私の番は薬師という名の如来様でした

黄色いひよこ

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きさらぎ駅

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現れたのは14か、あるいは15歳位の男の子と、20歳位の青年。

男の子が間髪入れずに女を見やって、思わず起こした、『ムンクの叫び』。

眉目秀麗な男の子の顔があの顔に変わると、女は、不安と緊張が吹っ飛んで、クスクスと笑ってしまった。

逸れくらい、場が和んだのだ。


「にっこうちゃん、にっこうちゃん、人がいるぅ~~っ!!」

「はっ?!  お前、何いっ、…… 」


もう一人、隣にいたイケメン青年が、女を見て驚愕する。


「マジかよぉ…………。月光、お前………… 」

「ふあぁぁぁ~っ!! 薬師様にしかられるぅ~!!  」

「の、前に奴と主達が来るから…………、仕方無い、月光、その女を安全な所へ! 」


言うが否や、女は、日光と呼ばれた青年に、腕を取られ、無理矢理立ち上がらされて、後ろに庇われた。

人っ子一人居ない筈の場所に、急に現れた美少年と美青年の2人。

女は、何がなにやら理解に苦しんでいた。


其処へ、唐突にガンッと、乱暴に反対側のドアが開いた。

跳びすさるように入って来る、新たなる人物。

その人物は、前を見据えたまま、後退る。

女からは後ろ姿しか見えないが、その人物の高身長から鑑みても、女とは考えずらい。

それに、その人物が片腕で支え持つ者を見ても、その人物が女だったのでは、容易に抱えてなどいられない。

よって。

女とイケメン2人の前に立つ人物達は、男女だと考えられた。


 
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