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Extra3:幸せのいろどり ―透side―
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――こんな時にそれを言うなんて、ずるい。いつだって、何を考えているのか分からないのに。
目頭が熱くなるのを感じて、余計に顔を覆った両手を退けることが出来なくなってしまった。
そんな俺の横で、光樹先輩は暫く何も言わずに煙草を吸っていた。
言葉を交わさなくても、居心地のいい空気は、あの頃も確かに感じていて、
――『……あの頃、透のことも本気だった』
それは、もしかしたら本当かもしれない……と、思った。
俺もきっと、兄のように……ではなくて……。
――ただ、お互いにまだ子供で、伝える術を間違っていただけかもしれない。
**
「言っとくけど……俺も諦めてないからね。直のこと」
車で自宅のマンションの前まで送ってくれた光樹先輩が、車を降りようとする俺に、念を押すように声をかけてきた。
「分かってますよ」
そう言って運転席を見遣ると、光樹先輩は切れ長の目を細めてニヤリと口角を上げた。
「じゃあまた。送っていただいて、ありがとうございました」
「あ、それからね」
と、俺が助手席側のドアを開いたところで、思い出したように、少し言いにくそうな声にまた引き止められる。
「……俺と透が、昔……その……関係があったっていうのは、直には内緒にしておいた方がいいよ」
少し困った顔をする光樹先輩は、珍しい。
「俺は……別にどちらでもいいですけど」
「今は、まだ言わない方がいいと思う。混乱するだけだし。訊かれたら嘘つく必要もないと思うけど。高校の先輩後輩だった……だけでも、びっくりすると思うけどね」
と、言って、苦笑いを浮かべる。
「……そうですね」
俺は相槌を打ちながらも……それでもいつかは――
もしもこれからもずっと、直くんと一緒に未来も歩むのなら、いつかは本当の事を言わないといけない気はしていた。
***
光樹先輩と別れて、マンションの自分の部屋のドアを開け、電気を点けて、ホッと小さく溜め息をつく。
時計は0時を過ぎていて、静まり返った空間に時計の音が少し落ち着いた心にリズムを刻むように響く。
明日……直くんに、逢いに行こう。
この間のことを謝って、それから……ちゃんと二人で話をしたい。
これからどうなるのかは分からないけれど、全てはそこからもう一度始まると思っていた。
目頭が熱くなるのを感じて、余計に顔を覆った両手を退けることが出来なくなってしまった。
そんな俺の横で、光樹先輩は暫く何も言わずに煙草を吸っていた。
言葉を交わさなくても、居心地のいい空気は、あの頃も確かに感じていて、
――『……あの頃、透のことも本気だった』
それは、もしかしたら本当かもしれない……と、思った。
俺もきっと、兄のように……ではなくて……。
――ただ、お互いにまだ子供で、伝える術を間違っていただけかもしれない。
**
「言っとくけど……俺も諦めてないからね。直のこと」
車で自宅のマンションの前まで送ってくれた光樹先輩が、車を降りようとする俺に、念を押すように声をかけてきた。
「分かってますよ」
そう言って運転席を見遣ると、光樹先輩は切れ長の目を細めてニヤリと口角を上げた。
「じゃあまた。送っていただいて、ありがとうございました」
「あ、それからね」
と、俺が助手席側のドアを開いたところで、思い出したように、少し言いにくそうな声にまた引き止められる。
「……俺と透が、昔……その……関係があったっていうのは、直には内緒にしておいた方がいいよ」
少し困った顔をする光樹先輩は、珍しい。
「俺は……別にどちらでもいいですけど」
「今は、まだ言わない方がいいと思う。混乱するだけだし。訊かれたら嘘つく必要もないと思うけど。高校の先輩後輩だった……だけでも、びっくりすると思うけどね」
と、言って、苦笑いを浮かべる。
「……そうですね」
俺は相槌を打ちながらも……それでもいつかは――
もしもこれからもずっと、直くんと一緒に未来も歩むのなら、いつかは本当の事を言わないといけない気はしていた。
***
光樹先輩と別れて、マンションの自分の部屋のドアを開け、電気を点けて、ホッと小さく溜め息をつく。
時計は0時を過ぎていて、静まり返った空間に時計の音が少し落ち着いた心にリズムを刻むように響く。
明日……直くんに、逢いに行こう。
この間のことを謝って、それから……ちゃんと二人で話をしたい。
これからどうなるのかは分からないけれど、全てはそこからもう一度始まると思っていた。
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