異世界のんびり冒険日記

リリィ903

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本編

65話 本来の目的

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ちょっと人によっては不快になるかもしれないので、そういう人は流し読みしてください。

書きながら確認の為に読み返したりをしていた本人としては、ちょっと気分は下がりました。
まあ、こう言った話は今後は無いようにしますので、暖かく見守ってくださいませm(._.)m


===================


「まあ、今回のダンジョンの事はあとは騎士団側とギルド側に任せていいかな?じゅ…ギルマス。」 

「お前、また塾長って言おうとしただろ?」

「まあまあ。
それで、騎士団とギルドに任せてアーク殿はどうするんだい?」

「元々、この迷宮都市ラビリウムに来た理由は、食材集めだから色々なダンジョンに潜って食材集めをするつもりですよ。」

「食材か…
なら、あそこだろうなぁ」

「なになに?良いところがあるの?……ギルマス。」

「くっ…まあな。
一般的には食材ダンジョンと言われている、かなり特殊なダンジョンだ。」

「特殊なダンジョン?」

「ああ、一般的なダンジョンは初級ダンジョンだったり、今回、お前さんが潜った魔王級ダンジョンみたいに何フロアかおきにボス部屋があって最深部にボスと迷宮核ダンジョン・コアがあるっていう構造なんだが、この街にある食材ダンジョンは3階層しかない。」

「3階層?たったのそれだけ?ってことは初級ダンジョン?」

「いや、そこは初級だとかのくくりには当てはまらん。
まあ、あえて言うなら特殊ダンジョンって感じだな。
そこのダンジョンの階層の呼び方は上層、中層、下層と呼ばれている。」

「上層、中層、下層ってまた、ずいぶんと大雑把おおざっぱな言い方だね。」

「ああ、そのダンジョンは直径50m程の円形状の空洞の壁側に幅3m程の階段がある。
その階段を降りていくと下に続いている階段の横に幅10m、高さ20m程の通路がある。
そこが上層部になる。
それをそのまま…感覚的には5フロア分程降りていくと中層、そこから更に5フロア分程降りていくと下層になっていて階段もそこで終わりだ。
因みに、その空洞は階段から落ちることはないから安心しろ。見えない壁があるらしい。」

「へぇ~、他のダンジョンとはかなり構造が違うんだ。」

「ああ、それで、各々のフロアの通路を進んでいくとおよそ10mごとに両側の壁に扉があるんだ。
その扉の先がダンジョンのように森だったり草原だったり荒野だったり洞窟だったりとなっている。
それで、その扉が各フロアに200程ある。
今は、扉のところに番号を着けてある1-001,1-002と言った感じにな。
これは現在、扉の先ごとに食材が違うから管理の為でもあるし、自分がどこにいるかわかるようにするための措置でもある。
というのも、扉の先ではたまに繋がってるところもあるみたいなんだよ。」

「繋がってるっていうと?
1-001に入ったのに1-193とか2-065から出てきたとかそんな感じ?」

「いや、フロアを跨ぐことはないけど、そうなるな。」

「なかなか、面白いダンジョンだね。」

「ああ、そうだな。
そして、他のダンジョンと同じように上層より下層の方が出てくる魔物は強くなるし、ドロップする食材なんかの品質も良くなる。
上層と中層では扉の先は同じだから下層も同じになっていると思われる。
まあ、下層の奥の方に行って帰ってきたヤツはいないから良くわかってないけどな。」

「ん?それは、例えば1-055の先が洞窟なら2-055も洞窟ってこと?」

「ああ、そうだ。下層の手前の方も同じであると確認は出来ているから奥も同じだろうってことだな。
ああ、そうだこのダンジョンは上層、中層、下層の通路を奥まで進んでいくと正面に扉がある。
そこが、ボス部屋になっている。
入ってみないとどんなボスが出るかわからないランダム要素がある、珍しいダンジョンだな。
もちろん下層の方が強くなるが下層のボスを倒したってヤツは聞いたことないな。
扉の前に行ってビビって逃げてくるか、扉の先に行って帰ってこないかの2択だな。
あとは、そうだな調味料なんかも出るからそれも含めて食材ダンジョンなんて呼ばれるようになった。
木の実を採取するとそれが味噌だったり醤油だったりだな。」

「いいね!
早速行きたくなってきた。」

「まあ、お前さんなら心配は必要無いかもしれんが下層の奥に行くなら気を付けろよ。
ああ、それからこのダンジョンはお前さんが行くなら下層だけにしてくれ。」

「え?なんで?」

「それは特殊ダンジョンだからだ。
ダンジョンってのは基本的に初級ならE,Fランクとか初級だけどDランク以上とかCランク以上ってなってるけど、食材ダンジョンは言ってみれば色々なダンジョンの集合体だ。
フロアと扉の番号によって出てくる敵の強さが違うから推奨ランクは細かく分けてるんだ。」

どうやら、食材ダンジョンに関してはかなり細かく推奨ランクを分けているらしい。

食材ダンジョンの推奨ランクは
上層;001~070がFランク
(1-)   071~140がEランク
         141~200がDランク
中層;001~070がDランク
(2-)   071~140がCランク
         141~200がBランク
下層;001~070がBランク
(3-)   071~140がAランク
         141~200がAランク以上
となるらしい。

食材を取ってきてギルドに売るときも上層なら1-***、中層なら2-***、下層なら3-***から取ってきたと言った方が早く処理できるみたいだ。
こうも多いと番号管理の方が色々な意味で楽なようだ。

