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③
しおりを挟む「『mahiro』と言う方は、通称『氷の王子』と呼ばれる程、外見が真っ白な方だったと……。それに、10年前の写真ですけど、面影が残ってる。今の方が遥かにカッコイイですけどね。私、貴方の事、決して間違いません。真紘さん 」
「そうだね。取り繕ってるのは、首から上だけだからな、本当は全身プラチナ。気味悪いでしょ 」
私は、真紘さんの言葉に首を振る。
勿論、否定の形に。
真紘さんは、真紘さんだから。
彼が嬉しそうに破顔する。
そんな真紘さんを見て、私も嬉しい。
「俺ね、先祖返りなんだ。曾祖母が北欧民族の出でね。俺の中には曾祖母の血は、1/6しか流れて無い。なのにプラチナブロンドにグリーンアイ。モロに婆さんの血が出た。小、中の頃は本気で気味悪がられたから、眉と髪だけ黒く染めて貰った。それ以外は、何とかごまかしてね 」
淡々と語る真紘さんに、私はうんうんと頷く。
「なのに高1の夏に、義母(はは)にどうしてもひと夏のバイトで良いからと、お願いされてね。その頃、新人に移籍されたらしくて困っていたらしい。その新人の開けた穴埋めにデビューさせられた。後は、結芽も知っての通り、本人の気持ちそっちのけで『mahiro』が独り歩きしてしまった……」
真紘さんが、深い息を吐く。
辞めてしまった理由はきっと、辛くなったからだ。
大人びて見えた、プロフィールは総て謎だった。
当時、16、17歳だったんだね。
『mahiro』は。
『mahiro』くんだったんだ。
「結局、1年間止められなかったよ 」
「それなのに、また今度は私の為に…………? 」
やりたくない筈なのに、真紘さんは……。
彼が、ふっと苦笑い。
「戻りたく無いという気持ちより、誰にも結芽を性的な意味合いで触れさせたく無い、それが演技でも…………。そう思った。マネージャー失格だよ。その上、『大事な商品』を腹に乗っけてこんな事してんだから世話無いよな…………」
真紘さんはそう言って、私の中で力強く大きく育った息子さんを、私を突き上げるように動かした。
「あんっ、もう……真紘さんってば………話してる、と、中ぅぅん……はんっ……」
「ふふっ…………結芽……話は終わり……朝まで可愛がってヤるよ………」
そう言って、真紘さんは激しく動き出した。
宣言通り、朝まで濃密な夜でした。
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