278 / 351
Extra3:幸せのいろどり ―透side―
(43)*
しおりを挟む
先端から溢れる先走りを指に絡め、全体に伸ばすようにゆるゆると扱いていく。
「……は、ぁ……、やッ……、あ」
堪えきれないような声が、直くんの唇から落ちてくる度に煽られる。
もっと感じて欲しくて、先走りが止め処なく滲み出てくる先端に唇を寄せて、甘い蜜を味わうように舌でなめ取った。
「ちょッ、あッ……、あ」
そのまま先端から咥内へ咥え込み、軽く吸い上げながら上下させると、倒したシートに身を委ねていた直くんが、上体を起こして俺の肩を力の入らない手で押して抵抗する。
「と、ぉるさん、ダメッ……やめっ、」
「直くんは、夜景を観ながら、ただ感じてて」
俺に、こんなことをされている事も、俺の咥内の温度も、全部、身体で覚えておいて欲しい。
直くんが俺から離れてしまって、もう逢うことも無くなってしまっても、記憶の片隅に憶えておいて欲しい。
「ぁーーッ! だ、だめ……ッ」
もう限界に近い直くんの裏筋を舐めて、カリを刺激して、蜜口を舌先でなぞれば、直くんは背中を反らしながら快感の声をあげる。
俺の唾液と直くんの先走りの混ざり合う水音が、車の中に厭らしく響いていた。
喉に当たる程奥まで飲み込んで苦しいけれど、俺も直くんの全てを憶えておきたかった。
逢う度にこうやって、お互いの温もりを教え合って、いつまでも忘れずにいたいなんて思っていた。
「は……ァッ、あッ、もっ……、出るッ、離し…っ! イクッ……ッ」
焦った声と共に、直くんが俺の頭に手を伸ばして引き放そうとする。その瞬間、ドクドクと脈打ちながら、熱い飛沫が咥内に吐き出され広がっていく。
その熱さ、匂い、味も、全てを忘れないように、最後の一滴まで搾り取るように吸い上げて、全部喉へと飲み干していった。
***
直くんの服と髪の乱れを整えながら、名残惜しくて何度も軽く直くんの唇を啄ばむようにキスをした。
「そろそろ帰ろうか」と、俺が言うと、「え、もう?」なんて応えてくれる。
そんなひとことが、俺にはどれ程嬉しいか、分かってて言ってるんだろうか。
「ん? 何? 口でするだけじゃ、物足りなかったかな?」
俺は、軽い冗談を言うことでしか、そんな気持ちを隠す術を知らなかった。
「……は、ぁ……、やッ……、あ」
堪えきれないような声が、直くんの唇から落ちてくる度に煽られる。
もっと感じて欲しくて、先走りが止め処なく滲み出てくる先端に唇を寄せて、甘い蜜を味わうように舌でなめ取った。
「ちょッ、あッ……、あ」
そのまま先端から咥内へ咥え込み、軽く吸い上げながら上下させると、倒したシートに身を委ねていた直くんが、上体を起こして俺の肩を力の入らない手で押して抵抗する。
「と、ぉるさん、ダメッ……やめっ、」
「直くんは、夜景を観ながら、ただ感じてて」
俺に、こんなことをされている事も、俺の咥内の温度も、全部、身体で覚えておいて欲しい。
直くんが俺から離れてしまって、もう逢うことも無くなってしまっても、記憶の片隅に憶えておいて欲しい。
「ぁーーッ! だ、だめ……ッ」
もう限界に近い直くんの裏筋を舐めて、カリを刺激して、蜜口を舌先でなぞれば、直くんは背中を反らしながら快感の声をあげる。
俺の唾液と直くんの先走りの混ざり合う水音が、車の中に厭らしく響いていた。
喉に当たる程奥まで飲み込んで苦しいけれど、俺も直くんの全てを憶えておきたかった。
逢う度にこうやって、お互いの温もりを教え合って、いつまでも忘れずにいたいなんて思っていた。
「は……ァッ、あッ、もっ……、出るッ、離し…っ! イクッ……ッ」
焦った声と共に、直くんが俺の頭に手を伸ばして引き放そうとする。その瞬間、ドクドクと脈打ちながら、熱い飛沫が咥内に吐き出され広がっていく。
