異世界のんびり冒険日記

本編

４０話 社交会①

「着いたようだな。」

そう言ったベイグマンは馬車を降りランセリアをエスコートする。

因みに、オリビアは子供達とお留守番である。
子供は１０歳からは参加することが出きるようになる。
そのためオリバーとオルガはお留守番になるので一緒にお留守番と言うわけだ。
まあ、５歳のお披露目会には出たようなので社交会の雰囲気は味わったことがあるようだ。

続いてベイクが１人で降りる。

そして、アークが降りてルーセリアをエスコートする。

「では、行くか。」

そして、城内に入っていくベイグマン達。
アーク達もあとに続く。
社交会と言ってもダンスを楽しむ者、食事を楽しむ者、お喋りを楽しむ者と様々である。
城内に入りある程度人が集まったところで社交会が始まる。

「では、ルーセリア嬢、ダンスの相手をお願いできますか？」

「ひゃい。」

緊張のあまり噛んだらしい。

ダンスをするためのスペースがあるのでそこに移動する。曲が流れているのでアークがエスコートしながら踊り始める。
踊り終わったあとに、ベイグマンが近づいてきて、
「公爵が来たから挨拶に行くぞ。」
と言った。

「わかりました。」

ルーセリアをエスコートしながら、公爵のところまで行く。

「セドリック公爵、先日は色々とありがとうございました。
改めて、こちらはアークです。」

「アーク・メイフィールド子爵です。」

「これはこれは、セドリック・アルバーノ・シボラ公爵です。先日は娘を助けていただき感謝する。」

「いえいえ、襲われていたから助けただけですので。」

「それはそうと、今日はルーセリア嬢のエスコートですかな？」

笑っているが目が笑っていない。

フィアーナを見ると頬っぺたを膨らませている。可愛い。

「アーク子爵様、先日はありがとうございました。」

そう言って頭を下げるフィアーナ。

「では、私と踊っていただけますか？」

「「「「え？」」」」

「あら？ルーセリアとは踊っていたのに私とは踊れないと？」

見てたのかと思いながらも、
「いえ、喜んでお相手させていただきます。」
と答えた。

ベイグマンとセドリックはお互いに見合わせてため息をはいた。

ランセリアとフィリーナは遠巻きに見ているようだ。

ルーセリアはと言うと
「私は踊り疲れたので端の方で休んでいますわ。」
と言ってきた。

「わかりました。行ってきますのでお食事でもしながらお待ちください。
あっ！瑠璃るりを預けておきますね。」

「わかりましたわ。」

「では、踊りましょう。」

「はい。」

ルーセリアと踊った直後に今度はフィアーナを連れて戻ってきたアークは注目の的である。

先程とは違った曲が流れ始めたのでそれに合わせて踊る。
伊達に舞踏Lv.10のスキルを持ってはいない。

そして、踊り終わってセドリックのところまで戻る。

「見事な踊りだった。が余計な噂が広がりそうだな。」

「あら？どんな噂ですの？」

フィリーナとランセリアが近くに来ていた。

「い、いや。」

「広まったって良いじゃありませんか。事実になるのですから。」

「いや、しかしだな、まだ早いと言うか。」

「「え？」」
と言いながら、フィリーナとランセリアの雰囲気が変わった。

「「ひっ！」」

声を上げるベイグマンとセドリック。
周りからも似たような声が聞こえる。

そんなやり取りをしていると、急に流れていた曲が終わり入場曲が流れ始めた。

どうやら、王族の入場らしい。

その場にいる、全員が最上位の礼をする。

「皆の者、今夜はよく集まってくれた。楽しんでいってくれ。」

そんなことを言いつつ用意された席に座る。

そして、周りはダンスを楽しむ者、食事を楽しむ者、お喋りを楽しむ者、陛下に挨拶に行く者に別れた。

少しするとベイグマンが近づいてきて、
「陛下に挨拶に行くぞ。」
と言われた。