険者なんですから、冒険者が勝手に貴族区画に入ろうとしてると思われて止められます!」
「いや、そこはちゃんと貴族証を見せるって。」
「駄目です!アーク殿を1人で行かせたら色々と面倒ごとが起きる気しかしません!
大人しく、馬車に乗っていてください!
そろそろ中に入れますから!」
アークはハインツにものすごい剣幕で怒られた。
普段から面倒ごとが多いのだろう。
ある意味今回の騒動の1番の被害者かもしれない。
「は、は~い。」
なお、瑠璃は馬車の中で爆睡中だったりする。
(あ、瑠璃が馬車の中で爆睡中なの忘れてた。)
それほど時間も掛からずにハインツがやってきた。
「さて、では、アーク殿。
手続きが完了したので、行きますよ。」
「よろしくお願いします。」
アークの返事を聞いたハインツは御者席に行き馬車を操り、貴族区画へ向かっていった。
王都の入場門から馬車で向かうこと20分程経ち、やっとアークが陛下から下賜された屋敷にたどり着いた。
御者をしていたハインツが馬車の中に声を掛ける。
「アーク殿、屋敷に到着しましたが、門の所に近衛騎士団の者がいますので、お三方がいるようですね。」
「えぇぇぇ!全く、そんな常に見張られていたら職人さん達も居心地悪くて作業効率が悪くなるでしょうに。」
アークも呆れるしかなかった。
「しかし、アイリア様もフィリーナ様もランセリア様も暇なんですかね?やることないのかな?
まさか…暇つぶしのために?そうだったとしたら、職人さん達が余計に可哀想だなぁ。」
そんなことをぼやきつつアークは瑠璃を起こして、肩に乗った瑠璃を確認して馬車を降りる。
御者席を降りたハインツと一緒に屋敷の正門で待機している近衛騎士団の団員に声を掛ける。
「これは、副団長!お疲れ様です!」
「ああ、ご苦労。お前は何故ここにいるんだ?」
「はい、王妃様がこちらの屋敷の建て直し状況を実際に見て確認するということで、ここ数日は毎日来ております!」
近衛騎士団員は素直にハインツに報告する。
「アーク殿…思った以上に深刻かもしれん。」
「そうですね。はぁぁぁ。」
「副団長、そちらは?」
「この方は、この屋敷を陛下より下賜されたアーク・メイフィールド子爵だ。」
「これは、失礼しました!」
そういって敬礼をする。
「ああ、気にしてないから大丈夫。
そういう、堅苦しいのはいらないから。
気にしないで。」
そんなやり取りをした後にアークとハインツは屋敷の門に入っていく。
「「…………」」
アークもハインツも頭を抱えた。
そこには、アイリア、フィリーナ、ランセリアがそれぞれ仁王立ちの状態で距離を取って作業をしているドワーフ達を見ていた。
「ハインツさん、急いで、陛下とアルバーノ公爵と宰相のエトムート様を連れてきてもらっても良いですか?一緒にいるようならベイグマン様もお願いします。」
「し、承知した。あとは、役に立つかはわからんが陛下の護衛という形でもう何人か、近衛騎士を連れてこよう。」
「ええ、大急ぎでお願いします。
その間に食べ物等でドワーフの方から注意をそらしておきますから。」
ハインツは大急ぎで御者席に戻り王城へ向かった。
「はぁぁぁ。」
何度目かわからないため息をついたアークは、正門に近い場所で通路から横にずれた場所に移動すると無限収納からアダマンタイトを出して地面に置き、手に魔力を集めながら地面に手をついた。
すると出来上がったのは、アダマンタイト製の四阿である。
本来、四阿は柱4本と屋根だけの休憩所であるが、今回はわざと回りが見えないように直径3m程の円形で柱ではなく六角形の網目にしてある。
高さも3m程で出入り口は通路側に1ヶ所のみにした。
地面と接する部分はそのまま地面に打ち込むような形にした、これで暴れられても四阿の部分が飛んでいくようなことはない。
なにせ、半神であるアークが作ったのだから。
更に、木魔法を使い円形の鳥籠に蔦が絡み合う様にした。
より、強固な檻になったようだ。
「よし!こんなもんかな。」
アークがやってきて四阿を作製するところを見ていたのはドワーフ達の中の何人かだけであり、アイリア、フィリーナ、ランセリアは気づいていない。
「さて、3人を連れてくるかな。」
と、そんなことを呟きながら、屋敷の方へ歩いていく。
「アイリア様!フィリーナ様!ランセリア様!
立ちっぱなしでは疲れるでしょうから、あちらで休憩しませんか?」
急に声を掛けられた3人は驚きながらも振り替えるとそこにいた人物を見て笑顔になる。
「あら、メイフィールド子爵、いつこちらに戻ってきたのかしら?」
そういったのは、フィリーナだった。
どうやら、周りの目を気にして口調を変えているようだ。
「ええ、つい今しがた戻って参りました。
さあ、どうぞ、あちらでおくつろぎください。」
一応、周りの目があるので、アークもそれなりに対応する。
だてに、2ヶ月もランセリアにちょうき……叩き込まれてはいない。
「そうね、フィリーナ、ランセリア、あちらでお茶にしましょうか?
