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探求の天使
第97話 結束
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大量の銀色の虫は、既に時夫達四人の周りに来てしまっているので、今更爆破したり纏めてどうこうするのも無理だ。
ならば……!
事前準備が早速活かせる機会が訪れた!
「『空間収納』」
ドゥルルルル………………!!
時夫を中心に、狭い通路いっぱいにジェリー状の透明な物質が満たされた。
「え!これ!?」
「にゃー!ヌルヌル!」
「たすけ…………」
時夫はそのまま、女性陣から離れるために歩く。
ぴょんぴょん跳んで顔を出して息継ぎをしながら、指示を出す。
「スライムごと虫を切ってくれ!」
時夫は『空間収納』から大量のノーマルスライムを出して、内部に時夫達四人と銀色の虫をスライム内部に取り込ませたのだ。
「先に説明してくれれば逃げたのに……」
「酷いにゃ……なんにゃこれ」
「誰か……たす……」
何とか女性陣は文句を言いつつスライムの中を泳ぐように脱出する。
スライムの中で溺れかけてるイーナをルミィが腕を引っ張って引き摺り出す。
スライム内部に取り残されかけたイーナの剣はケイティが爪で掘って取り出してくれた。
「早く!虫を頼むぞ!」
スライム達は何故か時夫を優先的に狙って纏わりつく。
その性質を利用して、虫入りスライムは時夫が一手に引き受けている。
虫も足掻き、泳いでスライムからの脱出を図るが、さほど上手くいっていない。、
……いや、ほんとマジで何でスライムは俺を狙うんだろうな。
とにかく、時夫がいる限りにおいてはスライムは女性陣には全く興味が無いので、時夫だけ窒息死を気をつければ、後は作業だけだ。
ルミィが風の刃を杖に纏わせて、イーナが剣を閃かせて、ケイティは伸ばした爪を振り下ろして、懸命に泳ぐ虫を切り刻んでいく。
スライムは切られても切られてもすぐに元通りでなんのダメージも無いようだ。
時夫はぴょんぴょん頑張って顔を水面……ならぬスライム面に出して息継ぎをする。
「うーん、間抜けな戦闘だにゃあ……」
「俺が……!一番……!大変……!なんだぞ!」
ぴょんぴょん疲れてきたぴょん。
「そうですよ。虫に刺されて瘴気病になってたかも知れないんですよ。
薬で防げる瘴気量なんてたかが知れてるんですからね!」
ルミィがケイティを諌めるが、ケイティの不満顔は変わらない。
「もっと凄い冒険者だと思ったのににゃあ……」
「あら、前人未到に挑むんだもの。トラブルは付きものではなくて?」
イーナがふふふ……と笑う。
いや、溺れかけてたのに余裕だ。
年の功か。
「にゃんかイーナちゃんって妙に大人びてるって言うか……言い方が可愛く無いにゃん」
ケイティは猫耳を片手で弄りながら唇を尖らせてる。
「そうかしら……言い方ねぇ。私もにゃんって言おうかしらにゃん?」
イーナは、コテンと小首を傾げて招き猫のポーズまでするサービスを見せた。
かーわいい!
「……まあ、連続で魔獣や変な虫に襲われたのに、こんだけ余裕ぶれる子供がいるパーティなら、あたしが思ってるよりは強いんでしょうね……にゃん」
「さあ……先は長いわ。早く行きま……きゃあ!」
突然イーナの足元が崩れて落ちそうになったのを、ルミィが手を伸ばして掴んでいた。
時夫も加わり引き上げる。
「イーナさん!危なかったですね!」
ルミィが心配そうに、イーナに怪我が無いかチェックしている。
「落とし穴か……」
古典だ。落とし穴の中は竹槍みたいなのが生えていて、殺意つよつよである。
「この穴の上を塞いでる崩れる床も、時間経過で治る魔法がかけられてるのかな?」
「その技術はもっと別で活かして欲しかったですね。
現代では再現不能な魔法がこんなに散りばめられてるなんて、本当に凄いところです」
ルミィが興味深そうに崩れた床の破片を眺めている。
「あたしが先に言っておけば良かった。ごめんなさい」
ケイティが悪ふざけ無しでイーナに謝った。
「良いのよ。私もちゃんと人の話を聞いてから行動すべきだったわね」
「あたしが罠の場所を教えるし、新しく設置されてないから調べながら進むから、後ろをついてきて欲しいにゃん」
イーナの寛大な大人の対応で、ケイティの中にも多少は信頼やら信用やらが芽生えてきたのか、やる気を見せてくれるようになった。
時夫は嬉しくなってニヤリと笑う。
「おう!任せたぞ!
……ようやくチームとして纏まってきたな。
チームリーダーとしても嬉しいぞ。
あとは、チームの結束力を高めるためにも、トキオバッジはちゃんと左胸に揃えて付けておかないか?」
「いやです」
「リーダー?時夫くんが?」
「統率力なさそうにゃ」
イラスト頑張って描いたのにな……。
時夫はしょんぼり女性陣の後をついて行った。
迷宮はまだまだ続いている。
ならば……!
事前準備が早速活かせる機会が訪れた!
「『空間収納』」
ドゥルルルル………………!!
時夫を中心に、狭い通路いっぱいにジェリー状の透明な物質が満たされた。
「え!これ!?」
「にゃー!ヌルヌル!」
「たすけ…………」
時夫はそのまま、女性陣から離れるために歩く。
ぴょんぴょん跳んで顔を出して息継ぎをしながら、指示を出す。
「スライムごと虫を切ってくれ!」
時夫は『空間収納』から大量のノーマルスライムを出して、内部に時夫達四人と銀色の虫をスライム内部に取り込ませたのだ。
「先に説明してくれれば逃げたのに……」
「酷いにゃ……なんにゃこれ」
「誰か……たす……」
何とか女性陣は文句を言いつつスライムの中を泳ぐように脱出する。
スライムの中で溺れかけてるイーナをルミィが腕を引っ張って引き摺り出す。
スライム内部に取り残されかけたイーナの剣はケイティが爪で掘って取り出してくれた。
「早く!虫を頼むぞ!」
スライム達は何故か時夫を優先的に狙って纏わりつく。
その性質を利用して、虫入りスライムは時夫が一手に引き受けている。
虫も足掻き、泳いでスライムからの脱出を図るが、さほど上手くいっていない。、
……いや、ほんとマジで何でスライムは俺を狙うんだろうな。
とにかく、時夫がいる限りにおいてはスライムは女性陣には全く興味が無いので、時夫だけ窒息死を気をつければ、後は作業だけだ。
ルミィが風の刃を杖に纏わせて、イーナが剣を閃かせて、ケイティは伸ばした爪を振り下ろして、懸命に泳ぐ虫を切り刻んでいく。
スライムは切られても切られてもすぐに元通りでなんのダメージも無いようだ。
時夫はぴょんぴょん頑張って顔を水面……ならぬスライム面に出して息継ぎをする。
「うーん、間抜けな戦闘だにゃあ……」
「俺が……!一番……!大変……!なんだぞ!」
ぴょんぴょん疲れてきたぴょん。
「そうですよ。虫に刺されて瘴気病になってたかも知れないんですよ。
薬で防げる瘴気量なんてたかが知れてるんですからね!」
ルミィがケイティを諌めるが、ケイティの不満顔は変わらない。
「もっと凄い冒険者だと思ったのににゃあ……」
「あら、前人未到に挑むんだもの。トラブルは付きものではなくて?」
イーナがふふふ……と笑う。
いや、溺れかけてたのに余裕だ。
年の功か。
「にゃんかイーナちゃんって妙に大人びてるって言うか……言い方が可愛く無いにゃん」
ケイティは猫耳を片手で弄りながら唇を尖らせてる。
「そうかしら……言い方ねぇ。私もにゃんって言おうかしらにゃん?」
イーナは、コテンと小首を傾げて招き猫のポーズまでするサービスを見せた。
かーわいい!
「……まあ、連続で魔獣や変な虫に襲われたのに、こんだけ余裕ぶれる子供がいるパーティなら、あたしが思ってるよりは強いんでしょうね……にゃん」
「さあ……先は長いわ。早く行きま……きゃあ!」
突然イーナの足元が崩れて落ちそうになったのを、ルミィが手を伸ばして掴んでいた。
時夫も加わり引き上げる。
「イーナさん!危なかったですね!」
ルミィが心配そうに、イーナに怪我が無いかチェックしている。
「落とし穴か……」
古典だ。落とし穴の中は竹槍みたいなのが生えていて、殺意つよつよである。
「この穴の上を塞いでる崩れる床も、時間経過で治る魔法がかけられてるのかな?」
「その技術はもっと別で活かして欲しかったですね。
現代では再現不能な魔法がこんなに散りばめられてるなんて、本当に凄いところです」
ルミィが興味深そうに崩れた床の破片を眺めている。
「あたしが先に言っておけば良かった。ごめんなさい」
ケイティが悪ふざけ無しでイーナに謝った。
「良いのよ。私もちゃんと人の話を聞いてから行動すべきだったわね」
「あたしが罠の場所を教えるし、新しく設置されてないから調べながら進むから、後ろをついてきて欲しいにゃん」
イーナの寛大な大人の対応で、ケイティの中にも多少は信頼やら信用やらが芽生えてきたのか、やる気を見せてくれるようになった。
時夫は嬉しくなってニヤリと笑う。
「おう!任せたぞ!
……ようやくチームとして纏まってきたな。
チームリーダーとしても嬉しいぞ。
あとは、チームの結束力を高めるためにも、トキオバッジはちゃんと左胸に揃えて付けておかないか?」
「いやです」
「リーダー?時夫くんが?」
「統率力なさそうにゃ」
イラスト頑張って描いたのにな……。
時夫はしょんぼり女性陣の後をついて行った。
迷宮はまだまだ続いている。
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