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娼婦と男を虜にするテクニック  ※

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 上から金色の瞳を見下ろして、髭面に手のひらを当てた。チクチクした感触に思わず笑みが浮かぶ。それをどう受け取ったのか、挑戦的な目でザイクスが見上げてくる。
 人差し指で、顎から喉元を辿っていく。太い首、鎖骨、盛り上がった胸筋。時々爪で引っかけば、ピクリとその体が反応する。
「ロジー」
 面白くてあちこちを指で辿っていた、甘いため息とともに名前を呼ばれた。苦笑して口づける。
 柔らな唇に、硬い髭に、高い鼻に、広い額に、形のいい耳に。
 顔のあらゆるところにキスの雨を降らせる。そうしながら、ザイクスの体に手を這わせた。逞しい肩から腕へ、胸から腹筋へ。その下へは向かわず、また肩に戻す。その間も触れるだけのキスは続ける。

 ザイクスから熱い吐息が漏れて、金色の瞳にある欲情の色が濃くなる。それを認めて私は百戦錬磨の体に跨った。割れた腹筋の上に跨った私の秘所はすでに蕩けて濡れている。それがザイクスのお腹へと直接あたっていた。私の柔らかな女性の部分が直接体に触れて、ザイクスの剛直が即座に反応する。

 欲情でぎらつき始めた黄金の瞳を見下ろしながら、ザイクスの唇に人差し指を当てる。唇をなぞるようにゆっくりと優しく指を動かした。髭が指に当たってくすぐったい。それに目を細め、下唇、上唇、そしてもう一度下唇を辿って、軽く押さえた。
「ふふっ、最高の快楽を教えてあげる」

 髭面に手を当てて口づけた。髭を辿って顎へと唇を滑らせ、喉から鎖骨、厚い胸板を唇と舌で湿らせながら移動させる。
 幾度も修羅場を潜り抜けてきただろうザイクスの傷痕を癒すかのように唇を這わせた。

 鎖骨や胸板のあちこちを唇を尖らせて啄む。範囲をわき腹や腹筋に広げていくが、胸の飾りには決して触れない。
 ちらっと目線を上げれば、ザイクスが首をもたげて私の様子をじっと見ている。欲に濡れた瞳がきらめいて、その熱を飲み下すようにして唾をのむ。快楽というよりも、私が奉仕している姿に欲情しているようだ。

 男と女では感じ方がまるで違う。男は体への愛撫にあまり反応を示さない。傭兵であるザイクスは特に反応が鈍い。
 傭兵は戦うことを強いられている。そんな傭兵が無傷でいられるはずもなく、大小さまざまな傷を負う。だが戦場で傷をいちいち気にしていては戦えない。故に、痛みに鈍感になっていくのだ。それは肌への刺激に鈍くなるという意味で、愛撫にも同じことが言える。つまり、体への快楽の刺激に対してあまり快感を得られないのだ。
 ところが、二か所だけ男でも最初から明確に快感を得られるポイントがある。

 一つはもちろん男性器。そしてもう一つは——

 私は今まで決して触れなかったザイクスの胸の突起に唐突に吸いついた。
「っ!」
 驚きと、そして快感の声が上がる。

 赤子に乳を吸わせるための乳首。だがそれが必要なのは女性だけだ。なのになぜ男性にこんなものがついているのか。
 男は女の模造品であるからだと説く人もいる。そしてただ快楽を感じるための場所だと言う人もいる。私としてはどっちでもいい。そこにあるものを使って快楽を誘うのは、当然の行為だ。
 チロチロと舌を使って舐め、唇で吸う。リップ音をわざとさせて卑猥さを煽る。チラリと見上げればザイクスの瞳と合う。目を合わせたまま舌を出し、ねっとりと先端に舌を巻き付けた。
 ザイクスの眉根がぐっと寄る。気持ちの良さに唇から熱い息が漏れ出た。男の感じている姿に、背筋がゾクゾクとする。今この時だけは、ザイクスは私の手中にある。私の支配下で快楽を与え、イかすのも焦らすのも思いのままだ。
 歯を当てて甘噛みし、唇で強く吸う。そうしながら腰の位置をずらしてザイクスの熱い剛直にお尻を擦り付けた。
 腰に巻いただけのタオルなど、簡単にめくり上げて天を衝く怒張。お尻の割れ目を押し付けて、擦り上げた。
 左の指で胸の突起を摘まみ上げ、唇は反対側の突起を咥えて愛撫する。そうしてお尻で剛直を擦り付けた。
「ぅ……っああ、凄ぇ……」
 蜜が潤滑剤の役割をしてくれる。くちゅくちゅと音が響き、その音が大きくなるたびザイクスが快楽の声を上げた。
 呼吸音が荒くなり、声が断続的になってくる頃に、私はすべての愛撫を止めた。半身を起こして見下ろせば、ザイクスが物凄く不満げな顔で見上げてくる。

