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「『mahiro』と言う方は、通称『氷の王子』と呼ばれる程、外見が真っ白な方だったと……。それに、10年前の写真ですけど、面影が残ってる。今の方が遥かにカッコイイですけどね。私、貴方の事、決して間違いません。真紘さん 」

「そうだね。取り繕ってるのは、首から上だけだからな、本当は全身プラチナ。気味悪いでしょ 」



私は、真紘さんの言葉に首を振る。

勿論、否定の形に。

真紘さんは、真紘さんだから。

彼が嬉しそうに破顔する。

そんな真紘さんを見て、私も嬉しい。



「俺ね、先祖返りなんだ。曾祖母が北欧民族の出でね。俺の中には曾祖母の血は、1/6しか流れて無い。なのにプラチナブロンドにグリーンアイ。モロに婆さんの血が出た。小、中の頃は本気で気味悪がられたから、眉と髪だけ黒く染めて貰った。それ以外は、何とかごまかしてね 」



淡々と語る真紘さんに、私はうんうんと頷く。



「なのに高1の夏に、義母(はは)にどうしてもひと夏のバイトで良いからと、お願いされてね。その頃、新人に移籍されたらしくて困っていたらしい。その新人の開けた穴埋めにデビューさせられた。後は、結芽も知っての通り、本人の気持ちそっちのけで『mahiro』が独り歩きしてしまった……」



真紘さんが、深い息を吐く。

辞めてしまった理由はきっと、辛くなったからだ。

大人びて見えた、プロフィールは総て謎だった。

当時、16、17歳だったんだね。

『mahiro』は。

『mahiro』くんだったんだ。



「結局、1年間止められなかったよ 」

「それなのに、また今度は私の為に…………? 」




やりたくない筈なのに、真紘さんは……。

彼が、ふっと苦笑い。




「戻りたく無いという気持ちより、誰にも結芽を性的な意味合いで触れさせたく無い、それが演技でも…………。そう思った。マネージャー失格だよ。その上、『大事な商品』を腹に乗っけてこんな事してんだから世話無いよな…………」



真紘さんはそう言って、私の中で力強く大きく育った息子さんを、私を突き上げるように動かした。


 「あんっ、もう……真紘さんってば………話してる、と、中ぅぅん……はんっ……」

「ふふっ…………結芽……話は終わり……朝まで可愛がってヤるよ………」



そう言って、真紘さんは激しく動き出した。






宣言通り、朝まで濃密な夜でした。



 
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