「とまあ、こんなところだな。
上層の手前は新人の冒険者はもちろんのこと街の警備隊の新兵の訓練場所にもなってるんだ、だから高ランク冒険者だとかに荒らされるのは色々と困るんだよ。」

「まあ、そりゃあ、そうだよね。」

「なるほど、食材ダンジョンなら今度ここに常駐することになる騎士団の新人の訓練にも使えるな、しかも食材ダンジョンだから野営訓練も出来そうだ。」

「ああ、新人冒険者に野営のやり方とかを教える為にも利用している。
ただし、野営をするなら扉の中にした方が良いぞ。
各層の通路で3日以上野営をするとジーという虫型の魔物が現れ始める。
詳しく調べたところ同じ人間が扉の先に行かずに通路にとどまると現れるみたいだ。
それは死体でも同じだ。
最初に発見されたのは下層の奥の方だったからな。
ソイツは食材ダンジョンの掃除屋とも言われているな。
普通はダンジョンの掃除屋と言うとスライムなんだがな。」

(ジーって?Gの事?)
アークは嫌な予感がしていた。
ギルマスが言っていたジーがGであるとするならば、黒光りしているヤツだとするならばドラゴンと対峙するよりも恐怖することになる。

「コイツは扉の先でも現れるから注意しろよ。
以前、調子に乗って食材をドロップさせまくった新人がいたんだがな、もちろん、新人に魔法鞄マジックバッグがあるわけが無いからな何回かに分けて運んでいたらしいがドロップの食材を持ち上げたらソイツらが食い荒らしていたらしい。
もちろん、それを見た奴らは大絶叫をしながら逃げてきた。
女性冒険者のパーティーだったかな?
その辺は曖昧あいまいだな」

(まさか、やはり、そうなのか?)

「扉の先も通路も最初のうちは5cm程の大きさだが、更に時間が経つと大きくなるそうだ。
それでも今までで発見されたのは最大で50cm程だと記録に残っている。
黒光りしていて、飛ぶらしいってのも記録にあるだけで俺は実際に見てないからわからん。」

(やっぱりか~!最悪だ~!ゴ●●●かよ~
ジーって呼び名は絶対に日本人が関係してんだろ!
俺の前にも転生してたヤツがいたのかよ!
しかも50cmって……)

「以前、調子に乗ってBランクになったばかりのパーティーが下層の奥の方に行って全滅したんだが、唯一戻ってきたヤツは扉の先に行ったら10mを超えるジーに追われた、仲間が喰われたと言っていた事があった。
上層や中層にはないから、下層だけなのかもしれんが扉の先にジーが大量にいるところがあるのかもな。
下層の奥の方は全部を調べられてるわけではないからな。
まあ、その件はAランク以上のヤツがいなかったのもあるが確認に行けるヤツがいなくてな、本当かどうかわからんから公式の記録には残してない。
だから、最大で50cmのジーとなっている。
まあ、詳しく聞こうにも精神がおかしくなって話を聞けるような状態じゃなかったってのもある。
ソイツはいつの間にかこの街から消えていたしな。
当時はリリアナに確認に行ってくれと言ったらボコボコにされてな、全治6ヶ月の怪我をしたんだが、何故か治療魔法を掛けてくれなかったんだ。
しばらくは話をしてくれなくなったな、たしか。」

「…………」
(さ、最悪だ~!10m超えのGってそりゃ怖いよ~!)

テンションだだ下がりのアークであった。

「まあ、このジーは虫系の魔物だから甲殻の強度がなかなかでな、脛当すねあてとかの防具にするヤツも多いんだ、だから積極的に出現させて狩ってくれても良いぞ。
それを専門にするヤツもいるぐらいだから。」

「……………」

アークは今にも吐きそうな顔をしているが、ギルマスはそれに気づく様子はない。

なお、ハインツも顔色は悪い。
どうやら、Gに嫌悪しているのはアークだけではないようだ。

平気な顔をしているゴランがおかしいのだろう……

「まあ、この辺は平気なヤツは平気だが嫌いなヤツは絶叫を上げるからなぁ。
リリアナも嫌がるし、受付の女性達も嫌がるヤツは多い。
低ランクの冒険者は気にせずに防具を着けているな。
あ、低ランクの冒険者でも女性冒険者は嫌がってるな。
その装備を着けてるヤツには近寄りもしないし、知り合いで着けようとしてるヤツを説得して辞めさせようとしてるヤツもいる。
説得に失敗した場合はなにも言わずに近寄らなくなる。」

(そりゃあ、Gを身体に着けてるヤツに近寄りたくないわな)

「まあ、なんだ、とりあえず気を付けろよ。アークも訓練に使うなら騎士団もな。」

「あ、ああ、Gの相手をするぐらいならドラゴンと戦ってた方がましだから気を付けるよ。」

「そうですね、騎士団に入った者達は嫌うものの方が多い気もしますが……
その話もしっかり伝えますので…」

とりあえず、この話は終了となった。

「と、とりあえず、しばらくは食材ダンジョンに通うから、何かあれば呼んでくれれば来るからさ。」

「「わかった。」」

こうして、アークは迷宮都市に戻っていった。
迷宮都市に戻ったアークは冒険者ギルドに行きサブマスに食材ダンジョンの話を聞いたり、宿屋に宿泊の手続きをしに行ったりとして過ごし、食材ダンジョンに通い始めた。
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