「ふふっ、まだ駄目よ。もっともっと感じてくれなきゃ」
 ザイクスの金色の瞳を見つめながら、体をゆっくりと下へとずらしていく。喉仏が上下に動いて、ザイクスが生唾を飲み込んだのがわかった。
 今からする事に対する期待。そして強烈な劣情がそこから読み取れる。

 私の目の前に、ザイクスの立派な剛直があった。
 今まで相手にしてきたどの男よりも立派なものだ。太く大きく長い。特に頭頂部の傘が外側に張り出していて、くびれた形が卑猥で堪らない。

 そっと両手で持つとびくりと震える。
 ちらりと上を見上げれば、金色の瞳が欲情に濡れたままじっと見てくる。私の行動の全てを見逃すまいとするように。
 私は視線をザイクスの剛直に戻し、その傘の先端にあいさつ代わりのキスをした。さらにビクリと大きく震え、ザイクスの口から抑えきれない興奮の息が漏れた。

 ここは男性にとって大切な場所だ。急所の一つでもある。触れることに許しを得るように、私は奉仕の際は必ずそれに口付けてからするようにしている。
 恭しく捧げ持ち、竿の至る所にキスを落とす。
「はあ……」
 切なく、熱のこもった吐息が漏れて、ザイクスの眉が下がる。それを認めて今度は舌で奉仕を始める。

 チロチロと先端を舐め、竿の先から根元へと唇を滑らせていく。時々舌を出して擽り、焦らすように快感を与える。
 そうして側面を何度も往復していると、ザイクスの手が私の髪を撫でた。もっととお願いしているような行動に気を良くして、さらに奉仕に力を入れる。

 太く長く大きな彼のモノにじっとりと舌を這わせた。根元から先端部分をゆっくりと舐め上げる。傘の部分は特に丁寧に。傘に舌を巻きつかせながら、手で竿を扱くと先端から透明な液がにじみ出てきた。
 先走りを舐めとり先端を口に含んだ。そのまま舌を使って傘の部分を愛撫する。ここは女性の花芽を同じで、男性が最も快感を感じる部分だ。舌全体を使ってこねくり回し、舌をすぼめてツンツンとノックする。
 強弱をつけながら奉仕していると、先走りはとめどなく溢れてくる。頃合を見計らって、ゆっくりと竿を口に含んだ。顎が外れるんじゃないかと思うくらい彼のモノは立派で、先端を喉に押し込んでも全部は口に入らないほど長い。
「はあっ、はっ……ロジー」
 咥えただけでザイクスの呼吸が乱れた。

 彼の剛直を唇でゆっくりと扱く。口から抜くときは唇に力を入れてぎゅっとすぼめ、舌を裏筋に当てながら抜いていく。入れるときにも唇に力は入れるが、あまり力を入れすぎると歯を立ててしまう可能性があるので抜くときよりは若干弱めに。舌は先端にあてがって、喉の奥まで入り込んだら先端を舌で愛撫する。それを何度も何度も繰り返す。

 力を入れたままにしていると唇が痛くなるので、時々離して手で扱く。たっぷりと唾でぬめらせてから。そうして上目遣いでこう聞く。
「気持ちいい?」
「ああ、凄ぇ……いい」
 先端をチロチロと舐めながら、しっかりと竿を握って扱く。この時力加減をしてはいけない。よほど握力に自信がある人以外は、めいいっぱい握っても男性側は痛みを感じない。それどころかとても気持ちがいいらしい。
 考えてみれば男性は女性よりも握力があるわけで、その握力でモノを扱いて自慰をしているのだから女性の力で握りしめたとしても堪えるはずがない。力自慢のザイクスになら尚更に。

「凄く大きくて、硬い」
 言葉に手の中で怒張したモノがさらにぐんと質量を増した。

 たとえ小さくとも、たとえふにゃっとしていたとしても、こう言われて喜ばない男はいない。そしてそれは如実に剛直に現れる。竿をまた咥えて口で奉仕する。

 実際ザイクスのモノは大きくて、めいいっぱい咥えこんでも根元までは入りきらない。先端から真ん中までを口で、そこから根本までは手で扱く。
「ああ…………くっ、は……」
 快感に耽る男の声に背筋がゾクゾクする。たとえば今私がナイフを持っていたとしたら、ザイクスを簡単に殺められる。それくらい無防備になる姿を晒してくれるのが堪らない。

 過去の偉人たちは、夜伽の際に暗殺されないよう気を使ってたと聞く。女性を完全に裸にしてから夜伽をさせることもあったらしく、それでも幾人かは彼女たちに殺された。
 つまりそれだけ夢中になり、また無防備になるということだ。
 私にとっては男を虜にしている証であるだけに、この瞬間は最高に気分がいい。

