異世界のんびり冒険日記

リリィ903

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本編

39話 始めての社交会へ

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謁見から屋敷に戻ってきて、アーク達を出迎える人の中にドレスを着た女性がいる。

「お帰りなさいませ。旦那様。」

「おぉ、オリビア、会いたかったよ。」

「ベイグマン様?こちらの女性は?」

「あぁ、アークは始めてだな。
私の第2夫人のオリビアだ。」

「オリビア・ジルベールです。
貴方の話は色々、聞いております。」

オリビアは蒼と銀が混ざったような髪の色をしていて、蒼色の目をしている。

「綺麗だ。」

アークはまたしてもそんなことを言ってしまう。

「おい、アーク!人の妻を口説くなよ!?」

「だ、大丈夫ですよ。」

「因みに、オリビアは私たちの学校の後輩になるわ。冒険者としても後輩ね。」

「そうなんですか。」

「ふふっ。」

「オリビアは土魔法が得意なので怒った時はよく、ベイグマンが地面に埋まってますわ。」

「そ、そうですか。」

そう、返事を返しながらベイグマンを見ると素早く目を反らした。

「さ、さあ、中に入って今日は早めに休もう。」

誤魔化した。

そして、次の日の朝、いつものように起きて食堂に向かう。

「おはようございます。」

「「おはよう。」」

「「おはようございます。」」

そんな挨拶を交わして席に着き朝食を食べているとベイグマンから、
「今日の夜の社交会は王城でやるからな、準備しておくように。それと、社交シーズンの時はいつもそうだが、学校に行ってる者も戻ってくるから、戻ってきたらベイクを紹介しよう。」

「あぁ、息子さんがいるんでしたね。」

「オリビアとの間にもいるぞ。
そろそろ、来るだろう?」

「おはようございます!父上!母上!」

元気よく挨拶をして男の子が入ってくる。

「おはようございます!
お父様!お母様!」

こちらも元気な女の子が入ってきた。

「アークよ。男の子の方がオリバー・ジルベール、7歳だ。
そして、女の子の方がオルガ・ジルベール5歳だ。
お前達、挨拶をしなさい。」

「こんにちは!オリバー・ジルベールです。」

「こんにちは!オルガ・ジルベールです。」

「こんにちは。アーク・メイフィールド子爵です。」

周りはそんなやり取りを微笑ましく見ている。

「さて、お前達も御飯を食べなさい。」

「「はい!」」

そして、時間が過ぎていき昼食を食べたあとベイグマンに呼ばれた。

執務室に着きノックする。

「入れ。」

「アークです。お呼びと言うことですが。」

「おお、来たか、紹介しよう。
ベイク・ジルベール 15歳、お前と同じ歳だな。」

「ベイク・ジルベールだ。
よろしく。」

「アーク・メイフィールド子爵です。よろしく。」

「なんだか、冴えない男だな!」

「ははっ。」

「ベイク!!」
そう言って拳骨を喰らわせるベイグマン。

「何故、お前は偉そうなんだ!
アークは子爵家の当主だぞ!
例えお前が辺境伯家の息子だろうと家を次ぐまでは当主の方が立場は上なんだぞ!」

「す、すいません。父上。」

「お前にはランセリアによる再教育が必要だな!」

「ち、父上!それだけはご勘弁を!」

「ならん!これは決定事項だ!
誰か!ランセリアを呼べ!」

数分後、ランセリアが来て、ベイグマンが経緯を説明するとランセリアから殺気と怒気が出てベイクに向けられる。

「ひぃぃぃぃ!」

「さあ、ベイク!
社交会まで時間はありますからね!
しっかり、教育してさしあげますわ!」

「ア、アーク助けてくれぇぇぇ!」

泣きながら助けを求めるベイクに笑顔で手を振るアークであった。
だって、怒ったランセリアの顔がめちゃくちゃ恐かったんだもん。

「さて、アーク、すまんな。
一応、アレが次期当主だ。
学校にいる間にあんな感じになってしまうとは……」

「まあ、気にしてませんよ。」

「では、夜には社交会の為に王城に行くから準備をしておくように。」

「わかりました。」

そして、時間が過ぎていき夜1の鐘が鳴る頃に準備を終えた面々が外の馬車の所に集まった。

そんな、中で見た目はカッチリキッチリ決まっているベイクがいた。
まあ、見た目はメイド達が頑張ったのだろうが、目が…目が死んでいる。

あれから5時間程ランセリアによる再教育が施されたのだから仕方ないだろう。

反対にランセリアはスッキリした顔をしている。

「全員集まったな。では、行くぞ。」

そして、馬車が出発する。
そんな馬車の中でランセリアが
「アーク!ルーセリアのエスコート宜しくね!」

「え?エスコート?」

「あら?嫌なの?」

「いえ、嫌じゃないですけど。
僕で良いんですか?」

「発表はまだだけど婚約者なんだから、大丈夫よ。周りにも良いアピールになるでしょ。」

「アイリア様とフィリーナ様が騒ぎそうな気がしますが。」

「……大丈夫よ。たぶん。」

「えぇぇぇ。」

そんな会話をしながらも王城に馬車が到着した。
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