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社交の場
大好き
しおりを挟むいきなりな上に、俺様過ぎますよ。
ほら、その証拠に『鳩が豆鉄砲喰らった』顔をしていますよ、サクラちゃん。
勿論、周りの大人達も驚いて居ますし。
「俺だって、6年後には兄上並みにカッコ良くなってる筈だから、兄上に勝つ自信はある。サクラと俺は歳が近いみたいだから話の差異も無い。兄上に一目惚れしたのかもしれないけど、俺もサクラに一目惚れしたの。だから、」
結構朔夜も本気で訴えています。
どうせ散るなら何も言わずによりかは、と、考えたようです。
大人の中でも一番驚いて居たのは、睦月ですね。
そして多分、一番朔夜を応援するのも睦月なのだと思います。
「駄目、かな? 」
なかなか返事をしないサクラに、朔夜は、はぁっと息を吐いて気持ちを切り替えます。
「ん、やっぱいいや。ゴメンね。変なこと言って、忘れて、でも、やっぱ友達にはなれないからごめんね」
朔夜がそう言いきった途端、サクラはトレイを持ってオロオロしていた紫苑にりんごジュースを預けて朔夜に跳び付きました。
「なるっ! 朔夜のお嫁さんに、私、なるっ! 私が一目惚れしたの睦月さんじゃ無いよ!! 朔夜くんだもんっ!! 」
朔夜の首根っこにかじり付く様に腕を回して抱き付くサクラを、朔夜はそっと優しく抱きしめ返しました。
此処に小さなカップルが誕生しました。
サクラ10歳、朔夜11歳でした。
サクラを抱きしめてよしよしと頭を撫でる朔夜に、睦月が少し顔を曇らせて言いました。
「良いのかな?朔夜クンは。お前、まだ11だよ。紋章持ちのお前がこんなに早く相手を決めるなんて。大丈夫なのかい? 」
「解んないよ、そんなの。惚れてしまったんだもん。睦にぃだってそうでしょ」
お互い、耳打ちの会話です。
何かありそうですよね。
「んん? なっ、なに~? 朔夜くん,何か言った? 」
サクラが、朔夜と睦月の会話に反応して、朔夜から少し身体を離して問い掛けました。
「サクラちゃん、ん、何でもないよ。俺を好きになってくれてありがとう。大人になったら結婚してくれる? 」
「うん、する~!! お父様、良いでしょサクラ、朔夜くんのお嫁さん~っ! 」
勿論、ソートはかなり複雑な表情です。
でも愛娘のお願いですものね。
お父さん頑張れ。
応援ありがとうございます!
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