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探求の天使
第105話 時夫の新たなチート
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「よし!次の階に行くにはどうしたら良いんだ?」
時夫はケイティに聞いた。
「知らんにゃあ。あたしは前にこの階に来た時は移動ポータルで脱出しちゃったから」
「なるほど……」
「仕方ないです。自力で探しますか」
ルミィがよっこらしょと椅子から立ち上がる。
しかし、それは押しとどめる。
「いや、この施設に詳しい奴いるだろ。
そいつに聞こう」
「詳しい人なんて居たかしら?」
イーナが可愛らしく小首を傾げる。
中身おばあちゃんと思えない幼女っぷりだ。
天性の小悪魔かも知れん。
それはさて置き、時夫は心の中で呼びかける。
おーい!暇人いるかー?
おーい!
返事しろー!
………………………………ダメか。
「ルミィ、アルマを呼び出してくれ」
この施設内なら通信状況?が良いらしいのでルミィに迷惑かけずに行けるかと思ったがやむなし。
「アルマ様は別にここ詳しく無いですよ」
と、言いつつもルミィは祈ってくれる。
ぴかー!
「なんだ!うるさいな!私は忙しいのだぞ?」
「よし、来たな暇人。じゃあ、ちょっとレグラに案内頼みたいから、ルミィの体に来る様に言ってくれ」
ばちん!
「いたた……デコピンはもう少し優しくお願いします。
あなたは筋力の祝福をアルマ様から受けているんですよ」
「あ、そっかゴメン」
そう、時夫はまだ細マッチョだし、なんなら更に筋力ついて来た気がする。
腕に力を入れて力瘤を作って確認する。
うーん、神の祝福を感じる。マッスル。
その神がポンコツアルマじゃ無かったら良かったのになぁ。
「何にゃ……もう、あたしには何も理解できにゃいにゃ」
時夫とルミィとアルマのやり取りを黙って見ていたケイティが頭を抱えている。
「そのうち慣れるわ」
イーナがポンポンと慰める様にケイティの肩を叩いている。
しかし、身長差があるので背伸びして頑張ってる。かあいい。
――時夫、プールの方に行きなさい。
そして、そこで祈らせるのです。
あと、私はポンコツでは無い。
お、神の啓示だ!返信早いのは暇人の証拠だな。
「プールの方に行けって」
――私は暇人では無い。
伝書女神は、レグラに話が付いたので暫くは不必要。無視。
プールに来た。
「よし、ルミィもう一回祈ってご先祖様を呼び出してくれ」
日本では呼び出すにはお盆にきゅうりの聖霊馬を用意しないと行けないけど、ルミィはきゅうり無しで良いなんて素晴らしいな。
……でも、呼び出しに場所を選ぶのか。
何とか改善できたら便利なのにな。
ピカー!
目を開けたルミィの目の色が鮮やかな青になってる。
原初の神レグラを無事呼び出せた。
半日振り二度目の快挙だ。
それにしても、レグラは金色の目のアルマと比べると変化が少なくて分かりづらい。
ケイティみたいに語尾とかに変化を付けてくれれば良いのに。
「まさか目覚めて天上に帰った翌日にアルマ経由で呼び出されるとは思わなかった……」
ジトっとした目で時夫を見つめてくる。
「おお!ルミィが偶にする目付きだ。やはり血縁を感じるなぁ」
時夫はうんうんと満足げに頷いてみせる。
「貴方の様な非常識と共にあらば、不審の眼差しもよくよくするでしょう……。
それで、呼び出した理由は?」
レグラは本題をすぐに聞いてくる。
無駄口の多いアルマとは違うなぁ。
「おお!ここのフロア俺たち詳しく無いんだ。
次のフロアに行く方法教えてくれ!」
これが時夫の隠れチート能力、神様に聞いてみる、だ。
レグラとアルマは知り合い且つ、この世界に二人とも居ないのなら、天上とやらで連絡取り合えるだろうと踏んだのだ。
そして、見事ドンピシャだった。
これでこの世界で知らないことがあったら創造主レグラに何でも聞けるし、アルマは時夫のいた世界のことに詳しいので、時夫の覚えていない現代知識もアルマから手に入る。
中々役立つチートだ。
あとは、レグラをいつでも呼び出せれば言う事ないな。
レグラが時夫を呆れた顔で見てくる。
そんな顔される覚えは無いのに。
「……ここの水を抜きなさい。
そして、パズルを……いや、もう面倒だから私がやる」
レグラが何やら小声で唱えると、その場にあった水はあっという間に無くなってしまった!