その熱さ、匂い、味も、全てを忘れないように、最後の一滴まで搾り取るように吸い上げて、全部喉へと飲み干していった。
***
直くんの服と髪の乱れを整えながら、名残惜しくて何度も軽く直くんの唇を啄ばむようにキスをした。
「そろそろ帰ろうか」と、俺が言うと、「え、もう?」なんて応えてくれる。
そんなひとことが、俺にはどれ程嬉しいか、分かってて言ってるんだろうか。
「ん? 何? 口でするだけじゃ、物足りなかったかな?」
俺は、軽い冗談を言うことでしか、そんな気持ちを隠す術を知らなかった。
0
お気に入りに追加
467
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ハルとアキ
花町 シュガー
BL
『嗚呼、秘密よ。どうかもう少しだけ一緒に居させて……』
双子の兄、ハルの婚約者がどんな奴かを探るため、ハルのふりをして学園に入学するアキ。
しかし、その婚約者はとんでもない奴だった!?
「あんたにならハルをまかせてもいいかなって、そう思えたんだ。
だから、さよならが来るその時までは……偽りでいい。
〝俺〟を愛してーー
どうか気づいて。お願い、気づかないで」
----------------------------------------
【目次】
・本編(アキ編)〈俺様 × 訳あり〉
・各キャラクターの今後について
・中編(イロハ編)〈包容力 × 元気〉
・リクエスト編
・番外編
・中編(ハル編)〈ヤンデレ × ツンデレ〉
・番外編
----------------------------------------
*表紙絵:たまみたま様(@l0x0lm69) *
※ 笑いあり友情あり甘々ありの、切なめです。
※心理描写を大切に書いてます。
※イラスト・コメントお気軽にどうぞ♪

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

Promised Happiness
春夏
BL
【完結しました】
没入型ゲームの世界で知り合った理久(ティエラ)と海未(マール)。2人の想いの行方は…。
Rは13章から。※つけます。
このところ短期完結の話でしたが、この話はわりと長めになりました。
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
ヤンキーDKの献身
ナムラケイ
BL
スパダリ高校生×こじらせ公務員のBLです。
ケンカ上等、金髪ヤンキー高校生の三沢空乃は、築51年のオンボロアパートで一人暮らしを始めることに。隣人の近間行人は、お堅い公務員かと思いきや、夜な夜な違う男と寝ているビッチ系ネコで…。
性描写があるものには、タイトルに★をつけています。
行人の兄が主人公の「戦闘機乗りの劣情」(完結済み)も掲載しています。
思い出して欲しい二人
春色悠
BL
喫茶店でアルバイトをしている鷹木翠(たかぎ みどり)。ある日、喫茶店に初恋の人、白河朱鳥(しらかわ あすか)が女性を伴って入ってきた。しかも朱鳥は翠の事を覚えていない様で、幼い頃の約束をずっと覚えていた翠はショックを受ける。
そして恋心を忘れようと努力するが、昔と変わったのに変わっていない朱鳥に寧ろ、どんどん惚れてしまう。
一方朱鳥は、バッチリと翠の事を覚えていた。まさか取引先との昼食を食べに行った先で、再会すると思わず、緩む頬を引き締めて翠にかっこいい所を見せようと頑張ったが、翠は朱鳥の事を覚えていない様。それでも全く愛が冷めず、今度は本当に結婚するために翠を落としにかかる。
そんな二人の、もだもだ、じれったい、さっさとくっつけ!と、言いたくなるようなラブロマンス。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる