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第二部
プロローグ④
しおりを挟むそう、一瞬で消し飛んだのだ。
そのレギオンが消滅した瞬間、ドロップアイテムが凄い勢いで、『ポボポポボン』とはじけて現れた。
相手はレギオンだ。
そのドロップ品もレギオンクラスである。
物によっては一体に二、三個現れるアイテムに薬師は腰に付けた小さな袋の口を開けた。
後はみなまで言わなくとも予想が付くだろう?
構造的にはとある瓢箪と同じである。
二匹の鬼を吸い込んだ瓢箪と同じで、薬師が「吸い込め」と言えばドロップ品があれよあれよと言う間に吸い込まれてしまう。
このドロップ品を討伐の証としてギルドに渡せば依頼完了となるのだ。
全て回収。
当たり前の事だった。
薬師はギルドの裏手に職員を呼ぶと、文字通り山のようになったドロップアイテムを積み上げて、
「報酬は後で取りに来ますのでよろしくお願いします」
と言うとギルドの職員受付嬢はにっこり営業スマイルを振りまきつつ、
「いえいえ、直ぐにお支払い出来ない此方の事情も御座いますので、確認と計算が終わり次第、振り込んでおきますね~」
と明るい笑顔と口調で立ち去る薬師に手を振った。
その後、
「は~、何時もながら麗しいわぁ。目の保養になるぅ~」
と、受付嬢が身悶えいた事を薬師は知らない。
もとい気にすることすらしなかった。
薬師が二日ぶりに自宅へ帰って来た時、玄関ホールに其れは其れは、美しい土下座を疲労する貴人達がいた。
逸れを薬師は、何とも言えない目を彼等に向けていた。
その表情は、何も映していない『無』そのものだ。
『怒り』『悲しみ』『憤り』、そんなものでも彼のかおに現れていれば、彼等も救われたに違いない。
責められないのが辛い。
彼の姿を認めた瞬間、その視線に恐怖を感じて。
で、現在の平伏したうえの土下座と言う訳だ。
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「四人共。もう良いから立ちなさい詳しい話を聞きましょう。宜しいですね」
と、なるだけ柔らかな口調をと心掛けて言葉を発した薬師に、
「「「「はい、わかりました」」」」
そう四人同時に声を上げたのだった。
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