その魔法には覚えがある。
「な……『乾燥』!?俺のより強力だ!」
師匠と時夫しか使えないのがステータスだったのに!!
時夫は内心ショックを受けていた。
心が砕け散りそうだ。
最強チート能力を見せつけられたモブそのものだった。
そして、レグラは底から出て来た石板的なものやその他をせっせと動かす。
ガコン……。
ゴゴゴゴゴ………………。
何かがハマった音がして、下のフロアへの階段が出現した。
何と早い仕事っぷり。
「おお!すげぇ!まさか神なのに仕事できる人か!?」
時夫の知ってる奴らと違う!
「私をアルマ達姉妹と一緒にしないで欲しい。
私は今はここの神では無いから、これ以上はできないし、天上でやる事もあるから帰る。
……この先は通路が狭いところが多いからそのつもりで」
「おう、サンキューな!」
しごでき女神はデコピン無しでさっくり帰って行った。
しゅごい。この世界はレグラが治めるべき。
――レグラは面白みが無いし、仕事を途中で放棄したり責任感が無いところがあるわよね。
脳内盗聴独り言過多女神が何か言っているが、時夫は無視した。
「あれ?階段が!?」
ルミィが階段の出現に驚いてる。
「実質俺が見つけた様なもんなんだ。凄いだろ?」
「そうなんですか?トキオ凄いです!」
時夫はここぞとばかりに有能さをアピールしてみた。
女神達に指示を出したのは時夫なので、手柄は時夫のものなのである。
ルミィも何が起きたかはわからないなりに、時夫の素晴らしさを讃えてくれている。
もっと褒めてくれても構わんよ。
「うーん……時夫くん少しズルい気がするわ」
「よし!行くぞー!」
イーナが何か言ってるが、とりあえずそれは置いておく。
時夫はサクッと階段発見まで漕ぎ着けた自分の手腕に大満足で意気揚々と階段を下りる。
「もう、あたしは疑問を持つのをやめるにゃ……」
ケイティが何やら悩みを抱えている様だ。
普段明るく振る舞ってるやつの方が、重いものを背負ってたりするもんな。
帰ったら酒でも奢ってやって、話を聞いてやるかな。
レグラが言っていたとおり、通路は狭くなっていた。
「あ!何か敵が来るにゃん!」
「『空間収納』」
時夫が本領を発揮する時が来た。
ここからは一気に行かせてもらう!
時夫はケイティに聞いた。
「知らんにゃあ。あたしは前にこの階に来た時は移動ポータルで脱出しちゃったから」
「なるほど……」
「仕方ないです。自力で探しますか」
ルミィがよっこらしょと椅子から立ち上がる。
しかし、それは押しとどめる。
「いや、この施設に詳しい奴いるだろ。
そいつに聞こう」
「詳しい人なんて居たかしら?」
イーナが可愛らしく小首を傾げる。
中身おばあちゃんと思えない幼女っぷりだ。
天性の小悪魔かも知れん。
それはさて置き、時夫は心の中で呼びかける。
おーい!暇人いるかー?
おーい!
返事しろー!
………………………………ダメか。
「ルミィ、アルマを呼び出してくれ」
この施設内なら通信状況?が良いらしいのでルミィに迷惑かけずに行けるかと思ったがやむなし。
「アルマ様は別にここ詳しく無いですよ」
と、言いつつもルミィは祈ってくれる。
ぴかー!
「なんだ!うるさいな!私は忙しいのだぞ?」
「よし、来たな暇人。じゃあ、ちょっとレグラに案内頼みたいから、ルミィの体に来る様に言ってくれ」
ばちん!
「いたた……デコピンはもう少し優しくお願いします。
あなたは筋力の祝福をアルマ様から受けているんですよ」
「あ、そっかゴメン」
そう、時夫はまだ細マッチョだし、なんなら更に筋力ついて来た気がする。
腕に力を入れて力瘤を作って確認する。
うーん、神の祝福を感じる。マッスル。
その神がポンコツアルマじゃ無かったら良かったのになぁ。
「何にゃ……もう、あたしには何も理解できにゃいにゃ」
時夫とルミィとアルマのやり取りを黙って見ていたケイティが頭を抱えている。
「そのうち慣れるわ」
イーナがポンポンと慰める様にケイティの肩を叩いている。
しかし、身長差があるので背伸びして頑張ってる。かあいい。
――時夫、プールの方に行きなさい。
そして、そこで祈らせるのです。
あと、私はポンコツでは無い。
お、神の啓示だ!返信早いのは暇人の証拠だな。
「プールの方に行けって」
――私は暇人では無い。
伝書女神は、レグラに話が付いたので暫くは不必要。無視。
プールに来た。
「よし、ルミィもう一回祈ってご先祖様を呼び出してくれ」
日本では呼び出すにはお盆にきゅうりの聖霊馬を用意しないと行けないけど、ルミィはきゅうり無しで良いなんて素晴らしいな。
……でも、呼び出しに場所を選ぶのか。
何とか改善できたら便利なのにな。
ピカー!