 竿を咥えながら、根元についた袋にも手を回す。こちらは撫でるように優しく丁寧に。この部分は男の大切な部分であり、とても繊細な場所だ。竿と違って決して力を加えてはいけない。
 竿から唇を離し、袋にも舌を這わせた。竿と違って柔らかく、ざらっとした表面を舌全体で撫でるように舐めて、時折皮を引っ張るように軽く唇で食む。その間も竿への愛撫は欠かさない。竿を握りこんで扱き、先端を指で円を描くように優しく撫でる。
「うっ、ああ……」
 袋から竿の裏筋を辿って先端まで舐め上げた。裏筋もまた快感のポイントで、ザイクスは眉根を寄せて快感に耐えている。
 客相手なら時間を考えながら適当に切り上げるが、今夜は時間など関係ない。たっぷりと可愛がって快楽を与え、忘れられない快感を体に刻んでいく。

 竿を唇で扱き、唇が疲れると舌で袋から竿を舐め上げる。緩急をつけて愛撫を繰り返せば、ザイクスの息がまた上がる。

 だんだんと呼吸が荒くなり、唇から快楽の吐息が絶え間なく漏れ出る頃に仕上げに入る。

 一旦唇を離して一呼吸置き、それからまた竿を咥えこんだ。この時できる限り口内を竿に密着させる。もちろん歯は立てないように十分に気をつけながら。
 素早く引き抜いてすぐにまた咥えこむ。密着させた口内の感触は膣に近い。膣内と違うのは舌で愛撫できることだ。先端を中心に様々なところに舌を当てながら、子種を絞り出すように唇に力を入れて素早く出し入れを繰り返す。
 途端にザイクスが苦しげに息を吐く。
「くっ、ああっ……ロジー、出ちまうっ」
 出るから離してほしいのか、出るから続けてほしいのか。大体は後者だ。そしてそれを裏付けるように、私の頭に添えられた手に力が入る。後押しするように、もっと奥まで咥えろと言うように。

 硬い腹筋にぐっと力が入った。ザイクスの唇から感極まったら声が上がる。口の中のモノが膨張するように膨らみ、そして弾けた。
 口の中に彼の迸りを受ける。大量に出たそれを口内ですべて受けとめ、ビクビクと震える竿から唇をずらすように引き抜いた。先端に残る子種まで丁寧に舐めとり、口の中のものを飲み下す。

 正直に言って生臭くてまずい。けれどそんなことはおくびにも出さず、ザイクスを見上げて笑みを浮かべる。

「……おいしい」
  ザイクスは途端に顔を真っ赤に染めて破顔した。

 ザイクスが客ならここまではしない。適当なところで入れて、中で出させておしまいだ。一度出すと男は大抵満足するからだ。その一度で色々なことをさせて客を満足させるのが娼婦の仕事だ。
 ザイクスもそうだ。
 出した後の剛直は、先ほどの硬さも大きさもなく、くたりと力をなくして萎れてしまっている。

 私は誇るように胸を反らしてザイクスを見下ろした。

 荒い呼吸を整えているザイクスの髭面を撫でる。先ほどまでのギラギラとしていた瞳の光は消え、ぼんやりとした様子で私を見てくる。
「最高に気持ちよかったでしょ。色事で私を落とすなんて、無理だってわかった?」
「…………無理? 俺が?」
 言うと同時に唇に笑みが浮かぶ。瞳にも光が戻り、黄色から黄金へと色が変化していく。そのあまりにも鮮やかな変わりように、思わず見とれてしまった。その一瞬の隙に、組み敷かれた。
 背中がベッドへと埋まり、上から野性的な獰猛な笑みを浮かべたザイクスが見下ろしてくる。太ももに当たってくる硬い感触に、信じられない思いでザイクスを見上げた。
「嘘でしょ。そんなすぐに……」
「欲しい女が目の前にいるんだ。何度でも勃つぞ」
 それにしたって早すぎる。
 確かに客の中には何回出しても、何度でも勃つ男がいた。しかしそれには出した後に快楽を与えてまた勃たせるという工程があった。
 出した後にザイクスには触れていない。キスの一つもしていないのに、太ももに当たるのは先ほどと同じ硬度を保った剛直。何を感じて、どれほど興奮すればこんなにすぐに回復するのか。
 驚きすぎて見上げると、唇にキスされた。私はハッとして唇を指で押さえた。
「あ……、これって」
 ザイクスがわずかに首を傾げた。
「なんだ? 変だったか」
「いえ、そうじゃなくて。今の間接チン——」
 皆まで言わさずザイクスが私の口を慌てて手でふさいだ。傭兵として鍛えているだけあって、そういうところは素早くて正確に、そして力加減をしながらもしっかりと抑えてくる。むぐむぐ唇を動かせば、ようやく大きな手が引いた。
「お前、萎えるようなこと言うなよな」
「だって本当のことだもの」
「だから!」
「それに、萎えてないわよ」
 言いながらそっと竿に手を伸ばした。軽く扱けばザイクスが切なげに顔をゆがめる。しかし、すぐにその手首を掴まれた。

「今度は、俺の番だ」

 低い声が響き、再度唇が落ちてきた。



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