どうやら、メイフィールド子爵が色々と用意してくれたようですからね。」
アイリアが賛成する。
「「わかりました。」」
フィリーナとランセリアもそれに従った。
こうして、3人を現場から引き剥がすことに成功したアークは四阿という名の檻へ3人を連れてくることに成功した。
「あら?テーブルも何もないですわね?」
そういってアークを睨み付けるランセリア。
「ああ、すぐにご用意できますので。」 パチンッ
そう答えてアークは指を鳴らした。
すると、四阿の真ん中に地面の土が盛り上がり直径1m程の円卓と2人がゆったりと座れるぐらいの扇形の椅子が3つ現れた。
更に、周りにもちょっとした物がおける台が現れた。
一瞬にして現れたそれらは凄く凝った意匠が施されている。勿論、魔法で硬質化された状態である。
「い、一瞬で…」
「す、すごいわね…」
「さあ、お好きなところへお座りください。」
そういって、着席を促したアークに従い、3人はそれぞれ、席に座る。
とりあえずは第一関門突破である。
「では、皆さんお疲れでしょうから、クッキーはいかがですか?」
「「「ええ、いただくわ。」」」
3人は声を揃える。
「では、こちらを。」
そういって、無限収納からクッキーを取り出す。
どうやら、アークは迷宮都市ラビリウムの食材ダンジョンに通いながらもクッキー等の軽食から始まりさまざまな物を作っていたようだ。
(さて、エトムート様や他の方々が早めに来てくれることを願うしかないかな。)
周りに作った台にポット等を置き3人と話しているとちょうど、お茶を飲み終わったことに気付いたアークが言われる前にお茶を入れようとしたら何処から現れたのかわからない、3人の侍女がそれぞれにお茶をいれる。
が、3人は何でもないような顔をしている。
「!!!」
その侍女を見てアークが驚くとアイリアが、
「あら、アークは合ったことなかったかしら?城の侍女達よ。」
「あ、そうなんですね。いや、急に現れたから……」
「ああ、それは最初は私も驚きましたが、そういうものだと思いなさい。」
とランセリアが言った。
「そうですか、わかりました。」
「まあ、気付かなかったのも無理はないわ。
彼女達は…行儀見習いとして城に来ている、貴族のご令嬢以外の侍女は基本的に緊急時には王族を守る盾となったりもするから戦闘能力は高い子が多いのよ。
隠密みたいなことをやる子もいるから気配を消すのもお手のものよ。」
「なるほど、そうなんですね。」
そんな会話をしていると、後ろからアークに声を掛けられる。
「アーク殿!」
声のした方を確認したアークはハインツの顔を確認すると近づいていく。
「ああ、ハインツさん。連れてきてくれましたか?」
「ええ、陛下、公爵、辺境伯、宰相殿の4人を連れてきました。」
と言って後ろを振り返ったハインツ。
ハインツの肩越しにアークも確認すると、4人とも何とも言えない顔をしていた。
アークが臣下の礼をしようとするとレオナルドが、
「今は、礼はいらん、気にするな。」
と言いアークを止めた。
「しかし、すまんな、アークよ。うちのアイリアが…」
「それに関してはうちのフィリーナも…」
「ああ、うちのランセリアもな……」
「「「はぁぁ。」」」
3人は小さくため息をつく。
「あ、あははは。」
「さすがの私も疲れるわぃ。
こうならないように、私が建て直しの打ち合わせをしていたと言うのに、あの3人の行動力には昔から驚かされるわぃ。」
宰相であるエトムートも他の3人以上に疲れた顔をしている。
「……皆さんもご一緒にお茶でもどうですか?
エトムート様には中に別で椅子を設けますので…」
「「「「ああ、いただこう。」」」」
レオナルド、セドリック、ベイグマンはそれぞれの妻が座っている席に座り、エトムートの席は入口の所にカウンター席のような形で用意した。
「「「あら?貴方達も来たの?」」」
「「「ああ、アークが戻ってきたから連れ戻そうと思ってな…」」」
「「「むっっ!」」」
「「「まあ、とりあえず、茶にしよう。アーク、茶と茶菓子を頼む。」」」
「わかりました。」
一語一句変わらずに、見事にシンクロしていた。
「アーク殿そちらが終わったらこちらにも頼む。」
「はい、お待ちください。」
アークは6人がいるテーブルにクッキー等の軽食を多めに置いてエトムートの方へ行き、そちらにもクッキー等の軽食とお茶を出した。
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なかなか、ネタが思い付かない(´-ω-`)
いつ更新とは言えませんが、ちょこちょこと更新していきますので、温かく見守ってください。
なお、感想等ございましたら気軽にください。
メンタルが弱いので暴言等はやめてください。
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