目を開けたルミィの目の色が鮮やかな青になってる。
原初の神レグラを無事呼び出せた。
半日振り二度目の快挙だ。
それにしても、レグラは金色の目のアルマと比べると変化が少なくて分かりづらい。
ケイティみたいに語尾とかに変化を付けてくれれば良いのに。
「まさか目覚めて天上に帰った翌日にアルマ経由で呼び出されるとは思わなかった……」
ジトっとした目で時夫を見つめてくる。
「おお!ルミィが偶にする目付きだ。やはり血縁を感じるなぁ」
時夫はうんうんと満足げに頷いてみせる。
「貴方の様な非常識と共にあらば、不審の眼差しもよくよくするでしょう……。
それで、呼び出した理由は?」
レグラは本題をすぐに聞いてくる。
無駄口の多いアルマとは違うなぁ。
「おお!ここのフロア俺たち詳しく無いんだ。
次のフロアに行く方法教えてくれ!」
これが時夫の隠れチート能力、神様に聞いてみる、だ。
レグラとアルマは知り合い且つ、この世界に二人とも居ないのなら、天上とやらで連絡取り合えるだろうと踏んだのだ。
そして、見事ドンピシャだった。
これでこの世界で知らないことがあったら創造主レグラに何でも聞けるし、アルマは時夫のいた世界のことに詳しいので、時夫の覚えていない現代知識もアルマから手に入る。
中々役立つチートだ。
あとは、レグラをいつでも呼び出せれば言う事ないな。
レグラが時夫を呆れた顔で見てくる。
そんな顔される覚えは無いのに。
「……ここの水を抜きなさい。
そして、パズルを……いや、もう面倒だから私がやる」
レグラが何やら小声で唱えると、その場にあった水はあっという間に無くなってしまった!
その魔法には覚えがある。
「な……『乾燥』!?俺のより強力だ!」
師匠と時夫しか使えないのがステータスだったのに!!
時夫は内心ショックを受けていた。
心が砕け散りそうだ。
最強チート能力を見せつけられたモブそのものだった。
そして、レグラは底から出て来た石板的なものやその他をせっせと動かす。
ガコン……。
ゴゴゴゴゴ………………。
何かがハマった音がして、下のフロアへの階段が出現した。
何と早い仕事っぷり。
「おお!すげぇ!まさか神なのに仕事できる人か!?」
時夫の知ってる奴らと違う!
「私をアルマ達姉妹と一緒にしないで欲しい。
私は今はここの神では無いから、これ以上はできないし、天上でやる事もあるから帰る。
……この先は通路が狭いところが多いからそのつもりで」
「おう、サンキューな!」
しごでき女神はデコピン無しでさっくり帰って行った。
しゅごい。この世界はレグラが治めるべき。
――レグラは面白みが無いし、仕事を途中で放棄したり責任感が無いところがあるわよね。
脳内盗聴独り言過多女神が何か言っているが、時夫は無視した。
「あれ?階段が!?」
ルミィが階段の出現に驚いてる。
「実質俺が見つけた様なもんなんだ。凄いだろ?」
「そうなんですか?トキオ凄いです!」
時夫はここぞとばかりに有能さをアピールしてみた。
女神達に指示を出したのは時夫なので、手柄は時夫のものなのである。
ルミィも何が起きたかはわからないなりに、時夫の素晴らしさを讃えてくれている。
もっと褒めてくれても構わんよ。
「うーん……時夫くん少しズルい気がするわ」
「よし!行くぞー!」
イーナが何か言ってるが、とりあえずそれは置いておく。
時夫はサクッと階段発見まで漕ぎ着けた自分の手腕に大満足で意気揚々と階段を下りる。
「もう、あたしは疑問を持つのをやめるにゃ……」
ケイティが何やら悩みを抱えている様だ。
普段明るく振る舞ってるやつの方が、重いものを背負ってたりするもんな。
帰ったら酒でも奢ってやって、話を聞いてやるかな。
レグラが言っていたとおり、通路は狭くなっていた。
「あ!何か敵が来るにゃん!」
「『空間収納』」
時夫が本領を発揮する時が来た。
ここからは一気に行かせてもらう!
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