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Extra3:幸せのいろどり ―透side―
(74)*
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「直が、俺に抱かれた場所だよ」
「――は? 何、言って……」
腰に回された腕を解こうと抵抗したけれど、力強い腕はびくともしない。それに、しっかりと抱きしめられた腰の奥に、何故か熱を持ち始めている。
「み、つき、せんぱ……」
「どう?気分は。気持ちよく焼酎もまわってきてるみたいだね」
そう言って、寝室のドアを開けて入っていく。
「な、あっ!」
そのまま、広い部屋の中央に置いてあるキングサイズのベッドに押し倒されてしまった。
何がなんだか分からなくて困惑している俺の顔を、光樹先輩は上から楽しそう見下ろしている。
不意に、耳朶を柔らかく指で触れられて、ゾクリと肌が粟立った。
「……ちょっと触れられただけで、敏感に反応するね」
そう言いながら、光樹先輩の手が下へと下りて、俺の中心をスラックスの上から掴むように触れてくる。
「あっ……、」
「どう? もうここ、キツいんじゃない?」
光樹先輩の言う通り、そこはスラックスの布を持ち上げて、硬く主張している。彼の手は躊躇することなく、スラックスの上で上下して、俺の中心はどんどん形を変えていく。
16歳のあの頃と同じように、俺はまたこの人に翻弄されてしまう。
「――ッ!」
――どうして……!
どうして、こんなに簡単に……彼の手中に堕ちてしまったんだろう。
思い当たる原因は、ひとつしか考えられなかった。
「さっき……っ、……何を飲ませたんですか?」
「何って……焼酎のお湯割りでしょ?」
とぼけて見せているけれど、光樹先輩の態度から、それは嘘だということは、はっきりと分かる。
自分の意思に反した身体の変化は、あの焼酎に何か入っていたのが原因だということは確かだった。
――光樹先輩はなんで、こんなことを……。
熱に浮かされたように、ぼんやりとした頭に過ぎったのは、さっき光樹先輩に言われた言葉だった。
――『ねえ透。 直があの夜、なんで俺に抱かれたのか知りたい?』
その言葉の意味って、まさか……。直くんにも薬を使ったということなのか。
「……あなたは……こんな卑怯な手を使って、直くんを……っ」
「卑怯って……! やだなぁ、俺がどんな手を使ったって言うの」
そう言って、光樹先輩は、スラックスの上から俺の中心を掴む手に力をこめる。
「あ……ッ」
「ラクにしてあげようか?」
「……ッ、やめてくださいっ!」
ベルトにかけた光樹先輩の手首を、なんとか掴んで引き剥がした。
肩で息をしながら光樹先輩を見上げれば、「さすがだね」と、嬉しそうに笑っている。
「やっぱり、直よりは意思が強いよね」
彼は、そう言いながら俺の手を取り、自分のの唇に引き寄せて、人差し指の根元から指先まで舌を這わせていく。
「?……ッ」
「どう? これ、気持ちいいでしょ?」
光樹先輩の舌の動きと、指に直接感じる熱い温度に、意思とは関係なく反応してしまう。
「……や、やめてください……」
自分の拒否する言葉が弱々しい事は分かっていても、それ以上どうすることも出来ない。
それは……この行為が気持ち良くて、止めてほしくないからだ。
「透は、嘘つきだね。本当は気持ちいいと思ってるくせに」
上目遣いで俺を見つめながら、今度は指の根元まで咥えてピストンさせる。
「直は、もっと正直だったよ」
指先を強く吸い上げて、今度は舌が指の根元へ下りていく。 指の愛撫は、感じるままに下半身へ伝わっていく。
「ほら、ここも同じように、俺の口でして欲しくなってきたでしょ?」
「……あ、ッ、」
昂るそこをスラックス越しに光樹先輩が膝をぐいぐいと押し付けてきて、俺は堪えきれない衝動に駆られてしまっていた。
「――は? 何、言って……」
腰に回された腕を解こうと抵抗したけれど、力強い腕はびくともしない。それに、しっかりと抱きしめられた腰の奥に、何故か熱を持ち始めている。
「み、つき、せんぱ……」
「どう?気分は。気持ちよく焼酎もまわってきてるみたいだね」
そう言って、寝室のドアを開けて入っていく。
「な、あっ!」
そのまま、広い部屋の中央に置いてあるキングサイズのベッドに押し倒されてしまった。
何がなんだか分からなくて困惑している俺の顔を、光樹先輩は上から楽しそう見下ろしている。
不意に、耳朶を柔らかく指で触れられて、ゾクリと肌が粟立った。
「……ちょっと触れられただけで、敏感に反応するね」
そう言いながら、光樹先輩の手が下へと下りて、俺の中心をスラックスの上から掴むように触れてくる。
「あっ……、」
「どう? もうここ、キツいんじゃない?」
光樹先輩の言う通り、そこはスラックスの布を持ち上げて、硬く主張している。彼の手は躊躇することなく、スラックスの上で上下して、俺の中心はどんどん形を変えていく。
16歳のあの頃と同じように、俺はまたこの人に翻弄されてしまう。
「――ッ!」
――どうして……!
どうして、こんなに簡単に……彼の手中に堕ちてしまったんだろう。
思い当たる原因は、ひとつしか考えられなかった。
「さっき……っ、……何を飲ませたんですか?」
「何って……焼酎のお湯割りでしょ?」
とぼけて見せているけれど、光樹先輩の態度から、それは嘘だということは、はっきりと分かる。
自分の意思に反した身体の変化は、あの焼酎に何か入っていたのが原因だということは確かだった。
――光樹先輩はなんで、こんなことを……。
熱に浮かされたように、ぼんやりとした頭に過ぎったのは、さっき光樹先輩に言われた言葉だった。
――『ねえ透。 直があの夜、なんで俺に抱かれたのか知りたい?』
その言葉の意味って、まさか……。直くんにも薬を使ったということなのか。
「……あなたは……こんな卑怯な手を使って、直くんを……っ」
「卑怯って……! やだなぁ、俺がどんな手を使ったって言うの」
そう言って、光樹先輩は、スラックスの上から俺の中心を掴む手に力をこめる。
「あ……ッ」
「ラクにしてあげようか?」
「……ッ、やめてくださいっ!」
ベルトにかけた光樹先輩の手首を、なんとか掴んで引き剥がした。
肩で息をしながら光樹先輩を見上げれば、「さすがだね」と、嬉しそうに笑っている。
「やっぱり、直よりは意思が強いよね」
彼は、そう言いながら俺の手を取り、自分のの唇に引き寄せて、人差し指の根元から指先まで舌を這わせていく。
「?……ッ」
「どう? これ、気持ちいいでしょ?」
光樹先輩の舌の動きと、指に直接感じる熱い温度に、意思とは関係なく反応してしまう。
「……や、やめてください……」
自分の拒否する言葉が弱々しい事は分かっていても、それ以上どうすることも出来ない。
それは……この行為が気持ち良くて、止めてほしくないからだ。
「透は、嘘つきだね。本当は気持ちいいと思ってるくせに」
上目遣いで俺を見つめながら、今度は指の根元まで咥えてピストンさせる。
「直は、もっと正直だったよ」
指先を強く吸い上げて、今度は舌が指の根元へ下りていく。 指の愛撫は、感じるままに下半身へ伝わっていく。
「ほら、ここも同じように、俺の口でして欲しくなってきたでしょ?」
「……あ、ッ、」
昂るそこをスラックス越しに光樹先輩が膝をぐいぐいと押し付けてきて、俺は堪えきれない衝動に駆られてしまっていた。
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