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Extra3:幸せのいろどり ―透side―
(54)*
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『……エロい、顔』
上唇を弄ぶように食みながら低い声で言われ、きつく閉じていた瞼を開けると、目の前の光樹先輩の妖艶な眼差しと視線が絡んだ。
『キスで、感じちゃったの?』
耳元に唇を寄せて囁いた光樹先輩の手が、俺の半身を下着の上から触れてきて、下肢から全身へ、ぞくぞくするような痺れが駆け抜けた。
キスをされている間に身体の中心に熱が集まって、どうしようもなく昂ぶっていくのを抑えることができなかった。
『――や、やめてくださいっ!』
それを知られてしまったことが恥ずかしくて、俺は慌てて光樹先輩の膝から飛び退いた。
『透?』
俺を見上げてくる光樹先輩の妖艶な眼差しも、濡れた唇も、泳いだ後のまだ少し濡れている緩くウエーブした髪も、何もかもが情欲をそそられる。
『お、俺……シャワーしてきますっ! 部室の戸締りはしておきますから、光樹先輩、先に帰っててください』
それだけ言って、タオルを手に取りバタバタと逃げるように外へ出た。
『さっきシャワーしてたじゃん』
後ろから追いかけるように、光樹先輩の声が小さく聞こえた気がしたのを、気付かないふりをして。
***
冷たいシャワーの飛沫を頭から浴びて、なんとか熱を沈めようとした。けど、何も考えないようにしようとしても、さっきのキスの感覚が蘇ってくる。
振り払っても、振り払っても、消えない。それどころか意に反して、そこは更に硬く勃ち上がる。
『……う……っ……』
堪らずに、熱く猛る自身に指を絡め、きつめに上下させた。
『……は……ッ……ッ……』
熱の篭った吐息を吐きながら、登り詰めていく。
『……くっ……う……み、つき、せんっ……ッ』
その瞬間、光樹先輩のキスを思い出して……。放った白濁がシャワー室の床に飛び散って、水に洗われていく。
『――ッーハァ……は……ぁ……ッ……』
途端、襲ってくる罪悪感。
男である光樹先輩と初めてのキスをしたことも、そのことを思い出しながら自慰したことも、何もかもが後ろめたかった。
これから光樹先輩にどう接すればいいのか、分からなくなりそうだった。
――なのに……。
部室に戻ると、先に帰ったとばかり思っていた光樹先輩は、俺のことを待っていて……。
『腹減ったな。透、帰りに何か食いに行こ』
俺の心配をよそに、いたって普段通りに話しかけてくる光樹先輩に、内心ホッとした。
さっきのは光樹先輩のいつもの悪い冗談で、俺はそれに、まんまと乗せられてしまった程度に考えれば、シャワー室のことも、俺の中の深いところに鍵をかけて忘れてしまえばいい。と、そう思っていた。
――だけど……。
光樹先輩の言う、『キスの授業』は、それだけで終わらなかった。
上唇を弄ぶように食みながら低い声で言われ、きつく閉じていた瞼を開けると、目の前の光樹先輩の妖艶な眼差しと視線が絡んだ。
『キスで、感じちゃったの?』
耳元に唇を寄せて囁いた光樹先輩の手が、俺の半身を下着の上から触れてきて、下肢から全身へ、ぞくぞくするような痺れが駆け抜けた。
キスをされている間に身体の中心に熱が集まって、どうしようもなく昂ぶっていくのを抑えることができなかった。
『――や、やめてくださいっ!』
それを知られてしまったことが恥ずかしくて、俺は慌てて光樹先輩の膝から飛び退いた。
『透?』
俺を見上げてくる光樹先輩の妖艶な眼差しも、濡れた唇も、泳いだ後のまだ少し濡れている緩くウエーブした髪も、何もかもが情欲をそそられる。
『お、俺……シャワーしてきますっ! 部室の戸締りはしておきますから、光樹先輩、先に帰っててください』
それだけ言って、タオルを手に取りバタバタと逃げるように外へ出た。
『さっきシャワーしてたじゃん』
後ろから追いかけるように、光樹先輩の声が小さく聞こえた気がしたのを、気付かないふりをして。
***
冷たいシャワーの飛沫を頭から浴びて、なんとか熱を沈めようとした。けど、何も考えないようにしようとしても、さっきのキスの感覚が蘇ってくる。
振り払っても、振り払っても、消えない。それどころか意に反して、そこは更に硬く勃ち上がる。
『……う……っ……』
堪らずに、熱く猛る自身に指を絡め、きつめに上下させた。
『……は……ッ……ッ……』
熱の篭った吐息を吐きながら、登り詰めていく。
『……くっ……う……み、つき、せんっ……ッ』
その瞬間、光樹先輩のキスを思い出して……。放った白濁がシャワー室の床に飛び散って、水に洗われていく。
『――ッーハァ……は……ぁ……ッ……』
途端、襲ってくる罪悪感。
男である光樹先輩と初めてのキスをしたことも、そのことを思い出しながら自慰したことも、何もかもが後ろめたかった。
これから光樹先輩にどう接すればいいのか、分からなくなりそうだった。
――なのに……。
部室に戻ると、先に帰ったとばかり思っていた光樹先輩は、俺のことを待っていて……。
『腹減ったな。透、帰りに何か食いに行こ』
俺の心配をよそに、いたって普段通りに話しかけてくる光樹先輩に、内心ホッとした。
さっきのは光樹先輩のいつもの悪い冗談で、俺はそれに、まんまと乗せられてしまった程度に考えれば、シャワー室のことも、俺の中の深いところに鍵をかけて忘れてしまえばいい。と、そう思っていた。
――だけど……。
光樹先輩の言う、『キスの授業』は、それだけで終わらなかった。
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