異世界のんびり冒険日記

リリィ903

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本編

21話 孤児院への援助金は……

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「とりあえず、アーク君はルーセリアの部屋でお茶でも飲んで話でもしていて頂戴。」

とランセリアが言った。

「わかりました。」

ルーセリアが返事をする。

アークも仕方なく
「わかりました。」
と返事をした。

領主邸に泊まりである。

アークは大人しくルーセリアと部屋へ向かった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

アークとルーセリアが居なくなった部屋では。

「クソが!誰だ!孤児院への援助金を横領してるヤツは!」

「私も同じ気持ちよ!」

ランセリアから怒気が滲み出てきた。

「さて、ダイナムだけでは大変でしょうから私も行くわ。リリアンも来てね。」

「わかったわよ。」

「クソ!クソ!」

荒れるベイグマン。

「落ち着け、ここでそんなこと言ってもしょうがないだろ?」

宥めるゴアン。

しばらく、そんなやり取りがあった。

そして、夜1の鐘が鳴り大分過ぎた頃にランセリア、リリアン、ダイナムが戻って来た。

「クソ!クソ!」

「だから、落ち着けって」

まだ、やっていた。

「あなた、わかったわよ。」

「なに?誰だった?」

「リンピオ・マルセルム男爵ですね!」

「リンピオだと?よりによって、マルセルム侯爵の弟か。
なんでヤツに金の管理なんて大事なことを……」

「侯爵から好きに使えって半ば強引に押し付けられてね。断りきれなかったのよ。当時は、色々とあったから…」

「リンピオは援助金を横領していたようです。」

「やはりか!」

「はい、かなり前から少しずつ。
そして、つい先日には全てを。
どうやら、一家揃って金遣いが荒いようです。
リンピオは女遊び、酒等
妻は宝石、ドレス等
息子はリンピオと同様に女遊び、酒等々、かなりやりたい放題です。
騎士団からの巡回報告に上がってくる下町の暴力沙汰等ほとんどの出来事にリンピオの息子が関与しているようです…」

ダイナムも怒っているようだ。

「ヴァレリーはいるか!!」

ベイグマンが叫ぶと騎士姿の男が入ってくる!

「ヴァレリー・ヴィクシムここに!」

「今すぐに兵を率いてマルセルム男爵の家にいけ!
そして、必ず生かしたまま連れてこい!
喋れれば怪我は多めに見る!!!
ダイナム!お前も一緒に行け!
そして、証拠を押さえろ!」

「「はっ!かしこまりました!」」

「ランセリア、リリアンお前達はアークとルーセリアと共に食事にしてきなさい。」

「「わかったわ。」」

「私は、軽くで済ませる。」

「俺も軽くで済ませるよ。」

「すまんな。」

そして、夜2の鐘が鳴る頃にヴァレリーが帰ってきた。

「ただいま戻りました。」

「どうだった?いたか?」

「はい!申し訳ありませんが、外にお願いします。
屋敷の中には入れたくありません。」

「わかった。ゴアンも頼む。」

「わかったよ。」

外に出ると縄で縛られてボンレスハムの用な体型の男が2人と女が1人地面に座らされていた。

「よお、リンピオ。」

「これはどう言うことですかな?
夜にいきなり兵士が来たかと思えばこのような仕打ちをするとは。」

「お前に聞きたいことがあってな。
率直に聞こう。お前、孤児院への援助金を横領しているか?」

「いえ、そんなことはしていませんが。」

「だが、孤児院のものはずいぶん前から減らされていき、つい先日には打ち切られたとの話だが?」

「それは、孤児院の奴らが嘘をついて、もっと貰おうとしているのでしょう。」

「そうか、では、お前は横領はしていないのだな?。」

「はい、しておりません。」

「そうか、ならお前の屋敷の中を調べさせてもらう!
というか、もう、調べている!」

「な!なにを!ふざけるな!そんな勝手なことをして!
この縄をほどけ!」

そこへ、ダイナムが戻ってくる。

「どうだった。」

「横領の証拠を見つけました。」

そう言ったダイナムは顔色が悪い。
そこに、ランセリア、リリアンも合流する。

「何があった?」

「それが、横領に始まり、色々とやっていて、とても数えきれません!
おそらく、殺人等もやっているでしょう…」

「なんだと!?」

「えぇ、地下牢に死体こそはありませんでしたが、血の池のようになって固まっていたりしているところがあったりと本当に一つ一つあげていけばキリが無い状態です。」

「ひどすぎますわね。」

ランセリアがそんなことを言う

「被害者は街の者や田舎から出てきたばかりの者等ですね。
被害者の中には冒険者もいたようです。」

「なんだと!!」

ゴアンが驚く。

そして、ダイナムはギルドカードを渡す。5枚もあった。

「「これは」」

ギルドの2人は絶句する。

「拷問をしてもかまわん…
全てを吐かせてから処刑しろ!」

ベイグマンがそう決断をする。

「そんなことをしたら、王家から何を言われるかわかりませんぞ!
貴族を処罰できるのは王家だけなのですから!」

「構わん!表向きは屋敷に賊が押し入ったことにすれば良いからな。」

「なら、ギルド側でも制裁をさせて貰うぞ!」

「「私達もやらせて貰うわ。」」

ランセリアとリリアンからとんでもない殺気が出た。

「「「「ひっ!」」」」

ベイグマン、ゴアン、ダイナム、ヴァレリー、世間的には強い部類の4人が小さく悲鳴を上げた。

「と、とりあえずコイツらを地下牢に居れておけ、ヴァレリー。」

「はっ!」

マルセルム一家を引きずっていった。

「ダイナム、もう、夜遅いからアークとルーセリアには明日の朝、説明すると言っておいてくれ。」

「はい、かしこまりました。」
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