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社交の場
迎賓館という社交の場
しおりを挟むこの大日本帝国も、実は天皇制です。
そしてあります、迎賓館。
集まるのは貴族ばかりで、帝国に滞在する外国人に、国内の貴族、人間から魔人まで、称号持ちばかりの集まりです。
勿論、サクラと同じ年頃の子供もちらほらいます。
デピュタント前の御披露目のようなモノです。
貴族社会に慣れさせる為の訓練のようなものですね。
勿論、紳士淑女の礼等の教養が、窘めなければ、恥をかくのは両親ですから、余り顔を出す子供は居ないと伺えます。
そう言う事を踏まえて、此処に集まる子供はかなりお行儀が良いと言えるでしょう。
男爵位から順序良く名前を呼ばれて行き、会場入りを果たします。
侯爵位は、爵位が2番目に高いので最後の方に入場します。
此処で漸く、ストレイン侯爵家が呼ばれて入場しました。
まぁ、彼等は目立ちます。
悪目立ちとでも言いましょうか?
白雪姫の美しさに、その娘の可愛らしさ。
その父親の美丈夫ぶり(そりゃあ神様ですから)に、綺麗系親子と噂されていますが、本人達はどこ吹く風です。
噂の中心に居ながら、これまた順序良く陛下にお目通りしてその場を辞します。
ストレイン侯爵が妻と娘を紹介すると、陛下が優しく頷いてお声を掛けます。
それに対しての応えにとても緊張してサクラは何を返事したのか解らなくなる次第でした。
それでも一通り、型通りの会釈挨拶を済ませ、カチンコチンで壇上を降りました。
そして、公爵家が、4家入場と挨拶を済ませると、会の始まりです。
そうサクラは思っていました。
ですが、最後にもう1家入場して来ました。
サクラは思わずぼぅっとその一行を見詰めてしまっていました。
彼等はとても目を引いていたのですから。
先頭を颯爽と歩いて来ていたのは銀髪の長い髪を首元で縛っているだけの男の人で、髪が風に靡くように揺らめいています。
その人の瞳は赤く凛として瞬いていて、黒のスーツを着ています。
此処では燕尾服を着用の義務が有るにも関わらず、普通の黒のスーツです。
それでも、場違いには見えなかったのは、ひとえに彼自身が醸し出す雰囲気のせいなのかも知れません。
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